※この記事は、11月13日【一部ご紹介】守田敏也氏講演会@京都『私たちの生活に原発は必要か?~放射能・内部被ばくから原発の必要性を考える~』【その①】の続きです。

引き続き、守田敏也さんのお話を抜粋してご紹介します。
(守田敏也氏)
【被ばくによって現れた症状】
 特に焼却をすると一番危険なのが焼却場の職員の方です。僕がつかんでるのでは、栃木県の北部の焼却場の職員の方が次々と亡くなってるそうです。申し合わせたように夜勤の最中に心臓発作。心臓発作の話もすごく聞きます。あとね、こうやって話をしてると、昼間同志社で話をしてきたんですけど、そこに居た東京から避難してきてる女性が、友人の若い子が福島に直後にボランティアに入ってしまって、ボランティアから帰ってきたときに心臓病になって緊急入院した。弁がちゃんと開閉しないということで。というのも聞きました。
 ここの(岩手県)大槌町というところに僕はよくボランティアに行くんですけど、その大槌町で原発から230kmで、放射線の害がどういうふうに表れるかっていう話をしたんですね。放射線の害っていうのは、何かガンになるようにしか言われてないけれども、実際にはベラルーシのゴメリ大学というところでバンダジェフスキーさんという人がどんどん解剖した。恐ろしいことに、心臓にセシウムがいっぱい入ってたんです。それが心筋梗塞とか心不全とかを起こしてる。なので、バンダジェフスキーさんは
「ガンよりも心臓の病気による死亡のほうが大きいんじゃないか」
 あるいはいろんなところに行くので、いろんな病気を引き起こすんです。だからガンだけじゃないし、もちろん心臓疾患だけでもない。免疫力も下がる。
 じゃあその話をお寺さんですることになって、前の日に打ち合わせで和尚さんと話した時に、和尚さんが、
「やっぱり放射線っていうのはガンを引き起こすんですか?」
というので、今の話をしたんですね。
「そうじゃなくて、結構心臓にくるみたいなんですけど。なので、最近突然死をよく聞くんですけど」
 和尚さんが、
「ああ、それでですか。最近突然死の葬式ばかり出してる」
というのでびっくりしました。
 僕はもう外へいろいろ取材に回ってるので、そういうときにゾワっとするようなリアル感。
「あ、これ本当に起こってるんだ」
っていう感覚が。作られた話かどうかはすぐわかってしまう。本当にそんなことが起こってる。
(中略)
 実際にそういう鼻血が出たお母さんとも話しました。それは、お子さんが出したんじゃなくてうご本人が出した。福島市に住んでいた方ですけれども、その方は仕事の途中にやっぱり滝のように鼻血が出て、女子トイレに駆け込んで便器を抱えてたそうです。ずっと。もうティッシュとかハンカチーフとか論外。それで流れるに任せて。流れが少し弱くなった段階で携帯を取り出して、上司にSOSを送って着替え一式を持ってきてもらって帰ったそうです。
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【放射線の数値の意味と現状】
放射線の値で少し見ていくと、放射線の値で一つだけ知ってほしい数値というのは、年間私たちの国というのは1ミリシーベルトというのが限度値としてあります。1ミリシーベルトというのは聴いたことがあるでしょうか?1ミリシーベルトというのは、1年間なので1時間に直すと、8760時間ありますから、ミリからマイクロに単位が変わります。ミリとマイクロの関係は1000マイクロが1ミリです。だから、1ミリっていうのは1000マイクロ。8760で割ると、1時間あたり0.114マイクロシーベルトになるんですね。これは1時間当たり0.114マイクロシーベルトを超えるところに居ると、1年間では1ミリシーベルトを超える。その数値をまず覚えてください。
 じゃあ1ミリシーベルトが安全なのかというと、そういうことではないです。1ミリシーベルトでも非常に緩い国際基準を出してるICRPが言ってることでも、「10万人に5人はガンになる」。もうちょっと厳しいゴフマンという人は、「10万人のうち40人がガンになる」。バンダジェフスキーさんは「ガンだけじゃなくていろんな病気が出ますよ」と言っているので、ここに書いてあるよりももっと危険度が高いのが実態で、どのくらいなのかっていうのはハッキリわかってないですね。ただ安全値ではないということを知っておいてください。
 もうひとつ数値として是非覚えてほしいのは、0.6マイクロシーベルト。何なのかというと、放射線管理区域。要するにこれを超えると放射線を厳しく管理しなきゃいけない場所になるんですね。ここではしてはいけないことがあって、
飲み食いすること、寝ること、18歳未満の子供を連れ込むこと。ただし治療の場合は除く。』
というのが放射線管理区域。
(中略)
新幹線に乗ってガイガーカウンタを大体僕は宇都宮を超えたくらいからオンにするんですけど、そうするとこの辺で上がり出します。新幹線の中で放射線がどんどん上がっていくんですね。郡山で0.3マイクロシーベルトとかいう数字が大体出ます。さっき言ったように1ミリシーベルトは0.114で超えちゃうので、年間で言うと2.8ミリくらいになるんじゃないかと思うんですけど、これはチェルノブイリでいえば避難権利区域です。避難権利区域というのは、その人が手を挙げて「避難したい」といったら、国が全部保障して避難させてあげなきゃいけない地域に該当します。
 更にこの郡山市から福島市の間の二本松市っていうのが一番高いんですけど、ここで測ると大体0.6、0.7マイクロシーベルト。分かりますか?放射線管理区域超えてるんですよ。
 つまり新幹線は毎日放射線管理区域の中を走っているという状態。その放射線管理区域の中でお弁当売ってるし、最近僕は疲れちゃって寝ちゃうしね。法律違反ですね。周りには子供もいるしね。
 そういう状況なんですよ。
 だから今日本の法律は無茶苦茶な状態です。
 福島に行くとどうなるか。
 福島の社内では0.3くらいですけど、福島駅のまわりを歩くと1.0マイクロシーベルトなんて値はどこでも出てきます。だから福島駅は全域が放射線管理区域。そこに普通に人が住んでるんですよ。
(中略)
福島の中では人間関係がズタズタになってしまっています。この人間関係がズタズタになることを明確に推進した方がいて、その方は山下俊一さんという方。長崎大学の名誉教授で福島に入って、今は福島医科大学の副学長をされている方で、甲状腺の検査なんかを一手に独占しようとしている方です。この方は事故の直後に3月17日に福島市内で講演を行いました。私ののちに友人になった方は現場で聞いてるんですけど、その時に山下先生がなんとおっしゃったかというと、
「今回の事故で出てくる放射能はチェルノブイリの100分の1か1000分の1です。」
 ウソですよ。10分の1か、1くらいです。
「なんら心配する必要はありません。マスクはする必要はありません。窓は開けてください。布団はどうぞ外に干してください。子供さんを外で遊ばせて下さい」
と安全宣言をガンガンやったんですね。なおかつ山下先生が言った中で一番ひどいことだと思うのは、
「一番してはならないことは、放射能を怖がりすぎること。放射能を怖がりすぎると、それがストレスになってお子さんが体を悪くします」
ということを強調したんです。
 そうするとね、『マスクはしなくていい』じゃなくて、『マスクはしちゃいけない』になるんですよ。
 分かりますか?
 マスクをしなくていいのにマスクをしてるということは、怖がりすぎているということなんです。
 早速人々は対立します。
「あなたの子がマスクをしてくるから、うちの子が怖がるじゃないか」
「何を言ってるの。あなたの子にこそマスクをつけさせなさいよ」
 そういう対立。
 さらにそれが家の中に持ち込まれます。
 おじいさんは「山下大先生が言ってるんだから何も心配ない。マスクなんてする必要ない」
 おばあさんは「そうはいっても心配だからマスクくらいさせましょう」
 お父さんは「いや、もっと心配だから車で送り迎えするよ」
 お母さんは「そんなこと言ってないで、とっとと避難しましょう」
 これで、一家がバラバラになった。その末に離婚してしまったというケースを大変聞いています。
(中略)
 通学路の値 5マイクロシーベルト。
 放射線管理区域の値は0.6ですよ。大体10倍くらい。
 世田谷で1年前くらいにラジウム騒動がありましたが、あの時の数字は2.8マイクロシーベルト。
 ところが福島電は同じ時に5マイクロシーベルトが出ていてもニュースになりません。なぜか?そんなところはもうどこにでもあるからなんですね。
(中略)
 これ福島の中の小学校で行われていることですよ。見てください。マスクした運動会。なんでマスクしてるのか?校庭の除染ができてないんです。コレ放射性物質いっぱいあるんです。そこで運動会を強行したんです。子供たちにマスクさせて競技させてるんですが、見てください。鼻とか出ちゃってますよね。この子も。そもそもマスクして競技するものじゃないでしょ。しかもこれを見てる子供たちにはマスクをさせてないんですよ。競技をしてる子だけマスクをつけてる。
 さらにもう1個写真あります。これは英文で海外に発信してるやつなんですけど、マスクをしたと競争です。この子はかわいいんですけどね、笑っててね。マスクはずれちゃってます。この状態でと競争させてる。これは子供の虐待現場の写真ですよ。
 この写真を京都市内で講演してて見せたら、あるお母さんが
「うちの娘の学校です」
とおっしゃった。
「私が避難させてなかったら、うちの娘もこの中に入っています」
という現実なんですよ。
 だからこれは、事故によって逃げられなかったので被曝してしまったというのもあるけれども、今しなくていい被曝を子供たちはしているということが、福島県の中で起こっています。
 福島だけじゃないですよ。関東とか東北一円で起こってることですよ。
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【内部被ばく軽視の歴史】
 どうしても放射線の話をしていくと、原爆に行きついてしまう。なぜかというと、あれだけ医療の放射線を浴びた経験は人類には他にないからです。だからさっき10万人のうち5人がガンになるとか40人がガンになるとか、いやちがうとかそういうのありましたよね。あのデータの出所は被爆者調査です。
 核心問題は、誰がやった調査なのか?
 アメリカ軍なんですよ。アメリカ軍が作った原爆傷害調査委員会(ABCC)っていうのがありました。この原爆傷害調査委員会が日米共同組織になって、現状あるのが放射線影響研究所。今も広島にあります。
 これを調べた目的は何なのか?
 ひとつは兵器としての性能を知ることです。
 そして二つ目、ここが非常に重要なんだけど、核兵器の非人道性を隠すこと。
 この場合、核兵器の非人道性というと、そもそも原爆というのは非戦闘員の女性とか子供とかの頭上で爆発させているので、非人道的ですよね。なので特有の非人道性が逆にみえなくなってしまう構造があるんだけど、何が非人道的かというと、放射線を使ってることです。放射線を使って次世代に影響を及ぼす。それに対してヨーロッパはずっと批判が高まっていったんですね。アメリカのおそれたもの、1927年にマーラーという人がショウジョウバエにX線を当てると遺伝子が傷ついて次世代に影響を与えることが確認されました。だから放射線というのは遺伝的影響を与えるということなので、原爆が投下された後に遺伝学者を中心に原爆への批判が台頭するんです。ヨーロッパを中心に核兵器反対運動というのが出てきたんです。アメリカはこれを抑えないと核戦略が進められない。
(中略)
 それに対してアメリカは、9月6日にマンハッタン計画の所長を東京に飛ばして、記者会見を開いて、有名な言葉なんだけど、
「原爆の放射線で死すべき人間は、9月までにもはや死に絶えた。これからは原爆被害は一切出ません」
って言ったんです。そういう宣言を一方的にするんです。もちろんウソですよ。それから何万人も死ぬんですよ。
 それでなおかつやったのは、プレスコードを引いて原爆報道を一切禁止。特派員全部海外追放。理由は何か?「原爆は占領軍の最高軍事機密である」
 これは日本のお医者さんへも通達が行って、お医者さんは『被爆者が来たら治療はしていいが、研究はしてはいけない』とものすごい厳命が下る。
 『研究をしてはいけない』とはどういうことかというと、論文書くとかそういうことだけじゃなくて、みんな放射線の害なんか治療したことないので何をしていいかわからないので、お互いに聞くわけですよね。
「どうした?」
「味噌舐めさせた」
「どうなった?」
「なんか体調子いいみたい」
 それが研究だって逮捕されちゃうんです。
(中略)
そうまでしてアメリカが隠そうとした核心はこれです。
『被曝を初期放射線だけに限る』
 初期放射線というのは、これも原爆特有の言葉なんですけど、原爆が破裂したときにそこから出てくる放射線があります。中性子線とガンマ線という放射線です。それに当たるのが外部被曝。これは否定のしようがない。はっきりと放射線障害がいっぱい出てて、多くの人が死にましたから。だからアメリカはこれを認めたんです。
 ところが放射線被害はそれだけだと言いきったんです。
 つまり『半径2kmまでしか放射線は行かなかった。』
 正確に言うと、『半径2kmより向こうは100ミリシーベルト以下なので人体に影響はない』とそういう言い方した。
なので、放射線で障害を受けた人は半径2kmしかいないっていうんです。
 これ、いまだにアメリカは現在まで踏襲してるんですよ
(中略)
 そういう状況で『内部被ばくを一切認めない』、これが今に影響してるんですよ。
 だから今の内部被ばくという言葉を使ってるけど、内部被ばくの特異性というのは絶対日本政府は認めない。
 なぜ日本政府が認めないのか?
 後ろにアメリカが「絶対認めるな」ってことなんですね。そうしないと核戦略が追われるから。これが一番大きな核心問題ですね。
 それで、それに対して僕はさっきの内部被ばくというブックレットを紹介してもらいましたけど、あれをなぜ出したのかというと、2003年に原爆症認定訴訟というのが行われて、そこで被爆者が原爆症認定というのは、被爆者が原爆のせいで病気になったことが証明されると得られるもので、この原爆症認定、つまりは被爆者はそこ(2km以内)に居たら被爆者と認定されるわけですよね。ケロイドがあったりね。だけども、その人がガンになったときに、「あなたのガンは放射線のせいであったのかどうか」は認定が必要になる。認定されると原爆者認定が得られる。それが27万人のうち2000人しかいなかった。ほとんどいない。1%以下。なのでたくさんの人がガンになるんですけれども、ほとんどの方が「それはあなたの生活習慣です」と言われてしまう。
「これでは死んでも死にきれない。この病気をピカドンの影響であることを認めさせて死にたい」
ということで起こったのが原爆症認定訴訟。
 その裁判がどうなったかというと、なんとこれは現在までに集団訴訟19連勝、個人訴訟を入れると28回勝ってる。その裁判で矢ケ崎さんというのは、物理学者として物理学的に被曝を説明してくれということで28回勝った裁判の全ての証言をしてる。それで矢ケ崎さんの内容を紹介したブックレットを作ったんですけれども。
 日本政府は28回裁判で負けた内容をいまだに維持している
 ひっどい話ですよ。もうこんなの三権分立なんてあったもんじゃない。
 だから、その経過に基づいて今の食品規制とかも決めている。内部被ばくの危険性は全く認めません。
 そもそも日本政府は『内部被ばく』っていう言葉を絶対に使わなかったんです。初めて使ったのは、3月11日以降の枝野さんの会見だそうです。これね、僕誰に聞いたかというと、京都市長選を戦った中村さんに聞いたんです。中村さんのお仲間の弁護士さんたちが原爆症認定訴訟をやったんですね。だから、枝野さんが『内部被ばく』という言葉を使ったときに弁護士事務所がどよめきだった。
「うわ!ついに認めた!」
 ところが内容を聞いたら、内部被ばくという言葉は使っただけで、内部被ばくの特有性は何も言わなかったので、「なーんだ」ってことになったらしいんですけど、それまでは言葉も使わない。認めたくない。
 という現状なんですね。
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【放射線の種類とメカニズム】
 放射線がアルファ線、ベータ線、ガンマ線というのがあって、このうち一番強いのはアルファ線です。その次がベータ線でガンマ線が一番弱いんですけど、これ図で書いたときに、アルファ線は空気中で飛ぶのは45mm、ベータ線は1m。それに対してガンマ線はどこまでも飛んでいくんですね。人間の体もすり抜ける。この図を見てると、非常にミスリーディングしやすい内容で、どうしてもガンマ線が強く見えるんですね。それを象徴するのが、
『アルファ線というのは紙1枚で止まる。ベータ線は金属板1枚で止まる。ガンマ線は鉛板でしか止まらない。』
 こういう言い方をされると、ますますガンマ線が鉛でしか止まらないんだからすごく強くて、アルファ線なんかは紙1枚で止まるんだから大したものじゃないと思えてしまう。
でもこれは、分子とか原子の世界というのは、私たちの日常とは全く違うことによってこういう誤解が生じます。
 なぜかというと、アルファ線というのは大きいんですよ。飛んでくるとすぐに分子に当たるんです。当たりやすいので、空気中でどうして45mmしか飛ばないかというと、45mmの中にある分子をことごとく切断して、エネルギーをなくす。だからなんで紙1枚でとまるかというと、紙1枚の表面を激しく破壊して止まる
 それに対してガンマ線はなぜ抜け出してしまうのかというと、当たらないからです。非常に小さいので当たりにくい。小さいといっても、正確にはガンマ線は粒ではなくて波動で電磁波と同じ仲間なんですけど。これね、原子の世界だとすると原子核がゴマ粒くらいだとすると、電子は小学校の校庭のまわりくらいなんですよ。だからスカスカなんです。その間をすかーっと抜けるガンマ線。だから物質との相互作用が少ないので、かなり遠くまでいく。
 体を突き抜けるというと、力があるように思えてしまいますよね。すり抜ける感覚の方が近い。体を通るということは、体の中でエネルギーを全部使わないということなんですね。
 それでさっきの内部被ばくと外部被ばくの核心問題は、外部被ばくで当たるのはほぼガンマ線だけなんです。ベータ線も若干当たるんだけど、1mのところではエネルギーがないから入ってきません。真ん中の50cmだとエネルギーは4分の1残ってるので、まだ4分の1だと皮膚に入って数ミリで止まります。
 なので内臓レベルで考えてもらったら、ほぼ外側から受けて被曝するのはガンマ線だけなんです。
 さっき言いましたよね。子供たちがガンマ線を浴びている。でもそれは放射能の中で一番弱い放射能。
 それに対して、内部被ばくというのは、これを食べてしまう。これを体の中に入れてしまう。そうするとアルファ線、ベータ線は全部体の中から被曝します。体の外まで出て行きません。アルファ線の場合だと、細胞の中だと100分の4ミリしか進みません。逆にいうと、100分の4ミリのところをホットスポットを作って、そこを激しく破壊する。だからDNAの切断の話を思い出してほしいんだけど、ガンマ線で被曝はまばらに起こるので、まだ1重切断で終わる可能性が高い。それに対して、アルファ線やベータ線というのは、ごく局所だけを被曝するので、DNAはズタズタにされてしまう。だから内部被ばくと外部被ばくは当たり方が全然違います。なので、これは同じモードで語ることは全くできない。全然違う。
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【被ばく後の日本を生きる】
 肥田先生が被爆者の方におっしゃるのは、
「被曝をしたら治す医療はない。治す薬もない。じゃあどうするか。まずは腹をくくりなさい。覚悟を固めなさい。開き直りなさい。それで免疫力を最大に上げて、その放射線の害が体に及ばないよう抑え込む。そのためには長生き運動をしよう」
ということで、被爆者の方たちと長生き運動をされてきました。いろんなユニークなことをされてるんですが、あちこちの村に行ってその村で一番年寄りを見つけて、「あなたはなぜその年まで生きていられるのかを聞く」。聞いた内容を真似する。そしたら、すべてのお年寄りに共通なことが1つだけあって、『食べ過ぎない』ということだった。2番目にくるのが『早寝早起きをすること』。やっぱり10時‐2時に寝るのが良いんですね。そういうことを本当に徹底してやってきて、努力をして生き延びることをされてきた。同時に、肥田先生は僕に言ってたのは、
これから必ず起こることは、被ばく者に対する差別。これを許してはいけない。これと戦わなければいけない。そのためには被ばく者自身が背を丸めていないで、まっすぐ立ってあるかなきゃいけないんだ
って肥田先生は被爆者の方に言ってるんですが、僕も皆さんに言いたいのは、さっき言ったように放射線の害は胎児とかが危ない。危ないということはどういうことが起こるかというと、実際起こってますけど、死産・流産が起こります。その次に障害を持って子供が生まれてくる。このことはあまり多くの人は言いません。だけどこれだけ被曝をしてしまったので、先天的な病気を持った方が生まれてくるのは間違いないんです。だとしたら、そのことがこれから起こるということの事実にしっかり目を見開いて、そういう方の尊厳が守られる世の中、その方たちが少しでも差別を受けずに、より生きやすい世の中を作るのに、みんな本気になって一生懸命やらなきゃいけないと思います。

(中略)
 是非主催者に提案したいことがあって、大学の学食を調べろよと言ってください。
 僕ね、いろいろ測ってたらね、最近分かってきたことは、流通してるもので測られやすいものにはそんなに出てこないんですよ。業者も当然考えてると思う。市民測定所が全国に100くらい立ち上がってて、測られるとわかっちゃうので、やっぱりカットしてくれてる。これは良いことなんですけど、ところが例えば京都の中央市場に行くと、毎日福島の野菜いっぱい入ってるんですよ。全部売り切れてるんです。どこかに行ってるんです。どこに行ってるのか?外食産業、加工産業に流れてる可能性が高い。大学によると思うんですけど、可能性がある。そのことを大学当局に対して学食の放射線を調べてというのは、是非やったほうがいい。
 小さい子供の方はお母さんが一生懸命守るけど、一番守られないのは、中学生、高校生、大学生だと言われてます。なので、特に男性は精子はその都度作られるけど、卵子は生まれた時に決まった数があって、生まれた時のその数で生きて行くんですね。なのでそこが被曝されてしまうと、それはすごく過酷なことなので、少しでも被曝しないようにしてほしいというふうに思います。
(中略)
放射能の害を避けるためにも、放射能以外の害も注目してください。要するに添加物とか入ってるのを避ける。そうすると、結果的には放射能は避けやすいんです。なぜかというと、添加物てんこもりで売ってるような業者さんというのは、放射能のことも構ってくれません。逆にそういうのを危険だと思って避けようとしていた業者さんほど、放射能に対して真剣に考えてる。ハッキリ対応が違ってくるので、危険もダブルでくるし、安全もダブルできます。
 一つだけ、これは買うなというのを言いますよ。なんなのかというと、山崎のパンです。
〈会場ざわざわ〉
 買ってるでしょ?
 これは山崎の例えばハムアンドマヨネーズパンを見ると、こんなに入ってるでしょ?添加物。一番危ないの1個言いましょうか?ランチパックってみんな買いますか?
〈会場失笑〉
 ランチパックってよく考えて?あれ卵でしょ?卵って痛みやすいじゃない?だから卵が入ったサンドイッチ見てください。全部必ず冷暗所に置いてあるでしょ。ところがランチパックだけ外に置いてあるでしょ。防腐剤がめちゃめちゃ入ってますよ。だから何日たっても腐らない卵。こんなに恐ろしいものはない。
 だからね、山崎は加工でんぷんてものすごく危ない物質で、なんで入れるかというと触感がいいから。もちもちになる。これ、あらゆる意味で良くなくて、そもそも人間は固いものを噛んで、唾液がいっぱい出て、その消化酵素で良いものがいっぱい入ってます。後は今子供たちって固いものを噛まないから歯の矯正ばっかするんですって。だから2重3重で良くない。そういうものがたっぷり。だからふかふかなんです。
(中略)
 それから、もうひとつ最後に、肥田先生が
「皆さん危険な食べ物を避けようとするばかり、食べ方を忘れてる」
とおっしゃるんですね。
「じゃあ食べ方で何が大切なんですか?」
と聞くと、
「それはね、ご飯を食べるときにはできるだけ親しい友人とかと会って、楽しい話題で食べてください。その時には夫婦喧嘩しないでください」
 なぜかというと、楽しい話題で食べたほうが消化吸収率いいんです。人間はすごい単純なんです。そんなことが分かってきています。
 それは消化・吸収だけじゃなくて、実は私たちの免疫力も温かい気持ちとか意義深いことをしてる時の方が上がるんです。だから逆にいじめとか受けてると、ガンとかなりやすいんです。肥田先生が、
「僕は免疫力をあげるために、毎朝することがある」
「先生、なんですか?」
「僕は朝起きると、まず最初に妻の手を握ります」
 95歳のおじいちゃんに言われちゃったんですが、だからそれをやるかどうかは皆さんのご自由ですけど、そういう仲間と一緒になって意義深い活動をしていくとか、頑張ることそのものが私たちの免疫力を高めて、放射線に対する有利な状況を作り出す。そのことを皆さん作り出して、悲惨な状況だけど前向きに生きて。
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【以上です】

失礼します。
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