※この記事は、6月27日 東京電力:4号機建屋解体作業と1号機原子炉建屋で10シーベルト以上を計測に関連しています。

20120712 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(千葉氏)今日は毎日新聞論説員の藤田さとるさんと一緒にお話を伺います。
 今日もスタジオにたくさんリスナーの皆さんからの質問が届いていますので、これを順にお聞きしてまいります。
 まずこちらですね。
『先日から福島第一原発4号機が解体されているということが、ツイッターなどで話題になっています。またその解体の様子を動画で見たところ、大量の粉じんが空気中を舞っているように見えます。ニュースで伝えられているところによりますと、東京電力は福島第一原発4号機の原子炉建屋の上の部分の瓦礫の撤去作業が完了したと今日発表してます。水素爆発によって損傷した4号機の原子炉建屋の上の部分について、去年11月から瓦礫の撤去作業をしていたのですが、昨日完了したということですが、関東のみならず、関西・中国地方にさえも、この粉じんや放射能が気流に乗って飛んでくるという話がツイッターなどに書かれています。
 大丈夫なんでしょうか?とても不安に思っています』
という質問なんですが、小出さん、いかがですか?
(小出氏)はい。私はこの番組でも初めからずっと皆さんにお願いしてきましたけれども、放射能に関しては大丈夫という言葉を使わないでください。はい。どんな作業が行われても、必ず放射性物質は何がしかは出てくることになりますので、安全ということはいずれにしても無いのです。
 ただし、今現在やっている4号機の建屋の解体撤去工事ですが、大量の粉じんが出ているということはご指摘の通りですが、放射性物質の量で言うならば、私はそれほど多くないと思います。
(千葉氏)なるほど・・・。ちょっとこの工事についてですね、ちょっと気になるところがあるんですけれども、今後4号機は10月までに原子炉格納容器のふたなどの撤去を進めて、燃料を取り出すためのカバーを設置することにしていると伝えられているんですけれども、原子炉格納容器のふたなどの撤去って、ちょっと怖いような感じがするんですけど、大丈夫・・・あ、いや、「大丈夫」って言葉は使っちゃいけないんですけど、ふたなどの撤去を進めてっていうので、それは撤去してもいいんですかね?
(小出氏)4号機の場合は、去年3月11日に定期検査中でした。つまり、もう格納容器のふたは取り外されていたのです。
(千葉氏)はぁはぁ。
(小出氏)取り外されていたものが4号機原子炉建屋の最上階=オペレーションフロアという場所に置いてあったのです。
 建屋地震はオペレーションフロアのところを全部取り壊したのですが、その既に取り外してあった格納容器のふたがオペレーションフロアにまだ置かれたままになっているのですね。それを撤去するということですので、そのこと自身で大量の放射能が出てくるとか何か新たな危険が生じるということはありません。
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※右側の写真の上部にある黄色い丸っぽいものが格納容器のふたです。
(千葉氏)じゃあ、新たなことをやってるというわけではないんですね?
(小出氏)はい。使用済燃料プールの底にとにかく膨大な放射能がまだ沈んでいるわけで、それを取り出すためには、オペレーションフロアにある様々なものを片づけたり退けたりして、新たにまた専用のクレーンを設置したりしなければいけないのです。そのための準備を今しているということです。
(千葉氏)4号機については使用済燃料プールのことがよく言われますけども、格納容器などについてもやっぱり危険は残ってるんですよね?
(小出氏)格納容器はもう、定期検査中だったがために、もう既に開かれてしまっているのです。ですから、使用済燃料プール自身は格納容器の外側にもともとありましたので、それも既に環境にむきだしになっていますし、原子炉そのものももう既に環境にむきだしになっているのです。
 ただし、一番の危険性は、使用済の燃料というものにあるわけで、4号機に関する限りは、格納容器がむきだしになっているかどうかは、あまり本質的な問題ではないと思います。
(千葉氏)むきだしになってるということは、なにがしかは放射性物質、放射能は大気中に出ているということなんですよね?
(小出氏)おっしゃるとおりです。
 ただ、事故が起きた当初に大量に放射性物質が既に出てしまっているわけで、4号機の格納容器の中、つまり原子炉本体がむきだしになってるのですけれども、そこからこれから出てくるであろう放射性物質の量は、大変少ないと思っていただいていいと思います。
(千葉氏)わかりました。じゃあその辺は本当に少ないと思っていて大丈夫・・・大丈夫って言葉だめなんですけど、ごめんなさい。<苦笑>少ないと思っていていいということですね。
 藤田さん、何かありますか?
(藤田論説員)私ちょっと一つ、小出先生に伺いたいことがございまして、大飯の3,4号機が再稼働されるということになりまして、次の原発の再稼働の候補としてですね、愛媛県の伊方原発というのが名前が挙がっておりますでしょ。
 最近、その四国のメディア関係者の人と話をして聞いたんですが、伊方原発というのもあまり古い原発ではないけれども、かなり酷使をされていて、そういう点で懸念を持たれている原発であるというふうに聞いたのですが、小出先生、そういう話は聞かれていますでしょうか?
(小出氏)酷使されているという意味でいえば、多分日本中のすべての原発が酷使されてきたんだと私は思います。
 ただし、伊方原子力発電所というのは、けっこう立地が特殊な場所にあります。愛媛県の佐田岬という九州に向かって突き出た半島の付け根の辺りにあるのですが、その伊方原子力発電所の敷地のすぐ北側の海に、中央構造線という日本で最大の活断層が走っています。
伊方原子力発電所立地
中央構造線

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E6%96%B9%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80
 『日本沈没』という昔小説があってですね、中央構造線を境に日本が割れて沈没していくという、そういう小説だったのですが、それがまさに目の前にあるのです。
 もしそれが動くようなことが起きれば、人工的な構造物はかなりの被害を受けるだろうと私は思ってきましたし、浜岡原子力発電所が東海地震の地震の巣のど真ん中にありますが、それと同じような危険を伊方は抱えてると思います。
(藤田論説員)そういった意味では、かなり不安があるという・・・ことが言えるわけですね。
(小出氏)私はそう思います。
(千葉氏)はい。では次の質問に参ります。
『原発は1基あたりが1年稼働した場合、一体どれほどの放射能を環境に放出しているんでしょうか?
 というのも、六ケ所再処理工場から放出される放射性物質を調べてみて驚いております。
 なんと年間で大気中にクリプトン85というのが33京ベクレル、トリチウム、炭素、ヨウ素、セシウムなどなどが出ていると推定されております。
 これらの放出量は生物に対して何の影響もないんでしょうか?』
ということです。
 これはNPOの調査の数字だということなんですが、小出さんいかがですか?
(小出氏)もちろん影響はあります。ありますけれども、クリプトン85、炭素14、トリチウムというような放射性物質は、捕捉しようと思うとなかなか手間がかかる、そういう放射性物質でして、六ケ所再処理工場は、それらを何の手立ても取らずに全量放出しています。
 ですから、大量に出てしまうということになっているわけです。
 今、ご指摘ありましたけど、33京ベクレルという量を六ヶ所再処理工場は出すと言っています。では、原子力発電所はどれくらい出すかというと、例えば大飯3,4号炉の場合には、1年間に目標値ですが0.09京ベクレルくらいだったと思います。
(千葉氏)0.09京ベクレル。
(小出氏)京ベクレルですね。
 つまり、片っぽは再処理工場が33のときに、大飯は0.09です。
 つまりですね、どのくらいかというと、大飯の原子力発電所が1年間に放出するのが0.09であって、六ケ所再処理工場の場合には、それを1日ごとに放出すると、そのくらい出すのです。
(千葉氏)うーん・・・。
(小出氏)約300倍、400倍になっています。
(千葉氏)ということは、原発から出る量が少ないというよりも、この六ケ所再処理工場から出る量がものすごい多いということですね?
(小出氏)そうです。多すぎるのです。
(千葉氏)はぁ・・・・・・。
 それだけのものが出ると推定されているということですか・・・。
 原発から出る量というのは、考えてみたらそんなに少ないということは無いんですよね?
(小出氏)もちろん、原発から出るものだって安全ではないわけですけれども、再処理工場というのは、今聞いていただいたように原子力発電所が1年間掛けて放出する放射能を1日ごとに出してしまうというほどの危険な工場なのです。
(千葉氏)はぁ・・・。判りました。小出さん、どうもありがとうございます。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

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