※この記事は、
★11月22日 除染の特殊勤務手当:日当1万円のはずが2千円に・・・【3次下請けでは100円・・・】、
★11月5日 1日3000人働く福島原発:先月時点で登録者は8000人のみ【除染作業よりも冷遇される原発作業員】、
★10月11日【冒頭部内容起こし】福島第一原発事故にともなう被ばく労働に関する関係省庁交渉「被曝超過後の生活補償を」「ハローワークで紹介します」、
★10月5日【内容起こし】原発作業員-その後:「宿代・食事代が出なくなった」「東電にしたら俺らは『使い捨て』」「日当2000円減額」@報道するラジオなどに関連しています。
【東京電力HPより】
『就労実態に関するアンケート』に関する結果および今後の対策案について(p.73より)
(p.79 改善要望事項より一部抜粋)
・東電あるいは元請から手当を直接支給して欲しい。
・会社間での手当・待遇の違いを是正して欲しい。
・21名の方から健康診断費用を個人負担しているとの回答
・内部被ばくの値が下がらない。
・WBC(ホールボディカウンタ)を受けさせて欲しい。
・東電社員のみ一般作業服用バスのるのは不公平なので改善して欲しい。
・気温・湿度等が基準オーバーにも係わらず仕事をさせられた。
・態度の悪い社員がいるので改善して欲しい
・東電社員にもっと仕事をして欲しい。
・構内に暴力団関係者と思われる人がいるので対応して欲しい。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/m121203_05-j.pdf
【動画】IWJ ch2
121203 東電会見 17:30 ~
55分頃~記者の質疑開始
【質問者】
朝日、共同通信、東京新聞、フリー木野、NHK、TV東京
※ラフなメモですが、ご紹介します。
派遣はOKだが、請負で支払先が違うのは明らかに違法。
「現場で指示する会社が違うか?」の設問に関し、東電側の認識として、
「現場では東電自ら、もしくは元請が安全指導等で作業員に直接指導することもあるので、それが『作業を指示する会社』と認識して作業員がアンケートに回答したかもしれない。アンケート設問からはどういう認識での回答かは判断はできない(偽装請負を断定できない。あくまで可能性との認識)」と回答。
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違法な天引きは21人。研修費の天引き。返金されたかどうかは未確認。
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暴力団関係者が作業員にいるというアンケート回答がある。
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11月21日に福島厚労局から指導「所属事業者の確認を行い、労基法15条別添1によって、書面での契約内容明示をするよう周知するように」
⇒回答は12月14日まで
木野さん:「今回のアンケートの設問は東電が厚労省に「この設問でよいか」事前に確認をしているはず。これに基づいて指導をしたと厚労省から聞いている。」
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追加のアンケートは?「本件に関しては今は考えていない。」
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「このアンケートから法令違反を示唆する回答があったのは事実だが、「法令違反か?」と質問されるが、その判断は東電ではできない。」
* * *
東電のいう『監査的手法』の意味
「個別にランダム抽出になるかもしれないが、労働契約・形態がどうなっているかなどを確認していきながら、具体的なサンプルをほりこんでいくというような方法を考えている」
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特別手当について、一般的に東電としては手当てを支給する前提で請負に発注してるか?
「現場の状態に応じて単価の中に加えるものが変わってくる。」
加算されていない、わからない人が47%くらい。現場で作業されている人が特別手当の加算を受けていない。東電社員はきっちりもらっているはずだが、問題意識はあるか?
「どういう賃金体系で契約されているか東電としてはわからない。現場の作業環境や装備の程度に応じて手当を加えた金額を決めている。どういう内訳課はお互いわからない。個別の契約はわからない。」
* * *
アンケート設問の賃金区切りの意図は?
「645円というのは岩手・高知・沖縄の時給の最低賃金。658円は福島の最低賃金。837円は東京。その値。」
837円以上の区切りをもうちょっとやるべきでは?
「今後のこととして参考にさせていただく。もともとの質問がこうなっている。」
設問の意図は、東電として東京の最低賃金くらいもらっていればいいという認識か?
「最低賃金が守られているかどうかの項目。結果こういうふうになっている。決して『これだけもらっていればいい』ということではない」
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下請け構造の設問がざっくりしていて判りにくい。
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まずは元請と改善していく。(=下請けに直接指導はしない。)
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今まで何度もこのブログでご紹介してきている原発作業員の待遇問題。
今回のアンケートでも、その待遇が垣間見えるように思います。
特別手当が支給されていない、もしくは支給されているかどうかわからない方が約47%ということですが、除染作業員が約1万円の特殊勤務手当が支給されているのに、この日本である意味もっとも危険な場所で働く福島第一原発の作業員の方々の手元には、半数程度しか届いていない・・・。
しかも時給で言うところの最低賃金が650円程度の方々が150人以上・・・。
フリーランス記者の木野さんの指摘の通り、『時給837円以上』という設問設定のせいで、踏み込んだ状況がわからないのですが、日当7000円という話もありますので、そういうことなんでしょうね・・・。
1日に1ミリシーベルト以上被曝している作業員の方が100人以上いるというアンケート結果ですが、福島第一原発サイトでは毎日3000人以上の方々が作業にあたってくれています。
当面は作業員の確保ができていても、現状の線量限度、待遇等を考えれば、近い将来必ず作業員不足に陥ることは明白です。
何度も国側にお願いしているのですが、東電で直接雇用ができないのであれば、国が一括で原発作業員を管理し、下請け構造を無くす構造にしなければ、待遇改善どころか現状把握すらままならない状態が続くと思います。東電としても、元請(東芝や日立など)とは話ができますが、下請け企業と話すことはできないと一貫して言い続けています。
このままでは、作業してくださる方々は本当に集まらなくなるでしょう。
世の中は総選挙一色だとは思いますが、こういった大事なアンケートがしれっと発表されています。
今後もこういう情報を見落とさないよう、注意しながらご紹介していきたいと思います。
【各社の報道】
※朝日は東電会見で厳しく追及していましたが、まだWeb上の記事はリリースされていません。
「偽装請負」半数に可能性=福島第1の下請け作業員-アンケート結果公表・東電
時事通信(2012/12/03-20:15)
東京電力は3日、福島第1原発で事故収束作業に従事する下請け作業員を対象に実施した就労実態に関するアンケートの集計結果を公表した。雇用主以外から作業指示を受けていると回答し、「偽装請負」の疑いが強い作業員が約半数いたほか、雇用時に条件を示した書面や説明がなかったと答えた作業員も約4割おり、違法な雇用実態が横行している可能性が強まった。
東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は「法令違反かどうかは断定できないが、改善しないといけない状況は存在する」と述べ、元請け企業に法令順守を徹底するよう要請するほか、改善状況の確認などの対策を取る方針を明らかにした。
アンケートは今年9月から10月にかけ、元請け企業27社から発注を受ける1次請け以下の下請け企業に所属する作業員約4000人に配布。約8割から回答を得た。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012120300825
福島原発:下請け作業員の半数、偽装請負の疑い 東電調査
毎日新聞 2012年12月03日 21時13分(最終更新 12月04日 11時20分)
東京電力は3日、福島第1原発の下請け作業員のうち、約半数が実際の雇用主とは異なる会社の指示で働く「偽装請負」の疑いがあるとするアンケート結果を発表した。自分の労働条件を書面で明示されていない作業員も約3分の1いた。偽装請負は職業安定法で禁止されているほか、労働基準法では、労働条件を書面で明示するよう義務付けている。第1原発の廃炉作業を管理する経済産業省資源エネルギー庁は同日、東電に口頭で改善を指示した。
アンケートは、第1原発の元請け企業27社の下請け企業に勤務する作業員3974人を対象に、9月20日~10月18日まで実施。3186人が回答した(回答率80.2%)。
作業の管理員を除く2423人に、現場で作業を指示する会社と給料を支払う会社が同じか聞いたところ、「同じ」と答えたのは1173人(48.4%)だったのに対し、「違う」は1160人(47.9%)で、半数が偽装請負の可能性があった。
また、雇用主から強要・指示された内容について複数回答で聞いたところ、「現場では別会社の指示通りに働け」と言われたのは158人。「東電や元請けへの提出書類に、別会社の名前を書け」と指示された人も125人いた。
仕事内容や場所、賃金などの労働条件について、雇用主から書面で明示されなかったのは全回答者のうち1146人(36%)。198人(6.2%)は、口頭説明もなかった。
時給は、
▽837円以上(71.8%)
▽658円以上837円未満(2.8%)
▽645円以上658円未満(1%)
▽645円未満(1.1%)--だった。
東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は3日の記者会見で「現時点で、偽装請負などの法令違反に当たるかは判断できないが、改善すべき状況は現実に存在すると認識している。元請け企業と協力して改善する」と述べた。【中西拓司、西川拓】
http://mainichi.jp/select/news/20121204k0000m040051000c.html
福島第一原発作業員に偽装請負の疑い…東電調査
(2012年12月3日21時34分 読売新聞)
東京電力は3日、福島第一原子力発電所の作業員約4000人に、労働環境や雇用条件などについてアンケートした調査結果を発表した。回答した約3200人の48%が「現場で作業を指示する会社と給料を支給する会社が違う」と答えた。
厚生労働省需給調整事業課は「法令が禁じる偽装請負などにあたる可能性がある」としている。東電は原発メーカーやゼネコンなど作業の元請け会社に改善を求めた。
アンケートは今年9~10月、元請け会社27社を通じて下請けの作業員3974人に配布し、3186人から回答があった。そのほぼ半数で偽装請負や違法派遣が疑われたことに加え、36%が「労働条件について書面での明示がなかった」と答え、水面下で不正な労働慣行が広がっている恐れが示唆された。「間に会社がいくつも入っていて、白紙書類を書かされた」といった声も寄せられた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121203-OYT1T01136.htm
福島第一原発の作業員「偽装請負疑い」が半数に
NHKニュース 12月3日 23時25分
廃炉に向けた作業が続く福島第一原子力発電所の下請け作業員に東京電力がアンケートした結果、雇い主以外から指示を受けていると回答し、偽装請負が疑われるケースがおよそ半数に上ることが分かりました。
雇用する際に賃金などの条件が文書で示されなかった人も4割近くに上り、違法な雇用が広がっている可能性が出ています。
このアンケートは、東京電力が福島第一原発の廃炉現場で働く作業員の労働実態を把握するため、ことし9月から10月にかけて、下請け会社の作業員およそ4000人を対象に行い、8割から回答を得ました。
その結果「給料を払っている会社と現場で作業の指示を出している会社が異なる」と回答した作業員がおよそ48%と、違法な偽装請負が疑われるケースが半数に上ることが分かりました。
中には、東京電力や元請け会社に提出する資料に、実際の所属と異なる会社で働いていると記入するよう会社側に指示されたなどと答えた作業員もいました。
このほかにも法律で義務づけられた、雇用される際に仕事の内容や賃金などを文書で示すことについて、「示されなかった」と答えた作業員がおよそ36%に上り、違法な雇用実態が広がっている可能性が出ています。
東京電力は下請け作業員の相談にのる電話窓口を設けていますが、知っていると答えた人は、およそ38%にとどまっていたということで、「すべてが違法かどうかは断定できないが、大きな数字で、改善が必要な重大な問題だと受け止めている。相談窓口の利用や偽装請負などへの注意を呼びかける取り組みに力を入れたい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121203/k10013930051000.html
福島第一作業員 4割労働条件明示なし 東電が3200人調査
東京新聞 2012年12月4日 朝刊
東京電力は3日、福島第一原発で働く下請け会社の作業員約3200人へのアンケートで、労働条件を書面で明示されていない人が4割弱に上ったことを明らかにした。現場監督らを除く作業員の約半数は、作業指示をしている会社と給料を支給している会社が異なると答えた。偽装請負など違法な労働実態がある可能性が浮かんだ。
アンケートは9~10月に実施。福島第一の元請け会社27社の下請け会社の作業員に書面で配布し、8割に当たる3186人から回答を得た。密封した封筒で回収し、内容は会社に分からないようにしたという。
調査によると、現場監督らを除く作業員2423人のうち、48%が作業指示と給与支払いの会社が違うと回答。11%が、偽装請負などが疑われるような指示を受けたことがあると答えた。
雇用主は労働条件を明示した書面を出さなくてはならないが、書面で明示されたのは55%にとどまった。口頭説明だけが30%で、書面も説明もなかったが6%あった。
東電が作業環境などに応じて元請けに支出しているという危険手当に関しては、半数は加算されていると答えたが、加算されていないが32%、よくわからないが15%だった。
東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は「偽装請負などの法令違反があるかどうかはわからないが、元請けと改善していきたい」と話した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012120402000097.html
福島原発、偽装請負横行か 雇用主以外が指示半数に
日本経済新聞 2012/12/4 10:20
東京電力が福島第1原子力発電所の労働者を対象に偽装請負など違法な労働実態を調べるアンケートを実施した結果、作業を指示する会社と、給料を支払う雇用主が「違う」と答えた作業員が約半数に達したことが3日分かった。同原発で偽装請負が横行している可能性が疑われる結果となった。
尾野昌之原子力・立地本部長代理は「しっかり受け止めたい。作業員に相談窓口の利用を呼び掛けるほか、東電が元請け企業を監査するなど対策を講じる」としている。
東電によると、作業員2423人のうち、1160人(47.9%)が作業を指示する会社と雇用主が異なると回答した。「同じ」と答えたのは1173人(48.4%)だった。
複数回答可の設問では「現場で他社の監督の指示通りに働け」と求められた作業員が158人いたほか、書類に勤務先を記入する際、雇用主を偽るよう要求された人が125人いた。
また雇用主から労働条件を明示した書類を受け取っていない人が、現場監督らも含む全回答者3186人中、1146人(36.0%)に達し、うち198人は口頭での説明も受けていないと答えた。被曝(ひばく)線量の管理をめぐっては、回答日か前日の自分の線量が「分からない」人は481人(15.1%)に上った。
アンケートは、下請け企業の労働者を対象に9~10月に実施。元請け27社を通じて計3974枚の調査票を配布し、約8割を回収した。回答者のうち現場監督らが719人、現場監督か作業員かを明らかにしなかった人が44人いた。〔共同〕
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG04012_U2A201C1000000/
失礼します。
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