原発、断層ずれても運転可能に 保安院が新基準導入へ 
共同通信(2012年8月28日)
 原発直下に地盤をずらす「断層」があっても原発の運転を一律に禁止せず、継続の可能性を残す新たな安全評価基準の導入を、経済産業省原子力安全・保安院が検討していることが28日、分かった。

 保安院は従来「活断層の真上に原子炉を建ててはならない」との見解を示していた。新基準では、これまでは活断層と判断される可能性があった一部の断層について、原発の直下にあっても、ずれの量が小さく原子炉建屋などに影響が生じないと評価されれば原発の運転継続も可能になるとみられる

 だが「ずれの量の正確な評価手法はまだ完全ではない」(保安院)など課題も多い。新組織「原子力規制委員会」が近く発足するのに伴い解体される保安院の「抜け道づくりではないか」との厳しい声も出ている。

 新基準は、保安院が作成中の「敷地内破砕帯(断層)の評価に当たっての考え方」。専門家の意見を踏まえ近く決定し、規制委員会に引き継がれる

 日本原子力発電敦賀原発(福井県)や北陸電力志賀原発(石川県)では、原子炉直下の断層が活断層である疑いが浮上し、事業者が再調査を始めている。
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/08/post-6573.html

伊方・志賀原発、活断層連動の影響なし…保安院
(2012年8月28日20時56分 読売新聞)
 原子力発電所の周辺活断層が連動した場合に原子炉などに与える影響を検討する経済産業省原子力安全・保安院の専門家による意見聴取会は28日、四国電力伊方原発(愛媛県)と北陸電力志賀原発(石川県)について「連動の揺れに影響を受けない」とする電力会社の検討結果を了承した。
 中国電力島根原発は、引き続き影響評価を行うこととし、北海道電力泊原発は結論を次回に持ち越した。
 四国、北陸両電力は、いずれも複数の周辺活断層が連動した場合を試算した結果、従来から想定している最大の揺れ(基準地震動)を一部で上回るが、原子炉圧力容器などの主要設備への影響はないと報告。意見聴取会の専門家からも異論は出なかった
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120828-OYT1T01171.htm

「酷いな・・・」としか言いようがありません。

保安院の新基準、これが今のタイミングで出てくるというのは、現状各原発で行われている原発敷地内の断層の再調査が、原発を維持しようとする側にとって厳しい結果になるであろうことが想像できますが、それにしてもすごい論法を持ってきたものです。
今までその断層を見つけることができず、規制もせず、どんどん建設させてきた組織が、「断層があってもずれが小さければOK」なんて言って誰が信じるでしょう?原子力規制委員会ができたとしても、その多くは経産省のお役人が移動して組織されるんでしょう?

さらに、その次の記事、「活断層を連動させて計算した場合、基準地震動を一部で上回る」とありますが、この「基準地震動を上回ってもOK」は耐震設計審査指針に抵触するので、即NGではないですか?
【参考記事:12月11日 【内容起こし】石橋克彦氏講演会「『若狭原発震災』前夜の私たち」@名古屋市女性会館ホール【その②】

こういう無茶苦茶なことをするから、お上の言ってることが信用されなくなるんですよ。

・・・失礼します。
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