今日現在も日本各地で原発反対、再稼働反対のデモが行われていると思います。 
しかし、その中で都市部と原発立地地域との温度差がどんどん広がっているのではないかという懸念を常に持ってみてきました。
都市部=電力を使う側の人々の想いと原発立地地域=原発で地域経済が成り立っている人々の温度差。

それを考えるべく、非常によい講演会がありましたのでご紹介します。

対立しないための道筋、考えましょう。

ではどうぞ。

【動画】IWJ北海道 ch1
20120826「原発廃炉後の地元経済について~朴勝俊氏講演会
http://www.ustream.tv/recorded/24975658(137:27)


【前半】
  ・福島第一原発事故と経済損失
  ・事故後の再稼働への経緯と現状
  ・原発立地地域とその依存性
  ・原発が止まると財政は困る?【固定資産税】
  ・危険を冒せば税収が増えていく【電源三法交付金】
  ・固定資産税と地方交付税交付金の関係
  ・その他の特例交付金と原発関連税
  ・原発で最も儲けている企業はなに?

【後半】
  ・原子力産業の観点から見た福井県の実態
  ・ドイツの脱原発への道
  ・ドイツの脱原発が生む雇用に関するグリーンピースの報告書
  ・廃炉ビジネス(費用と雇用)
  ・ガスコンバインド火力発電所とは?
  ・日本における再エネのポテンシャル
  ・なぜ日本で再エネの普及が進まないか
  ・日本とドイツの固定価格買取制度
  ・ドイツの再エネ比率の状況
  ・北海道・泊地域の強みは?

【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(進行)皆さん、日曜日おくつろぎのところようこそ。『原発廃炉後の地元経済』朴勝俊さんですね。関西学院大学の総合政策学部の准教授をされております。
 朴さんはですね、2003年にその時は京都産業大学に就職したばかりで、このテーマで論文を出されまして、その論文に関して大飯町長?、大飯町から京都産業大学の学長に抗議文が来たという。それを学長は「これはいい論文なので」と謝罪しなかったとそういう、そういう大学なんです。
 ???、わたしたち泊原発反対の??してますけれども、福島の事故以来、泊の方達も「もし生活が保証されるのであれば、もう原発を明日にもやめてほしい」という方もたくさんいました。
 この大事な問題を本当に研究されていらっしゃる方がいない中で、朴さんがずっと??して講演会をされ、今日は札幌でもやっていただくことになりました。
 本当にありがとうございました。
 それではさっそく始めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(朴勝俊氏)
 はい。こんばんは。ご紹介にあずかりましたイケメン韓流スター(笑)
 ちょっとこの間も韓国の方から韓国語でと思われたのかわからないですけど、実は私、もう今日本国籍をとりまして、「かんりゅう」スターってどういう意味かというと、「関西人」????ということで、関西弁でいかせていただきます。
 環境経済学というものを大学で教えていまして、この環境経済学、環境の良い社会を作っていくために環境税を導入しようとか、環境規制をしっかりしようとか、その経済に与える影響はどうなのか、こういうことをやるのがお仕事なんですけれども、昨年のこの福島第一原発事故をきっかけにですね、本格的にやはりこの原発の問題というものを原発の危険性というものを経済の観点から学ぼうと、しゃべっていかないといけない。それだけではなくて、
「原発の無くなった後の経済というのも考えていかなければならない」
というふうに考えるようになりまして、勉強をしているところです。
 この福島第一原発の事故なんですけれども、本当に絶対に起こってはいけない事故が起こってしまったんですよね。今現在も、福島県の内外に15,6万人の方々がご自身の家に帰れない。避難をしていない人たちの間でも、家族の間でも放射能に関する意見が合わないという中で、お友達との間でも放射能の話をできる雰囲気ではない。そういうのが非常に張りつめた状態になっているという、本当に???問題になっているというふうなことを伺っております。
 でも、こういう側でお話をさせていただく機会に必ず私が強調して申し上げているのは、まずこれは最後の事故では無いということですよね。これから日本がすぐに原発をやめないで「あと10年」とか「20年」とかもっと原発を使い続けるならば、同じような事故が起こる可能性は否定できないわけです。
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 しかも、この事故は決して最悪の、最悪の事故ですが、原子力発電所で起こりうる、考え得る最悪の事故という意味ではないです。どういうことかと申しますと、昨年、首相を辞められた菅さんがテレビや新聞のほうでお答えになっていたのは、
「政府の中では最悪3000万人も避難するような、あの事故がもっと悪い方向に転べばそういう事態に陥っていた可能性が政府の中でそういう検討が行われていた」
という話。
 先ほど紹介いただいた私の研究というのは、2003年に原発に大きな、チェルノブイリ規模の大きな事故が福井の原発で起こった場合に、一体どれくらいの金額の経済的被害が出るんだろう。これは風向きにもよりますが、福井の原発は京都・大阪から非常に近いですので、そちらの方に風が吹くようなそういう事故になりますと、私の計算で460兆円。これは決して誇張ではないんです。
 ドイツでは、もう5、600兆円。最悪の事故の被害はこれくらいであると考えられています。
 これが福島原発の事故の地図ですよね。汚染地図になります。
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 しかし、これと同じ縮尺でチェルノブイリ事故の汚染地図を重ねると、なんとこういう事態になるんですね。遥かに広い面積が汚染されるはずということがわかります。ちょっとピントがボケてますが、直しましょう。
 このような、こちらの汚染地図を日本に重ねていただいて、そういう事故もありうるという観点から原発を無くしていかなければならないという思いを強めていただきたいと思います。
 しかし、あの福島の事故が起こった時に、一番最初に原発の再稼働を認めた自治体は、一体どこだったでしょうか?
 それは、この北海道なんですね。
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 本当は九州で再稼働が狙われていたんですけれども、やらせ問題でこちらが一番になってしまいました。この方のことちょっとネットなんか、或いは新聞の記述なんかで調べてみると、北海道電力から随分と北海道電力の幹部、社長の方々から個人献金。しかも見てみると???のように調和のとれた個人献金を随分といただいたというふうな、そういう方が再稼働の決断をさくっとされたというんですね。
 この第3号機です。10か月ほど運転をいたしまして、それが今年の5月5日に止まる。すると、日本ではもう一基も動いてる原発が無いという時期が続きました。
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 もちろんそんな状態の中でも点検が終わったところは動かさなかったわけですね。
 しかし、その次に「夏、原発無しで乗り切られると困る」ということでですね、再稼働を狙われましたのが、私たちの近所の福井県の大飯原発ですね。もう福井県というのは活断層だらけです。原発の直下にも活断層がある。しかも、地震に対する備えはほとんどされていない。
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そこを野田首相が
「安全性は確保されている。国民の生活のために原発を再稼働する」
とお話になられた。それは国民怒りますよね。このような事態が起こりました。
<VTR報道特集08:30頃~>
(朴勝俊氏)
 いかがでしたでしょうか?
 東京でこのような大きな…16万人までいきましたかね。大きなデモが起こっている一方で、関西の住民ももちろん頑張ってはいます。大飯原発の入り口では、その大飯原発への通行を阻止するという、そういうバリケードを張った座り込み運動がされました。
 このときに子供たちを連れたお母さん方も参加されていまして、こうやって車の中から覗いている。
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いよいよという時に、女性の方も座り込みを始めまして、「??されてはいけない」ということで座り込みをしました。そうすると機動隊に撤去されていく、こういう様子ですね。
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この人だれかご存知でしょうか?そこにいますうちの奥さんなんですけど、今緑の党の共同代表をやっておりますが。
 なんか非常に乱暴されているように見えますけど、随分と丁寧に、体重軽いので二人くらいで運んで行かれました。
 このような抵抗をしましたけれども、残念ながら大飯原発は再稼働されていまして、今も動いている日本で動いている二つの原発というふうになっています。
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 ただ、このようにして現地で原発を止める、再稼働するということをしてきたけれども、大飯の原発でお話を、原発の地元で住民の方々のお話を聞いてみますと、
「内心は反対である。」
「内心は心配だ。」
「さすがに賛成だったけれど、今回の再稼働は無茶苦茶やと思う」
といろいろなことをおっしゃるんですけれども、
「でも生活が掛かっているので、やはり反対とは言えない」
「急に無くなったら困る。」
「やっぱり再稼働してほしい。」
という声も強いわけなんですね。
 ですから、ただ「反対、危険だ」というだけでは、もちろん現地の人が危険だって判ってるわけですよね。判っているわけですから、その現地の経済、原発が無くなった後どうしていくかということを考えなければならないということが判りまして、この妻、長谷川の主催となりまして、大飯町で『もう一つの住民説明会』、政府側の安全だというのとは別に、ちゃんと考えようと。
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 ここには福島の女性。実際に避難をされた女性、また汚染されている中で住み続けている女性。本人の方々が体験談を話す。
「事故が起こったらこんなことになるんですよ」
と。そして京大原子炉実験所でずっと研究されていました、もう退官されましたけれども、小林圭二先生、あのもんじゅの問題をやられてましたこの方が大飯原発の再稼働の危険性の話をし、そして私が地元経済の可能性というお話をさせていただいたんです。 その様子がビデオに出されていまして、インターネットに出ている。泊の隣の岩内町の佐藤けいいちさんがご覧になりまして、呼んで話をしてほしいということになりまして、お話いただいたわけです。

 泊原発。
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 泊に関しても、もちろん札幌もそんなに遠くないですから危険ということはみんな判っていると思います。
 泊の地元でも、またその周辺でも危険だということは判っているはずです。
 ですが、
「原発が無くなったらどうやって暮らしていけばいいのか。」
 原発の依存するということは、なかなかそれ以外のことを考えにくくなるんですね。
 考えてみましょう。
 原発の寿命を仮に40年とするならば、泊は2029年、2031年、2049年に無くなる、そういう原発ですね。
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しかし、もともとは日本の原発の寿命というのは30年と言われていました。30年とすると、2019年、2021年、2039年に無くなっていきます。その後のことを考えていかなければならないわけです。もしその後のことを考えていなければ、原発の寿命が来るという時に、
「やっぱりもう一基作ってくれ」
という話になりかねないわけですね。
 この新聞は1991年の12月26日。福島第一原発があります双葉町の町長が、
「原発をあと一基作ってくれ」
ということで、政府や電力会社にお願いしたよという記事。
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 あの原発で潤ったはずの、豊かになったはずの双葉町。
 財政がやっていけないということで「もう一基作ってくれ」という話になったのは、これが非常に証明するものになったわけですね。
 この原発を持ってしまった地元が、なぜ原発が無くなると財政が困るのか?
 それには二つの原因。
 一つは固定資産税の話。
 もう一つが様々な原発関連の交付金=いわゆる電源三法交付金のお話。 
 固定資産税というものは、まぁ大きな発電施設がありますと、その固定資産、価値に応じて自治体に税金が入る。これは日本独特のものではありません。ヨーロッパでもあります。多くの国でそういう固定資産税によって地元がある程度潤う。
 しかし、この固定資産税にはちょっと地元には困ったなという性質があるわけですね。
 まず、原発が計画をされまして、建設中は固定資産税は入ってこない。動き出さないと入ってこない。そして動き出すと固定資産税が入ってくるんですが、原発の減価償却が進みますと急激に収入が減っていく。つまり、16年から20年で無くなっていくというんですね。
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 こういうのは一過性のものなんですよね。しかも、一番反対運動があって揉めるのは建設中です。その時にはお金は落ちない。
 そいうことでは困りますので作られたのが、1974年、電源三法交付金というものですね。
 もうこれができた頃には、
「原発は危険だ。都会には到底作れない」
ということは明らかになっていましたし、固定資産税も一過性のものだということが明らかになっていました。その問題をこれから受け入れてくれた地元に即にお金が落ちるという形にしまして、様々な安全性の矛盾をお金で解決していく、そういうシステムになりました。
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 資源エネルギー庁の資料を読みますと、まず12段階から、環境アセスメントをしているときからお金が出る。しかしぐっと出るのは建設中です。建設中にお金が出まして、そして建設が終わって運転が始まりますと固定資産税も入るわけですが、電源三法交付金はこう入るようになる。運転から29年、30年が過ぎますと少しお金が増える。そしてまた寿命がこのように運転が続く限りは交付金が入り続けるという、そういう仕組みになっています。
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 40年動きますと135万キロワット級の巨大原発で、1384億円のお金が自治体、周辺地域に配られる、そういう仕組みになっています。
 この電源三法交付金には、非常にいやらしい、危ない仕組みが備わっています。
 それは何かと申しますと、地元をして危ない橋を渡らせる気にする、そういう仕組み。
 一つ目は、原発が古くなるほど割増をされる。資源エネルギー庁のパンフレットにそう書いてある。
 そして、プルサーマル、いわゆるプルトニウムが入っているMOX燃料で発電をするということを受け入れるとプラスアルファ。
 そして、これが一番酷いですけど、定期点検の間隔をを伸ばすと割増しになっていく。
 危ない運転すればするほど『人参』が増える。
 これね、酷い話ですので是非広めていただきたい
と思うんですね。
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 ですが、原発の寿命が来て停止ということになりますと、この交付金も無くなってしまう。それでやっていけない自治体というのは、「もう一基ちょうだい」ということになるわけですね。次の未来の経済を考えていなかったら。
 もう一基が駄目だったら、運転延長。50年でも60年でも動かして、その先に待っているのは、先ほど見たような巨大な事故です。
 これは絶対に許してはいけない、防がなければいけない。

 ですから、私たちは「今すぐにでも原発を止めて」というならば、今すぐ止めた後の経済のことも考えなければいけないですよね。
 まず第一個目として、どれほどその原発の地元が原発に依存をしてるのかということを確かめておきましょう。
 これ、泊原発のある泊村。1883人ということです。そしてその下に神恵内村。以前はもっと人口があったそうなんですが、現在1122人。共和町。さきほどちょっと案内してもらって随分とおいしいメロンができるという。メロンを仕分けしてるところに行ったんですけれども、そこが6428人。そして岩内長14,451人。
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 この4町村合わせますと、およそ2万4000人の人口がここに住んでいらっしゃるということです。
 こうした地域に与えられてきた原発関連税と交付金。1989年から2009年まで。これは朝日新聞の記事からとったものですが、まず交付金が320億円入ってきた。そして、税収は639億円だったということです。うち125億円が泊村。その他の自治体が195億円ですね。税収のうち、一部218億円が県に入った固定資産税と核燃料税ですね。それ以外の部分が泊村に入った固定資産税。泊村に入ったお金が一番多くて、交付金と固定資産税を合わせますと、125億円プラス420億円ですから、545億円という数字になります。

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 およそ2000人の人口ですから、貰ってきた金額を2000人で割り算すると、一人当たり2700万円という、そういう大変な財政的なメリットを受けてきたという、そういう計算になります。
 これ、過去20年の話ですね。
 最近単年度で見ますと、泊村の2010年予算は56億円ということです。一生懸命メモされてる方、配布資料等に多分書いてるのでご安心を。
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 うち交付金が18億円で、固定資産税が29億円。財政のおよそ8割を原発関係で得ている。
「そこで原発が無くなってしまうと、税収がなくなってしまうじゃないか。どうやってやっていけばいいのか」
というふうに思われるかもしれません。
 しかし、財源は無くならないんです。
 なぜ?
 その理由の一つは、固定資産税が減っても、そのお金のほとんどは地方交付税の賦金という仕組みで返ってくるように日本の地方自治財政はできているんです。
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地方交付税交付金。これはどういうようなものかと申しますと、地方交付税交付金というのは、いわば豊かでない自治体に対して、国からきちんと税金を割り当てるという、そういう仕組みなんですね。
 だから、貧しい自治体は交付金を貰える。しかもこれ交付金。交付税、『税』と呼ばれているのは、国からもらえる補助金と違って自由にその自治体で使える、使い道を決められるものなんです。補助金は箱ものしか使えなかったりいろいろ言われますけど、これはもう堂々と自分たちの必要に応じて使える税ですね。
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 これは、自治体の基準財政需要額と基準財政収入額の差。つまり、自治体が普通の生活をするために必要な財源と、そして自分たちでまかなえる財源の差。それを引き算したものはちゃんと補助しますよと、そういう仕組みであります。
 判ります?
 もう既についていけないという方いらっしゃいませんか?大丈夫ですか?
 もう少し見ていただいたら、だんだんわかってくると思いますけれども。
 この基準財政需要額というのは、どれくらいお金が必要なのか、ちゃんと自治体として国民として、最低限度の暮らしができるようなお金がどれくらいなのか、そういうのを計算する方法(式)があるんですね。これは自治体の基準財政需要額というのは、この自治体にどれくらいの人が居て、道路がどれくらいあって、学校や病院などの公共施設がどれくらい必要で、そういった事柄が計算される必要な金額ですね。
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 それに対して、基準財政収入額というのは、主な税収、住民税とか固定資産税とか、そういった主な税金というものを収入の見込み額の7割5分、この必要なものとこの見込まれる税収の7割5分、それを引き算したものが貰えるということなんです。
 ちょっと図で説明しますともう少し判っていただけると思いますが、例えばこれ。
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「自治体の財政が弱い、赤字だ」という自治体の場合、基準財政需要額=計算上必要だろうなとされるお金は100億円だという自治体だというふうにしましょう。そこへ見込まれる主な税収が80億円ですよと。この差の20億円が貰えるんじゃないんです。これを7割5分しまして、80億円の4分の3=60億円が基準財政収入額という考え方。ですから、ここで引き算して足りない分は貰える。ですから、この自治体はこの60億円の計算に入らなかった20億円と、この60億円と40億円を足し算して120億円のお金を使うことができるという、そういう仕組みになっています。
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 「もうついていけない」という方いらっしゃいませんか?大丈夫ですか?
 判っていただけましたでしょうか?
 この自治体のですね、主要産業が衰退をした。固定資産税が30億円減ったというようなことになりますと、こういうことになるんです。必要なお金は変わりません。100億円としましょう。税収が80億あったものが50億に減りました。この50億の4分の3=75%が基準財政収入額ですね。ですから、この需要額と収入額の差が地方交付税交付金で埋められますので、交付税がこんなに増えるんです。そして、112.5億円。ほとんど減らないでしょ?30億円減っても、7億5000万円しか減らない。つまり減った分の7割5分は交付税という形で戻される。
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 そういうような仕組みになっているんです。
 ただし、これは赤字の自治体の場合ですね。
 泊村は今のところ原発のおかげで非常にいい黒字になってますから、基準財政需要額よりもはるかに税収は多い、そういう自治体です。だから、税収が多い。
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それを4分の3して基準財政収入額にしても、それでも足りている。足りているから国からお金は貰っていないという自治体なんですね。そういう場合は、さっきみたいに固定資産税が減っても7割5分返ってくるというわけにはいかないですけれども、それでもやはり税収が原発無くなったおかげでほぼ無くなりました、そういうことになりますと、かなりの部分は交付税で埋まるというような仕組みになっていますので、原発が無くなれば税収が全然無くなってしまうというような話ではない。
 これが1点です。
 固定資産税に関する地方交付税で代替できますよというのが一つ目のお話。

 問題は、電源三法による様々な原発関連の交付金ですね。
 これは、先ほどの基準財政収入額の計算には組み込まれていませんので、ですからこれが無くなったからといって交付税が増えますよという仕組みにはなっていないんです。
 この交付金は減ったら減ったっきり無くなってしまうと、それはちょっと心配になるかもしれませんね。
 これに対して、もう既に原発が止まった後も出しましょうという税金がいくつかありますので、これを紹介しておきます。
 一つ目はあの事故を起こしてもう既に停止になりました福島第一原発ですね。もうこれに関しては、自治体が28当てにしていたお金が一気に消えてしまう。そういう激変は、急激な変化は困りますので、枝野大臣が
「福島第一原発に関しては、原発関連の交付金を当面続ける。ルールを変えて穴埋めする」
とそういうルールになりました。これが一つ目。
 もう一つは、福井県にふげんという変わった原発が、普通の原発とちょっと違った原発なんですけれども、研究開発用の原発ですね。これがもう寿命が来て今解体作業に入っていますが、そうすると停止になるとお金が入らないということでは困るということで、今どうなっているかというと、これは今解体作業をやってる。廃炉に関する研究センターというふうに解釈をされてまして、今も交付金が出ている。停止をした後も地元が困るということでお金が出ているとそういう実例であります。
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 ですから、この福井県の西川知事、現在何と言ってるかというと、
「原発が止まった後も廃炉の作業が完了するまで交付金をくれ」
というようなことを言ってるんですね。
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 僕はそういう要求をするのは真っ当だと思うんですよ。
 というのはね、原発関連の交付金というのは、そもそも「原発では事故が起こりませんよ」という時に受けてきたものなんですね。でも、福島第一の事故が起こって、もう話は違ってくるんですよ。今福井でも止めなければならない、すぐに止めた場合に急にお金が消えていくと自治体がやっていけない。ですから、経済、「原発の無い経済に軟着陸をするために、しばらくは交付金を続けてほしい」ということは言えるというふうに考えています。
 ここまでが交付金のお話ですね。
<32:10頃まで>
 自治体はほかにも原発関連の収入がいくつかあります。
 一つ目は核燃料税というのがありますね。北海道の場合は、今年度は泊原発が再稼働できないだろうということで、予算にはこの核燃料税は見込めない。つまり原発が動かないと核燃料税は入ってこない。
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 でもね、他の自治体では動かなくても入ってくるようにしてるところがある。
 例えば、福井県。福井県はもう原発が止まっていても入ってくる。原子炉の中に燃料が入っていれば、止まっていても税収が得られるように、そういう方針に条例を変えています。これは自治体の条例でできている、そういう税金ですから、自治体が帰れば変わりますよね。
 もう一つは、使用済核燃料税というのがあります。
 これ、原発で使い終わった燃料に課税する。止まった後も得られる収入なんですね。このような税収も導入しているところが、鹿児島県の佐久間仙台市、そして新潟県の柏崎の2つ。
 これは検討してもいいと思います。検討中といいますか、自治体の町長さんが考えてもいいかなというふうに言ってるのが、佐賀県の玄海町。ほかにも出てくるかもしれない。
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 こういうふうな他の収入源を考えていけば、すぐに財政がもうおしまい、破綻ということではないですね。
 しかし原発に依存してる自治体によっては、原発によって増えた収入を様々な箱もの、そして無駄遣いをしてるところがありますので、そういうのはやはりもうこれまで通りにはやっていけない、節約が必要になってまいります。
 昨日初めて知ったんですが、泊町の場合、様々なお金の使い道に困ってるというふうに聞いています。
 どんなふうに使っているかというと、まず子供が生まれると10万円お祝いが貰えるんですね。
 小学校に入りました。入学祝。
 中学校に入りました。入学祝が貰える。
 大学に入ったというと、入学祝が貰えるのだそうです。
 しかも、お家を建てると200万円貰える。
 しかも、人口は1800何人という地域なんですが、その人数よりも街灯の数の方が多いという、こういうことはやっぱり進めていくのは難しいのではないかと思います。
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 ただ、そういうところは改めて、入ってくる部分と出る部分のバランスを取れれば、財政の面はそんなに問題がないんじゃないかと言いたいのが前半部分です。
<35:30頃まで>
 財政と人々の収入源という意味での経済はまた別の話なので、脱原発をした後の産業、経済をどうやっていったらいいのかというのを今度は考えなければいけないです。
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 私は北海道の経済で泊原発周辺地域の経済というのは、??なところがありますので、ちょっとこの福井県の事例を紹介したいと思います。
 よく似たところもあるだろうと思いますので、この例を照らせあわせながら考えていってほしいと思います。
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 福井県には14、そして先ほどのふげんというものも合わせますと15基もの原発がある原発銀座というふうに呼ばれていた地域なんですね。大層原発マネーで潤っていたんだろうと想像されますね。日本経済新聞の2012年2月によりますと、関電は毎年原発関連で約1500億円の維持管理費を使っている。そして、そのうち約175億円が地元の協力会社約180社に回る。更に職員らのタクシー代や飲食代で35億円ほどが地元に落ちる。
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 随分と原発でうまくいってるのかなというふうに思われるのかもしれませんが、実は意外なところがありまして、ここでちょっとクイズなんですけど、原子力発電のおかげでもっとも儲かっている産業、つまり原発で生まれた富み、収入というのはどういう産業だと思われますか?
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 製造業?何かのメーカー?
 或いは民宿とか?
 運送、タクシー?そういうところなんでしょうか?
 或いはひょっとしたら、そこの地域で働いてる人が食料を必要とするということで農業が潤っているとか?
 実は一番儲かってるのは、金融業。銀行だということが判ります。
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 福井県立大学の調査なんですけれども、彼らの分析によりますと、原発があることによって生まれた収入、付加価値ですね、働く人の収入、そしてその他の収入、それを合わせたもの。そのうちの16%、6分の1を実は銀行業がもっていってるんですね。
 そう思いますと原子力産業って一体何だ?
 原子力産業というと、私たちは電力会社とか或いは三菱、日立、東芝。そういった原発メーカー。建設会社。そういったものを考えますけど、実はもっともっと広いんですね。
39 日本原子力産業協会というのがございます。原発関連の企業が名を連ねている、これはインターネットで日本原子力産業協会というふうに入れますとすぐに出てきまして、会員企業がずらずらと出てきます。もちろん有名な全ての電力会社が入ってます。北から南まで全部入ってます。そして、私が申し上げた三菱・日立・東芝、そういう原発を作っているメーカーも当然入っていますが、それ以外の製造業、パナソニックとかも入ってますね。そういう製造業だけじゃないんです。広告代理店の電通とか名前が入っていますし、また原発のある地元の新聞社とかそういうところも入っております。
 それで、銀行はどうかなというのを見ますと、はっきりと三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行と、そういったところも名前を連ねておりました。
 ここまでは脱線なんですけれども、本当のところ原発で誰が儲かっているのか?その意味では様々な分野や企業が関わっているんですね。
 これは脱線でした。
 話を元に戻しましょう。
<40:25頃まで>

【後半】へ続きます。

失礼します。
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