※この記事は、
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4月27日 原発・核燃サイクル技術等検討小委員会:核燃処理費用再試算を発表【やっぱり即時停止・全量直接処分が最も安い】
7月4日 関西テレビ放送:"核のごみ”抱える村の現実-青森県六ヶ所村【見られるうちにご覧ください】などに関連しています。

20120719 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(千葉氏)今日は毎日新聞論説員の池田あきらさんと一緒にお話を伺います。
 さて、小出さん。先週このコーナーでですね、リスナーの方からいただいた質問で、青森県六ケ所村の再処理工場から環境に出される放射性物質は、めっちゃめちゃ多いっていうことで、年間で33京ベクレルもあるというお話について伺ったんですけれども、平均的な原子力発電所から環境に出される放射性物質の1年分を、この再処理工場から出される量は1日で抜いてしまうということでしたよね?
(小出氏)そうです。
(千葉氏)再処理工場はそれくらい多くの放射性物質を環境に出すというお話で、私、めっちゃめちゃ驚いたものですから、もう少しこのことについて今日は詳しくお伺いしたいと思っております。
 早速なんですが、なんでですね、再処理工場はそんなに放射性物質が出るんですか?
(小出氏)はい。再処理工場という名前を聞くとですね、普通の方の中には「原子力発電所が生み出す放射能を何か処理してくれる、消してくれる工場なのか」と考える方が結構いらっしゃることに、私は気が付きました
 しかし、再処理工場というのは、もちろん放射能を消したりすることはできるわけではありませんで、やることはプルトニウムという長崎原爆の材料になった物質を、ただ取り出すということをやる工場です。
 それで、ちょっと皆さんにイメージを持っていただきたいのですが、原子力発電所でウランを燃やしていますが、そのウランは直径1㎝、高さ1㎝というちょっと大きめの枝豆のまめのようなくらいの大きさの瀬戸物に焼き固めてあります。それを燃料棒という細長いものをさやの中にずらりと並べて積めてあるのです。
 運転中はそのウランが燃えて核分裂生成物、いわゆる死の灰ができていくのですが、それを同時にプルトニウムという長崎原爆の材料もできていく、そういう物理的な性質を持っています。原子力発電所が長い間運転していると、燃料の焼き固めた瀬戸物の中に核分裂生成物とプルトニウムがどんどん溜まってきますし、燃え残りのウランもまた残っているという状態で、いわゆる使用済の燃料になります。
 通常、運転中は、それらすべてが燃料棒という金属のさやのなかに閉じ込められていることになっていますので、原子力発電所から出てくる放射能は、基本的にはあまり多くないという状態にしてきたのです。
 ただし、再処理という作業の目的は、プルトニウムを取り出すということなのです。
 一体じゃあ、瀬戸物に焼き固めたウランの固まりの中から、プルトニウムをどうやったら取り出すことができるのかということを皆さんに想像してほしいのですが、まず、金属の棒の中に入っていたら全く手を付けることができませんから、金属の棒を再処理工場の一番初めにちょん切ってしまいます。つまり、せっかく放射性物質を閉じ込めていた金属のさやをバラバラにしてしまって、瀬戸物をむきだしにするという作業から始まるのです。
 次に、瀬戸物の中には、核分裂生成物とプルトニウムと燃え残りのウランが混然一体となって一つの瀬戸物の塊を作っているのですが、その中からプルトニウムだけを取り出すということをしようとしたら、どうしたらいいでしょうか?
(千葉氏)もうバラバラにしちゃうんですか?
(小出氏)はい。まぁバラバラに例えば瀬戸物を砕くということもいいかもしれませんが、砕いたところでいずれにしても燃え残りのウランと、核分裂生成物とプルトニウムが混然一体となった、ただただバラバラになった瀬戸物になるだけなんですね。
 ですから、どうするかというと、瀬戸物をドロドロに溶かして液体にすると言っているのです
 皆さん、家庭の茶碗とかお皿とか、箸置き、それをドロドロに溶かすということが想像できるでしょうか?
(千葉氏)いや~・・・。あんまり想像できませんよね。
(小出氏)ですよね。要するに大変困難なことをやろうとしているわけで、濃度の濃い硝酸を温度をかけて温めて、その中で瀬戸物をドロドロに溶かしてしまうというのです。その上で、薬品を加えていって燃え残りのウランと核分裂生成物とプルトニウムを、ケミカル=化け学的な操作をして分けるのが、再処理という作業なのです。
 原子力発電所では、せっかく瀬戸物の中に閉じ込めていた、或いは燃料棒の中に閉じ込めていたという放射能を全部バラバラにしてむきだしにして、液体にして分離するというのが、再処理の作業なのです。
 もう途方もない危険な作業ですし、放射能が外に出てきてしまうということは、もうどうしようもないことなのです。
(千葉氏)せっかく閉じ込めていた放射性物質、放射能をそうやってバラバラにすることによって外に出しちゃうということなんですか?
(小出氏)そうです。
(千葉氏)えー、でもそんなにたくさん環境に出てしまうということを国は認めてるんですか?
(小出氏)もちろんです。もともとこの再処理という作業は、初めに聞いていただきましたように長崎原爆を作るための材料だったプルトニウムをどうしても取り出さなければいけないという軍事的要請で始められたのです
 軍事的な要請というのは、安全性も経済性も無視できるという条件がありますので、ようやくにして成り立った技術なのです。
 ただ、日本というこの国は、
「取り出したプルトニウムを原爆にするのではなくて、また原子力発電所の燃料に使うんだ」
ということを言って、再処理ということをやろうとしたのです

 でも、軍事的な目的でやろうと、商業的な目的でやろうと、やることは同じなわけですから、膨大な放射性物質が環境に出てくるというのは、避けられないことになったのです。
(千葉氏)え、でも小出さん、33京ベクレルなんて、ものすごい量の放射性物質が出てくるわけですから・・・
(小出氏)それはクリプトン85という、たった一種類の放射性物質でそれだけです。そのほかにもトリチウムであるとか炭素14であるとか、もうさまざまな放射性物質を環境に出すことになります。
(千葉氏)はい。これを出すのを防ぐような技術というのは無いんですか?
(小出氏)クリプトン85というのは、希ガスと私たちが呼んでいる放射性物質でして、完全なガス体でどんなことをやっても他の物質と化合しないし、フィルタというものにもくっつかないという、そういう特殊な性質を持っています。
 そのため再処理工場側は、『クリプトン85に関しては一切捕捉しないで全量を放出する』と言っています。
 ただし、やり方はあるのです。
 例えばクリプトン85というそのガスなのですけれども、マイナス153℃まで冷やすことができれば、液体にできます。液体にできれば、もちろん閉じ込めることができるわけですから、お金をかけてやる気になればできるのです。
 ただし、『そんなことはしない』というように再処理工場は言っています。
(千葉氏)お金がかかるからですか?
(小出氏)お金がかかるからです。
 既に国の方は、クリプトン85を閉じ込める技術を開発するために、確か160億円だったと思いますが、研究開発資金を投入しました。そしてできるということは判ったのですが、実際にやろうと思うとお金がかかるし、仮に閉じ込めたとしてもそれをずーっとお守りをするのも大変なので、もう初めから放出してしまうということにしました
(池田論説員)池田さん、先日、例の福島原発から、例え使用済燃料棒ではないとはいえ、燃料棒の取り出しの映像が映ってますよね。あれ見ても、多くの人たちが見たと思うんですが、かなりぞっとする話になるんですが、それをドロドロにしちゃうということになると、これはかなり愚かな行為の繰り返しと・・・
(小出氏)そうですね。私はやるべきでなはいと思います。
(池田論説員)そうですよね。あれでもぞっとするような映像見せつけられた気がするんですね。
(小出氏)そうですね。原子力というものに手を染めてしまえば、どうしても放射性物質を作ってしまうわけです。大変な困難な問題を、これからずーっと抱えていくことになります。
(千葉氏)判りました、小出さん、どうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

失礼します。
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