原発ゼロ、再生エネ拡大が柱 政府環境戦略の素案判明 
共同通信(2012年9月 7日)
 東京電力福島第1原発事故を受けた政府の「革新的エネルギー・環境戦略」の素案が6日、判明した。「原発に依存しない社会の一日も早い実現」を掲げ、「グリーンエネルギーの拡大」「エネルギーの安定供給」と合わせ3本柱とした。

 原発比率は「2030年には15%を下回らせ、さらにゼロを目指す」としたが時期は空欄。高速増殖炉もんじゅ(福井県)は廃止、原子力委員会は廃止を前提に見直す戦略は来週初めまでにまとめ閣議決定する予定で、脱原発が初めて公式な政府方針となる見通し。

 運転期間40年などの原発の3原則を示したが、現在の50基を運転40年で廃炉にすると、それだけで30年の原発比率は15%弱になるため、さらに積極的に脱原発を進めるかは不透明な内容。省エネや再生可能エネルギーも原発比率15%の選択肢の数値とほぼ同じで、15%を基本にしているとうかがえる。国民の過半数が脱原発を望む中、今後、原発ゼロの時期を大幅に遅らせたりすれば激しい反発は必至だ。

 素案では、安全性と必要性を確認した原発は再稼働すると明記。
  (1)新増設しない
  (2)新たな安全基準を満たせば40年を上限に活用
  (3)他のエネルギー拡大で必要性が乏しくなれば40年以内でも止める
―を3原則とした。
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/09/post-6651.html


再処理撤退なら村外搬出 六ケ所村議会が可決
共同通信(2012年9月 7日)
 原発ゼロ、核燃料サイクル政策の見直しを盛り込んだ民主党の提言を受け、サイクル施設が立地する青森県六ケ所村議会は7日、国が使用済み核燃料の再処理路線から撤退するなら、同村に貯蔵中の使用済み核燃料の搬出などを求める意見書を全会一致で可決した。

 意見書は全量再処理路線の堅持を要請。再処理から撤退する場合、
  (1)再処理を委託した英国、フランスから返還される放射性廃棄物の搬入は認めない
  (2)使用済み燃料の新たな搬入は認めない
  (3)村に一時貯蔵されている使用済み燃料を村外に搬出する
  (4)産業を喪失することに対し国に損害賠償を請求する
―などの対応を国、県、村が責任を持って取るよう求めている。

 同村の橋本隆春議員は取材に「ここまで国策に協力してきた村に何の説明もないまま勝手に政策を決められるのは考えられない」と話した。
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/09/post-6654.html

試運転費は存廃両面対応 もんじゅ、政策費78億円
共同通信(2012年9月 7日)
 文部科学省が7日発表した2013年度予算の概算要求で、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、「エネルギー政策対応費」として78億円を計上した。もんじゅ継続が決まれば、このうち59億円を性能試験(試運転)の実施に充てるが、廃炉となれば廃炉計画策定に振り向けるとし、存廃両面に対応する措置を取った

 1995年のナトリウム漏れ事故で停止したもんじゅは、10年5月に運転を再開、同年度中に出力を上げて発電する「40%出力試験」を行う予定だったが、同年8月、原子炉容器内で炉内中継装置の落下事故が発生、試験計画は大幅に遅れていた。

 先月、装置の交換が終わって事故前の状態に復旧し、日本原子力研究開発機構の幹部は「政策決定されれば速やかに試運転を行いたい」としている。

 文科省は12年度の概算要求で、もんじゅについて試運転の経費22億円を含め計215億円を盛り込んだが、政策仕分けなどで批判を受け、政府は試運転の費用計上は見送り、維持費などの名目で175億円を計上した。
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/09/post-6655.html

民主党の提言や各所からの核燃サイクルに対する流れにより、再処理工場を抱える青森県六ケ所村は、以前からこういった方針を各委員会で話されていましたし、特に驚くこともありません。むしろ当然というか、無策に核燃サイクルを辞めると言えば、こういことになってしまうでしょう。

一方のもんじゅ。
再処理された燃料をもんじゅで使用するわけですが、そのもんじゅを辞めてしまえば再処理する必要性が無くなってしまいます。燃料ではなく、ただの放射性廃棄物になります。

やはり核廃棄物の最終処分場を決めないことには、ごみの押し付け合いは止まらないでしょう。

「2030年には15%を下回らせ、さらにゼロを目指す」
としていますが、それは40年廃炉をやっていけば自動的に10%~12%になる計算になり、それはすなわち目標達成できる数字であるということです。

原子力発電をどうしていくのか、大きな分岐点に立っています。

失礼します。
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