ツイートで木村真三先生が9月30日愛媛での講演のまとめを目にしました。
探してみたのですが、動画は見つからなかったため、そのまとめツイートをご紹介しておきます。
  @shbttsy74さんのまとめです
    20120930 木村真三 市民科学者養成講座「福島で今何が起こっているのか」愛媛県松山市
    http://togetter.com/li/382269
      ※大体の流れはつかめるかと思います。ありがとうございます。

しかし、木村先生は、自分の発言がパーツで切られ、一人歩きしてしまうことを非常に気になさっていると以前CNICで話されていたと記憶しています。

9月30日のものではありませんが、おおよそ同様であろう内容の講演をYoutubeにあげてくださった方がいらっしゃったので、私からはそちらをご紹介しようと思います。

どうぞ。

20120923 木村真三氏:福島県の放射能汚染の実状
【講演部分】





【質疑応答】



講演内容
福島の子どもたちの放射能被害の実態、26年を経たチェルノブイリ原発事故の現実、そして浜岡原発事故が起きた場合の静岡の汚染予測など、ご自身の足で汚染実態をつかむフィールドワークに基づいたお話をしていただきます。

主催:東北関東大震災・原発震災救援基金
(独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興事業)

<1-3>
  ・『市民科学者養成講座』とは何か
  ・放射線衛生学を専門とするようになった経緯
  ・政府側に居ながらJCO、柏崎刈羽で出来なかったこと、福島第一の危うさ
  ・現状取り組んでいる活動内容
  ・実際に起きているいじめと虐待の事例2件―なぜ起こるのか
  ・メンタルケアと調査の必要性
<2-3>
  ・ベクレルという単位は何を表すか
  ・自然放射線(カリウム40)と人口放射線の違いと注意点
  ・シーベルトという単位は何を表すか
  ・α線はβ線/γ線の20倍!
  ・ラドンガスと肺がんの関係
  ・臓器に対する放射線の影響の違い
  ・被ばくによる遺伝的影響
  ・チェルノブイリと福島第一事故の違い
  ・長崎の放射能到達状況
  ・放射能汚染時代
  ・2011年3月15日の汚染の広がり
  ・2011年3月に保安院が行った簡易の甲状腺被曝検査
    『最大35mSv評価は経口吸入評価だと80mSv』

【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(木村真三氏)
 長いご紹介ありがとうございました。
 皆さん、待ち焦がれていると思います。実際に話をしないと時間はどんどん経っていきます。なので、お話をさせていただきます。
 僕、こんな高い壇上からお話するの嫌いなんで、できるだけ動きながらお話させていただきたいと思います。
題目

 まず、私がこの『市民科学者養成講座』というふうに書いてありますが、これはほとんどどこの地域に対しても、まずこの『市民科学者』とは?っていうのをですね、
「放射能について、皆さん理解してください」
という意味合いで、「まず市民科学者になりましょう」ということの一環として、こうやって各地を回っております。
 その中でいろんな副題として、その地域・地域で要望されている内容というので話を組み立てていくということで、こちらの方の題目をさせていただいておりますが、実際、皆さん。ここに来られている方々というのは、実はものすごく優秀な方々。
 なぜか?
 既に問題意識がある。放射能についても、原発についても、皆さん、かなり意識をされている方々で、ここでは本来であれば、もうほとんどの方々がきちんと・・・実態というのは知らないかもしれませんが、大まかには理解されている。
 じゃあここにきて何をすればいいの?
 話を聞くだけではございません。皆さんにこれからお願いするのは、今日来られなかった方々や、こういった現状を知らなかった方々に、皆さんが市民科学者となって伝えていってほしいと思います。そのためにこういう講義という形をとっております。
 こういった苦悩の中で、皆さんが感じられたことっていうのを少しずつ、皆さん、他の方々、今日来られてない方々に対して伝えていくっていうのが、自分自身でこれからできることの一つだと思っておりますので、お話をさせていただきます。
 ちょっと写真が暗いですね。申し訳ございません。前だけ暗くしてください。後ろは明るくしてください。
 っていうのは、皆さん、これ、医学部で衛生学というのが僕の専門なんですね。暗くなると皆さん眠くなります。これは本当のことなんですよ。これは、目から入ってくる信号が遠視野反応といって、脳の中でちゃんと光を感じる、それによって覚醒が起こるんです。ところが、これがちょっと暗くなると、また難しい話に入っていくと、だんだん眠くなってくるんです。これは仕方がありません。人の世の常です。その時に出てくるのが・・・ど忘れしてしまいましたが、メラトニンです。メラトニンというのが出てくると、もうこれは耐えられません。もうね、手足が熱くなってきて、ほんわかしてくると睡魔に負けてしまいます。
 ということで、できるだけ明るくお願いしたいということで、いつもこういう会場とか大学の講義でもそうやってます。
 そういったようなことで、実はもともと僕は、放射能というものに携わる前は、北海道大学の大学院でパーキンソン病の研究をしておりました。パーキンソン病の発現基準、一体どういったところでパーキンソン病が起こるのか?というようなところを、その原因が判れば根本治療ができるんじゃないか。今は対処療法しかできないんです。根本治療についての基礎的研究というのをやっておりました。
 ということで全く実は放射能に関係ありませんでした。
 放射能自身も「面倒くさいからやりたくない」という気持ちが実際ありました。
 でも、実はですね、最近少し僕の素性が明らかになってきて、あまり言いたくないんですが、昔素行不良でした。素行不良で、ほとんど大学に行けないような状況で、きたのがやくざとシカゴだけだったというのは実は本当の話なんですが、ホント言いたくないんですが、もう朝日新聞に出ちゃったので仕方がないと腹をくくりました。
【参考】http://www.asyura2.com/11/genpatu17/msg/802.html
 そういった中で一念発起して勉強してきたんですが、出来が悪いので身の丈を知ったということで、短期大学からずっとステップアップで勉強していったんですね。で、編入しながら大学院を二つ受けて・・・っていうことで、四つの大学を卒業し、四つの分野=物理、化学、薬学、医学出てます
 っていうことで、そもそも物理は僕の基礎にありますので、その物理の関連することだからということで、当時の放射線医学研究所、科学技術庁の人員募集、求人というのに出してみないかという誘いが来たので、「じゃあやってみようか」っていうのが実は始めるきっかけなんですね。


 本当に性根を入れてやろうと思ったのは、実は入った年が1999年東海村臨界事故の年です。東海村臨界事故を経験したときに、すぐに現場に入らなければならないということで研究所に帰って、実はその時には、日本原子力研究所というところで1か月の講習の研修を受けてました。研修中にこの事故が起きた。だから、その時に
「大変なことが起きた。臨界事故だ」
「先生すいません。臨界をもう少し説明してください」
というくらいのレベルでした。
 そういった臨界事故ということすらもはっきりわからない時に、これは何か研究者としてやれることはないかということで、すぐに研究所に帰って、研究所の有志たちと現場調査の話をしたんですが、研究所からは止められてしまいました。本省(当時の科学技術省)からも止められて、結局1週間現地に入ることができなかったというような経験がありまして、今回のこの事故ではすぐさま入らなければならないというふうな形で職を辞したというのがあります。
 でも、これってただの「起きるかもしれない」とかではなくて、実は「必ず世界のどこか」・・・基本的にもっと焦点を絞ってお話をすると、やはり「日本でこういった原発事故は起こるだろう」と実は思っていました。
 というのは、さきほどもまつやさんがおっしゃられてましたけども、柏崎刈羽原発の中越沖地震。あの時に実は、事故が起きた瞬間に「原発どうなった!?」ってやっぱり僕は動いたんです。本省にも問いあわせて、その時の本省は厚生労働省です。厚生労働省に移りました。移った後にあの事故があったんで、
「どうなんだ?」
「原発は大丈夫だ。原子炉は大丈夫だけれども、原子炉建屋内では汚染が起きてる」
ということで、「入らせてくれ」って言ったんですが、それでも本省からは、
「ダメだ」
というふうに言われました

 結局、こうやって国がやってることっていうのは、実際は自分たちの体裁だけを整えて、一体現場で何が起きてて、一体どういった被害があるかというものをきちんとつぶさに研究しなかったからこそ、この事故が起きたんです。まさに人災ですよ


 地震が起きるというのは当たり前のことですし、もうこの関東大震災クラスの地震というのは日本では様々な南海トラフも含めて「あるだろう」と言われていながら、原発の地震に対する対策、また柏崎刈羽原発を一切無視して、このまま放置していたっていうことは、これは国の責任ではないかと僕は思っております。
 こういったことで、実際には予測していたために、更にもう少し・・・実は皆さんに初めて言うかもしれません。実はもし次に原発事故が起きるんだったら、この福島第一原発だということまで予測しておりました。僕、預言者じゃないです。だから、超能力者でもないですよ。夢に見ましたという話じゃなくて、ちゃんとした科学的実証が、証拠があるんです。
 正直言いまして、僕はずーっと原発事故というのを全部歴史的に追っていったんです。これは何でやったかというと、厚生労働省で僕は労働基準局の所轄だったんですね。だから、労働者の被曝対策というものをやらないといけなかったので、原発内で不正の事故隠しとかそういった歴史をずーっと調べていったんですね。そうした時に、一番多く出てたのが、実は福島第一原発なんです。
 本省の中でも、厚生労働省の中の僕の親友と二人で話した時でも、
「先生、やっぱりここは危ないよね」
っていう話をやっぱりしてました。
 ということで、これは何も全然予測不可能であったわけではなくて、僕は予測しており実際にこの事故が起きたということが判ってたので、中に入ったということです。
 実際に正義感も何もっていうわけじゃなくて、やることっていうのは放射線の専門家であって、さらに事故の専門家である人間が実態を明らかにして、市民にどうやって対応していくか、更に被曝の軽減はどうやってできるかというのを考えていく材料を出すためには、調査しかないです。実態調査しかないから入りにいく。だから、使命というか当たり前のことで、別にこれを本来評価されたいとかっていうのはおかしいと思っていて、だからいつも「こんなところでこうやってしゃべるのおかしいよな」って思いながら話をしています。


 当たり前のことなんですが、この写真。
1

 この写真は、今月(9月)の7日の写真です。福島第一原発から約200m以内まで船で行きました。この船でずーっと行くんですが、なんと放射能が・・・放射能っていうのは一度地面を汚染すると、そこからも放射線を発しますよね。この放射線によって線量が常に高いままになってるんですが、海は放射性物質がいくら入っていようが海の厚み・水の厚みで遮蔽されてるわけです。遮られてるので、ほとんど放射能は上がりません。
 それが原発方面にかざしてずっと近づいていくわけですよ。そうすると、だんだん徐々に線量が上がっていくんです。これはまさに原発から放射能が届いてる距離というのを、実は世界で初めてじゃないですか、目測で出ている。しかも海の上からっていう、稀に見るケースで、放射能が飛んでくる距離を測った実験だったんです。
 その結果、一番遠いところで線量計が動き始めたのは、1㎞です。
 ということは、放射能っていうのは今まで僕は岡野先生からも、
「セシウム137というものは、飛んでも100mくらいだよ」
 本には75mとかって言ってたんですが、実際海からの測定では1㎞飛んでくるんだということが判ったんです。
 ここでは1.32マイクロシーベルト/時という数字が出てるんですが、最終的には7.5マイクロシーベルト/時までいきます。
 原発敷地内に入った方のお話を聞きますと、
「1時間当たり1ミリシーベルトを超えるというところがまだある」
というふうに言われています。
 こういったような現状っていうのが見えてまいります。


 実はこの放射能汚染地図を僕が作ったわけなんですが、この汚染地図だけが僕の仕事ではなくて、これ書ききれないんですがダイジェストとして思ってください。これをほとんど平行してやってます。こうやって平行していきますと、ほとんど自分の自由な時間とかはほとんどない感じです。
19調査活動

 この中で今回ご紹介できるのは、二本松市を中心とした内部被曝・外部被爆の実態調査の結果。これはできるだけ皆さん、写真やビデオというものは撮らないでほしいというのがお願いです。これは二本松市に許可を得て使わせていただきますが、まだ市民も公表していないデータを今日は特別に、こういったこの汚染地域になるかもしれない、この地域のためにまつやさんのご要望に沿った形で、実態というものをお見せしたいということでたってのお願いで使わせていただくことになりました。ということで、この部分は表にはまだ出さないでください。これは必ず11月23日、市民発表会をやった後に二本松市のブログ上にアップされるものですから、そうするといくらでも使ってもいいんですが、それまでは申し訳ございませんが伏せておいていただきたいと思います。これは一応10月の広報にもある概要は載せました。載せてるんですが、まだきちんとした説明をやってないということなので、申し訳ございませんが、この場をお借りしてお願いということにしております。
(よって動画の3-3は無いようです)
 この後、いくつか。いわき市の川前町の志田名・荻地区というところでの放射能汚染調査とか、新潟県のお話というものをちょっとしていきたいと思っています。


 まず、ちょっと唐突ではありますが、緊急を要することができて、実はつい4,5日前。まつやさんからちょうど電話があったときに、まつやさんがご出身の柏崎市に僕はいました。なぜ緊急を要したかというと、今から二つの事例というものを皆さんと一緒になって考えていただきたいと思います。


 一つの事例は、まず学校でのいじめが起こりました。
 これは福島から避難されてきた中学校3年生のお嬢さんです。このお嬢さんが福島から避難してきたときに、転校先の中学校でちょっと体系がぽっちゃりしてたらしいんですが、
「おまえの身体の中、全部放射能だろ。だからおまえ、そんなに太ってるんだ」
って言われて、その言葉がショックになって、拒食症になりました。実際に今、26㎏sです。150何㎝で平均的な身長ですよ。そのお嬢さんが今26㎏sです。医師からは25kgsになったら強制入院。もう非常に命に危険性が出てます。26㎏sでもそれでも学校に行っています。学校通い続けてるんです。こういった実態があるわけですが、そのいじめを受け・・・他愛もない・・・それはいじめではありません。まぁ正直に言ったら、まだまだ他愛もない何の相手にとっての痛みを感じずに、ちょっとしたからかいだったと思うんです。その言った子どもに対しては、実際それを制裁するのではなくて、まず考えていただきたいのは、こういった状況が起きるというのは、『教育』です。『教育』をきっちりしないといけない。なんの教育か。少なくともこの放射線に関する教育っていうは必要ではないか。正しい知識をもっていれば、こういったことは起こりえません。
 その女の子は、実はもっと複雑な関係がありまして、親が東電の職員です。非難されることを嫌がって、子供を表に出す。表面に出す。
「見て。この子、こんなに痩せたけど頑張ってるのよ」
という評価を受けたいということで、その子のお母さん、もうほとんどチアノーゼも出て、血色もほとんど良くない、そのような状況で運動会とか出してる。
 そういったような状況。それは自分たちに非難がこないように、自分たちの子供を犠牲にしてる。
 もうほとんど虐待です。
 こういったことが起きてるんです。
 さらにその女の子は、虐待というよりは・・・虐待になるんですが、やっぱり錯乱するわけです。家の中でパニック障害を起こすんです。その時には、親が隣近所にバレないようにといって、まず父親が羽交い絞めにして、母親が口を押えて泣き叫ぶ声を殺すらしいんです。これ、1時間くらいやってると動かなくなるから・・・
「これ・・・ずっと続けてるの!?」
って言ったら、そうなんですよ。
「どうしたらいいですか?」
っていうSOSが来たので、すぐに対応するために実は行きました。
「これは正直な話、虐待です。すぐに警察に行きなさい。これは親と子供を話さなければならない」
「こういったことを起こしてはいけない。学習会をきちんとどこででもやっていかないといけない。そのためにこうやって講演会というか学習会を今回やります」
というような話をして、対応策というのもいくつか指示してまいりました。こういったものがあります。
 しかも、東電職員はエリート職員です。エリートだから、彼らもそのハイソサイエティな生活を維持しようとするから、結局は子どもの声、痛みや叫びが聞こえないわけです。だから、そのお子さんはなぜ学校に行くか。これは家に居たら自分が死ぬんじゃないかという恐怖感もあるんです。だから、学校が避難所になってるんです。
 こういったまま今も続いています。
 これを県の教育委員会の方々と、今度またきちんと10月3日に話をするんですが。それと後は福島から支援をしてこられてる教育委員会の方々と、前回もお話したんですが。
 こういった対応をとらねばならない状況というのが一つ起きています。


 もう一つは、これは新潟市で起きた事例です。
 これは35歳になるお母さんなんですが、このお母さんは、生まれながらに足がちょっと不自由らしいんです。この不自由な身体でどうにか避難をして、その仮物件というか仮居住という場所を県からあてがってもらえたんですが、そのアパートが2階でした。5歳になるお子さんと一緒に避難をされてきたんですが、5歳のお子様です。当然騒ぐなと言っても騒ぎますよね。走っちゃう。走ってしまうと、下から
「ちょっと放射能が降ってくるから、騒がさないで」
って言われるんです。
 お母さん、それに苦労されて心を病みました。
 病んでどうしたか。
 お子さんをその人たちが外から帰ってくる時間帯から柱に縛り付けたらしいんです。
「ごめんなさいね」
って言いながら、泣きながら、縛り付けることをずっとやってたんです。お子さんは円形脱毛症になりました。
 そこから更に不幸が起きました。
 実はそのお母さん、つい最近、悪性腫瘍が足に見つかりました。これは放射能とは関係ないですが、お母さんはもう・・・考えの中には、この夏、お盆の時期だと思うんですが、一時帰宅されたらしいんです。ご両親のところに帰ったんですが、
「その時に食べた自家栽培の野菜を食べたから、自分はガンになった」
と思っちゃたんです。
「先生、これ、どうしたらいいですか?放射能のことを伝えてもらっていいですか?」
「いや、多分そういった問題じゃないです。これは複雑に絡み合った様々な要因が入ってますので、僕の手に負えるレベルではないです。放射能についてはきちんと話はできますが、他はどうしようもないです」
というような話をしましたが、でもまずお母さん。これは悪性の腫瘍なんですから、進行がものすごい早いらしいんです。話を聞いてると、もしかしたら、これはお母さん助からないかもしれません。でもお母さんが1日でも早く良くなってほしいということで、5歳の子供が、よくしてくださってる近所のおばちゃんに
「おばちゃん、僕お母さんが病気で、早く病気が治るように養護施設に入れてください」
って言いに行ったらしいんです。5歳の子供が『養護施設』なんか判るわけないです。これは周りが言ってる言葉なんです。だから、子供はわからないけれども、お母さんのためにといって一生懸命こういうわけです。
 それを聞いて、お母さんも我に帰ればいいんですけど、帰らないんです。生きる気力を失ってるから、今度はもう食事もまともに作らなくなっちゃって、子供がだんだん痩せ衰えてる状況なんです。
 これもさっきの事例と一緒で、
「まず子供と親を離してください。子供はとにかく保護者が必要ですから、保護者というものをどうにか・・・例えば両親の親御さん、おじいちゃん・おばあちゃんに見てもらうか、どうにかしてまずは治療に専念してほしい」
という話をして、とにかくお子さんを守っていかないといけない。
 こういったことが実際に今起きてるんです。
 これ、しかもその5歳の子供に向かって、下の住民は子どもを呼びつけて、
「あなたはね、放射能という病気になってるの。だからね、早く福島へ帰りなさい。みんなに迷惑をかけないようにね」
って言ってるんです。

 これっていうのは、これを言ってる人の情けなさを責めるんではないんです。これを言わせてるこの現状、この教育の無さ、知識の無さっていうものに対象、怒りをぶつけなければ変わりません。変えていくことができません。これを皆さんに聞いていただきたかったんですね。
 これって、皆さんよく考えてください。
 まず差別が起こる。この差別というのは、士農工商・エタ・ヒニンの被差別部落、これにも共通することなんです。室町時代その当時河原ものと呼ばれる河原に生活していた彼らを身分制度の中へ押し込めてしまったっていうことが始まりの、いわれのない差別から始まったこの歴史と全く一緒の状況なんです。この差別っていうものを無くしていく世の中っていうのは、やはり皆さんと一緒に考えていって、どうやって対応していくかというのが大切になるんじゃないかと思います。
 また、この差別だけじゃなくて、差別に繋がっていることなんですが、広島・長崎で原爆に遭われて被爆された方々。結婚をしても子どもは作ってはいけないと言われ、子供ができないということで離縁され、っていう形で原爆孤老という形で、実は広島市のとある集団住宅に皆さんがひっそりと生きています
 こういったことが起きてるわけです。
 これと全く同じことが今回もまた起きてしまうっていうことを皆さんも理解してほしい、ということです。
 そういったことが実際に起きてしまいました。
 これを今来てる方々、またこの地域でも起こるかもしれない。もしかしたら差別の対象者になってしまうかもしれないというのも含めて、考えていただければと思います。


 非常に大きな問題。更には学校のいじめというのも広がっています。
 新潟の柏崎っていうのは原発がありますから、福島の帰還困難地域=原発8町村の方々が、仕事もなくなってるし家も無くなったということで、原発立地地域に避難されています。
「仕事もあるだろう」
 でも、実際原発全部止まりました。大飯原発以外動いていません。だから原発で働けないんです。彼らだけじゃなくて、原発で働いていた人たちも今逆に福島の事故処理作業をやるために、福島に行ってるんです。
 そうなると今度は、他愛もない話なんですが、中学校や小学校で、新潟の子供が福島から避難してきた子供に対して、
「おまえらが、福島が事故を起こしたから、俺の父ちゃん福島行ってる。俺たち、夏休みどこかディズニーランド行こうと思ってた。旅行に行くって話、全部無くなったんだ。どうしてくれるんだ!おまえらが悪いんだ!」
っていうようなことを言うわけです。
 こういった馬鹿な、常識の無さ、認識の無さっていうのが実際に起きて、逆に、福島からようやく仮のお家とはいえ避難できた場所でも差別が起きていくっていうことがあるわけです。
 こういった現状って、誰も聞いてないんですよ!
 どこも報道されません!
 こういったことを話さないといけないということで来ました。

 
 今僕が新潟県に入ってやってるのは、実は新潟でも特殊なところなんです。これは帰宅困難地域の方々が約3000名。自主的避難約3500名。6500名くらいが今も避難されてるんですが、それぞれの方々の声を聴き、実際に心が病みつつあります。そういった方々の調査っていうものをきっちりやらないといけない。
 これをなぜやらないといけないかというと、やはり避難された方々に対してのメンタルケアはなされないわけです。
 原発事故っていうのは、いかにも「100ミリシーベルト以下は大丈夫だ」っていうようなお話をしてる先生方もいらっしゃいますよね。国もそう言ってます。
「20ミリシーベルト以下であったら年間被ばくは大丈夫だ。だから帰りなさい」
 こうやって言ってますが、直接的な被曝影響について、もし何かあった場合っていうのは対処できるんですが、チェルノブイリでは実際に亡くなった方々は5万人とも10万人とも言われています。その亡くなった方々の半数は、メンタルから来る心的ストレスでお亡くなりになってるんですね。
 今回の福島第一原発の事故。
 この現状からみると、直接的な被曝影響というのは、チェルノブイリよりずっと低いです。多分そうであろうと僕は思っています。今までのデータから見ても、チェルノブイリクラスではありません。
 それは事故も違います。事故の様相が全然違うから、影響も違うわけなんですが、でも、影響は出ますよ。出るけれども、その影響の出方っていうのは、一番多く出るのはやはり心に病を持つような方が多くなるんじゃないかということです。
 もしこの状況を無視されて、見殺しにされてしまうというのでは話にならない。だからこそ、今実際に心の問題がどういうふうになってるかをきちんとしたデータとして出しておかなきゃいけないんです。そのデータが訴訟、裁判に際しての裁判資料になるということなので、実際にはその調査というものを中心にこれからやっていくという形で入ってるわけです。
 その前に心を病まれそうな方々に対しては、きちんとしたメンタルケアをして、まず何を望むか、臨床心理士や精神科の医師ではできないことなんです。
 放射能の知識がわからない。だから不安におののくわけです。これについてきちんと教えた上で適切な対応をとらなければならないということなので、こういった学習会をこの3月から新潟県でも震災1年を契機にやっているわけです。
 こういったような活動をやっているわけですが、今回も皆さんには、この学習に関して、『正しい判断、正しい知識』というものを持った上で、時間の許す限り今の福島の現状をお伝えできればと思っております。
<1-3終了>

【その②】へ続きます。
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