ぼちぼちいこか。。。

「できない理由を探すより、できる方法を探そう」
毎日忙しく仕事に追われている方々のために、原発関連のニュース、重要な講演などの文字起こしや自分の考えをUPしています。
少しでもみなさんのお役に立てるよう頑張ります。みんなで一緒に考えて行動していきましょう! 

いつもご覧いただきありがとうございます。
「これは!」と思う記事がありましたら、ぜひ身近な方に広めていただきたくお願いいたします。

著名な識者の方のカテゴリを作りましたので、文字起こしなど幾分探しやすくなったかと思います。基本的に私がやった内容起こしは転載OKです。

多の方に届くように願っております。

後藤政志(元東芝・格納容器設計者)

9月19日【内容起こし】後藤政志氏:ストレステスト意見聴取会に関する公開意見書とこれまでの経緯を解説【ストレステストが再稼働条件に不十分な理由】@CNIC

後藤政志さんが非常に判りやすく、これまでの経緯となぜストレステストの一次評価で再稼働が不十分であるかを解説してくださっています。

技術的なところは判りにくい箇所もあるかと思いますが、勉強しながらご覧ください。

どうぞ。

ストレステスト意見聴取会に関する公開意見書 -保安院意見聴取会の終了にあたって-
http://www.ustream.tv/recorded/25520831 (49:55)


意見書はこちらの後藤政志さんのブログで読むことができます。
⇒9/18 ストレステスト意見聴取会に関する公開意見書 -保安院意見聴取会の終了にあたって-
http://gotomasashi.blogspot.com/2012/09/918.html

【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

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4月6日【内容起こし】後藤政志による大飯原発再稼働問題@APAST『このままでは日本は世界から馬鹿にされる』

※この記事は、4月5日 大飯原発、再稼働へ着々・・・【形式だけで進む再稼働手続き】に関連しています。

【動画】4月6日 後藤政志による大飯原発再稼働問題@APAST
http://www.ustream.tv/recorded/21630934 (42:26)

<追記>参考資料
【経産相HPより】
原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準

http://www.meti.go.jp/topic/data/120406-11.pdf

【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

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2月21日 【内容起こし】後藤政志氏:原発輸出と外為法の解説@CNIC『日本が原発輸出する体制にあるのか』【後半】

※この記事は、2月21日 【内容起こし】原発輸出と外為法 後藤政志氏の解説@CNIC『日本が原発輸出する体制にあるのか』【前半】の続きです。

<35:00頃~>
(後藤氏)この時に日本ではこういう武器は第1項、それで第2項からずっと15項までありまして、1項から15項が全部リスト規制となってて、2項が原子力とか核兵器、核燃料とか原子炉とか真空ポンプとかそういうのがあるんですけど、これが50項目以上あります。さらにそれが細かく指標が書いてあって、このように化学兵器、生物兵器とあって、通常兵器があって、ここまでが規制されてる。
 これ以外のものをキャッチオール規制としてる。

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2月21日 【内容起こし】後藤政志氏:原発輸出と外為法の解説@CNIC『日本が原発輸出する体制にあるのか』【前半】

※この記事は、
12月11日 ベトナム首相:「原発事故後も技術への信頼はゆるぎない」【原発輸出政策を続ける日本政府・・・】
10月29日 日本・インド:事故後中断中の原子力協定交渉を促進させることで一致・・・
10月22日 ヨルダン:原子力協定の国会承認を年末までに終えるよう要求「不可能な場合、日本企業は選定しない」
2月21日【内容起こし】小出裕章氏:斑目氏の「1次評価だけでは不十分」発言と保安院の実態【原子力寄生庁?】@たね蒔きジャーナルなどに関連しています。

私も一応日本では、工作機械やパーツなどを輸出していた経験がありますので、後藤さんの話はおさらいのように感じながら見ていましたが、こと原発輸出に関しては、倫理的なことだけでなく、アジアに占める日本の状況として何が一番恐ろしいかを最後にお話されています。
前半は難しいかもしれませんが、後半、ポイントです。

どうぞ。

【動画】2月21日 原発輸出と外為法 後藤政志氏@CNIC
http://www.ustream.tv/recorded/20598462 (70:38)

【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

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1月27日 【動画あり】井野博満氏・後藤政志氏:外国特派員協会でストレステスト意見聴取会を痛烈批判!

※この記事は、
1月23日 IAEA:「再稼働はあくまで日本政府の責任」大飯原発ストレステストの視察開始
1月20日 【関連動画あり】次回のストレステストは意見聴取会は傍聴なしで開催へ【ドイツにあって日本に無いもの】
1月18日 【追記動画あり】大荒れの第7回ストレステスト意見聴取会について【一連の流れ・・・】の続報です。
1月6日 【一部内容起こし】第6回 発電用原子炉施設の安全性に関わる総合的評価(ストレステスト)に係る意見聴取会 【『想定』と『利益相反』と『大飯の再稼働』】
1月9日 【内容起こし】井野博満氏部分「原発運転再開問題をめぐって~欧州のストレステスト批判と日本の現状」@大阪に関連しています。

原発の「審査お手盛り」と批判 安全評価で2委員
2012/01/27 18:16   【共同通信】
 政府が原発再稼働の条件としている安全評価(ストレステスト)について、経済産業省原子力安全・保安院の専門家会議委員を務める井野博満東京大名誉教授と元原子力プラント設計技術者の後藤政志氏が27日、東京都内で記者会見し「(事業者による評価の)内容はごく部分的で、審査もお手盛りだ」などと批判した

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1月10日 【内容起こし】後藤政志氏による政府事故調 中間報告解説 【後半】

※この記事は、1月10日 【内容起こし】後藤政志氏による政府事故調 中間報告解説 【前半】の続きです。


<36:10頃~>
 この辺は飛ばしまして・・・
 
 図を出しますので、ちょっとお待ちください。
 図でいくつか説明していきます。

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 これは例えば、原子炉の中の冷却と格納容器の中の冷却あるんですが、これは格納容器の中にスプレーヘッダというのがあって、ここで冷却するんですけれども、その時に本来はこのサプレッションプールのところから持ってきた水を回して入れるわけですね。
 ところが、このポンプを介してやることができなくなって、外から入れようとしたんですね。それで補助復水システムを、さらにこれもダメだった場合には、消化系。消化系っていうのは、火災・火事の時に使うわけですね。そこにこういうふうに繋ぎこむことで緊急時に中に入れられるようにしている。これをアクシデントマネージメント=過酷事故対策というんです。
 ただし、問題が有るんです。実は。
 これは繋ぎこんだからできるかというと、例えば、ここの消化系っていうのは、耐震上Sクラスになってないとかね。そうすると、地震で壊れる可能性が高いとか。だけど、もし生きてた場合には使える。そういう関係なんですね。

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1月10日 【内容起こし】後藤政志氏による政府事故調 中間報告解説 【前半】

※この記事は、
12月11日 【動画・内容起こし】石橋克彦氏講演会「『若狭原発震災』前夜の私たち」@名古屋市女性会館ホール【その①】
12月17日18日 事故調査・検証委:1号機の非常用復水器の誤認識と3号機高圧注水系の操作、「いずれも炉心溶融を早めた可能性」(後藤政志氏の解説のまとめがあります)などに関連しています。

CNICで後藤政志さんが政府事故調の中間報告書の解説をしてくださいました。
700ページにも及ぶものを読み込むのは、一般人には難しいと思い、私もまだ概要しかまだ読んでいないのですが、東京電力の出してきた技術的なものとは違い、かなり人間よりというか、そういう報告書になっているようです。

是非ご覧になってみてください。どうぞ。

【動画】
1月10日 後藤政志氏による政府事故調 中間報告解説
http://www.ustream.tv/recorded/19677262 (72:34)

《参考資料》
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
中間報告
http://icanps.go.jp/post-1.html

【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

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10月26日 【内容起こし】福島第一原発設計技師(田中三彦氏、渡辺敦雄氏、後藤政志氏):地震の揺れで機能喪失を指摘【その③】

※この記事は、10月26日 【内容起こし】福島第一原発設計技師(田中三彦氏、渡辺敦雄氏、後藤政志氏):地震の揺れで機能喪失を指摘【その②】の続きです。

<44:00頃~>
(後藤氏)
後藤政志です。
引き続きまして、格納容器の機能喪失ということで、今、最初から配管破断から配管破断があっても、格納容器というのは配管破断しても、格納容器で中に放射能・水素、すべて含めてですが、閉じ込められるという機能を持ってるわけですね。

38-1


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10月26日 【内容起こし】福島第一原発設計技師(田中三彦氏、渡辺敦雄氏、後藤政志氏):地震の揺れで機能喪失を指摘【その②】

※この記事は、10月26日 【動画・内容起こし】福島第一原発設計技師(田中三彦氏、渡辺敦雄氏、後藤政志氏):地震の揺れで機能喪失を指摘【その①】の続きです。

●原子炉冷却材喪失事故(LOCA)
原子炉の冷却系の配管などが破損したり、あるいは弁が開いたままになったりして、そこから原子炉冷却材が流出する事態を原子炉冷却材喪失事故(LOCA: Loss of Coolant Accident)という。LOCAが起こると原子炉は自動的に緊急停止するが、停止後も核燃料の中に蓄積された核分裂生成物が熱を出し続けるので、炉心が過熱して破損することを防ぐためには、十分な冷却を維持しなければならない。このためにはまず、原子炉の中の冷却材を減少しないように維持することが必要である。
万一のLOCAに備え、原子炉には非常用炉心冷却装置(ECCS)と呼ばれる安全装置が設けられていて、ポンプや窒素ガスで加圧されたタンクなどで構成されている。LOCAが起こって原子炉の中の圧力が下がると、このECCSが自動的に働いて、タンクなどに貯蔵されている低温の水を原子炉に注入する仕組みになっている。
http://www.bousai.ne.jp/vis/bousai_kensyu/glossary/ke36.html

<25:30>
(渡辺氏)
渡辺敦雄と申します。よろしくお願いします。
引き続きまして、今田中さんがご説明した、格納容器の中の配管破断、LOCA、冷却材喪失事故が起こった場合、起こったんであろうと推定しましたけれども、私は起こったことを前提として、これから
「原子炉格納容器というものに、どのような荷重がその時起こるか?生じるか?」
ということ、その結果、実際には多くの構造物が壊れる可能性を秘めているので、その辺を地震の荷重等含めて、お話していきたいと思います。
座らせていただきたいと思います。続きを読む

9月12日 【文字起こしUP】後藤政志氏解説「東電黒塗り文書について」@CNIC

※この記事は、9月12日 東電会見:汚染水処理状況と、科学技術・イノベーション委に出した黒塗り資料・・・に関連しています。

これは非常に重要なお話です。
黒塗りマニュアルの経緯と、その意味が語られています。

Bochibochiも、これを見るまではイノベーション委員会に田中三彦さんや後藤さんがアドバイザーとして入っていらっしゃったことすら、知りませんでした。
これは、みんなに知ってほしいお話だと思い、急きょ文字起こしした次第です。
技術的なことは正直全部はわかりませんが、安全に対する態度、核と原子力の情報に対する姿勢など、基本的なところは、十分に理解できると思います。
できるだけ多くの方に見てもらいたいです…!

必見です。

【動画】
2011/9/12 CNIC Ust 後藤政志氏解説 東電黒塗り文書について (36:34)
http://www.ustream.tv/recorded/17228787

【参考資料】
■「1号機」事故時運転操作手順書(2010年1月16日)(102)
http://cnic.jp/files/20100106tepco_102.pdf
 ※これ↑が黒塗り資料です・・・。鮮明です。

【追記】
東京新聞の黒塗りマニュアルに対する記事です。
東電反省ゼロ「知的財産守るため」黒塗りして「公開しないで」
9月17日 東京新聞
http://www.asyura2.com/11/genpatu16/msg/594.html

【以下、時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(上原氏)皆さん、こんばんは。原子力資料情報室の今日9月12日2回目のUst放送を始めさせていただきます。
今日も後藤さんをゲストにお招きしてお送りしますが、今日のテーマは先日、衆議院科学技術イノベーション特別委員会に提出された、東京電力の事故運転マニュアルに関する黒塗りになったマニュアルについてのお話を中心に後藤さんに説明していただきます。
よろしくお願いいたします。


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7月13日 後藤氏:ストレステストについて【ストレステスト・格納容器・緊急提言】@CNIC【その④】

<01:09:45->
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 さて、時間の関係でそろそろ終わりにしたいのだが、格納容器の破損に至る例を一つお見せする。
 炉心が溶融する。圧力容器が壊れる。すると溶融物がデブリという。溶融物デブリがペデスタル=圧力容器を支えている床の基礎、そこに落ちる。そうすとそこのデブリがドライウェルに流出して接触する場合、或いはペデスタルが破損して圧力容器が壊れる・落っこちる、或いは、圧力容器のスカートが破損する、こういうことが起こって、圧力容器が落下して、今度は格納容器が壊れていく。これは一つのシナリオ。こういうことが実は無限にある。一杯ある。そういうことを研究してきている。過酷事故というのは、そういうこと。
 これは、いつもお見せしているのもで飛ばす。
 こういう形でやっている。これを多層防護で守ろう、なんとかしようと設計で考えている。しかし多層防護が成立しないことがある。それが原子力プラントの特徴。
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 それはなぜかというと、どんなに確実でない対策を重ねても、大規模な事故は防げない。これが結論。福島の事故について考えると、津波自身が原因として考えた時に、それを防ぐシビアアクシデント対策と言っているけれど、確実ではない。つまりシビアアクシデントの発生確率、多層防護していても、発生確率が小さくなるだけで、原理的にその過酷事故を防ぐことは、原子力プラントの性格上できない。そういうふうに理解すべきだと思う。
 これは提言の話だが、私はこういう風に思っている。
 ・反応度事故を起こさないこと。
 ・炉心溶融(一部損傷も)、絶対に起こしては駄目、起こした後のことを言ってもだめ。
 ・格納容器の機能を全て喪失しないこと。
 せめてこれだけは最低限。こういうことを条件にしないと、私は運転してはいけないと思っている。
 これを突破された後は、信頼性がないから。
 アクシデントマネージメントは、信頼性が低く、安全対策として認めがたい。せめて全てに、ここが一つポイントで、もし仮に今の条件で運転をするというならば、単一故障基準を適用すべき。アクシデントマネジメントに。つまり、耐圧ベントがあったら、そのベントにひとつひとつのバルブが故障しても大丈夫なように対策をとっていく。その見込みをすべきだ。それからさらに、多重故障を考慮すべきで、多重故障に対して、つまり単一故障基準というのは、一つの機器が壊れることを言っているが、同時多発に壊れること、必要なものについては当然考えなければいけないと思う。そういうことの主要なものについてやるということは、考えていかないと原子力の??は通れない。
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 非常に対策で緊急性を要すると私が思っている項目だけを確認する。
①地震時の制御棒の挿入。特にBWR。非常に重要。
②再循環系を中心とした耐震性の確保。マークI、マークII。
③沸騰水型(BWR)圧力抑制タンクの機能喪失。これは特に地震が来た時心配。地震時のにスローシングとかが起こったときにどうなるか。マークI型、或いは他の水面運動量が結構心配。或いは損傷しないか心配。
④それとあまり詳しい話をしたことはないが、柏崎刈羽で耐震で浮上した問題に、格納容器のスタビライザーの問題があった。これは複雑な問題なので、時間を改めて話す。
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加圧水型に関しては、
①格納容器が大型で窒素封入していないので、水素爆発の危険が高い。非常にこれが怖い。これは緊急を要する。万一福島のようなことになった時、格納容器が爆発する危険性が高いので、この危険性をきちんと見直すべきだと思う。
 これは安全委員会の責任でもある。
②蒸気発生器の配管破断についても、評価と対策をきちんとやるべき。

それから加圧水型と沸騰水型の共通の問題として、
①圧力容器の照射脆化。経年プラント。特にいのぐちさんが指摘されてるように経年プラントは玄海はじめ美浜、敦賀の1号とか非常に線溶度が上がってきている心配がある。これはちょっと実力評価をして大丈夫だという言い方は非常に危ない。絶対的にこれは余裕を持って入っていないと危ない。脆性破壊というのは、起こったときどうしようもない。一気に爆発する。先ほどいったDCHと同じモードになる。
②地震による配管破損と機器の故障。これは田中光彦さんが非常に強く指摘されている。再循環ポンプ系の先ほどあったが、他にもいろんなところが地震で破損する危険性がある。原子力プラントで実は配管破断については、一部配管が破断しても、格納容器が支えられるようになれば、なんとか収束できるという設計にしている。だけど、やはり配管が多重に、いろんなところを同時にいったりして、他の機器の損傷に加わると、例えば今回の場合、もしかしてどこかの配管が壊れていて格納容器が機能喪失する、重なった時には完全にシビアアクシデントになっている。そうするとこれは非常に重要。多重故障の原因になる。
③過酷事故に至る代表的なシーケンスに対しては、安全設計上の基本的な設計を見直し
 実は私が申し上げたことは、全てもしかりに、ストレステストなるものがきちんとやるとなれば、これらを全部やるということを意味している。私はその意味でストレステストをやるべきだと思う。
 当然こういうものに対しての評価が保安院、あるいは安全委員会からなされるということを期待している。そうでないと、このプラントは運転できない、当然ではないかと私は思っている。
<01:18:00->
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 前にもお見せしている繰り返しになるが、時間に対して原子力はぐっとエネルギーが上がってしまっている。それを制御して安全装置で多重防護であって、多重防護がうまくいけばいいが、いくつも多重防護しても、確実とは限らない。確率が落ちるだけ。多重防護が成立しないで共通容易故障でバサッとやられると、一気にいってしまうというのが原子力。だからこれを防ぐ方法はないのかというのがポイント。でも残念ながら、この多重防護以外に他の方法が今ない。部分的に猶予を持たせるとかの設計があるが、そういうものを以ってしても確実に防ぐことはできないということが、原子力の特徴。
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従って、福島原発の事故原因、まだ特定されていないから、きちんと事故原因をやるべきだ。
抜本的な安全性の見直し。
起こりえないはずのシビアアクシデントが起きてしまった以上、対策は小手先では無理。

原子力安全委員会は責任を持って全ての耐震基準、安全審査指針を見直すべき。それを全プラントに適用するまでは、運転は許されない。
というのが私は自明だと思う。
もし、百歩ゆずって、ここのところに「そんなことはない、そこまでいうな」とどこかで運転しようというなら、それこそ中身を全部説明した上で、「ここに関してだけは運転せざるをえない」ということを言うべき。今は、運転をしていい条件はない。今運転しているのも、本来止まるべき。なぜかというと、事故原因と関わっている可能性があるから。怖い。
だから私は抜本的対策なしに再稼動なんかとんでもない話だと思っている。
是非これだけは、安全委員会はじめ保安院の方々、我々のために、全国日本国民のためにそういうことを考えていただきたいというのが、本当の私の真摯なる願いです。
今日の話は、ストレステスト、耐性評価、それで安全委員会と私の意見を言わせて貰った。ありがとうございました。

(澤井氏)今このような考えだと、結局事故原因がわからない、例えば地震津波についての評価もできていないと、ストレステストの試験項目自体を作れない。
(後藤氏)ですから、安全委員会の斑目さんが言ったのは、表現の中にPSA確率論的安全評価の事故シナリオをきちんと見て評価をしなさいと。ただし、確率論的にやってはいけない。確率的にやらない。絶対値で接待評価をする。私がやったのは、それ。シナリオをちゃんとやっていけば、きちんとおのずと組み込まれるはずだと、私はそういう風に理解している。
それを甘くいい加減にしてはいけない。内容的にはそういうことだと思う。
私は、この期におよんで、小手先である評価をしないとかなら、私は本当に怒ります。論外。そんなごまかし方。所謂EU流のストレステストを見ればわかる。あらゆる考えられる外的事象を全部評価するという姿勢。それでも安全性を保とうとすれば、私は当然のことだと思う。そういう姿勢を持たなかったら、原子力なんか運用する資格が全く無い。しかも日本は世界に誇る技術力を持って安全性をアピールするんだと言っている。ということは、EUが考えている以上のストレステストを日本側から提案すべき。というのが、先ほど単一故障基準の見直しとか、そういうことも含めて言っている。そこまでやって初めて日本は世界に確たる原子力の安全に対する責任を果たすとそういう風に理解している。
(澤井氏)具体的には、先ほどの試験みたいに、実際に原子炉を壊すまでやるわけにはいかない。全部コンピュータの・・・
(後藤氏)先ほどのは、なぜ破壊試験をやったかというと、計算している。大体ひずみとかどのくらいになったら壊れるかなというのを予測しているが、どの程度精度があるのかを調べるため。結果は全部解析でやる。それが評価できない部分の実験データを持っている。そういうわけで、全てにおいて実験をやんなきゃいけないということではない。
(澤井氏)今度、実際実プラントだから、全部シミュレーションになる?
(後藤氏)ただ、申し上げておきたいが、それをやったら十分安全かといったら、そんなことはない。それは、ちょっと今日は時間が無いので詳しいことは説明しきれないが、例えば、ある一つの計算でやったときに、現実のプラントを材料は実力用、でも構造は実質強度は持ってこれない。図面上から標準的な寸法を持っていくしかない。いろんなずれがある。それが実際に評価に影響を与える。私も実際にそういうデータを持っている。一度そういうことがどういうふうにずれるかをきちんとお話しします。そういうことも含めて、ストレステストというのはやったほうがいいけど、やはりそれでも完璧ではないということを是非ご理解いただきたいと思う。
(澤井氏)わかりました。今日は長くなってしまったが、ストレステストについて後藤さんにお話を伺った。
また政府のほうからもいろいろ出てくると思うので、また引き続きその問題点を考えていきたいと思う。

【以上】

失礼します。

7月13日 後藤氏:ストレステストについて【ストレステスト・格納容器・緊急提言】@CNIC【その③】


<00:50:00->
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そうは言っても、非常に解析上も難しい解析だし、実際にどうなるかというのはわからない。実際に実験をやる。アメリカでこれはサンディア国立研究所というのがニューメキシコ州の首都アルバカーキの空港の近くにある。そこのサンディア国立研究所の砂漠の真ん中で、こういう容器を作って、これに窒素ガスをいれてどんどん圧力をあげていく。そうすると、圧力とともに変形していって、最後にこれが壊れる。
 それが設計圧力が40psig=(2.5cm×2.5cm当たりに0.5kgくらいの圧力)0.29MPaくらいのオーダー。これが設計圧。これに対してどうなったかというと、結果このくらいになった。
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ここにあるが、190から195psig(=約4.75から4.88Pd)設計圧の5倍近くで壊れた。壊れ方はこの骨がついたところ。骨というのは、補強用の溶接してある部材の付け根の応力集中、ここから破壊が進んで一気に壊れた。絵は無いが、鉄板はバラバラにこなごなに飛んで、数百メートル飛んだ。つまり、鉄で出来た容器であっても、圧力をかけて壊れると、このように爆発的に壊れる。これがアメリカの実験。
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それを受けて、日本のマークII型の格納容器の上半分をモデルにして、10分の1で実験した。同じくサンディア国立研究所。これは日立製作所で作った。日本側の何人かの委員が検討会に入って一緒にやってアメリカで実験をやった。外側にコンタクトウォールという鋼製の、本当はコンクリートだが、それを鉄で作った外側の壁を設置して実験した。これは本当はこれをいれると精度が落ちる。つまり接触問題が起こって解析との付け合せが難しいのであまりやりたくなかったのだが、破片が飛び散ることを抑えるという意味で、こういう方法になった。ただし、この時は、サンディア国立研究の時に破片が何百枚だので航空機が飛んでいて、空港の近くなんです。飛行機が直撃するので、この日本が提案する格納容器の実験の時に飛行機を止めることが出来ないというのがあって、爆発的な現象を起こるということが見えるのが嫌だということで、地下壕を彫って実験した。
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 結果は、このときには、設計圧に対して、6倍近くまでは圧力で破損した。壊れたのは、機器ハッチという底に機械を抜き出すための直径4mくらいの大きなフランジ、蓋がある。その蓋の付け根のところ。格納容器の普通の板厚とは違って、こうやっ厚板で補強してある。その補強部分と薄板の部分の境目で破壊が起こった。先ほどのアメリカ側もまさにこれと同じ。応力集中部からはっきり壊れている。この亀裂が入った。このときには、外側にシールドを作ったので、爆発的なボンっとシューっと漏れて試験を終了している。
<00:54:20->
22

さて、今の話を元にこういうことをした。今の話をした格納容器の全体モデル。今は見せなかったが、格納容器のいろんな部所の計算をしている。すると、フランジが開くこと、フランジがガスケットが温度でやられること、電気配線のパーツもやられること、ここに横に温度、縦に圧力をとって、それぞれのカーブを求めた。これは、マークI改良型の分。これが設計圧。温度は171度でこの辺。それに対して実際に評価した結果は、例えば聞きハッチの貫通部、これは、赤と青は先ほどの上限・下限です。つまり最初に漏れ始めるところと、もうちょっと持ったかもしれないを両方やった。多分この辺になると漏れ始めるんじゃないの?という値。これは、うまくしたら、もっとここまで持つよね?っていうのは結構違う。これ、10キロくらい違う。これは16近く違う。こういう風にして格納容器全体のシェルはこの辺、下限がこの辺で上限がこの辺というふうにもっていった。そうするとフランジはこことここで、一番弱いところは、ここで漏れる。
そうすると4.35に対して大体2倍くらいで漏れ始めるということになった。
これが温度。ガスケットのリーク。このカーブよりこちら側はガスケット或いは電気体が壊れて漏れてしまう。
 つまり、この辺までだったら持つだろう。ただしこれは絶対ではない。なぜかというと、材料は実測を使っているし、強度計算も安全?というのが入っていない。
設計はいろんな誤差があるので、余裕を持たせる。そういう余裕の無い部分、実力値と言う。これを耐性評価と読んでいる。これがまさにストレステストの意味です。多分、こういうことをやろうとしているというふうに私は思う。
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これはマークI改良型だが、実際には、こういう形で、先ほど言った設計値がこれに対して、こういうふうに評価し、これで過酷事故の時にはこれでベントする・しないが議論になってくるということになる。
<00:57:00->
 そういうことで、格納容器のベントのことは何度も話しているので飛ばしましょう。
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 で、つまり、原子力プラントの設計条件というのは外部事象と内部事象があって、ある条件で設計する。一番問題なのは、私は設定が甘いことだと思う。
 今回真摯に見直さなければいけないのは、ストレステストいいですけど、確実にやらなければいけないことは、地震と津波の評価。まず。これが絶対条件。それについてのきちんと評価をしない限り・・・。科学的にわかる範囲で徹底的にきちんとすること。それをした上で実力テストはどうかということを素直に考えるべきだと思う。そうしていくと何がわかるかというと、非常に危険性の高いものと、まぁ少し余裕があるかもしれないという差がでる可能性はある。だからそれは絶対的なもの見方ではない。それを以って小さいもがあったら、安全だというふうにはちょっと無理がある。なぜかというと、もともと原子炉というのは、非常に厳しいものだから、それをある条件になると炉心溶融を起こしてしまうということがあるから、必ずしも確実だとは言えない。
 今回の問題は、やはり地震学の知見とプラントの設計の適応。
 これが双方持たれ合いだったと理解している。
 地震を設定する時の学者の在り方。石橋克彦さんが言っている。「こんなことでは非常に危ない、地震はそんなふうに制限できない。」
 それに対して一部の学者は、「そんなことない。」
ここが分かれ目になっている。地震については。それをプラント設計する条件として地震はどこまでかを適用する時に、また地震学を絶対化して適用していく。ここの構造の作り方が、まさに耐震性指針、或いは安全指針の問題だと思う。これは、私は、カーン?と応用の問題として、根源的な問題を含んでいると思っている。ここは、まず真摯に科学者・技術者が対応しなければいけない。
 特にできるだけ小さくしろという無言の圧力が、ずっと働いてきた。それが外に出るときには、マスコミを通じて安全神話としてずっと続いてきた。つまり外部に対して原子力プラントは「安全だ」といい続けてきた。その結果、自ら、自分たち自身が安全だと思い込んでしまった。私はそういう風に思っている。私にはそういうふうにはっきりと見えた。最初は、スリーマイル・チェルノブイリの直後は非常に心配して、安全に対して作りこみをしようというのもあったが、だんだん「そんなことはない。」
 例えば過酷事故対策によくでている。過酷事故の時に、格納容器が圧力が上がってしまう?ベントしなきゃいけないことがある?そのために格納容器ベントやると言っておきながら、「そんなことはないだろう。だからフィルターなんかつける必要ない」 
 格納容器ベントというのは、バルブはついているが、あれは開かない可能性がある。二つとも。どっちかが開かなければ終わり。そんなことだったら、せっかくつけた格納容器ベントできない、ではなくて危ない。それをちゃんと設計だったら組み込まなければいけないのに、やってない理由は、「本気でそれを考えていないから」安全かどうかを考えたら、ああはできない。だから、シビアアクシデント対策といっている、Accident Managementといっているものは、一見一生懸命、安全性を保つといっているが、実は逆で、
「安全性が担保できなくなった時に、仕方がないからやらなきゃいけないからつけたした、だけどそれが作動する可能性が低い、信頼性の低いものがついている。」
それは間違いない。だからこういうことが起こる。
 電源車の話をした。電源車を手配したが、渋滞で来られなかった、地割れがあってもこられないし、いろんな理由がある。持ってきてもつなぎこみができなかった。そういう関係がつまりこれは安全だという根底を持っているから、形だけやるからそういうことになる。対策として成立していない。
だから、今回の津波対策にしても全部そう。そういうもので部分的に対応することをもって、原子力プラントの安全性を論じるのは、私は無理があると思う。
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 そういう意味で、シビアアクシデントというのは、設計条件を???加える事象ですけど、起因事象は停電とか地震からくる機器の故障。だから今回航空機の落下もあった。ああいうものも当然考えていなければおかしい。

 はっきり申し上げて、北朝鮮の脅威の話ありましたよね?ああいう話をするなら、原子力プラントに対する飛来物の対応はとっくにしなければいけない。核兵器じゃない。通常の普通のもので突っ込まれたらそれでおしまいになってしまうから、事故でもテロでも同じ。
 それで、私の格納容器については、格納容器はどこまでもつかということを耐性評価としてやった。
26

 これ(一番左)は、時間の関係で細かくはやらないが、過酷事故のシーケンスというのは、このように検討している。
 例えばトランジットで異常な事態になって、事故とはいえないけれど不安定な状態になり、そのあと、炉心が水位が落ちて燃料が損傷し、圧力容器も損傷する。格納容器の温度上昇でこうなる。こういう一連の流れ。
 例えばこれ(一番右)だと、外部電源喪失。D/Gが故障してバッテリーも故障、今回はまさにこれ。こういうことが大体どのくらいで起こるかと、こういう検討はしている。
 だから、今回こんなことをしていなかったのではなく、考えている。でも突破されている。これが重たい。ですから、直接今回異常な事象だというが、そうではなくて、過酷事故というのは一連こうやってやっているんだから、こうやって確率を出している。
27

米国のプラントとの比較とかもやっている。日本では大体このくらいと計算している。その時に、こう見てもらうとわかるが、このPスロットルというタイプだが、TBというのがある。これがステーションブラックアウト=全電源喪失事故。日本ではこういう(上段中央)評価。実はアメリカでは(下段中央)これでだけの評価。だからアメリカでステーションブラックアウトは非常に怖いという報告書がでて、それを受けて日本もやっている。それをやった結果が皓だといっている。このくらい落ちたと。だけどそれが突破されている。ことが重たい。
 私は、そういう対策をしていない、今回初めてわからなかったのなら、「初めてだし反省します」というのはわかるが、それが判っていてこうなって、それをやっていたにも関わらず、突破されているというのが過酷事故。そこは声を大にして言いたいと思う。
 そこのところを安全委員会は、きちんと捉えて全部評価しない限りは、全く信用できない。
28

 これが、事故のシーケンス。全電源喪失事故。
 例えばどういうことかというと、これは凄くまとめてシナリオ化しているので、必ずしもこのシーケンスにはならないが、一例でいくと、最初に何らかの形で異常事象が発生し、上が成功、下が失敗。例えば反応度阻止に失敗する、つまり制御に失敗すると、そのままボンッといって、反応度事故、一発でおしまい。反応度、つまり今回成功した。だけれども、電源の確保に失敗した。これ成功すると上に行く。電源の確保に失敗すると下に行く。つまりTB。実は失敗した後、これもさらに分かれる。炉心の冷却があって格納容器が。実際はこれは、TBになっている。こういうふうにして、例えば電源が確保できた場合にも、炉心の冷却に成功・失敗。失敗した場合には、TQUXとTQUV、高圧でガスを??破損すものとか、低圧で破損するものとかに分かれる。冷却系が働く・働かない。格納容器としてどういう影響があるか。そういうことをずっとシーケンスで追いかけていく。この冷却に成功するとうまくいったなというが、でも格納容器に冷却失敗すると、やっぱり最後は駄目になる。これは、全部が成功した時には、上に成功、成功、成功とめでたく安全停止と。
 これに確率されている。そうするとどれだけの確率で停止するかと計算できる。これが確率論的安全評価と言われているもの。
ただこれ自身が非常に、すごい小さい数字になる。
(澤井氏)マイナス何乗?
(後藤氏)ものすごいです。信じられないもの。
29

ここの年っていうのは一年間に発生する確率。これは沸騰水型の場合。
7.8×10マイナス7乗/炉年。
 ちょっと信じられない。7.8×0.000000078、つまり無視しうるほど小さい確率。これ全体が。だからこんなに安全なんだから、原子力って安全だとずっと言ってきた。これはじゃぁ、どうやって考えたらいいか?炉心溶融確率をどうだすか、わからないが、例えば、今まで世界で起こった大事故3件、3基がここ数十年に起こった。そうすると20年に1回くらい起こる。とんでもない数字。桁違い。20年に1回。それを何千何百万年、それ以上にないといってきた。そうすると話が全然違う。だから交通事故より少ないとか言ってるでしょ?20年に1回というのは、とんでもない確率。
 そうすると、そういうまさに、なぜそういうことが起こるかというと、確率論的安全評価、これは、一見もっともらしく見えるが、極めて平均的な値、あるいは問題が無い時の話。東電はいろんなことで事故隠しやってますよね?これ、組み込んでいけばどんどんいっちゃう。そういうことも入っていないし、それをごまかしていないとしても、発見できなかった故障もある。人間のエラーもある。そういうものが入っていない。こんな理想的にいくとは限らない。一つので一気に変わってしまう。そういうこともあるので、これはどうやって使うかというと、私の意見は、これはこの電源確保するのは、あるやり方でやっていいかどうか、どっちのやり方のほうが得か、損か。これでやって炉心損傷は酷いから、改善する、何かやる。それで計算してみたら、「あ、改善された」そういうため使い方。私自身もこういうことに使ったことがあるから、これを技術的に否定することはない。
 ただ、この値を絶対値をもって、これを言うのは全くナンセンス。これは机上の空論もいいとこ。こういうことを言うのはもうやめてほしいし、確率論的安全評価をもとに、大規模事故を議論することはやめるべき。それは許容できない事故に対して、こういうものを持ってきてはいけない。許容できる、例えば、非常に回数が多いもの、交通事故のようにしょっちゅう起こる、それに対しては統計で扱うのは許されると思うというのが私の意見。

その④に続きます。

7月13日 後藤氏:ストレステストについて【ストレステスト・格納容器・緊急提言】@CNIC【その②】

<00:21:30->
(澤井氏)EUのストレステストの違いというか、誰が評価するのか、誰が評価するのかという違い、今のEUに関して言うと、試験は各電力会社がやり、各国当局が評価する。その後に、他の加盟国の専門かもこれを評価する。
(後藤氏)Peer reviewというやつですね。
 海外では常識なのだが、Peerreview=第3者が独立でチェックする機構を持っている。これは必ずやる。日本も形の上ではそういうことを言えるが、どうもきちんとした評価ができていないというのが現実。だからそこの構造の作り方自身が問題になっていると私は理解している。それを安全委員会がどうなの保安院がどうなのか。だけど、それを急に作りこむことを、政治の力でやるべきだといっている。つまり、政治家がきちんとそのことを理解されていない。安全性を保つとはどういうことかということを、理解していない。だから、事故調査委員会を作ってやるということで、畑村委員長以下、委員会構成でやるんだが、そのことの事故の調査っていう部分と安全性の評価をどう見るか、どう評価する。そこは、非常に大事。
 今のストレステストなるものは、事故原因調査と密接に絡んでいる。そのことは重要なこと。
 今日は全体像の話はもう一度改めてどこかでさせてもらう。
 今日は、ストレステストとはなんぞやと言われた時に、「耐性評価、耐性試験」それについて、話をさせていただく。
<00:23:30->
5

 これは、私自身は、格納容器の耐性評価という研究をしていた。その話を少しさせてもらうとイメージがわかると思う。全く同じとは言わないが、この設計を超える状態、ここ(ピンクの点線)が設計の条件。そこの想定を超えて何らかの形で冷却材喪失事故とか電源喪失事故があって、所謂メルトダウンしてしまった。するとシビアアクシデントになって、制御不能の状態になる。この状態の時に、いろんな対策をやろうとするが、格納容器はどこまで持つのかということを評価する必要がある。
 これは格納容器がどこまで持つかということを評価する、この1点においてのみ評価する。
6

 これは、マークI型、マークI改良型。ここがドライウェルといって圧力容器。炉心から万一配管が破断したり、今回も炉心溶融を起こしているが、中の容器から全部格納容器に出る、それをサプレッションプール、圧力抑制プールにベント管のところに送って冷却しながら全体を冷やす。格納容器の中に放射性物質を閉じ込める。これが特徴。
 その時に、マークI改良型というのがあり、胴の部分を太らせて、容量を大きくした。中のものを余裕を持って作る、こういう改良がされた。
7

 さらにマークII型がある。
 今回あまりマークII型はお話してこなかったが、福島でいうと6号機。第二福島もそう。柏崎もだいたいもの型。もともとマークIIはこうなっていて、ここにダイアフロムフロアという床(サプレッションチェンバーの上部)があって、この上にいろんな機器類が載っている。これは圧力容器、これ(圧力容器下部中央部分)はペレスタルというコンクリートの一部でこういう構造物。この下にプールがある。このプールにベント管を縦に入れる。これでドライウェルで吹くと、例えば配管破断が起きると、蒸気がでる。最初は窒素だけれど、ざっとふいて、ここから下で蒸気を凝縮して圧力容器に再送。これが所謂サプレッションチェンバーとか、サプレッションプール、圧力抑制室という。
 マークII改良型はこれは同じく太らせている。余裕をもたせてこういう格好になっている。これも、形は同じような格好。110万(キロワット)クラス。大体最新型はこれ。
(澤井氏)110万?
(後藤氏)110万。これはそれより小さいタイプが多い。
<00:26:45->
8

 それで、実はもう一つあって、BWR=沸騰水型、最新型。ABWRという。ABというのは、Advanced BWR。つまり改良型のBWR。大体135万キロワットクラス。原子炉建屋が合って、それに直径29mの鉄筋コンクリート製の格納容器がある。これが原子炉。(黒い部分)鉄筋コンクリート製で厚さ2m。この内側にライナが6mmの薄い鉄板。実際にはステンレスまたは鋼板が張ってある。これによって水や空気が漏れないようになっている。事故がおこったときには、この部分(炉内左上部)にいろんな機器類や配管がある。ここからもし個々で事故が起こって蒸気が出ると、このABWRは必要によっては詳しく説明するが、弁通管といってこの構造物の中から吹いてくる。ここの横から出て、ベント管へ吹く。ここにぐるりと円筒型ドーナツ型のタンクがある。これがABWR型。
このRCCVというのは、鉄筋コンクリート製格納容器のことをRainforced Concreat Containment Vessel=鉄筋コンクリート。
(澤井氏)初めて全部コンクリートでっていう?
(後藤氏)はい。これ全部コンクリート。沸騰水型では初めて。なぜかというと、(マークII型までは、)建物と格納容器が離れている。切り離してしまって自由に動く。フリースタンディング。これをABWRは建物に組み込んでいる。建物と一体になっている。いい面もあるが、???設計が難しい面もある。
(澤井氏)これは柏崎の?
(後藤氏)えぇ。これは柏崎の6,7号機、それから浜岡の5号機。志賀の2号機。それから、島根もそう。最新鋭。これはまた詳しいご説明は折を見て。格納容器は形状は円筒型。これはトップスラブとあるがフラット、平ら。だか持ち上がってしまう。これをプールの壁で押さえ込んでいる構造。
<00:39:40->
9

 さて、加圧水型の格納容器を説明すると、これは鋼製で出来ている。外側にコンクリートで少し覆っている。直径が38mで高さが80mもある。すごい。こちらは、PCCVといって、Prestressed Containment Vessel。Prestressedというのは、鉄筋なんだが、鉄筋コンクリートの中にワイヤーが入っていて引っ張る。そうするとあらかじめ引っ張っておくと、コンクリートというのは、中に鉄筋が入っていて、圧力が掛かると伸びる。コンクリートにはクラック(亀裂)が入る。鉄筋で引っ張る力を持つが、どうしてもコンクリートが割れやすい。それを割れにくくするためにあらかじめワイヤーで引っ張っておいて、Prestress=あらかじめ力を掛けて圧縮しておく。それによって、割れにくくする。Containment Vesselは格納容器。PCCV。このときには、直径が非常に大きい。43m。高さが67mもある。この厚さが1.3mしかない。どういうことかというと、板厚は容器の直径に比例する。直径が例えば30mだったのが60mになったら2倍。そうすると30mの格納容器と60mの格納容器、直径が違うと、板厚は単純に2倍になる。だから本来は1.3mとかじゃ済まない。これはなぜかというとPrestressで非常に強くしているから。Prestressが効いているからこれ。Prestressの問題点もある。Prestressを掛けたが緩んでしまった。緩んでしまうと持たない。だから、そういうふうに高性能のものはその機能を失うと大変なことになる。だから、日本ではないが、アメリカではPrestressを使っていないから壁厚が2.何メータある。そういう特徴がある。
 それと、加圧水型の特徴は、圧力抑制プールが無いこと。つまり、ここで配管があったり蒸気が出たり、全部この中でこの圧力温度、格納容器のなかで抑えられる。水で冷却しなくていいようになっている。
 つまり、沸騰水型の場合、今回指摘しているようにこの格納容器が圧力抑制プールの機能を失うと、どんどん圧力温度が上がって駄目になってしまう。それが、加圧水型にはそういうことはない。プールを使っていないから。その中でできる。そういう違いがある。
 ただし1点だけ重要な問題がある。
 こちらの沸騰水型の時は、何度か話しているとおり、炉心溶融が起こっり水素が出たときに備えて、ここに窒素を封入している。だから水素爆発が起こらない。しかし、加圧水型は、容器には窒素封入していない。つまりそのままの空気。そうすると、ここで水素がでると、ほっておくと爆発してしまう。それで、水素を燃焼装置などの処理装置をつけている。だから、もちろん全く水素の安全性を考えていないということではないが、怖いのは、その機能が失われたら水素爆発を起こす。格納容器で水素爆発が起こると、非常に大変なことになる。
 今回、もし加圧水型の方で事故が起こっていたら、その問題が正面に出ていたと私は思う。つまり、格納容器内の水素爆発が脅威になっていたであろう。これは実際にスリーマイル島で水素爆発が起こっている。ずっとそれが長い時間問題になった。
<00:34:30->
10

 さて、格納容器のこれはいいと思うが、実は、格納容器の壊れ方、破損モードというが、先ほどストレステストと言っていたが、いろんな原因があって、格納容器が壊れる状態になったらどうもっていくか、格納容器の耐性評価。いろんな壊れ方がある。
 その元になるのが、DCH=Direct Containment Heatingと言って、これは、圧力容器自体が、非常に高圧の状態で爆発すること、壊れること。例えば、今非常に古いプラントに問題になっているが、照射脆化で圧力容器が駄目になる。それが爆発的に高圧で割れると直接この中の蒸気がぶわっと出る。その状態になると格納容器が部分的でなく、一気に壊れて、そうすると格納容器もヒートアップしているから、格納容器も一気に壊れる。そういう壊れ方を??している。非常に脅威。1時間たたないうちに全滅する、そういうことがありえる。
 それから、反応度制御失敗。
 そしてチェルノブイリのように所謂制御棒の、制御に失敗すると水素爆発する。Detonation=水素爆発。爆発が厳しいと、音速で圧力が上がり、音速以上の速度で周りを壊していく。それをDetonationという。これは明らかに3号機の爆発はDetonationが確実に起こっている。1号機も多分Detonationになっていると思う。
 あと、デブリ接触といって、これは前にもちょっと話したが、炉心が溶けてメルトダウンして、溶融物が床に落ちる。それが流れてきて格納容器のシェルを溶かしてしまう。そういうモード。特にマークI型で問題になる。それが、デブリ接触。今回これが起きたのではないかと疑っている。なぜかというと、メルトダウンが相当早く起こったとすると、流れて一番いきやすい。これが実際実験もやったり検討をしている。だけど、このデブリ接触を起こさなくて済むという保証はない。
 それと、水蒸気爆発、これが溶融物が???のここで圧力容器の中で冷却できずに水蒸気爆発を起こすか、格納容器に落ちた後ここで爆発を起こすか。水蒸気爆発に関しては、実は、マークI型はここへ落ちた時に水がない。だからここで落ちた後に水を入れる格好で冷やすが、マークIが水蒸気爆発の大規模なものを起こらなかったと思うが、マークIIならどうでしょう?これで炉心溶融を起こした時、ここに落ちた時そのままダイレクトにプールの中に溶融物が落ちる。これはものすごくリスクが高い。この時は水蒸気爆発を起こしてもおかしくない。マークIでも起こしてもおかしくないが、特にマークIIの場合のほうが起こしやすい。脅威になる。
 従って水蒸気爆発の脅威というのは、格納容器の形によって違う。マークII型は一番脅威ということ。ただし、他のが大丈夫というわけではない。他のも水を入れて冷却するその時に爆発の可能性があるので、そのことを忘れてはいけない。
 それと、MCCIというのは、コア・コンクリート反応といって、先ほどここで溶融物がここでコンクリートと接触して大量のガスがブワーッと出る。これはまた凄い状態になる。それでコンクリートを侵食してどんどん溶融物が沈む。そうすると格納容器の鉄板も溶かして下にいって、これが所謂チャイナシンドローム。そうすると、地下にある地下水に接触すると蒸気爆発を起こす。これも厳しいシナリオ。
 以上のようなこれを早期破損モード、エナージティックな破壊と言っているが、こういう爆発的な現象がこんなに一杯ある。それが原子力の特徴。だから、今まで水素爆発っていうのは、どちらかというとかわいらしいといってはおかしいが、そういうものだった。
 さて、耐性評価という格納容器については、これを言っている。これではもう駄目。こういうことが起こったらどうしようもない。準静的な加圧・加温モード、破損の。これが問題になる。
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 これは私が昔研究していた時の内容。炉心が溶融したりすると格納容器の除熱に失敗したり、コアコンクリート反応起こしたり、これは早期エナージティックな現象、これは駄目なんです。どうしようもない。
徐々に圧力温度が上がった場合には、格納容器本体が壊れるか、フランジが加圧、或いは加温でリークするか、電気配線の貫通してもれるか、その面積がどのくらいあるか?それによって放射性物質がどれくらい出ると、そういう評価をしている。このときに、条件がある。例えば、私がやったのは、沸騰水型の鋼製の格納容器で評価した。マークI、マークI改良型、マークII、間マークII改良型、先ほどの4種類について、代表的なプラントの構造で、
①最初に弾性解析といって比較的簡単に設計でできるような計算。弾性解析といって、コンピュータで解析して、どこが弱いかな?と弱そうなところはどこかなと抽出する。そこについての評価を少し。
②材料データを取る。高温時の温度で材料がどのくらいもつかという材料データを取って、その材料のデータを使う。つまり普通は設計っていうのは、例えばJISのSS400とかあったら、そのJISのその規格値とその規格の強度を持っていると考えて設計する。しかし、ここで言っているのは、実際のプラントで使ったデータをミルシートというが、それからデータを読んでだいたいどのくらいあるかというのを確認する。そうすると、規格値よりも1.2倍とか1.3倍あるとそういうことが出てくる。それを強度の計算に使う。
③格納容器シェル本体とフランジ部については後で出てくる。弾塑性解析という、これは解析の方法が最初は設計でやる弾塑性解析より少し、材料はだんだん力が掛かってくるとやわらかくなる。そして塑性変形をしてしまう。そういう領域まで考慮した解析を弾塑性解析という。用途によっては弾塑性解析やると少し、弾性解析を??確認できる。そういう評価をする。
④その時に構造物の破損のクライテリアをとって、どういうふうにしたら壊れるかという評価基準を決めて、私はこのとき上限・下限の二つを用意した。リークについても実験をしたり計算をして設定をした。
⑤これらを元に圧力温度上に構造破損、或いはリーク限界、これを耐性評価線図と言っているが、これを作成した。
⑥これらをして、さらに確認のために格納容器の破壊実験等をやった。こういう経緯。

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このうちの一つが、格納容器の上のほうにあるフランジ、それだけじゃなくて、機器の搬出入をするところにフランジがある。型式はこれだけじゃなくて次回のとききちんと話すが、フランジのタイプがいくつもある、そうすると、直径が大きいほど弱いんだが、トップフランジが弱いと確実に言えるかというと、必ずしもそうではない。トップフランジじゃなくてももしかすると機器フランジが弱い場合もある。それがこうやって開いていく。圧力で。ここにガスケットが2錠入る。これはシリコンゴム。これが入っていると開いていっても圧力があると、変形しながら少しくらいなら漏れない。この開き量のデータを求めて、これが圧力を掛けて開いていくと大体、私のやった実験では、1.7倍くらい。これは幾何学???で壊れる。そっと触っただけで。本当はこの状態だとすぐに漏れてしまうが、締め付けておいて圧力をかけてぐっと延ばしていくと、ここのこの形状で一度力を掛けなかった時がこうやって弾性になっている。それよりも1.7倍ももつ。実は。
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つまり、ぐっとしめつけておいてそれを圧力をかけてずっとやっていくと、変形して、こういう感じになる。ここを締め付けてみる。これを続けると、この形が元に戻る状態がある、その状態より持つはず無い。しかし、圧力を掛けてこうしてずっと戻っていくと、もとの状態より1.7倍持った。押し付けて。これはセルフシール機能という。ガスケットにそれ特有の機能があるので、バっといったときに、すぐに漏れるというわけではない。それは実験的に私は確かめている。そういう意味では、この1.7というのはこのときやった実験なので、実際のプラントでどのくらいの制度があるかはわからない。
ただ、このくらい余裕があったというのは事実。
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開きをやるとだいたいこうなる。ここにセンサーをつけて圧力を上げていくと、徐々に。この縦軸は、先ほどのフランジの開き量。この距離をとっていくと値が5mmくらいとか漏れるまでに5mm。大体6-7mm持った。ただしこれは、ガスケットに温度掛けていない、圧力だけ。圧力だけだとこのくらい持ったということ。ところが、これはゴムなので、温度を上げると弱くなる。これを200度、250度、300度と温度を上げて実験した。開きをコントロールするとこういうデータが出た。
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これは型式の違いだが、大体同じような特性。300度ちょっと上げたところ、縦は圧力、横は温度。ある温度、例えば300度くらいだと、ある圧力だとここで漏れるとか、15キロ、20キロくらいになると、250度くらいで漏れてしまう。こういう関係。圧力よりも温度に厳しい。圧力に対しては依存性が少なくて、温度で漏れる。ガスは窒素と蒸気、そういうのを実験でやっている。水素については危ないのでやっていない。
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 今回これで評価をして、さらに電気配線加圧、これも実験した。この結果を元に先ほどの温度が何度になったら漏れるでしょうか?ということをやった。実験で求めた。
これは、有機シール材(エポキシ材)その中をこうやって樹脂が詰まっている。ここ(中央連結部)は格納容器の壁がある。溶接してついている。しかし電線が通るために、溶接できないので、樹脂が入って詰めてあるだけ。これが温度があがると抜けてしまう。それがだいたい300度くらいで抜ける。
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それともう一つ。少し強度計算の話なのでちょっと難しい話を・・・。
強度計算というのは、例えば格納容器のある部分に力を掛けてだんだん変形していく。格納容器に圧力を掛けると、ずっと膨らんでいく。この量をmmで出す。これ(縦軸)は、圧力。圧力をどんどん上げていくと、圧力とともに変形が進んでいく。最初はまっすぐ。これを弾性解析という。ここで材料が限度に達するとここからグニュッと曲がり始める。圧力はあまり上がらないんだけど、どんどん変形が進んでいく。これをここを弾性解析、弾塑性解析という。塑性変形といって、変形してしまう。弾塑性解析というのは、設計はこの弾性解析でやるが、今回のように弾性評価、どこまでもつかというのを計算するために、これをぐっとコレまで計算している。そのときの評価基準で下限界をASME、アスメ、米国の幾何学会のセクションIIIにある2倍勾配法を使った。どういうことかというと、初期の勾配がこうなっていたのを、このカーブの2倍の角度、タンジェントこれが2倍いったところに、直線を引いてぶつける。そこの線で交わったところ、ここで限界ですと決める。これを2倍勾配法という。勾配が2倍のところまでは働いたと考える。これを下限界、つまりここまでは持つであろうというふうに考えた。
もう一つは計算してこのコンピュータ解析をやって、理論的にもつ限界までずっと伸びて、解析する。亀裂が発生しないことが条件。そうやって計算をして上限を求めた。つまり、下限と上限、両方を求めて、この間くらいに入るんじゃないの?というのが、評価。

その③に続きます。

7月13日 後藤氏:ストレステストについて【ストレステスト・格納容器・緊急提言】@CNIC【その①】

ようやくまとめができました。
内容的には、中盤、Bochibochiにはついていけない理系的要素が満載で、途中でギブアップしようかとも思いましたが、後藤さんの言いたいことを少しでも判りたかったので、なんとか最後まで辿り着けました。
前半で、後藤さんがおっしゃった、「菅さんは、原発対応については、その行動を見る限りしごくまっとうだ」という話、Bochibochiもそう思います。いろいろ他に問題はあれど、結果を見れば浜岡をとめ、ストレステストを導入し、脱原発依存を会見で発言しました。その流れを見るに、菅さんの発言を実現できるように支えていけば、道筋くらいはできるんではなかろうかと思っています。甘いとは思いますが、やはり今までの首相が誰もいえなかったことを言ったという点は少なくとも評価したいし、支持したいと思います。

では、少し長いですが、どうぞ。
2011/7/13 ストレステストについて 後藤政志氏 (83:05)
http://www.ustream.tv/recorded/15967362

【以下時間のない方のために、内容をおこしています。ご参考までにどうぞ】
(澤井氏)今日も後藤政志さんから原子力について解説してもらう。今日のテーマは、ストレステストについて。
最初に、今話題になっているストレステストについてヨーロッパで考えられているストレステストの概要について後藤さんから解説していただく。
その後に格納容器の耐性評価についてお話をいただく。
このストレステストを日本で行うということを2段階で行うということだけが決まっていて、その内容がよく判らない。実質今内容を作っているところ。ヨーロッパで考えられているものと、日本で予定されているものが同じになるということではないが、一応ヨーロッパの今公開されている使用に基づいて後藤さんから解説していただく。
では、後藤さん、よろしくお願いします。

(後藤氏)こんばんは。後藤です。
しばらく前からストレステストという言葉が出ていて、私もよくわからなかった。EUの出しているストレステストがどういうものか。一つは、内容。どんなことをやるのかサラっと見てみる。それと各新聞でも発表されたように、ヨーロッパのEUのストレステストとそれを日本でどう扱うかという議論があって、11日には、原子力安全委員会が斑目委員長がインタビューを受けている。その話も交えて、私なりの見方を紹介する。その上で、ストレステストでイメージを見てもらうために、私自身がやってきた研究が、格納容器の耐性評価だった。ストレステストという言葉は、日本語でどう訳すかというと、「耐性試験、耐性評価」そういう言葉になっている。耐性っていうのはどこまで持つかということ。それは、意味するところは、設計でやっているものと、何が違うかということを理解してもらうことが一番早いので、私の具体例で、実際にはいくつか今までお話しているのだが、きちんとパラメータがどうでるとかそういう背景を話す。だいたい1時間くらいで終わるよう話をする。よろしくお願いします。
<00:03:00->
 それでは、早速ストレステストという英文のものをお見せする。
 EUのストレステストだが、英語で書いてあるが私が説明する上で忘れてしまうといけないので、これを見ながらお話しする。
要は、EUでやっているストレステストの仕様、中身について簡単に書いている。
1

 ここにDefinition=定義だが、ストレステストというものがどういうものかということ。これは原子力プラントにおけるSafety Margin=安全誘導、余裕という意味、それをReassesiment=既に安全評価しているが、改めて評価する、そういう意味に取れる。それがやはり福島の事故を受けているということと、Extream Natural Event=非常に特に厳しい外的条件というか津波であるとか地震、ハリケーンのようなものを主に見ておく。それと同時にプラントの外的事象が元になって、シビアアクシデントに行くということ、これを問題にしている。だから、私はこれの限りにおいては、当たり前のことだと思っている。当たり前のことを受けて、この手のことをやらずに評価をしたとは何もいえない。中身はまだ判らないが、当然のこと。むしろ日本は何でこういことを自ら言わなかったのか不思議。
 実は、運転再開の話で、その辺についても私は非常に違和感がある。それは、また後で話す。
 要は、今のストレステストの中身を見ていきましょう。
 このReassessment=再評価するというのは、原子力プラントが特にいろんな外的Extream situation=厳しい状況に置かれた時に組み合わせて、原子力プラントがどういうふうに機能するかを言っている。非常に技術的な範囲。
その評価の考え方だが、Preventive and mitigativeと書いてあるが、preventive=予防、いろんな事故を厳しい状態になった時にその事故の状態にならないように予防すること。それをVerify=確認する。つまり予防できるかどうか確認する。津波に対して予防できるか、地震に対して予防できるかと、そういうことを言っている。同時にさらに、mitigative=予防したつもりだけど突破されちゃった、地震に襲われた、或いは津波にやられてしまったが、その影響を限定する、つまり被害を最小にするという意味。一般的な事故の考え方はこういうことを言っている。
 最も重要なことは、Defence in depthなんです。つまり多層防護、多重防護。これは私が前から言っているとおり、例えば地震が来たら、同時に故障が起きて突破されてしまう。普通には何かシステムが一つ駄目になったら、次のものが働いてガードする。それが駄目なら次のものが、というふうに何重にもガードする。これによってDefence in depth=多重防護が成立するのが基本。
 Severe Accident、多重防護をやっているが、この安全機能が阻害されて、つまり安全機能が駄目になってしまった時には、シビアアクシデント、accident management、これは、プラントとしては駄目になったが、何とかしなくてはいけないから、電源車を持ってくるとか、水を入れようと、そういう発想になる。これが、このシビアアクシデント、アクシデントマネジメントと表記されている。
 それで、これについての評論はまた後でする。
<00:08:00->
2

ヨーロッパでやられている内容は、全部は話しきれないが、ぱっと見たところは、一応期限を決めてライセンスレポートとナショナルレポートという部分があり、それが途中経過と最終レポートという風になっていて、8月の中と9月の中にレポートを一回出して、ファイナルレポートは10月末、12月末というこんなスケジュールで進められていると理解される。
 ヨーロッパのほうは、新聞情報等を見ると、非常に厳しい内容になっていると言える。一応今話したようないろんな外的な条件も普通に考えられるような地震・津波だけではなく、航空機が衝突した場合とかそういうことも考慮している。また付近のガスタンクが爆発したらどうするか、そういうことも含めて、総合的な評価の仕方。
 私は以前から、事故というのは複合事故、特に高度に発達した社会においては、事故の複合性が一番問題だと考えていた。
 例えば??タンカーがどこかで爆発したとする。??タンカーはものすごく被害が大きいが、それだけではなくて、近くのコンビナートと誘発、爆発する。近くに大きな橋があったらそれもやられる。そういう複合的なことになる。それが巨大事故の一つのあり方。原発はそれのまさに極地。
 そうすると、この手の評価をするのは、ある面では当然だと私は思う。このことを無視して、ある限定をつけてこの範囲であるはずだということでやるのは、原発については全く間違っている。それが今回一番学んだこと。
 今回、津波という現象、地震であったが、それは一つの前から話しているように、原子力プラントにはきっかけなんです。そうすると、そうじゃないきっかけもいっぱいある。確率が小さいということでは、済まされない。つまり、それは起こったときに仕方が無いとお互いに我慢しようといえるものであれば、私もそれはいいと、仕方がないと思う。経済もあるから。けれど、本当に取り返しのつかないものに対して、そういう考え方はとれないというのが原則。そういう面でEUでやろうとしているものは、非常に中身があるように見える。
<00:10:40->
3

 具体的には、こういうことが書いてある。
 技術的な範囲のことをやるかということで、ストレステストの内容が書いてある。その起因事象、きっかけになることは、中心に書いてあることは、「地震と津波」。
 その後、電源が喪失すること。これはStation Black-out=全電源喪失に至るということ。Heat sink=冷却機能を失う。Loss of Ultimate heat sinkだから、極限まで冷却機能を失った状態。それから、Combination、つまり両方が重なる。まさに福島の事故をそのまま言っている。
 それと同時に、Severe accident managementについて言っている。
 Core cooling function=炉心溶融に対する対策をどうするかという防止方法とか、コレは使用済み燃料の冷却について。さらに、Containment integrity=格納容器の耐性評価、つまり格納容器の機能喪失について、説明している。
4

 細かくは、組み合わせとか福島の事故での地震と津波に起こったそれらのことだが、それに限定するなと言っている=will be included regardless of its origin。つまり、福島の事故を考慮しながら、さらにもっと悪い状態を付け足すという表現になっている。それは私はぱっと見た感じでは当然のことだと思った。極当たり前のことが書いてあるとしか読んでいない。
 さらに、安全機能がずっとどういう風に阻害されるか、これは、電源のことも書いてあるが、こんなことも書いてある。forest fire=森林火災。火災です。これは、日本でもないとは言えない。アメリカでは相当すごい、有名。森林火災が起こってこの前も、逃げましたよね?原子力関係の研究機関が非難している。そういうときどうするのかな?と思った。airplane crush=航空機衝突。これは、テロと事故と両方ある。どちらも考えている。テロであるか事故であるかはかかわらない、航空機がぶつかってしまった時にどうするかを考えている。これ自身は、議論もあって、特に格納容器が持つかどうかが一番焦点になる。
 そういうことで、ライセンスを出す出さないとあって、こういう評価をしていきますよという、流れ。これが一応ストレステストなるものの、ヨーロッパで考えている概要。細かいことはちょっと除くがそういうふうにやろうとしている。
 ちなみに、新聞によると、EUは福島第一原発の事故を受けて、EUとして稼動中の原発143基の安全性を総点検するという作業に入っている。で、先ほどのようないスケジュールでやっているそうだ。
 そういうふうに見ていくと、非常に新聞情報によると、一部には過度に厳格になってしまうと、原子力プラントを運転できなくなってしまうと、そういう表現もある。
 ただ、私は全く逆だと思う。
 つまり事故とは、ありとあらゆる考えられる、人間が考えられる限りのことを考慮してそれに対する対策をしないと、原子力プラントというのは運転してはいけないと思う。
 それが、概要。
<00:15:30->
 一部日経新聞にちょっと出ていたものを元に話させてもらう。
 原発のストレステストっていうことは、こういう表現になっていた。
『原発の設備が安全基準で決められた水準をどの程度上回っているかを調べる評価作業である。大きな地震や津波などの際の安全性にどの程度余裕があるかが判る。個々の原発の弱点を明らかにし、補強につなげて安全性を高める狙いもある。東京電力福島第一原発の事故後に実施を決定したEUでは、中間評価までに約3ヶ月かかる』
と、先ほど話したような、こういう表現になる。
 つまり、地震・津波ということだけ言っているが、本来はそうではなくて、EUで言っているようにあらゆる自然現象、外部事象。本当は内部事象というのもあるので、これは外部事象だけを取り上げているというのが特徴だが、外の自然現象によって安全性がどの程度保てるのかという実力を見るということになる。
 そんな感じで、抽象的にはそんなふうに理解できると思う。
 ただ、これではあまりに意味がわからない。
 実は、マスコミに出ていた原子力安全委員会の委員長、斑目氏のインタビュー。斑目委員長が11日に記者会見されている。そこでずっとやりとりがあって、10ページくらいに渡っている。ちょっと読ませていただいて、印象なんだが、斑目委員長は、
「今回のテストの在り方をストレステストというものに相当する、そういうものが必要である」ということは認識されていたように見受ける。
「しかし、それが運転の条件であるとかそういうことではない。つまり、法的なところでは、原子力安全委員会は一旦、一番最初の安全審査の段階で評価するのであって、それ以上のことではない。それから先は、保安院がやるべきことであるし、政府が政治的に決定するのだ」
と、そういう表現になっている。だから法的にそうだと言っている。
 ただ、私は非常な違和感を感じている。なぜかというと、電力会社にしろ、保安院にしろ、今回の事故をもとに、事故原因であるとか、安全性の問題の根幹にあたるところに対して、何ら対応していない。原子力安全委員会も、やらなきゃいけないということはおっしゃるが、まだやっていない。
 その段階で、「これは評価としてやるけれども、運転とは関わり無い」というポジションは、日本の原発は誰が安全性を担保してくれるんでしょう?これは、本当に私は信じられない。
 法的にそうなっているっていうこと、枠組みが決まっているということとは別に、非常にまずいと思う。やはり、本当にこの今の日本の原発に対する安全性について、どこまできちんと対応、中身を見られるかということが勝負。それを受けて運転再開云々の話がある。
 その面では、私は菅さんがある程度有無を言わさず、多少強引なところでやって、例えば浜岡を止めたりした。その運転についてのいろんな問題、ストレステストを提案したりしている。
 私は菅さんが一番まっとうだと思う。
 最近の発言を見ても。菅さんのやり方全体がどうこうっていうのはありませんが、それは別に、菅さんが言っている原子力に関して、安全性をどう見るかというものの見方については、少なくても私は今、表面に出ている中では、菅さんが言ったものだけが、はっきり言って信じられると思う。菅さんの中身がどこまでかというと、それは別だけれど、そういう印象を持っている。だから、それをきちんと原子力安全委員会は、それを受けて腰の引いた評価ではなく、きちんと中身のある評価をして、駄目なものは駄目だと、これでは安全を保てないということをはっきり言うべき。それを言わずして、もし安全委員会が、そういうところに対して腰が引けた状態でやるとしたら、これは福島の事故をどう思っているかというとんでもない話だと私は思う。そんな安全委員会なんか要りません。
はっきり申し上げます。
<00:20:30->
 それで、さらに今の枠組みについては、どうしても保安院というのは経産省の中にあって、どうしても推進機関という要素がある。それは、早く変えろと言っているが、現状変えていない。そしたら、どうするのか?私はここのところが一番問題だと思う。政府はその状態を理解したならば、その状態の中でどうやったら最善の安全の確認が取れるかということを、超法規的にでもやるべき。それをやらなければ、また二の舞をやる。私はその法的なことはわからないし、細かいことはわからない。ただ、一点あるのは、技術的な面で考えた時、非常に問題があるということは理解しているつもり。技術的に問題があると理解している。
 その中身について、若干話をさせていただく。

その②に続きます。

6月24日後藤氏「1号機のベント『失敗』について」解説@CNIC

※この記事は、6月24日 1号機ベント失敗していた可能性-問われる責任の続報です。


昨日、後藤さんの1号機ベント失敗についての解説を見ることができました。技術的なことで難しいかと思っていましたが、とても判りやすく解説してくださっています。是非ごらんください。
原発の過酷事故に対する安全対策が、いかに貧弱であるかが露呈しています。

2011/6/24 CNIC News 後藤政志氏 福島原発1号機のベント「失敗」について
http://www.ustream.tv/recorded/15584058  (25:59)
http://cnic-movie.blogspot.com/2011/03/328-cnic-news.html (25:29)
どちらも同じ内容です。

【以下、時間のない方のために、内容を起こしています。ご参照ください】

(澤井氏)
今日各新聞で1号機のベント、所謂「排気」ですが、それが失敗していたと東電の関係者の証言があるということで、どういうことになっていたのか。政府が今IAEAに報告書を出しているが、それではベントが成功したと報告されている。それが違うのではないかという大きな疑念がでてきた。これについて、後藤さんに解説してもらう。

(後藤氏)
今日、1号機の格納容器ベントの失敗ということが仰々しく出ていたが、今見ているのは毎日新聞。東電が「弁の開放が出来ていない、未確認だった。ベント成功したと言っていたが、実際は未確認だった。」という情報。
今日は少し短めに、これについて何があったのかと私の見解を若干つけて話しをさせてもらう。
(01:34-)図で説明開始
福島第一原発1号機のベント経過

6月24日 毎日新聞より
  ①MO弁
  ②AO弁・小弁
  ③AO弁・大弁
9時15分ころ       ①を手動で25%開ける
9時半ころ        ②を手動で開けようと試みるが高線量で現場に辿り着けず
10時17-24分 ②を開けようと中央制御室から操作したが効果確認できず
2時ころ          ③を開けるため空気圧縮機起動
3時36分        水素爆発 

これは格納容器。圧力抑制プールから耐圧ベントというシビアアクシデント対策用でつけられたベントラインがあり、これから上の排気筒へ繋がっている。バルブの一つは①MO弁を手動で開けようとした。ただし全開できなくて25%程度しか開かなかった。作業場の問題だろうが、そういうことが9時15分頃にあったとなっている。①MO弁を開いてベントするためには、②AO弁・小弁ともう一つ③AO弁・大弁の二つが並列になっており、これを空気圧縮機を使って作動させる。要は、ベントをするためには、②AO小弁か③AO大弁のいずれかと①MO弁の両方が開かないと出て行かない。今話した①MO弁は何とか一部だけど開いた。②AO小弁を手動で開けようとしたが、非常に高線量であって現場にたどり着けず、結果としては、開けることができなかった。これが9時半で、さらにそれから相当経って、45,6分以上経ってから②AO小弁を開けようともう一度中央制御室から操作した。つまり②AO小弁を必死で開けようとした。しかし、結果としてはその効果を確認できなかった。つまり開いていたとは看做せなかった。それで、さらにそれからだいぶ経って、3時間半くらい経って、③AO大弁を開けるために空気圧縮機を起動した。
そうすると9時から始めて2時頃までずっと作業を続けて、ここ(2時頃の)の作業をやって開けたと表現していた。

格納容器圧力の推移

(04:15-)そしてそれは、時間で見ると、今の格納容器の圧力と、4百数十Paが設計圧なので、それのだいたい倍近くの750オーダーまであがっている。これがだんだん時間と共に落ちてきて、ここでベントしたと言っているが、実際はこの下まで、500を超えている状態。つまり、格納容器の設計圧はこれより下だから、設計圧よりまだ高い状態。弁としたといっているが、こうなっている。しかもこの2時50分以降、弁とした後に上昇傾向にある。ということは、ベントできていないのでは?ということ。『政府の報告書として「成功」と書いたのは、間違っている。訂正しないのはけしからん』という趣旨のことが(毎日新聞に)書いてある。
一つの問題は、ベントが遅れたことは何が問題かというと、当然、格納容器ベントというのは、前から話しているとおり、本来は出してはいけない放射能を出す。それでも設計圧より大幅に超えていて爆発してはたまらないので、ベントするということがある。そういう意味ではこんなに何時間もベントできないことは非常に問題。これについては、毎日新聞の中でもコメントとして東工大の先生が、格納容器のベントについてちゃんとこれだけ時間がかかったことは問題だと主張している。私もそれはそうだと思う。
ただ、このときちょっと考えてみたいことがある。(06:20-)この状態は実は、上沢さんが作ったデータなのだが、放射性物質の線量率がどう変化したかを見ている。細かいところは見にくいだろうが、11日12日、ベントに成功したと言われているこの段階の放出量、空間線量は、後の大きく出てくるものとは違って、それほど大きくない。そうするとベントがちゃんと出来ていないのではないかと、このデータから見てもそういう風に言える。
ただ私が気になるのは、これについてベントがうまくいったかいかなかったか、手順が悪かったのではないか、そういうことに対する批判なんだが、それを事実として認めた上で、本質的な問題はそういうことではないだろう。何がいいたいかというと、この格納容器ベントというのがもし失敗した時には、格納容器が爆発する可能性を持っている。極めて危機的な状態。それにも関わらず、ここのバルブを手動で操作する。電気が行っていないので仕方がないのだが
、①MO弁に行って手動であけようとした。で、完全に開け切れなかった。②AO小弁も手動で開けに行ったが、高線量で開けられなかった。さらに制御室に行ってなんとかやろうとしたが、それも出来なかった。仕方が無いので③AO大弁を開けようとした。この時に①と③が開かないと出来ない。
これを設計するシステムから見るとどうかというと、①MO弁を開くのを失敗したらおしまいです。②AO小弁と③AO大弁の両方を開くのを失敗しても駄目です。何かというと、これは原子力における単一故障基準、つまりこの安全系として考えた時に、この操作が出来なかった時にどうするかというバックアップがない。つまりSingle failure、というには、ある一つのことが駄目になったら、それを以っておしまいというシステム。それは原子力の安全系では考えられない考え方。なんでこんなことやっているという話。実はこれは過酷事故用であって、本来原子力で設計している安全設計思想は入っていない。単についているだけ。だからこれは私が前から言っているように、過酷事故対策というのは、そういうことであって、信頼性がない。だからそういうものに頼っても無理。これが一番いい例。だから、今回私はこれがあっても全然びっくりしない。こういうものだと思っている。機械というのはこういうもので、トラブルがあったときには、操作できないのは当たり前。その時にどうするかということを考えて初めて原子力の安全設計というのは、議論の対象になる。だから、ここで遅れたこと、発表の仕方がいけないのはそのとおり。まぁいいですよ。政府の発表も成功したっていうのも議論があるのはわかる。しかし、私が一番気になるのは、そういうこともありうるシステムなのだから、じゃぁこれからどう考えたらいいのか?現有のプラントも全てこういうものでしかない。事故がこの状態になったら、同じ状態になる。信頼性はない。そういう状態になっているということを、というか、そういう設計思想で、現状そうなっているということが、私が一番気になっていること。
だから、今回の事故原因、まずなぜこうなってしまったか。原子炉の水位が落ちて、その後格納容器の圧力がなぜ2倍までなっていたか、この前田中光彦さんが説明してくれたようにどこかの配管、あるいはどこかの径が破れたりして出てきたのではないか、それから、私も考えているが、格納容器のどこかの機能が喪失していたのではないか、そういうことからこうなったのではないか、と推測している。そのことの大切さ、それは非常に大切。
それと同時に、こうなった時に対策としてある耐圧ベントなるものが、こういうもの。
これは過酷事故関係ではすべて言えることだが、電源がなかったから電源車を持ってきた。つなごうと思ったがつなげなかった。電源車そのものがそもそも交通渋滞でなかなか着かなかった。そういう話もある。水だってそう。水を確保しようとしたが、水源が無くなってしまい、海水を入れるしかなくなった。水はどこから入れるか。通常の系統はないから、これも過酷事故対策として、消化系から入れると前から考えてある。その容量も極めて小さい。しかもそれに以ってくる水のラインを付けてつなぎこみをして作業をして入れることは、決死の作業。放射線が非常に強い時にやるわけだから。そういう中で極めて難しい作業、本当にうまくいくかどうかわからない作業でここまできている。そういう風に見える。
今回の事故全体を見たとき、「こういう過酷事故対策があるからいい」とそういうレベルで考えるのは、安全設計としては前から言っているとおり間違っている。これが一番気になっていること。
これについては、考え方として今後もう少しきちんと話しをさせてもらうつもりだが、耐震基準の見直しと、安全設計審査指針の見直し、この前も一部少し話したが、安全委員会も当然考えると言っている。どのレベルで考えるのか?私はそれを非常に気にしている。安全設計、あるいは耐震設計の審査の審査指針の考え方の根底をもう一度見直さないと同じことをやってしまう。
例えばある一つのことがあったから、それに対する対策をやるというレベルでは全然成立しない。なぜかというと、これはまたきちんと話しなければいけないが、過酷事故の爆発はものすごくいっぱいある。いろんなモードがある。端的に私が思い出すだけでも、最初に核反応の制御に失敗すると、核暴走する。核暴走しなくても、例えば圧力容器が高圧で破損すると一気に全部ぶっ飛ぶ。格納容器もすっ飛ぶ。あるいはそこまでいかなくても、圧力容器が破損までいかなくても、炉心溶融になってメルトダウンしてそこから例えば溶融物が出てきて、それによって冷却、あるいは溶融物が落下する時、下にプールがあって水蒸気爆発を起こしたとか、で、爆発する。そういう意味で見ると、爆発的なモード、爆発的破損の仕方はいっぱいある。水素も危ないから今回窒素封入した。して、現在になっている。格納容器では水素爆発は起こらなかった。だけどそれが漏れて爆発した。こういう格好になっている。いずれにしても原子力は、そういう爆発的な現象が起こりうるもの。だから怖い。そのエネルギーが大きいから。その可能性が少ないという。私も可能性が多いとは言っていない。水蒸気爆発だってすぐに起こるとは言わない。しかし、現象として、起こる可能性がある。それは起こってしまったらおしまい。だから確実に防がなければならない。ところが過酷事故対策はどれ一つとっても、確実ではない。可能性を低めるだけ。下げるだけ。それが、私は非常に恐ろしいことだと思っている。だから、今回まず耐震設計に対して震度は実態を上回るように設定しなければならない。これは鉄則。それと同時に、故障が起こったときの対策が万全に
バックアップを取れなければいけない。なにか故障したら、確実に防ぐ方向にならなければいけない。今回のように多重故障がありうるのだったら、それに対しても対策ができていなければならない。その対策というのは、このように信頼性のない対策では対策になっていない。
例えば、もうちょっと説明すると、これに単一故障基準を設定するとどうなるか。一例でいうと、この①MO弁なるものが開かなかったら、その場合は、ダブルにする。管を二本にして、もう一個バルブをつける。どちらかが開けば大丈夫。そうすると確立的には半分になる。だけど、確実とはいえない。そしたら、サーモをつけるか。そういう議論。②と③はダブルになっている。少なくとも二つある。でもこの二つですらうまくいかなかった。そうなるとそもそもの環境や操作方法が、電源がなくてそういういろんなことを全部考えて、これが駄目だった時はこれがある。これが駄目だった時の対策はこうすると、全部の対策がいる。それが安全設計の考え方。それは普通のプラントの中のシステムもそう設計している。だからこういうところも徹底的に適応すればいい。だが、過酷事故対策というのは、安全設計思想を適用しなくていいという考え方。だからそれは単なる場当たり的な、設計の立場から言うと、信頼性のある設計ではないというのが繰り返しの内容。そこが前から申し上げているが、私が気になっているところ。
それでなお今回ここで例の水素爆発が起こったのを先ほどのこれ(格納容器圧力の推移)で見ると、私のイメージでは、やはり2倍近くの圧力になっているため、それが一部どこかから漏れている可能性が高い。漏れると逆に閉じる。フラン時といって蓋、格納容器の上の部分がだんだん開いていく。開いていくとそこから漏れてきて、漏れると圧力は下がるから、落ちる。そういう可能性もある。そういう観点から、それによって核の容器はベントしなくても結果として格納容器から漏れて、それによって水素が出ていってそれに火がついた、という可能性が高い。
なお、格納容器の底から漏れたことに関しては多分、格納容器が爆発的に壊れるよりは、漏れる可能性のほうが高いのだが、本当にそうかどうかは保障の限りではない。ばらつく。例えばフランジの部分が頑張ってしまい、先に漏れると思ったら漏れなかった。どんどん圧力が上がっていく。構造的な部分が破壊したら爆発する。それは結果としてここから漏れたというだけであり、何の保障もない。可能性が高いと言っているだけ。事故というのはそういうもの。そういう意味でこの事故を考える時に、今の原発の設計思想は、いろんな手立てをしたから、確立が小さいとしている。これを確率論的な安全評価と言っている。確率論をベースにした設計にそういう考え方が一部入ってきているところが一番問題。それはいけない。やはり単一故障基準といって、あるシステムがあったら、あるバルブが壊れたらどうなるか。それについて対策をとる。少なくともそれくらいは過酷事故対策でとらなければ駄目。
もう一度まとめると、過酷事故対策に対する単一故障基準を適用しなさいと言っている。もう一つ、単一故障基準では、本体のシステムは甘い。主要のシステムについてはもうちょっと深くやるべきというのが、私の見解。そこまでやらないと今より安全になったとは言えないのではないか。これが私がずっと考えている安全設計の考え方です。是非安全委員会で過酷事故対策含めて考える時には、「今回非常にまずかった」と斑目委員長は言っているから、それを含めて是非検討していただきたい。
今日のベントのところから少し話を大きくしてしまったが、これを見ていてそういう思いを強くした。
今日の話は以上。
(澤井氏)
多重故障を考える?単一故障だけではいけなくて、多重故障になるということを考えるべき?
(後藤氏)
いくつかある。単一故障基準というのは、ある安全系が働いたら、その中のA系が駄目になったら、対策がある。Bが駄目になったらそれに対して対策がある。単一故障基準というのは、安全系のあるシステムを動かすためにはそのコンポネントそれぞれ一個一個壊していく。それでも大丈夫に設計してある。これが原発の設計思想。それだから安全だといわれてきた。それがおっしゃるように多重故障、同時に二つ以上起こることを考えていないから、
多重故障を考えなさいとそういう意味ですね?だから単一故障基準だけでは足りない。それともう一つは、過酷事故対策は、単一故障基準すら適用していない。これは全然設計上、当てにならない。「こんなことは起こりえない」と思っていたからこういう設計になっている。しかし、今回の地震で判ったことは、はっきりとこういうことが起こりうる、現実にあるわけだから。当然こういうことは全て考えなければならない。それとなお、これはきちんとした議論が必要だが、ではこの系を単一故障基準を入れて、格納容器ベントをすることが本質的安全かというと、そんなことはありません。格納容器をベントしなければいけないということ自身が安全設計上間違い。格納容器は便としてはいけない。ベントなしの格納容器にしてください!というのが私の考え。これが安全設計というもの。小手先の話という意味で説明したが、本当の意味での安全設計は、ベントするということ自体が根底から間違っている。そういうこと。

(質問)
②AO小弁が高線量で近づけないということだったが、もともと高線量だったのか、何らかの配管の破断などで高線量になっているのか、それはどうなのか?

(後藤氏)
私もそこは読み込みが出来ていないが・・・

(澤井氏)
そこに行くまでにどこかが高かったのかもしれないですね?高線量で現場にたどり着けないと・・・

(後藤氏)
「同9時半頃、小弁の開放を目指したが、付近の放射線量が高く、手動での作業を中止し、同10時17分中央制御室から機械操作で弁の開放を行った。」
つまり付近の放射線量だからわからないが、多分ちょっとくらい放射線量が高いところを通過するならやってしまうかもしれない。作業するバルブのあるところ、詳しくはわからないが、この周囲がかなり放射線量が高かったのではないかと思う。つまり、どこかの格納容器から漏れていると。漏れているから周囲の放射線量が高いと考えるしか、他にルートがない。格納容器から漏れているのは明らか。

(澤井氏)
放射能は中からしかこない。
1号機のベントの評価自体、このように成功したという政府の報告が、東電の詳しい調査によっては、全くベントできなかったのではないかと見られていて、この事故の経過自体もたくさんの検証がもっと行われないと真実がわからない状態になっているということが、今日のニュースではっきりしたと思う。またいろいろな解説を後藤さんにお願いしたいと思う。今日はこれで中継終了します。

【以上】

失礼します。

6月7日後藤氏:東電・保安院の報告書を解析@CNIC

後藤さんが、東電・保安院の事故報告書をぶったぎっています。
正直、前半の部分は、文系の私には相当キツかったですが、後藤さんの言わんとすることはわかったと思います。後半で後藤さんの指摘がバシバシ入りますので、前半、我慢してきいてくださいね。
では、どうぞ。

2011/6/7 CNIC Ust 福島原発解説 後藤政志氏 (39:51)
【東電、保安院のメルトダウン解析について】
http://www.ustream.tv/recorded/15223495

新聞に出ていたものだが、東電がやった解析と保安院がやった解析を比較する。

解析結果の保安院と東電の違い
※時間は地震発生後
                【保安院】     【東電】
1号機--------------------------------------------
  炉心露出発生     2時間後      3時間後
  炉心損傷開始     3時間後      4時間後
  原子炉圧力容器破損 5時間後       15時間後
2号機--------------------------------------------
  炉心露出発生     75時間後     75時間後
  炉心損傷開始     77時間後     77時間後
  原子炉圧力容器損傷 80時間後      109時間後
3号機--------------------------------------------
  炉心露出発生     41時間後     40時間後
  炉心損傷開始     44時間後     42時間後
  原子炉圧力容器損傷 79時間後     66時間後
-------------------------------------------------
これは5月23日に東電が発表した運転記録と影響評価についてという分厚い報告書が東電の元になっている。もう一つは保安院が6日付けで出たもので、こちらも独立に東電とは別に解析している。
結果として、若干、保安院のほうが時間としては厳しい目。1号炉については5時間前後で圧力容器の破損が始まっていると、東電は15時間。あとは若干ちがうが、それほど大きく違わない。これをどう見るかだが、そもそも、東電が水位が間違っていたものを検討しなおした結果、シミュレーションするとこのようにメルトダウンを起こしていると1号機から3号機までたぶんそうであろうという解析結果を出してきた。
解析がどういうものかというと、各圧力容器や格納容器などの空間の中に、どれだけ水があって、熱があって、その水と熱の流れの流体や熱の移行についてシミュレーションをする。それが、ある一定の温度に達すると、そこで炉心が溶け始めるということを計算で追いかけてくる。結果としてメルトダウンが起こっているということ。
これは過酷事故時のソフトとして持っているいくつかのタイプの一つ。
ただ、与えられる条件はどうかというと、もちろん容器のサイズ・容量などは入るが、物理的にどこかが壊れたとかスプレーが作動したとかは条件として入れる。それを入れることによって動いていく。
だから、このインプットデータは、プラントの状態が全部わかっていないと意味を持たない。推測に過ぎない。つまりある値を入れて起動し、故障を起こすと炉心が3時間後なら3時間後にだんだん露出してきて、それから1時間も経たないうちに燃料が損傷を始める。これを時間的に計算しただけで、物理現象として中の配管が壊れたとかそういうことは入っていないというか、インプット条件になる。
そういう風に考えると、これは一つの相当想像力たくましく計算してみた、(シミュレーションだから)そういうことに尽きる。そういうものの見方をしないと、間違ってしまう。これをもって事実と考えるのは違う。なぜかというと、ここでやっているのは、プラントの中のある限定された温度・圧力・水位それぞれのデータが欠けている。まっとうではない。未だにわからない。それは電源が落ちたからだとかいろいろあるが、いずれにしてもデータはない。データがない中で欠けているデータを元に推測しているに過ぎない。
一番気になるのは、かなり細かいことも書いてある中、可能な範囲でデータを集め、直接データがない場合は、運転員がどう判断したかも含めて書いている。いずれにしてもそれは推測の域をでない。そういうことでありながら、非常に一部に断定的な表現があるのが、この報告書の特徴であると思う。
(07:15-)
特に報告の内容で、東電の報告書をベースに見ていく。非常に分厚い。数百ページある。全部は見られないが、一部どのような感じか紹介・説明する。
「はじめにと」あって、「平成23年5月16日提出した福島第一原子力発電の運転記録、事故記録のデータを踏まえ、事故解析コードを用いて福島第一原子力発電所1号機~3号機について、プラントの状態を推定した。」とこういうこと。
ここから「1号機データ分析概略説明」(1)プラントデータ(2)プラント挙動とある。プラントデータによると、データそのものは、「1号機のチャートは、地震時、津波襲来時のデータを記録しているが、津波による浸水の影響と思われる電源の喪失や信号事態の喪失により、ある一定時間動作後停止している。」つまり一定時間動いたが、また停止してしまったと書いてある。「警報発生装置は、スクラム(=制御棒が入ること)発生直後、約10分間の記録を出力しているが、何らかの理由で印字を停止しており、データ収録機能を有していないため以降のデータは不明となっている。」つまり一番肝心のスクラム直後10分間のデータしかない。なんらデータがない。それでここから先はシミュレーションで解析しているのが特徴。「当直員による記録である運転日誌についても、地震等の事象が発生する以前の記録は残されているが、事象発生以降は事態が収束せず、過酷な条件下でその対応に追われたため、ホワイトボードに記録した事項を後で転記している。1号機の過渡現象記録装置は、地震に伴う再循環ポンプの上部振動が増加したことをトリガーにして動作し、約30分のデータを収録している」ここから判ることは、必要なデータがスクラム後10分でなくなったことと、運転員の記録したことはホワイトボードから転記していることと、もう一つ過渡現象記録装置というものがあるそうだが、これについては、再循環ポンプ(原子炉というのは、運転している時は常に再循環ポンプと称して、原子炉から一旦水を出して、ジェットポンプでまた中に入れて循環させている。それがものすごく大きな容量でずっとまわしている)の上部、つまり縦型のポンプの一番上にある軸受けのところに多分あるが、その軸が振動している。その振動がある一定以上で大きくなると、危険なのでトリガーが入る。トリガーは引き金。引き金が入って記録が自動的に始まる。その記録が30分間収録されている、そういうことになる。
では、トリガーが何になるかというと、地震。多分。地震だろうと思われる。或いは地震によって何らかのダメージを受けて、振動が大きくなったこともありえる。地震そのものか、或いはその影響と見るのが普通だと思う。これも検証を要する。
(12:00-)
プラントの挙動については、①からずっと書いている。とても全てを説明できる状態ではないが、2、3気になったところを見る。
①についてはいいと思う。
②「1号機は同日(3月11日)14時46分地震によりスクラム動作している」
これは止まったということ。
③「同日14時47分制御棒は全て挿入されている。」
中央操作室の制御盤で判った。
④「原子力スクラム直後、平均出力領域モニタ(APRM)の指示値は急減しており、確実に出力低下の正常動作をしていることが見てとれる。」
これもいいでしょう。
⑤「原子炉水位の変動を確認すると、スクラム直後はボイドがつぶれることで原子炉水位は低下するが、非常用炉心冷却系の自動起動レベル(L-L)に至ることなく回復し通常水位レベルで推移している。」
ボイドは中にある空気のこと。
⑥「原子炉圧力もスクラム直後は低下するが、同日14時47分に主蒸気隔離弁が閉鎖したことにより、原子炉圧力が上昇している。」
この意味は、原子炉からタービンに蒸気を送る主蒸気ラインというのがある。(14:00-)(資料スライド:マークⅡ型なので格納容器の形が違うがシステムは同じ)原子炉から出た蒸気は大きなパイプについている弁(=主蒸気隔離弁)を通ってタービンに入る。このタービンに入って通常は運転しているが、事故が起こった時には弁を閉じて遮断する。今回の場合はどのようにしていたのか判らないが、普通は100%の出力でタービンに蒸気を送っていたのが、スクラム(=運転を止める)が入って原子炉が停止するので、タービンを切り離さないといけない。普通はここ(タービン側の弁)を切り離して、タービンのほうへ行かないようにして、蒸気バイパス弁からこういって、元に戻す。こういうラインに切り替えるはず。それがどういう風に作動していたかということ。その時にこちらの主蒸気隔離弁がなぜ閉まったのか?普通隔離弁が閉まるというのは、一般的に考えると、冷却材喪失事故や、事故が起こって隔離弁が閉まるもの。スクラムが入って、即隔離弁がそのまま入っているのか、こことの関係が一つ。これは調べなければならない。
⑦「警報発生記録データにおいて、主蒸気隔離弁閉鎖に前後して主蒸気配管の破談等に関連する隔離信号が打ち出されている。しかし、過渡現象記録装置に記録されている主蒸気流量の記録とは、主蒸気隔離弁の閉鎖により主蒸気流量は0(ゼロ)となっており、その家庭において配管破断による蒸気流量の増大党は見られていない。このことから、主蒸気配管の破断等に関連する警報は、地震による外部電源の喪失により計器電源が失われ、フェールセーフで閉鎖信号が発されたものと考える。」
これは、どこかで主蒸気配管が破断したのではないか。その信号によって隔離弁が閉まったのではないか。これはいわゆる冷却材喪失事故なのだが、それが起こったのではないか。そういうことを示す信号が入っている。しかし、実際に流れていないことが確認できていない。配管が破断して蒸気流量が大幅に変わるということは見られないということ。どうもフェールセーフが引っかかる。ちょっとフェールセーフの概念とは違った意味になっている。ここで言わんとすることは、多分電源が失われたので自動的に閉信号(=危険信号)を出した。信号は出したが、単なる信号が出ただけだと言っている。問題はこれが正しいかどうか。
次へ行く。(18:10-)
⑧「同日14時52分、非常用復水器(Isolation Condenser)が原子炉圧力容器により自動起動(戻り配管隔離弁MO-3A, MO-3Bの開動作を意味する)したことにより原子炉内の蒸気は冷却され、原子炉圧力は低下する。約10分後の同日15時03分頃、非常用復水器は停止し、原子炉圧力は再び上昇に転ずる。この約10分間の非常用復水器の起動については、地震に伴い作動した過渡現象記録装置や警報発生記録に記録されている。」
つまり、非常用復水器についてはこの10分間は記録されているので、これはほぼ間違いないだろうと言っている。
⑨「非常用復水器の操作については、手順書では原子炉圧力容器温度下降率が55℃/hを超えないよう調整することを求めており、作動時には急激な温度低下をしていることから、操作は妥当であると考える。」
この表現は極めて異常な感じ。あまり急な温度変化があるとプラントを傷める。手順書は通常時はなだらかに温度を変えていくという意味の操作。しかし、この時点でスクラムがかかっている。スクラムが掛かっている時に、暢気なことやってられますか?これはちょっと信じがたい。非常用復水器は実は2台ある。2台あるうちの1台しか起動していない。これは機能を絞っていると言っている。スクラムが掛かっている状態で、本当にこういうことをやるのか、ちょっと疑問がある。
⑩「一方、地震により外部電源を喪失したため、同日14時47分頃ディーゼル発電機2台が起動しているが、正常に電圧確立をしており、必要な電力は確保されたものと考える。」
非常用電力はなんとか起動した。
⑪「原子炉圧力については、同日15時以降もチャートが機能している。15時30分頃まで、約6MPa~7MPaの範囲で制御されており、配管破断が起きているような兆候は認められない。圧力変動の原因として、非常用復水器の再作動による圧力変動と主蒸気逃し安全弁の作動による圧力変動が想定される。非常用復水器で冷却されたも戻り水は、原子炉再循環系配管(B)に流入する。このため、非常用復水器が作動した時には原子炉再循環ポンプの入口温度が低下する。実際、最初の自動起動時点においては、栄客された水で大きく原子炉再循環ポンプ入口温度の指示が低下している。15時以降に認められる原子炉圧力の変動時期に合わせて、低下量は少ないがB系の原子炉再循環ポンプ入口温度も低下しており、非常用復水器を経由した冷却水が流入した可能性が高いと考える。」
配管破断は起きていないだろう。なぜなら圧力変動をしたのは、非常用復水器が一度落ちたものがもう一度立ち上がったことが理由ではないか。主蒸気逃し安全弁というのは、原子炉の圧力が高くなって危なくなるので、原子炉から圧力を逃がす。ところが、そういうデータがあるのか?
(22:20-)
これは原子炉水位をあらわしている。
緑が原子炉の全体の水位。赤が原子炉の燃料域の水位。
①が地震が来た時。水位が低下している。先ほどの説明だとボイドがつぶれてこうなったと。つまり空気がつぶれて減った。これがまた回復して③のピーク(Isolation Condenser)で非常用復水器の作動でこうなっている。これが聞いてきて、④でハッチングで揺れている。燃料域は落ちている。
例えば、2号を見てみる。
データが交錯していて非常に読みにくい。相互の関連あるデータを読み込むだけでも相当の時間が要る。
(24:05-)
これは2号機の圧力と水位。赤が原子炉の水位。水位が一旦増えて、その後急激に減っている。これは地震が来た時。同時に緑のほうの圧力は高くなっている。ここの変動をみると、水位がどんと下がったのは、原子炉の中にある蒸気が急激にバッと出て水も一緒に出ているという意味。逃がし安全弁が作動したという風に考えられる。それはここにも「②主蒸気隔離弁に伴う圧力上昇とその後の逃がし安全弁の開閉による圧力抑制」と書いてある。つまり、逃がし安全弁が作動すると、こういうふうに水位が大きく動く。これが2号機。
しかし、1号機は先ほど逃がし安全弁が作動したと言っていた。しかし、逃がし安全弁が作動した証拠が全くない。つまり1号機は逃がし安全弁が作動しないまま水位が低下している。一体なぜか?という疑問が出てくる。これはどこかが漏れているとかいろいろな可能性がありうるという兆候を示している。
もちろん断定するまでには至っていないが、その可能性は極めて濃厚だろうとここから感じた。
今のところが原子炉の圧力・水位とかその状況から見たときの話。
⑫「主蒸気逃し安全弁の蒸気排出先である圧力抑制室の差圧(格納容器圧力と圧力抑制室の差圧)に変曲点が認められる。変曲点以前の圧力抑制室差圧の上昇は、格納容器内温度の上昇に伴う格納容器側の圧力上昇の結果であり。変曲点以降の差圧上昇は、格納容器スプレイ系による圧力抑制室の冷却に伴い圧力抑制室側の圧力低下がさらに加わった結果であると考える。」
これは、格納容器のドーナツ型で半分水が入ったプールの圧力と格納容器本体の圧力の差圧を意味している。なんかよくわからないことが書いてある。
絵で説明する。(28:00-)
赤が原子炉格納容器の圧力=ドライウェルの圧力。緑は圧力抑制室の差圧。その差圧がぐっとうねってあがっている。問題は、格納容器の圧力は、ほぼ1気圧。地震の直後スポーンと急に上がって、3キロパスカルまであがっている。これは急激な上昇。これを換気空調系が止まったからだと東電は言っている。本当にそれでこんなふうに急激にあがるのか?格納容器の中の圧力上昇が、換気空調が止まっただけでこんなに急激にいくか?そんなことはないのではないかと心配する。そして、もし急激に上昇したとすると、本当は逃し安全弁が吹いて中の圧力を落としたりして圧力を上げたりそういう風になるのではないかと思うのだが、先ほど話したように、原子炉の様子から見ても、逃し安全弁が作動した根拠がない。逃し安全弁が作動しないのに、どんどん圧力が上がっている。これはなぜか?一つは、どこかから配管破断などが起こって漏れている可能性を示唆している。
総合的に全てを見ていかないとこういう問題は断言できない。しかし少なくとも東電が出している報告書のように・・・、どこだったか断定していたのだが、どこかな?

【ここから後藤さんの報告書に対する指摘・主張です】
地震が来てその後には正常に作動していた。津波が来てそれによって今回の事故が起こった、こういう風にかなり断定的に書いている。それは東電の主張。
その東電の主張をまた安全保安院のほうも追認している。そう読める。
もちろん全てを否定するとは言わないが、現時点でそういうことを言う根拠はどこにあるのか?非常に強く疑問に思う。なぜかというと、先ほども言ったようにデータそのものが欠落していて、しかもシミュレーションをやっているが、その結果を欠落している部分的なデータと突合せをして、合理的な説明がなされていない。少なくともデータと解析との間にいろんな齟齬がある。説明できない内容がいろいろある。そういうことを置いたまま、地震による影響はなかったと断言している。これは非常にいい加減なものだ。そんなこと言ってはいけない。
なぜそんなことをいうかというと、万一津波の前にどこかが損傷していて、その損傷が原因だった場合には、津波のせいにして津波対策だけやると地震対策がおろそかになる。危ない!それは、地震じゃないことが断定できるまで、そんなこと言ってはいけない。全然事実を踏まえていない絵空事です!シミュレーションの使い方としては全く間違っている。シミュレーションというのは、一つ情報がないときにこういう解析をしてバックデータとして使う、それなら判る。しかし、今の段階で、個々の機器の性能を確認できていない段階で、全てを津波のせいにするというのは、これはおかしい。報告のあり方としていかがなものか?もう少し、事実のデータに即してものをいわないといけない。少なくとも先ほど申し上げたとおり、一部のデータを見ただけでも、いろんな疑問が生じる。特に主蒸気系のところで、漏洩した可能性があるという信号が出たと言っているが、これを電源が落ちたためにその信号を出しただけで、実際にそんなことは起こっていないんだということを断言しきっている。それは一部のデータからそう言っているが、本当にそれは正しいのかどうかも含めて検証する必要がある。
今は主蒸気系の話だけだったが、それだけではない。もっと総合的に、本来は地震が来た後に、全ての機器を確認しなければならない。そもそも今回データを取り込む信号が出るトリガーになったのは、再循環ポンプの振動、その振動が大きくなって機器が動いたわけじゃないですか。そうすると再循環ポンプは無事だったのか、或いはそこに伴う系は本当に損傷はなかったのか、検証を要する。それを直接見もしないで、そこに対するデータもないのに、地震の影響はなかったというそういう感覚が全くわからない!理解に苦しみます!もし、そういうことを言うなら、データをちゃんと出してください。データはどこにあるのですか?再循環ポンプ系の振動、或いは他の配管系はどうなっているか、そういう問題をきちんと検証した上で言う。そうでないと検証したことにならない。少なくとも設計の条件を超えたという事実があるならば、それについては、徹底的に検証する義務がある。それをせずして機能していたという判断は、極めて甘い判断!
なぜかというと、原子力システムは非常に複雑になっている。一見機能しているように見えながら、実はどこかが損傷していることが有りうる。それが例えば緊急に必要になった時、動いていないから判らない。事故が進展するにしたがって、それが必要になり、立ち上げようとした時に動かなかった。その原因を調べていくと地震だったということは十分ありえる。今回も動かなかったものの中に、地震によって動かなくなった可能性が極めて濃厚なものがいっぱいある。そういうことも検証しないまま、断定するのはいかがなものか?
私も今、断定はしない。しかし、こういう問題があることだけは申し上げておきたい。もう少し検証をしてからいろいろ議論をすることになると思うが、少なくとも今だされているものを皆さんも思い出してください。
事故直後、「炉心溶融など起こっていない」「メルトダウンなんかない」と言い切った。「一部燃料が損傷した」そういう表現できた。それから2ヶ月経ったら、一気に全部逆になって「メルトダウンしてる」と言い始めた。それはなぜかの議論が急激に変わる。水位のデータが間違っていて補正したことがきっかけになっているようだが、あらわしているデータは全てがシミュレーション。つまり机上の解析。仮定した上での計算になる。例えば、圧力容器にこれだけの穴が開いていると仮定すれば、こうだとかそういうシミュレーション。そのことはどこが損傷している、どこが壊れているということとは直接関わらない問題。シミュレーションに過ぎない。もう少し、直接あるデータの確認がなされた上で解析をすることによって、実際の事故がわかってくるもの。最終的には事故の検証する委員会がこの前出来ている。そちらで検証されていくだろう。

【今日の報告は以上】

やっぱりちょっとしんどかったです。
ちょっと休憩します。

・・・失礼します。

5月31日後藤先生が水蒸気爆発のメカニズムについて解説@CNIC

5月31日に放送された後藤先生の水蒸気爆発のメカニズムについての解説を見ることが出来ました。文系の私でも、イメージはつかめたと思っています。

2011/5/31 CNIC News 後藤政志氏
http://www.ustream.tv/recorded/15075260 (42:14)

究極の選択」の部分、恐ろしいです。
もし、3月12日13日の時点でメルトダウンがわかっていたら、水蒸気爆発の可能性と、溶融物を海水で冷やすこと、あなたならどちらを選びますか?

そんな選択したくないです。

やっぱり原発はいらない。

以下、主な内容を書き出しました。時間のない方はどうぞご参考になさってください。

<澤田さんからの挨拶>
福島第一の状況だが、結局こういう作業が高線量の場所で行われている。

250mSV以上の被爆が確認された作業員が2名出てしまった。現場は相当厳しいだろう。安定ヨウ素剤を3月13日1回飲んだ後は、一切飲んでいなかったということで、被爆管理の点で非常によろしくない。スケジュールを進めようとすると大変な被爆労働者が出てきてしまう。原発労働者の被爆管理をしっかり進めてほしい。

【後藤先生から水蒸気爆発について解説】 (03:10-)
何度か爆発的現象を説明したが、何回か質問を受けていたので、解説する。
水素の場合は、5%内外になると一緒に水素と酸素があり、着火源があれば燃焼する。
水蒸気爆発は、少しわかりにくい。
水蒸気爆発については、あまりよくわからなかった。私の知る限りで解説する。

『蒸気爆発の科学-原子力安全から火山噴火まで-』/高島武雄、飯田嘉宏著(ポピュラーサイエンス)の内容をもとに解説する。
中身はほぼ学術論文の内容。私も全部は理解できていない。
水蒸気爆発=蒸気爆発で同意語として扱う。

炉心が解けて、溶融物(デブリ)が圧力容器の下部にたまる。
水蒸気爆発は、高温の液体と低温の液体が接触することによって起こる。
さまざまな条件がある。
格納容器にデブリが落ちた場合、格納容器下部に水がたまっていて、落ちた瞬間に水蒸気爆発が起こる、もしくは、先にデブリが格納容器下部に落ちていて、後から冷却水が落ち接触して水蒸気爆発が起こるなど。
大規模な爆発が起きた場合は、圧力容器や格納容器が大破する懸念がある。
現在の温度はよくわからないところがあるので、今から説明するメカニズムを理解した上で、状況をどう見るかという話。

火山で溶岩が水と接触した際に、水蒸気爆発が起きる。
これは不確定性が大きい。

【本から引用・解説】 (08:30-)
実験:低温の水プールに高温のアルミニウム(溶けたた金属)を落とすと、高温の金属の周りには蒸気の膜ができる。水槽の底と金属の間にも水が閉じ込められ、その上に蒸気の膜ができる。つまり溶けた金属の上下に蒸気膜ができる。閉じ込められた水の層があるきっかけで爆発する。瞬間的に水が蒸発する。

水から蒸気に変化するとき、容積にすると1600倍に膨れ上がる。1㎥が1600㎥に膨れ上がる。
いろいろな条件があるので、起きたり起きなかったりする。

【水蒸気爆発の実験から判ってきたこと】 (11:50-)
①爆発の発生は確立現象
→温度や高温液体の量など実験条件が同じでも、爆発は起こったり起こらなかったりする。
②高温液体を入れた後、水槽をたたいたり、水槽底部に針山を置いたりして外部から刺激すると爆発しやすくなる
③高温液体と低温液体の温度に爆発の範囲があること、低温液体の温度が低いと爆発が起こりやすく、沸点に近いほど爆発しにくくなる。高温液体が、冷やされて固体になってしまう温度では、爆発しない。(高温と低温の温度差が重要
高温の液体を高い所から注ぐと爆発が起こりにくい
⑤高温液体を入れた直後より、少し時間をおいて爆発することが多い
⑥雰囲気の圧力が高いほど、爆発は起こりにくい。
→これは深い海底ではマグマ水蒸気が起こらないことと対応している。
たとえば、圧力容器の中に高圧の状態で溶融物があった場合は、爆発しにくくなる。今回は圧力容器が損傷し、圧力が落ちている状態でメルトダウンしているので、水蒸気爆発の可能性が高い。しかし、現在は温度が低くなっている可能性があるので、蒸気爆発の危険性は低いかもしれない。はっきりしない。3月12日、13日ころ炉心溶融が起こった直後は極めて可能性が高かったのではないか。確率の問題なので、起こったり起こらなかったりする。起こる可能性もある。圧力容器、格納容器が吹っ飛んでしまっていたら、チェルノブイリ以上のレベルの問題になるだろう。決して非現実的ではないところが怖い。
⑦爆発が起こる時は、高温液体がおびただしい数の直径1mm以下の細かい粒子になる。これを細粒化という。
→溶融物が落ちると、小さな粒になって蒸気爆発が起こる。

【殻理論(カクリロン)】 (18:25-)
溶融した金属の周りに水分があり、薄い膜ができている。
→表面だけ固まった金属に亀裂が生じ、そこに生じた空洞へ入り込んだ水が加熱され固まった部分を吹き飛ばす"殻理論"

【蒸気爆発のイメージとメカニズム】 (19:40-)
(a)(b)高温の液体が低温の液体に落ちてくると、低温液体の中で高温液体が分散し、薄い水蒸気の膜で覆われる。(=初期の混合状態)
(c)(d)ひとつ爆発を起こすきっかけがあると、現象の伝播(連鎖反応)が起きて蒸気膜が壊れ、高温液体が水に触れ、1600倍に膨れ上がり、大規模蒸気爆発へ拡大する。これが0.01~0.1秒のオーダーで発生する。
 ・現象の主要な部分は0.01~0.1秒
 ・デトネーション(衝撃波)の発生でフィードバックが起こり連鎖する。
 ・2液体間の温度差がキーパラメータとなる(温度差1000℃くらい)

この研究は昔からされているが、非常に難しい。個々の現象の説明がしきれていない。

【蒸気膜の崩壊過程の様子】 (25:50-)
写真を紹介して、解説(水にすずを落とした時の実験)

系の圧力と蒸気膜を破壊する圧力値(トリガー圧力値)の関係(27:15-)
トリガーはきっかけ。
グラフを使って説明。

5膜の蒸気爆発の様子を毎秒約5000コマで高速度撮影した写真で解説
・周囲が連鎖反応している様子が見て取れる。100分の4秒で起こった爆発。

【今回、水蒸気爆発が起きなかったのは偶然か?】 (29:10-)
いろいろな条件を考えると、現時点では起こりやすいとは言えない。しかし全く起こらないとは言えない。
少なくとも原子炉内特に格納容器内での蒸気爆発の可能性は残されている。
温度や圧力の条件による。
燃料プールの水深は浅いほうが蒸気爆発しやすいと言われている。プールに溶融物を落とすほうが爆発しやすいとも言われている。

デブリは冷却しなければならないので、水をいれざるを得ない。
すると水蒸気爆発を起こす可能性が出てくる。しかしその条件がわかっていない。「この条件だったら爆発しない」と言い切れない。
→これが「究極の選択」の意味

海水注入の際も、もし既にメルトダウンがわかっていた場合、海水を入れるか入れないか、水蒸気爆発の可能性を考えると究極の選択。どちらを選択するか?

水蒸気爆発は、科学的にも未解明でコントロールしにくい。

そのことは甘く見てはいけない。
コントロールできると言ったりすることはまやかし。
常に「起こりにくいが起こる可能性がある」状態。
まるでロシアンルーレットのよう。
そんな博打のようなことを原発で出来ない。

これを非科学的と言うなら、絶対に水蒸気爆発が起こらない状態で冷やしてください。それができるなら、シビアアクシデントでもコントロールできる可能性があると納得する。

シビアアクシデントは、科学的にコントロールできないのが現実。
炉心溶融を起こさないこと。これに尽きる。

今後、地震と津波が起きても非常用ディーゼルを使えるようにすれば炉心溶融が起きないといっている。

事故のシークエンスとシビアアクシデントの話は後日改めて。

津波に対する対策を打ったとしても、他のシークエンスが出てくる。そのあらゆる経路すべてに対策ができるか?
→明らかにできない!
 それがスリーマイル島の事故を思い出せばわかる。

今回も、いろんなところでミスがあっただろう。
作業者本人を責めても意味がない。
パラメータがない中なんとか人間が作業するのだから。
言った言わないという低レベルの話ではない。

こういう事態が起こった時点で、そういう運命を背負うことになる。
間違っても誰も非難できない。

物理現象そのものに問題があると考えるのが妥当。
その中にたまたま人間が関与していくというイメージ。

今後は、シビアアクシデント全体や設計に関して広がりのある解説を考えている。

以上。



ちょっと疲れました。
でも、まだまだ頑張りますよ!!!

失礼します。

6.11後藤先生が参加されるシンポジウム@東京

原子力情報資料室の後藤さんが6.11にシンポジウムに参加されるとブログで発表されていました。可能な方は出かけてみてはいかがでしょうか。

【以下ご紹介です】
6・11 シンポジウム
「福島第一原子力発電所の事故を通して、世界のエネルギー・環境問題を考える」
詳細→ http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/110611.html
本年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこの地震によって引き起こされた大津波により,東京電力福島第一原子力発電所は,国際原子力事象評価尺度(INES)の事故レベル7という深刻な状況に陥り,現在も事態の収束に向けた作業が懸命に続けられています。
今回の事故は,私たちに原子力発電,エネルギー・環境政策のあり方などについて,多くの問題を提起しています。
そこで,本シンポジウムでは,様々な立場のパネリストをお招きし,①原発問題,②低炭素社会に向けた再生可能エネルギーの可能性等について,諸外国の事例などの報告を交えながら広く討論を行います。
持続可能な社会の構築に向けたエネルギー・環境政策のあり方を考える機会として,多くの皆様のご参加をお待ちしています。

日時 2011年6月11日(土)
午後1時30分~午後4時30分(開場:午後1時)

場所 弁護士会館2階講堂「クレオ」BC
〒100-0013 東京都千代田区霞が関1-1-3
◆地下鉄丸の内線・日比谷線・千代田線
 「霞ヶ関」駅 B1-b 出口(弁護士会館地下1階に直結)
◆地下鉄有楽町線「桜田門」駅 5番出口から徒歩8分
◆JR山手線「有楽町」駅 から徒歩15分
参加無料

内容(予定)
パネルディスカッション

■パネリスト(五十音順)
  飯田 哲也(NPO法人環境エネルギー政策研究所所長)
  小野 章昌(コンサルタント,元三井物産原子燃料部長)
  後藤 政志(元東芝原子炉格納容器設計技師,博士(工学))
  林 勉(元日立製作所原子力事業部長,エネルギー問題に発言する会代表幹事)
  千葉 恒久(弁護士)
  松村 敏弘(東京大学社会科学研究所教授)

■コーディネーター
  只野 靖(弁護士)
  今野 江里子(弁護士)

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参加申込書(切り取り不要・送信票不要)

5月27日後藤先生の解説:事故の進展と情報伝達@CNIC

5月27日に後藤先生がCNICで解説されていたので、ご紹介します。
事故に対する各機関の対応や、事故を想定するための危機意識の欠如など、安全に関する危機意識について話されています。

こんな対応しかできない国に、原子力を扱う資格はないですね・・・。

2011/5/27 CNIC News 福島原発解説 後藤政志氏
http://www.ustream.tv/recorded/14984823  (68:14)

以下、時間のない方のために内容を書き出しました。

5月23日の行政監視委員会で石橋氏が見せた自作の漫画を公開

原発は、本質的には世界中で同じ問題を抱えているが、
現実的には、日本の原発はフランスなどの原発とは違う

     日本の原発は
    「地震付き原発」
※なまずが原発の上に乗っかっている自作の風刺絵
http://historical.seismology.jp/ishibashi/

事故の進展と情報伝達 (00:04:45-)
危機的状態時の情報伝達と事故の構造について話したい。
国会の時に話したことがベース
・ベント開始が遅れた理由とベントの意味
・海水注入と再臨界の件(政府と東電と現場所長)
→誰がどのように決断し、それを了解したかというプロセスの問題
→緊急事故対策としての組織・体制・ルールが確立できていなかった
→技術の専門性を持った安全委員会・保安院と東電・メーカーの現場が直接意見交換しながら方針を策定し、それを政府が確認するなどの方法

どこが責任を持つのか?

専門性を持った機関(安全委員会/委員長)がDecisionしていないことが問題。
委員長が決定し、それを政府に伝え、首相が了承すればいいこと。
Decision Makingする際、安全委員会委員長は仕事をしていないだろ!
決定権をちゃんと持つのが誰かはっきりしていない。

今は政争に使われている。

「事故があった際に、誰がどう決定していくのか」に尽きる。
決定をしていくのはどこか、了承するのはどこか。

絶対条件:
技術の専門性を持ったメンバーが必須の「安全委員会・保安院」と「東電・メーカーの現場」がダイレクトに繋がっていること。そして決定すること。
それ以外の人が口を挟んではいけない。

心配事項は、本当に専門性を持った人材が居たかどうか。
斑目委員長の言葉にあいまいさが含んでいる。

めちゃくちゃな話。

こんな国で原子力プラントを絶対運転してはいけない。


検証は、事故のプロセスのためには必要だが、誰の責任かということを追求するためではない。


事故検証委員会の委員長が決定したが、それについてコメントしたいことがあるが、時を改めて言いたいと思う。


要するに、こういった事故の際は、技術屋以外に責任が負えないということ。


事故時の対応 (00:19:45-)
・極めてクリティカルな状況
・事前に準備できていなければ当然の混乱
→今回この混乱は当然。本気で過酷事故が起こると思っていなかった人々だから。マニュアルがあっても無理。シビアアクシデントに対する姿勢が根底にある。
・事故の進展の解析上は、必要な情報のやりとりの確認も必要
→今回は電源が落ちたの後、非常用ディーゼルも津波・地震でNG。ある段階で地震で起こった損傷が津波とも関連して、あるいは人為的操作とも関連して進展していった可能性もある。(ベントはプラント設計には入っていない・・・これは非常におかしい。はっきり言って中途半端)
・しかし、事故の本質的な問題ではない
→事故進展の解析は必要。しかし、一つの部分を対策をすれば解決するようなことではない。一つ対応が違っていれば、事故の進展も違ったものになっているはずだから。他のことに大してもガードできなければならない。
・炉心溶融が起きた時点ですでに手遅れであるとの認識が重要
→今後、炉心溶融を起こさないためにどうすればいいのかということが本質的な問題。

確実ではないものを重ねても確実にはならない。
よって本質的に事故はなくならない。確実に防ぐことはできない。
残余のリスク=どうしても残ってしまう危険←これが原発の問題

炉心溶融が始まった時点で、もう戻れない。(00:29:25-)
「一部の炉心しか損傷していない」と言った。
→本気でそれを考えていたなら、由々しき事態がありえないと見ていた。
 その状況をわからないまま、または隠したまま(どちらかわからない)、続けた。どこまでデータを信じていいかわからないが、実際は完全に溶融しているとすれば、事故としては手がつけられない状態。格納容器の破損まで行きやすいモードになっている。
技術的な評価はあらためて。
※参議院で「いつ炉心溶融していたか」の質問があったが、あいまいだった。

3月11日~12日、少なくとも14日15日の段階で勝負は終わっている。

結果として、大規模の爆発が起こるか起こらないか。
格納容器が漏れているから、水を入れれば入れるほど、漏れてくる。
つまり、圧力容器が損傷していて、溶融物が漏れ出ている可能性が高い。2号機は圧力抑制プールに穴が、1,3号機は格納容器に穴が開いている。
=原子炉の中の空気が外界とつながってしまっている。

漏れ出てくる気体と汚染水の技術的解説。
もう炉内圧力を下げることしかない。
汚染水は10万トンオーダー。
このまま続けると20万トンになると言われている。

本気で漏れない状況を作ろうとしているのか?

以前、低レベルの大量の汚染水を海へ流している。
あれは非常にまずい。

放射線量が少ないからいいということがまずい。
一旦でた放射能は半減期以外に回収できない。

今回は高レベルの放射性物質を含む汚染水が既に何回も出てしまっている。
ああいうものを外海に出すと、当然海外から批判が来る。
「日本は一体どうなっているんだ?」

菅首相は、この事故を収束させて、安全な原子力を日本として積極的な貢献をするといった趣旨の発言をされている。
全くそれは同意できない。
=閉じ込め機能ができないでおいて、安全性もへったくれもない。
もし、安全性を本気で考えているなら、
 ・事故の収束
 ・シビアアクシデントを絶対に起こさないプラントを作る。
 ・絶対に炉心溶融を起こさないこと。
  →これができればまだある程度安全性の議論になるかもしれないが・・・。

※以下、行政監視委員会の後藤先生部分を参照のこと。
原子炉は究極の選択の連続 (00:41:25-)

安全とは何か!(00:49:25-)
安全哲学の不在!

福島原発事故はなぜ起きたか

シビアアクシデントは規制しない!
対立故障基準をもって安全多重防護で防いでいるのが原子力プラント安全設計の概念。

事故防止の考え方と対象技術の受忍 (00:59:30-)
「21世紀の全技術」という本から引用
テーマ:「そもそも本質的安全が成立するか」

行政の抜本的な見直しが必要! (01:02:00-)
こちらも行政監視委員会の後藤先生の部分を参照のこと。

以上。


ちょっと疲れました・・・。
今週はやらなければいけないことがあるので、あまりUPできないかもしれません。
パソコンは携帯するので、できるだけ状況を追いかけるようにします。

失礼します。

【質問事項】5月23日参議院行政監視委員会のまとめ(小出氏・後藤氏・石橋氏・孫氏が参考人)

では、先ほどUPした記事の質問事項を挙げておこうと思います。
質問者の横に時間を併記しておきますので、時間がない方は気になった箇所だけでも御自身で確かめられてください。
※議員の方のお名前に誤りがあるかと思います。お手数ですが、わかる方、ご指摘いただければと思います。

民主党・藤原委員 01:09:00-
・(孫氏へ)主権在民がないがしろになっている現状で、原発を進めるにあたり、安全の確保は絶対必要なことであるが、斑目委員長は「事故は想定を超えたものだった」と言う発言もあった。国民の利益はどこへいったのか?原子力安全委員会や、その監視委員会が機能してはじめて成立する。が、その2つの機関は既に機能していない。その2つを監視する役割は国会が担うはずである。こういった話について、主権在民についてよく発言されている孫氏に意見を聞きたい。
自民党・赤石委員 01:16:00-
・(小出氏へ)一基あたり水素(水蒸気と質問者は言っているが)爆発が起こるとどのくらいの放射性物質が出てくるのか。
・(小出氏へ)炉内にある燃料棒は、一基あたりどのくらいの二酸化ウラン・核燃料が入っているのか。
・(後藤氏へ)圧力容器・格納容器が最悪の状態になったときはどのような事態が想定されるか。できれば放射線量で示して欲しい。
・(後藤氏へ)現在の避難区域の設定の妥当性は?
・(石橋氏へ)具体的に原発のリスクの順位を検証したことはあるのか。公表されているか。
・(孫氏へ)脱原発戦略にあたり、エネルギーの貯蔵技術の可能性はどう考えているか。
公明党・タニアイ委員 01:30:20-
・(小出・後藤・石橋氏へ)政府にではなく、国会に原発事故調査委員会(第三者機関)を作ることを提言している。事故自体の検証や原子力行政の在り方も取り上げて行きたい。何を優先して議論されるべきか?
・(孫氏へ)省エネには限界があると感じた。両輪を担う必要がある。Negawatの概念(100w節電したら100w発電したと同義にとること)。ご意見は?
みんなの党・寺田委員 01:48:00-
・(小出氏・後藤氏へ)第二次大戦を体験したが、また日本が世界に対して大きな罪を犯してしまった。政府、各省庁による情報開示が徹底してなされなかった。その度合いは見ていてどうだったか。
・(石橋氏へ)これだけ財政が破綻している中、復興に向けてあのような大きな防潮堤が本当に必要なのか、地震学的観点で意見が欲しい。
・(孫氏へ)銭の使い方のプロですから、税の使い方など復興に向けて意見をほしい。
日本共産党・田村委員 02:08:30-
・(石橋氏へ)浜岡原発の停止について、国会では議論があった。震源域上に原発を作ったことが間違いだったので、廃止を前提に考えているが、政府は耐震改善などして再稼動を目指しているようだ。ご意見をください。
・(後藤氏へ)原発の設計は各部位ごとにやっているとのことだったが、最悪の事態など原発全体を見て判断できる部署が東電にはたしているのか?
・(小出氏・石橋氏へ)原発について法的権限を持って規制する第三者機関が必要であると思うが意見をほしい。
中山委員 02:21:40-
報道で解説する人々はどの話を聞いても本当かどうか疑ってきた。政府やメディアについて専門の方が自信を持って発言していれば、また自分の持っている情報を持っていれば、その判断は同じ方向に行くと思う。日本人の質は高いと思っている。どうすれば良かったのか。
安全に対する哲学が日本の中に存在しないということをみんなで考え直すには?
・(小出氏へ)福島全域の土地が使えなくなるとの指摘があったがもう少し詳細に説明をお願いしたい。収束できる可能性はあるのか。
・(後藤氏へ)人為的ミスについてもう少し詳しく説明してほしい。
・(石橋氏へ)今後の地震に対する原発の備えは?
・(孫氏へ)希望の持てる話をありがとうございます。太陽光の心配点は?水力発電は難しいのか?
大島委員 02:37:00-
・(小出氏・後藤氏へ)最初の段階で炉を生かそうしたことで、海水注水を止めた・止めないとのことがあったが、そのあたりについての意見は?
・(石橋氏へ)浜岡原発を止めたあと、次に止めた方がいい原発は?
・(孫氏へ)今日本の電力は各自然エネルギーを小さくてもそれぞれ導入していくために、動いていって欲しいのだが、意見をほしい。
・(田島政務官へ)日本の新エネルギー政策についての意欲は?
松村理事 02:46:15-
・(石橋氏へ)若狭湾地域の危険性を示す為の根拠を地元で説明する為にはどうしたらいいのか。
風間理事 02:50:15-
・(小出氏へ)3月15日の東京の放射線量を計測されていて、その数値が発表と異なったとのことだが、具体的にその数値を公開してほしい。
・(孫氏へ)SBでも事故当時の放射線量を計っていたなら、その数値を教えて欲しい。
・(田島政務官へ)地震が起きた3/12と3/13に院内で政府から党へ上がってくる原発報告を聞いていたが、これらの情報が正しく正確であったかどうかは(私本人の感触では)怪しいと推測している。原子力村(東電や保安院等)から正確な情報が上がってこない理由が、構造的な問題があると思う。そのような機関が政府へ情報を提供していることはまずいのでは?どのような組織再編が望まれるか。
・(小出氏へ)同様の内容で、なにか意見があるか。
・(石橋氏へ)浜岡原発について、東海地震の想定震源域の真上に浜岡があるということだが、これを止めることが必要と思うが、政府はた防潮堤の建設を発表している。どうしてこうなったのか。
横山委員 05:20-
・(孫氏へ)今までの電力会社とは違い、個人レベルで電力を生み出そうとする電田プロジェクトはどのような社会をイメージして考えられたのか。
山瀬委員 07:35-
・(石橋氏へ)日本列島にある原発には、本質的安全が必要とおっしゃったか、その概念を説明して欲しい。

【提案】藤原委員 08:50-
今建設的で課題的な話がたくさん出たが、一刻を争う状況が続いている中、この委員会の各委員からの発言をまとめて、政府へ正式なルートで申し入れをおこない、回答を得て欲しい。


とりあえず、流れはこのようになっています。
是非ご参考にされてください。

そして、みんなで子供たちのために脱原発目指しましょう!


ぼちぼちなんて、してらんないよ~!!!w
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