年収差を大幅拡大、東電が一般社員にも年俸制
(2012年10月24日21時29分  読売新聞)
 東京電力は、管理職に限っていた年俸制を12月から一般社員にも広げる方針を決め、労働組合に提案した。
 福島第一原子力発電所事故の後、若手を中心に優秀な人材の流出が続いているため、年俸制を柱に実力主義を徹底することで、社員の意欲を高める狙いがある。

 賞与を12月分から廃止し、働きぶりに応じて年に1回、社員ごとに支払額を決定する。2013年度からは、一般社員の等級を従来の5段階から4段階に変更し、40歳の社員で最大180万円だった年収の差を350万円に広げる。これまでは40歳前後にならないと昇格できなかった管理職に、35歳前後で就くことも可能にする。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20121024-OYT1T01196.htm

電気値上げ、年収カット条件 経産省「大企業並みに」
朝日新聞社 2012年10月27日7時54分
 経済産業省は、電力会社が家庭向け電気料金の値上げを申請した場合、社員の年収を社員1千人以上の大企業平均(596万円)並みに引き下げるよう求める方針を固めた電力会社は社員の年収が800万円前後で大企業平均を大きく上回っており、2割を超える給与削減を迫られる可能性がある

 電力会社は、東京電力福島第一原発事故後に止まった原発の代わりに火力発電を増やしている。このため燃料費がかさみ、原発の割合が高かった関西電力は29日、九州電力は30日にも、来春からの電気料金値上げを表明する見通しだ。値上げ幅はともに10%程度を軸に検討する。

 家庭向け電気料金は、発電や送電に必要な費用に電力会社のもうけを上乗せした「原価」(費用)をもとにはじき出す「総括原価方式」で決める。電力会社が値上げを申請すると、経産省の専門委員会で原価が適正かどうかを審査して最終的な値上げ幅が決まり、経産相が値上げを認可する。
http://www.asahi.com/business/update/1027/TKY201210260742.html

東電、年10万人態勢で復興支援 中期経営計画に盛り込む
共同通信(2012年10月27日)
 東京電力が福島第1原発事故で広がった放射性物質の除染などを進めるため、来年4月から全社員約3万8千人を福島県に派遣し、年間延べ10万人態勢で復興支援に当たる方針を、11月にまとめる2013年度からの中期経営計画に盛り込むことが27日、分かった。

 また現地に常駐する除染の専門社員を、来年秋までに現在の約100人から300人程度に増強する。

 東電は現在、社内でボランティアを募って現地に送り、年間延べ2万~3万人が除染や被災者の住宅の片付けなどを手伝っている今後は避難区域の再編もにらみながら、こうした作業を業務と位置付け、全社員を現地入りさせる

 東電は放射線量に応じて最適な除染方法を研究しているが、除染の専門社員は新たな知見を除染業者らにアドバイスし、作業を効率的に進める。

 除染費用は原則として東電負担になるため、作業の効率化に加え、ほかの社員の大量動員で、経費の抑制につなげる狙いもあるとみられる

 政府は今年1月、事故による除染などの枠組みを定める放射性物質汚染対処特別措置法が全面施行されたことを受け、除染推進の拠点として福島市に環境省の出先機関「福島環境再生事務所」を開設。同省は今月、除染加速化のための対応策もまとめている。
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/10/post-6945.html

東京電力を中心に、いくつかのニュースが報じられました。

東京電力の年俸制導入と、経産省から電気料金値上げの条件として出された一般社員の給与カットが、それぞれどう整合性をとらせるのかは判りませんが、特に東京電力は実質国有化されているのですから、国の指示には従うしかないと思われます。

ただ、まぁ個人的には、800万円を600万円に引き下げるといっても、それが平均収入ということを考えるとまだまだ高額なような気がしますが・・・。

また、東京電力が除染要員を福島へ派遣するということですが、やはりこれは0.23マイクロシーベルト/時(国が除染が必要だと決めている基準)の地域へ派遣ということなのでしょうか。

東京電力と除染のことを考えると、思い出されるのは『無主物判決』です。
福島県二本松市にあるゴルフ場、サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部が、福島第一原発から放出された放射性物質による汚染によって営業できないことを民事訴訟で訴えた案件です。

汚染具合がわからなかったのですが、以下抜粋させていただきます。
語られる言葉の河へさんより】【震災】原発>賠償を拒否する東電側の理屈 ~裁判~
例えば、同原発から西方45kmの「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」を汚染した。二本松市は、3回にわたって同ゴルフ場の線量を測定。8月10日には、6番ホールのティーグラウンド地上10cmで2.91μSv/hカート置き場の雨樋の排水口付近にいたっては51.1μSv/h、線量だけなら原発から2.4kmの大熊町夫沢とほぼ同じ高線量だった。
<中略>
 11月13日、検査機関が芝を検査したところ、235,00Bq/kgのセシウムが検出された。チェルノブイリにあてはめるなら、直ちに強制避難となる値だ。
 11月17日には、芝や土から、98Bq/kgの放射性ストロンチウムも検出された。
(「AERA」2011年11月28日号)
http://blog.goo.ne.jp/humon007/e/d47c4ff352c7ccacb9a23bb2a2adffec

こういった状況でも、東京電力は「放射性物質は自分のものではない=無主物だ」という主張をし、それが判決で認められています。

ここへきて、自社の社員を公式に除染活動へ参加させるということは、今までの東電の主張と矛盾しています。
この案件は、既に東京地裁の判決が出てしまっていて、ゴルフ場側が即日抗告されていますが、まだ争うつもりなのでしょうか。

この東京電力の社員を除染のために派遣するということは、そういうことへも影響してくると思います。

失礼します。
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