※この記事は、8月22日【内容起こし】小出裕章氏:野田首相の『脱原発』の意味、討論型世論調査と政権の有力案、アイナメから2万5800ベクレルについて@たね蒔きジャーナルに関連しています。

20120829 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(水野氏)東京には近藤さんです。
 まず今日はですね、原発の燃料棒の周辺について教えていただきたいことがあります。
 東海村にあります東海第二原発の使用済燃料プール、この中にあります燃料棒を束ねる筒とですね、クリップの上の部分の接合部が白く変色しているのが見つかったという話があるんです。
 この燃料棒を束ねる筒というののイメージが判らないんですけれど、どういうものなんでしょう?
(小出氏)燃料・・・沸騰水型原子力発電所の炉心の中にはもちろんウランが入っているのですが、一番基本的な燃料棒という直径1㎝、長さ4mの細いパイプにウランが詰められています。その燃料棒というものが8行8列、或いは9行9列という形で束ねられまして、ひとつの燃料集合体というものになるのですが、その集合体はいわゆる箱に入っているような形になってまして、8行8列の束、或いは9行9列の束が箱に入っています。その箱をつり上げたりつり降ろしたりするのですけれども、そのためにいろいろなフックとかが取り付けられるような構造になっていまして、どうも今回はそのフックなどを取り付けるための部品というんでしょうか、ものが変色しているということのように私には思えます。
(水野氏)はぁ。これは日本原子力発電は詳しい原因を調べると言ってるんですが、変色するということは何を意味すると思われます?
(小出氏)これまでそういう報道に私は接したことがありませんし、そういう情報を聞いたことがないのですが、これを一番初めに聞いたのは女川原子力発電所で同じような現象があったということを聞きまして、どうしたのかな?と思っていたのですが、多分それを受けて日本原電も調べてみたところ、自分のところでも変色していたということだと思います。
 ということは、さきの東日本大震災で襲われた原子力発電所で、新たに起こってきた現象のようにも見えるのです。
 ですから、福島第一原子力発電所はもう今は悲惨な状況ですので、きちっと調べることもできないのですが、福島第一原子力発電所の5号機、6号機、或いは福島第二原子力発電所の燃料がどうなっていたかということを調べれば、もう少し状況ははっきりするかもしれません。
(水野氏)はぁ。地震で何か損傷があった恐れも考えられるということですか?
(小出氏)はい、まぁ一時的に停電とかしているわけで、燃料集合体全体の温度が上がったりですね、或いは何か冷却水の系統に異常な異物が混入して、燃料棒に腐食が生じているとか、何かそのような現象が起きたのかなと私は推測しています。
(水野氏)今のところ環境への影響はないということなんですが・・・
(小出氏)ただちに放射能が環境の漏れてくるということとは違うと思います。
(水野氏)でもこれ、まだ調べられてないところもあるわけですよね。
(小出氏)そうですね。ですから女川で発見されて、今東海で調べたということなわけですから、他の原子力発電所でも調べて原因を突き止める必要があると思います。
(水野氏)はい。
 次ですね、お魚の話なんですが、マダラという魚がいます。鍋料理にするとおいしいんですけれども、これ福島第一原発から遠く離れました青森県沖で高い値のセシウムを含むマダラが見つかりました。
 政府が決めている基準値っていうのは、今1㎏あたり100ベクレルですよね。ところが今回見つかったマダラは、133ベクレルという値でセシウムが検出されました。ただ、原発からの距離が400㎞も離れているようなところで基準値を超えるようなものが見つかるということのショックがあるんですが、これを小出さんはどう見られますか?
(小出氏)当然のことです。
(水野氏)当然ですか?400㎞も離れてるんですよ?
(小出氏)はい。
(水野氏)どういうことでしょう?
(小出氏)陸上の植物、或いは家畜などであれば、その現場からほとんどは動かないのです。植物はもちろんそこで生育するわけですし、酪農、或いは畜産というものの動物もほとんどその場所で生きているのですね。ですから、汚染している地域のものは猛烈に汚染するわけですし、汚染の少ないところで生きているものはそれほどでないということで済んでくれるわけです。
 ただ、海で生きている生き物というのは、もちろん定生生物のようなものは、その現場現場での環境の汚染を反映するのです。ですから、福島県沖の定生生物、いわゆる貝とかヒラメとかアイナメとか、そういうものは猛烈に今でも汚染していると思いますし、そうでないところの定生生物、或いは定生魚類はそれほどの汚染はしていないのかもしれないのです。
 しかし、回遊性のものは汚染してるところからまた外に出ていったりするわけですから、汚染していたところで汚染を蓄積したものが何百㎞も離れたところで現れてくるというのは、ごく当たり前のことになってしまいます。
(水野氏)はぁ。近藤さん、これ、当たり前と小出先生はおっしゃいますが、どう受け止めます?
(近藤氏)先生ね、この魚は知らないんですが、つまり僕らが日常的に食べているいろんな刺身にしろ何にしろ、こういう回遊魚かどうかということをいちいちそんなに気に留めて食べてるわけじゃないですよ。
(小出氏)そうですね。
(近藤氏)そうすると、回遊魚であるとそういう可能性があるということになりますと、日常的にこういうことは僕ら自身が警戒しなくちゃいけないという理屈になるんですか?
(小出氏)そういうことです。
(近藤氏)それはしかし、不可能ですよね?
(水野氏)不可能でしょう?
(小出氏)はい。ですから、こういう汚染を心配している方々は、海産物はもう食べないでおこうというような自衛の仕方をしているのですね。それによって、多分日本の漁業関係者は大変苦境に陥って来ただろうし、これからも苦境に陥らざるを得ないと思います。
 それを乗り越える唯一の手段は、ちゃんと測定して「こういうものはこれだけ汚れています」ということを公表するということだと私は思います。
 しかし、日本の国というのは、とにかく「汚染が無いのですよ」と言いたがる傾向があって、測定値を知らせてくれないのです。だから余計皆さんは不安になってしまって、海産物を避けるというようなことになってしまっているわけです。
 なんとか悪循環を断たなければいけませんし、もっと日本の国の方がきちっとデータを正確に公表するということをやってほしいというふうに願います。
(水野氏)先週お伝えしたアイナメの非常に高い値のセシウムというのはですね、福島第一原発から20㎞の沖合だったんですよね。でも今回400㎞も離れているところにもこういうことがありうるということになると、小出先生がおっしゃる「測定をきちっとする」ということは、もう日本の周りの海全部といいますか、どこからどこまでなんて言えなくなってきませんか?
(小出氏)そうです。ですから潮流によってどこまで汚染が広がっている、或いは回遊性の魚類がどういう方向に移動しているかということも含めて調査をしなければいけなくなります。
 それをでもきちっとやらない限りは、日本に住んでいる人だけではなくて、外国の人たちだってもちろん不安に思うわけですから、日本の海産物がもう売れなくなってしまうということに繋がってしまうわけです。
 事態は大変深刻ですので、日本の政府がしっかりと考えなければいけないと思います。
(水野氏)はい。どうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】


【参考記事】

燃料棒の筒 35本が変色 東海第2原発
茨城新聞 2012年8月24日(金)
日本原子力発電(原電)は24日、東海村の東海第2原発の使用済み燃料プールで、燃料棒を束ねる筒(全長4・2メートル)とクリップの上部接合部が白く変色しているのが見つかったと発表した。変色が見つかった筒は35本。原電は詳しい原因を調べる。環境への影響はないとしている。

原電によると、使用済み燃料プールに貯蔵されている2195本の筒全てを点検したところ、変色が見つかった。点検は女川原発で同様の筒に欠損が見つかったことから、原子力安全・保安院が10日付で同型の沸騰水型原子炉を持つ事業者に指示していた。
http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13458170235011

太平洋沖マダラ出荷制限へ 青森の農水産物で初
共同通信(2012年8月25日)
 青森県の太平洋沖で漁獲されたマダラから国の新基準値を超える放射性セシウムが2度検出されたため、国が週明けにも出荷制限を指示することが25日、県関係者への取材で分かった。

 東京電力福島第1原発事故の影響で、青森県の農林水産物が出荷制限の対象になるのは初めて。

 青森県では6月、同県八戸市沖で取れたマダラから、国の新基準値を超える1キログラム当たり116ベクレルの放射性セシウムを検出したとして、地元漁協に出荷自粛を要請した。

 その後の検査では基準値を下回っていたため7月末に自粛を解除。直後の今月9日、八戸市沖で取れたマダラから基準値を超える1キログラム当たり132・7ベクレルの放射性セシウムが検出されたため、再び出荷自粛を要請した。
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/08/post-6553.html


失礼します。
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