2012年09月15日 原発ゼロ決定で見えてきた日本の政策決定過程の本質的問題
【動画】
http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002534.php

【政府発表:エネルギー・環境会議HPより】

平成24年9月14日 エネルギー・環境会議(第14回)
革新的エネルギー・環境戦略(案)
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120914/shiryo.pdf

【追記】


【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(神保氏)
 さてNコメです。今回は一本だけ。
 こだわりにこだわってきました、このエネルギー政策の決定過程。これは原発事故を受けて、新しいエネルギーの政策を日本が構築するということで、ビデオニュースではちょっと、しつこいというかKYというか、「まだやってるのか」っていわれるくらいずーっとこれやってきました。
 それで、そこの一番・・・集大成と言っていいでしょう、というものが今週ありました。今週というか、今日ですね。さっきありました。
 ので、本当にこだわるのは今日まで許していただきたいということで、ある種最終報告・・・これが最終にならない可能性があるということはあとでお話しますが、ひとつの節目になるのではないかというご報告を今日はしたいと思います。
 エネルギー・環境会議が今日開かれて、『原発ゼロ』という文言の入った新しいエネルギー政策が今日、政府が正式に決定したということです。それで、今更言うまでもありませんが、いくつかの意味でこれは非常に重要である。一つは何と言っても原発事故を受けて、新しく政策を自分たちで作ることの、本当に最初の試みだったということですね。それからもうちょっと大きな意味ではね、エネルギー政策のような国家にとっての基本政策になるような重要なものを、日本がこれまで内発的、つまり外から何か冷戦であるとかアメリカであるとか日米安保であるとか、そういう外的な要因無しで、自分たちの内発的・自発的に自分たちの考えで、自主的に変更したことというのが、恐らくこれまで戦後1度もないのではないかというふうに思います。それが果たして日本にできるのかどうかが問われているという意味では、「あれだけの事故がありながら」という言い方をしますが、何と言っても重要政策を自分たちで決定したことがほとんどない、或いは全くない国の日本が、そうじゃない国になれるかどうかという意味で、僕は二つの意味で今回のエネルギー政策の決定には非常に注目していました。
 また、幸か不幸か民主党政権であったので、その過程が全て公開され、有識者会議であるとかパブリックコメントであるとか、全てその過程が透明の中で行われ、最後の最後でその過程がエネルギー環境会議という関係閣僚の会議に上がってきていたんですね。流石に閣僚たちの話し合いは公開でやるわけじゃなくて非公開でやるんですが、案の定といいますか、この非公開の場に来てから、ある種この政策決定過程が草刈り場になりました。もうほんっと、ありとあらゆる人が手を突っ込んで、突っ込んで、突っ込んで、まぁ本当に実際に決めなきゃいけないプレイヤーたち、これは枝野さんであり細野さんであり、古川さんがエネ環会議の座長なわけですけれども、でありするわけなんですけれども、いやもう本当にですね、玉があらゆる360℃から飛んでくる中で、本当に苦しんで苦しんで最後、今日決めたものがこの今日のここにあります『革新的エネルギー環境戦略(案)』という、この(案)がちょっと怖いですけれどもね、こういうものが決定になったというわけです。
 それで、これについては恐らく主要メディアも一通りの説明があるのではないかと思いますので、またこれ自体は国家戦略室のウェブサイトからどなたでもダウンロードができますので、この実際に発表になったものはダウンロードできますので、見ていただくなりメディア見ていただければいいと思うんですが、この中で敢えてこれをしつこいくらいずーっと毎週毎週の有識者会議をウォッチし、それ以降の過程も何がおもしろいのかと自分でも思いつつ、人からも言われつつ見てきた身として、いくつかちょっと言っておきたいことがあるので、その辺に限定して今日はお話させていただきたいと思います。

 ちょっとどういう順番でいったらいいかなと思いますが、まずやっぱ中身について、ちょっと簡単な・・・これはもう主要メディア並みのおさらいなんですが、一応こんなふうなことをお伝えしようと思います。
 まず、この基本線。
1

この『原発に依存しない社会の一日も早い実現』。これはもう素案の段階から、『原発に依存しない』もしくは『原発の無い』という文言も最初は検討されたんですが、最終的には『依存しない』という言葉で決着はしましたが、これは残った。この下を見ていただければ判りますけども、ここに
『原発稼働ゼロ』
 なんか『稼働』が入ってる分、若干微妙なんですね。要するに、全部廃炉が終わるとも限らないので、動いてる原発は無いという意味で、「稼働」が入った。「原発ゼロ」ではない、『原発稼働ゼロ』になったんですが、とにかく『ゼロ』が入った。
 まずゼロが入るか入らないかというところが、決定的な攻防の分かれ目でした。「ゼロだけは絶対に入れない」或いは「ゼロという言葉は入るんだけれども、事実上ゼロじゃない」ような言い方、「ゼロという選択肢を可能にする」というような文言が、あっち方向、こっち方向・・・具体的に言うと外務省とか文科省から飛んで来たりして、結構ほんとうにいろいろな文言が乱れ飛びましたが、とにかく『ゼロ』という言葉が入り、しかもこれは見てもわかるように、「ゼロという選択肢」ではなくて、『ゼロを可能にするようあらゆる政策資源を投入する』ということなので、ゼロにするということを明確に宣言したということにはならない。これ英語に訳すと「頑張ります」という意味で訳したくなっちゃうんですね。『あらゆる政策資源を投入する』ということをコミットしたけど、「ゼロにする」とは言ってないというふうにも受け取れる。ただ、とにかく『ゼロに向けて』ということ。まぁもともと2030年、これはパブリックコメントなんかに参加された方はご存じでしょうが、2030年にゼロ(%)か15(%)か20~25(%)って話だったのに、なぜか『2030年代』、現実的には2039年までという意味になるでしょうから、2040年は2030年台ではないのでね、2039年12月31日までということになるでしょうが、事実上9年延びたということはあります
 ただ、この言い回しは、実は民主党に一回投げた時に、党から上がってきた最終案、党の中には原発推進派の方がおられる、電事連から支援を受けてる方もおられるし、電力労連からすごく支援を受けている方もおられる党ですね、民主党は。その中でいろいろな反対をある種受けた中で、なんとかこれは前原さんが苦労されて、一応党として打ち出したものだったのが、そのまま一応政府としては出すことになった
 だから、これを以ってして原発ゼロをうたうっていう見出しが本当に正しいかどうかというのは、皆さんが判断してください。文言はこういうことです。
『2030年代に原発稼働ゼロを可能にするよう、あらゆる政策資源を投入する』
というのが全てなので、原発ゼロをうたうっていう言い方が良いかどうかも含めて、こういう言葉が決まった。この『ゼロ』が実質ゼロなのかゼロじゃないのかについては、ほんっとにここについては、ものすごい激しい・・・攻防が。だから賛成・反対ということがあったということです。


 それからもう一つ重要な点ですが、この三原則と言われるものがありました。

2


 これがその三原則なんですが、40年でとにかく原発の寿命とするというということは、これ、実はこの間の法改正では「40年で場合によってはプラス20年可能」というふうに一回決めているのですが、今回は明確に『40年』。だから恐らくこれを形にする上では法改正が必要になると思います。『40年』というふうにとにかく上限で決める場合は。
 今日古川さんの会見でもですね、
「40年って決めると、新しくこれからできたばかりのようなものは、2039年では40年にならないんだけど、どうするんだ?」
とかいろんな質問がありましたけど、とにかく40年廃炉が決まった。
 それから、これがまたくせ玉で、『新設・増設なし』なんだけど、今建設中のものは親切に入るのかとか、いろいろ質問が飛びました。いずれにしても新しくは作らない。今動いているものも40年で廃炉にするということが決まった。これは政府としてはこの一線は守ったということですね
 この再稼働については、『原子力規制委員会が安全確認したもののみ再稼働』というふうに書いてあります。『のみ』って言っても、「原子力(規制)委員会が安全確認すれば再稼働するよ」ともとれるので、これ三原則の三つ目というのは、原発ゼロへ向けての三原則ととるべきかどうかは微妙ですが、いずれにしてもこれは堅持されたということですね。


 それでですね、ついでにちょっと中身について。
 ただやはり最後の方にきて、随分いろいろとすったもんだがありました。 

3


 その結果ですね、例えばこういうこと。さっきの再稼働の文言とちょうど裏表の関係になりますが、「原子力規制委員会が安全だと確認したものについては、重要電源として今後も活用していく」ということがまず決まった。それで、この一番上については、「安全性が原子力規制委員会によって安全性が確認されたものは、『重要電源』として活用」、これは枝野さんが福井に行ったときに、知事に「非常に重要な電源と考えている」と言って、大飯の再稼働をしたという経緯もあったりして、ここはこういう言い回しになりました。だから、「再稼働するよ」と。40年の廃炉は決まったけど、それまではとにかくちゃんと安全性が確認されたものは動かすよということが入っている。
 それから、ここ。この『核燃料サイクル』が実は本当に最後、ちょっと後で詳しくお話しますが、最後の最後、ほんっとに揉めたところでした。事実上、今回は核燃料サイクルを止めるという話は、今回のエネルギー戦略の中には入っていません。つまり、この核燃料サイクルについては、青森県に配慮したり、それから国際社会への責務という言い方してますが、要するに核燃サイクルやめると、プルトニウムがどんどん出てしまうし、しかもいっぱい手元に残ってしまうということが起きるわけですね。燃料として使わなくなると同時に。そうすると、日本はとにかく非核国ですから、それをどうするのか。それから、その不拡散の問題にも関係してくるということなので、それが一つ。
 それからもう一つは、「国際社会」って言ってますけど、日本はフランスとイギリスに使用済核燃料の再処理を実際に発注してる。イギリスに出したものがまたもうすぐ戻ってくるというような状態なので、「核燃料サイクル辞めるよ」みたいな話になると、そことの関係もあると。なんといってもアメリカと原子力協定を結んでいて、原子力の平和利用うんぬんというのが決まっているので、日本が核燃サイクル辞めるということになったら、プルトニウムどうするんだ?っていう話もアメリカとの関係。これはそういう国際社会といっても相手はその辺ですね。
 ただし、これはただしのただしですが、このもんじゅについては、なんと『終了』という言葉、これなんか「研究に使ってその研究の評価をした上で」とかいろいろ書いてありますが、『終了』と。もんじゅはもともと「2050年までは動きませんよ」というふうに政府は言ってたわけですが、もんじゅはやめると。

13


 ちょっとここで深追いしませんが、核燃料サイクルの場合は、フルサイクル=高速増殖炉まで回してフルサイクルする核燃料サイクルと、ハーフサイクル=再処理だけをしてMOXとかを作ってやるハーフサイクルがあるわけですが、当面、ハーフサイクルの方については言及なし、だから一応続けることになるんでしょう。ただ、もうフルサイクルはもう諦めたというふうに考えていいんじゃないかと思います。
 なので、もんじゅについては『終了』という言葉が使われた。
 大事な点で、とにかく最終処分場問題というのに早く着手するという、「着手する」と言ったから解決するという問題でもありませんが、トイレなきマンション状態をとにかく解消しなきゃいけないということが強くうたわれた。
 あと、この辺は立地自治体=原発の立地自治体。これは青森への配慮っていうのは、中間貯蔵施設がある六ケ所や、来年の秋に中間貯蔵施設が新たなものが稼働することになっているむつ市に対する配慮なわけですけれども、これはそれとは別に原発の立地自治体。これはそれによって影響を受ける場合は、なんたって国策だったので、それに対してはちゃんとした配慮をする、つまり何らかの財政措置なり支援なりをするという意味で、立地自治体対策もうたってあります。
 そして、これはもう本当に「ただし」の一つになると思います。『不断の見直し』絶え間なき見直しを行う、つまり「今回ゼロって言ってたけど、これはこれからも何度も見直していくよ」ってことがうたわれている。だから変な話、最初の見直しで、
「やっぱゼロにするのやめました。原発やめるのやめました」
ってことがあってもおかしくは無いという意味で、これが最後にまぁ・・・押し込まれたっていったら変なんだけど、結局ゼロではどうしてもダメだという強い圧力の中で、ゼロを押し切った代わりに、とにかく見直し条項、これを入れることになった。
 見直しがあるから、もうゼロが無くなるっていう簡単なものではないかもしれませんが、どうしてもゼロが駄目だと思ってる側にしてみれば「まぁ、これに見直し条項入ってるし」、なんてったってまた政権が変わるかもしれないんで、自民党は基本的に原発継続の主張をされてるわけですから、この見直しが入ればよしとするだろうということで、最後やっぱそれほど『ゼロ』に対する抵抗というのかな、反対は厳しかったというふうに考えていいと思います。実際に相当『ゼロ』については、厳しい反対があったようです。

14

http://jlab.dip.jp/pa/o/s/pa1347635379715.jpg

 実は、今回の革新的エネルギー環境戦略ですね、これはもともと2010年にエネルギー基本計画っていうのを決めていて、これは
「最終的に原発を14基増設して、原発の比率を50%まで引き上げる」
というものだったんだけれども、今回の福島の事故で見直しを迫られて、それに代わるエネルギー基本計画というものを打ち出すうえでの、一番元になる戦略的な部分がこれだということになります。
 これを受けて、これから例の総合資源エネルギー調査会でエネルギー基本計画を策定に向けての議論が、今日出た戦略を元にしてまた議論が始まるということなんですが、この番組でお馴染みの新日鉄の三村会長=総合資源エネルギー調査会の三村委員長が「このゼロに対しては強く反対している」というふうにも伺っております。なので、また総合資源エネ庁が非常ににぎやかな状態になるんじゃないかと思いますが、まぁちょっとそんなことがこれから予想される。
 それで、実はこのエネ環会議というのは、最終的に9月14日、今日の金曜日に開かれてこの計画が決まったんですが、もともと実は今週の月曜日に開くことになっていました。月曜日に開くことになっていたんだけれども、最後の最後にきて、本当にすべての玉が飛んできたという状態になって、僕の取材した範囲で判ってることを申し上げると、まずは青森で六ケ所村が意見書の決議というのをした。これはとにかくゼロに反対ということで、要するに
「そういうことになったらば、中間貯蔵施設として預かっている使用済核燃料を引き取ってもらうぞ」
或いは、
「新しい燃料は引き取らないぞ」
というようなことを言いだした。
 それから、むつ市の市長、これは宮下市長と私もラジオ番組でインタビューを今週の火曜日にさせていただいたんですけれども、むつは来年の秋からやはり中間貯蔵施設が稼働することになってるんですね。というのは、ご存じのように六ケ所村は今もう98%、使用済核燃料プールがいっぱいです。98%。で、もういっぱいになるので、しかも全国の原発は、ほぼ6割がたどこもいっぱいの状態になってるというところなので、もういよいよ行き場がなくなって、むつにもう一個実はそれを作ったと。それが来年秋に稼働する予定なんだけど、今度はむつ市の市長が
「そういうんだったらば、安全協定を結ばないぞ」
つまり使用済核燃料を受け入れないということですね。
 ということを言いだしたので、結局まずそれで青森が納得しないということが、一つ大きな理由として月曜日ちょっとまだ無理だということになりました。
 それから、週末の間にウラジオストクでAPECがあったんですが、そこでアメリカのヒラリー国務長官が、エネルギー問題に対して
「重大な関心を持ってみている」
というようなことを言ったそうです。これも若干日本が言ってもらったんじゃないかというような指摘も一部あったようですが、その辺のところは本当のところは外交の世界ではなかなか判りません。Wiki Leaksでも出てこない限りなかなか判りませんが、ヒラリーさんがそう言ったとか。
 それから、イギリスも懸念してる。先ほど申し上げたように再処理をお願いしてるイギリスも懸念をしてるというようなことが、外務省経由で出たりとかですね。
 まぁ本当にとにかく次から次へと列をなして、「とにかくゼロはダメだ」と。
 それから、なんといっても経団連。この経団連は、直前に野田総理にも米倉会長が直接電話をしてきた。それから古川国家戦略担当大臣にも、相当、米倉会長から、ご本人いわく
「脅しを受けた」
というような、要するに
「そんなことやってたら、どんなことになるか判ってるんでしょうね」
みたいなような形で、相当そちらからも締め付けというか、厳しい反対意見というのがきていたと。
 そういうのを見てですね、
「とにかく月曜は無理だ。青森がまず全然ダメだし」
ということで、月曜日に無理っていうのはこういうことなんです。月曜日の時点で通すことになっていた案というのは、今みたいな条件はクリアできない。つまり、反対してる人たちをそれまでに説得するか、もしくはその案の中身を変えるしかない。

 そこで実は大きく変わってしまったのがここなんです。これだったんです。今回は、原発ゼロとたてるのに、核燃料サイクルについてはやめるとかやめないとか何も言ってない。もんじゅだけはもう根回しが済んでたんでしょう。もんじゅは回んないっていう話は、かなりそこはもう??のものになってたと思うのでね。ただ、核燃サイクルだけは基本的に止めないということ
 これはこれが止まれば、とにかくまず核燃料サイクルが回ることを前提にして中間貯蔵施設と呼ばせてもらってるものが六ケ所と来年からむつ市にできる。でも核燃料サイクルをしないのであれば、中間貯蔵する必要がないので「それぞれの原発に持って帰って頂戴」という話になる。でもそれぞれの原発はもうそんな受け入れられるような余地はないし、それに今回の福島の4号機に見られるように、そこに置いておくこと自体が地震なんかに対しては、仮に原発が動いていなくても大きなリスクになるということが、今回身を持って証明してしまったということもあって、この問題は、現時点で全く解決できない。端的に言って、最終処分場が決まらない限りは、「核燃料サイクルをやめました」或いは「やめます」ということは政策的に言えない
 これははっきりいって今の政権のせいじゃないわけですね。核燃料サイクルをっていうことを言い訳にして、実際は最終処分場が無い、トイレが無いのに汚物を出し続けたわけですね。
「後で処理するから」
っていうことで、どこかにずーっととりあえず置かせてくれって置いてたわけで。でも実際その後にどうするっていう目途が立ってない。核燃料サイクルっていうのは、結局は回らないってことが随分前から判ってる。でも原発は回していかなきゃいけないっていう、本当にわかりきっているけど、わかっちゃいるけどやめられないっていう状態でやってきたことは誰もが判っているものなわけです。原発というのはね。これは最終処分場というものが見つからない限りは。
 最終処分場が見つかった時に、要するにワンスルー=サイクルとかしないで、そのまま処分しますという地層処分。ここはまた、日本の場合、地震があるということで、この間の渡部満久先生のいうように、活断層が至る所にある日本で地層処分っていうのが本当に安全にできるのかっていうまた新たな問題が今後出てくる可能性あります。
 ただ、いずれにしても、「最終処分ができるようになるまでは、とりあえず核燃料サイクルをします」というような、誰もが知っている幻想に基づかないと、原発が今ヘタするとすぐ止まっちゃう。それは、もう使用済核燃料を出しても、持っていき場所がないので、2039年なんて待つ必要がなく止まっちゃうということですね。
 だから、原発を止めるのは実は非常に簡単で、「核燃料サイクルをやめます」って言った瞬間に、原発は止まるっていう。2039年待たないで止まるっていうほどの、実はこの核燃料サイクル問題っていうのが、実は日本の原発が動いていたのは、このある意味ではウソの幻想をみんなでウソと知りながら保っていたから。
 それが回っていたということが今回また、期せずしてというか、くしくもというか、今回明らかになってしまった。そこの時にこの青森。青森県はその嘘っぱちかもしれないけど、それを信じて受け入れてるわけですよね。その使用済核燃料というものを。なのに、
「実はあれ、『なんちゃって』なんです」
みたいなことを言って、
「もう原発やめるから核燃サイクルももう終わりですよ」
なんていうのは当然通らないし、
「だったら全部持っていけ」
っていうのは当たり前なわけなので、ここは実は根回しが足りないっていうけど、これは根回しのしようがないわけですよ。
 要するに、最終処分場が見つからない限りは、どうにも解決しようがないということなので、これが原発の本質的な問題。常にそこに原発問題は行き着くというものだと思いますが、今回もこれがまず月曜日に決められなかった大きな原因だった。それが先ほど申し上げた外交問題うんぬんというのが、もう一つ非常に厳しく・・・特になぜか外務省が途中から参戦してきたようで。
 もちろん文科省・経産省は反対なわけです。経産省の省益にとってはものすごく大きなものを締めるわけですよね、原子力というのは経産省の中で。それから文科省に至っては、原発の部分がなくなってしまうと、『文部科学省』じゃなくて、もう『文部省』になってしまうんですね。ほとんど科学技術省の部分というのは無くなってしまいますから。なので、核燃料サイクルが無くなると、文部省が役所が半分になるとはいいませんが、なんとか省益を伸ばすことがいつもやってるように、霞が関では最も優先的な価値なのに、突然辞めちゃったらストンと小さくなる。一個ずつ天下り先を伸ばしていくのに苦労して延ばしたのに、ポンっと無くなっちゃうような話ですよね。それから、経産省についてもそれは同じです。当然そこはものすごく激しく反対する。
 これはもちろん繰り返しますけど、省益だけじゃなくて、本当に心底原発が必要だと思われてやってる方はもちろんいるのかもしれないけど、ただ、結局それがどうしてそこまで力を持てるのか。つまり原発についての意見は皆さんいろいろあるわけですよね。なのに、なぜ、例えば今回世論調査その他で見ても、明らかに数としては圧倒的少数だったはずの原発継続派、或いは推進派がここまで力を持てるのかといえば、やっぱりその力がある部分、官僚の中の例えば経産省であるとか文科省であるとか、或いは電機会社、電事連、電力労連といった力のある方々が、やはりそれが無くなる、或いは原発がゼロということになると、失うものが多いということなので、当然その彼らはその力を発揮するということではないかと思います。
<30:00頃まで>

後半続いていきますが、ご興味がある方はご自身でご覧になってみてくださいね。

失礼します。
にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ
にほんブログ村

人気ブログランキング