※この記事は、4月11日【内容起こし】第18回総合資源エネルギー調査会~基本問題委員会~【その①】の続きです。

<01:01:15頃~>
(三村委員長)崎田委員、よろしくお願いします。

崎田委員(崎田委員)どうもありがとうございます。
 私もこの資料1資料2に関わる定性的なところに関して意見を申し上げたいと思います。私は今日はフリーで発言をしようと思ってまいりましたので、今回資料として提示されたものを元に発言をさせていただきたいというふうに思っています。
 資料1の私自身の意見はCなんですけれども、このAのほうから発言をさせていただきたいんですが、あとあと社会全体にこのAを提言した時に、多くの方はこの社会的コストを負担する仕組みの下で、自然に社会の市場原理に任せるというのがどういう将来像を描いているのかというのがなかなか判りにくいのではないかなという気がしています
 それで先ほど来からのお話の中でも、それぞれの中での例えばB,C,Dの中でのこのAの視点を強調したときにどうなるかというようなご意見もありましたので、何かこのAのところをもう少し判りやすく社会に提示していただくような出し方を事務局も含めて工夫していただければありがたいなというふうに思っております。
選択肢1
選択肢2

 次のB案なんですけれども、やはり原子力の選択肢をできるだけ抑制をしてゼロにした場合、やはり再生可能エネルギーと化石燃料が非常に増えてくるということに対して、やはり特に先ほどご意見を出した方からもCO2のことなどのお話もありましたけれども、是非この化石燃料50%というあたりが、これでCO2削減というのが本当にできるかどうか、その辺に関して、やはりもう少しじっくりとご意見を頂ければありがたいなというふうに思っております。
 なお、先ほどコジェネなどの数字をちゃんとコジェネだけじゃなくて、省エネの数字をきちんと入れた方がいいんではないかという、こちらのご意見の方からのお話もありましたけれども、是非こちらのところは省エネなど私たち市民も本気でやらないとこれは達成できないということを強調していただく上でもですね、そういう目標値をここのBのところには入れていただいたらいいのではないかという感じもしております。
 Cなんですけれども、先ほど「CとDがどこが違うのかよく判らない」というお話があったんですけれども、実はやはりこのCも日本のエネルギー資源の少ない日本が、これからエネルギーも安定供給しつつ、地球温暖化対策なども世界の中できちんと責任を果たしていくということを考えると、やはりギリギリ30%は再生可能エネルギーを入れたいけれども、それ以外のものに関して化石燃料だけではそこは支えられない。やはり原子力という選択肢を少し残しておいた方がいいのではないかという意味で、私自身は入れております
 なお、この再生可能エネルギーのところの30%というのも、今までの計画では10%プラスするだけでも26兆円というコストが計上されてたわけで、これもその時の数字だと50兆を超える、それはもう少し精査すればもっと少なくなるかもしれませんが、それを「私たちの社会できちんと支えていくんだ」ということ、私たち自身が本当にどういうふうに負担していくのかということを考えていかなければいけないことだと思いますので、私はこのCのところだけでも、かなり大きな社会変革をしていかないと実現できない数字だというふうに思っております。
 そういうところを今後社会に提示するときに、きちんと書いて発信していただければありがたいなというふうに思っております。
 なおですね、Eの選択肢に対して大変厳しいご意見が続いておりまして、私も個人的にはこういう数字というのは、今後こういう数字ではない方がいいというふうに思っております。ただし、選択肢として提示するときにこういうご意見の方がいらっしゃるのであれば、やはりこれまでの基本計画よりも大幅に削減しているという数字なわけですから、選択肢として認めるというか、選択肢としては「あり」の意見ではないかと思いつつ、こういうご提案をされてる方ときちんとまた話し合いをしていくというスタンスでいいのではないかと思っております。
 こういうふうに話してまいりましたので、是非この資料1に関して、次回はここに書いてあるだけではなくて、やはりこれだとCO2削減に関してどれくらいの責任がとれる数字なのか、或いはコスト負担とかそういうものに対して社会がどのくらい抱えるのか、そういうことをきちんともう一度出していただければと思います。
 なお、やはり「バラバラに数字、アンケートを出してきたものをただまとめた」というご意見もあってちょっと悲しかったんですけれども、昨年来皆さんと本当にかなり自分たちの意見を発信し、今年に入ってからも再生可能エネルギーの可能性とか省エネの可能性、化石燃料でCO2削減がどれだけ可能なのかとか規制庁が今どういうふうにして進めてるのかという情報共有なども進めてきてやっております。そういう意味で、全部が完璧とは言えないけれども、ここまで自分たちで話してきたということに関して、私たち自身がプライドを持ってこの議論をしていかないと、社会に対して今後も責任が取れないのではないかなというふうに思っております。長くなりました。どうもありがとうございます。

(三村委員長)どうもありがとうございます。大島委員。

01:07:21頃~
大島委員(大島委員)どうもありがとうございます。
 私からは二つ資料を出していますが、まず他の委員の意見についてですが、私は河野委員、高橋委員の意見に全面的に賛同を表します。特に高橋委員は「システムの選択が非常に重要なんだ」というふうにおっしゃってますけれども、私もそのように思っているところです。それを前提にしまして繰り返し言うのもなんですので、資料7資料7-2 というものについてご説明いたします。
 一つは、2030年の原発依存についてですが、やはりこれは冷静に考えてみますと、40年廃炉方針というのがありまして、原子炉等規制法の改正法案がありますけれども、そういうことを前提にするとですね、またその現政府方針の脱原発依存の縮小方針、或いは国民の世論ということを考えますと、1990年までに分解して原発の廃炉、福島第一下に原発の廃炉、原発新規建設っていうのは凍結されていくだろうということが2030年までには想定されるわけです。あと島根原発3号機、大間原発は、まぁ運行も運開するという非常に楽観的な想定を置いたとしても、2030年末か2030年度末でもいいですが、原発設備容量というのは、2102万kwくらいになってるはずです。仮にここで過去の平均くらいをとって設備利用率7割くらいをとると、2030年は1289億kwhくらいになるだろう。
大島委員意見1

 これ素直に考えますと、大幅な省エネとか節電をしないかぎり20%、30%、35%っていうのは達成できない、と私は読めるわけです。ですので、私はどこに、どの程度、一つは原発の設備容量について一切いままで議論が・・・パーセントだけで議論しますとね、具体的なエネルギー基本計画の元になるような考え方を提示しようとしているのに、設備容量がないというのは極めて判り辛くしていて、パーセントだけでしていてもわからなくしていて、「どの程度見込んでるのか。それが現実的可能性があるのか」ということを私自身はお聞きしたいと思います。
 仮に原発の割合を高く見積もることが選択肢であるならば、これを実現するためにはかなり大幅な新設やリプレイスが必要なわけですね。例えば現行の35%の方は5000万kwくらいと書いてたと思いますけれども、そうすると差が3000万kwくらいあって、3000万kwを2030年までに新規増設か、ないしはリプレイスしなければならない。20年で3000万というのは、「1年間に1基、2基、それだけのペースで増設していく、或いはリプレイスしていくんだ」ということを意味します。
 ですので、私自身は「それはどこまで可能なのか」そこをきちんと議論しないと上限っていうのはあるわけですね。それは50%、60%にすればCO2排出量削減できるわけですけれども、そういう夢物語を書いてもしょうがないわけで、「どこまで現実的可能性としてあるのか」というのをお聞きしたい。
 政府・経産省・資源エネルギー庁についてからもご説明をいただきたいというふうに思っています。
 次にですね、ですので私自身は0%ないし10%くらいまでが現実的な可能性としかないのではないかなと思っています。
 資料7-2に行きます。
大島委員意見2

 前回の資料3-1に関するものですが、今の資料1のDのところに書かれている原発25%の『停止については40年から50年を目途に安全性云々…』というところ書かれております。これは今出されている原子炉等規制法改正法案、40年廃炉の原則をうたったほうなんですが、これとどう整合するのか事務局の見解をお聞きしたいと思います。またそれは実際ここ提示された場合に、その法律と法案とどういうふうに整合するのか、内閣に???委員会が説明をお願いしたいしたいというふうに思います。
 二番ですが、これはお願いですけれども、先ほども言いましたが、設備容量が書かれておりません。過去の旧エネルギー基本計画における審議にあたっては、これは直接意味するものではないという・・・確か文言があったと思いますけれども、ただ設備容量について書いております。今回もせっかく定量的なお話をするわけですから、そこの根拠もひとつひとつ、示していただきたいというふうに思います。
 あと、先ほど冒頭でというか、コスト負担についてもこれから再生可能エネルギーについてのコスト負担についても議論しましょうということですので、私はこのコスト負担はとても大事なことだと思っています。これは原子力を維持・拡大していくときのコスト、社会的コストも含めて入れていただきたいというふうに思います。原発はコスト負担という観点からすれば、これはコスト等検証委員会の報告書としても載っていますけれども、計画から建設まで20年を要するということも書かれております。それ自体がコストなんですね。
 ですので、先ほど「2030年までにこれだけできるよ」というえそらご・・・絵姿とも関連しますけれども、そこも含めて十分に現実性をもったものをまずはエネルギーミックスの選択肢の整理案に出して、そうじゃないものは出すことは結果的に議論を遅らせることになると私自身は思いますので、現実性がないものについては、外したほうがいいというふうに思っています。
 以上です。

(三村委員長)はい。ありがとうございました。橘川委員、よろしくお願いします。

01:14:30頃~
(橘川委員)ありがとうございます。
橘川委員 この委員会の課せられたタスクをもう一度思い起こしたいんですけど、一つは「原子力依存度をできるだけ減らす」、それからもう一つ「二項対立を越えて議論を進めていく」というのも入ってたと思います。それから三つ目には「国民に判りやすいオプションを示す」と、こういう三つだったと思うんですね。
 その点から考えますと、まず2番目から言いますと、どうも敢えて「二者択一だ、二項対立だ」と持っていくところがちょっと私にはよく判りませんで、「二項対立軸を明確にした上で、その中でどこに落としどころを考えるのか」というのが本来のタスクだったと思いますので、今日の事務局の資料2 でいきますと後段に書いてあります「安定供給と消費者選択」、「誘導・規制と市場メカニズム」、「成長・雇用と市民の安心安全最優先」の両方を考えながら、どういう考え方をそれぞれの委員が持ってるかという議論をすべきだというふうに思います。それが一点です。
 それからそれにも関わるんですけど、オプションを提示することが問題なんで、割と自分が言った意見以外を攻撃的にされる話が多いんですけども、私はそれなりの論理一貫性があるならば、いろいろなオプションについて容認すべきなんじゃないかと。私は「ゼロパーセントのオプションが出なかったら困るな」と思ってましたし、「現状維持に近い意見も出なかったら困るな」と両方意見違うんですけども、と思います。
 その辺がちょっとここの議論の進め方として不思議な点です。
 一番最初の原子力依存度をできるだけ減らすという考え方です。
 私はCですけども抑制、そして先の2050年でいくと、これは「別に3.11と関係なくバックエンド問題があるから、人類は原子力から離れるのではないか、たたんでいかなければいけないんじゃないか」と、こういう考え方であります。そういう意味では抑制なんですけども、真面目にたたみ方考えるんだとしたら、それに対する対案を示さなきゃいけない。
 私はこの間引き算論でいって、「引き算で残っちゃった場合こういうところをリプレイスしなければいけないんじゃないか」ってところをこの委員会で具体的に申しました。そうしないと議論が進まないと思ったので申しました。だからそれは繰り返しません。ただ、私実はですね、ニコニコ動画で見られてる国民の方に対して、一番ちょっと自分の意見で心配なのは、原子力20%のところじゃないんです。再生30%のところなんですね。ここは「どういう形で再生30%出すのかって、具体的にどこに作るんだ?」って言われると、率直に言いまして、今のところ原子力のリプレイスよりはイメージが沸いてません。そこはちょっと無責任な感じがいたします。そこはでもやっぱりそれくらいになるといいなと思ってますが。
 「原子力の具体像を示せ」って言う人は、再生の具体図も示さないとオプションにならないんじゃないかと、自戒の念を込めて感じます。一番私は再生省エネほど技術革新に関わってますので、それに比べて操作性が高い、我々がきちんとしたエネルギー政策をやるならば、増やすことができるっていうか原子力を減らす上で武器になるのは火力のところじゃないかというふうに思ってます。
 端的にいいますと天然ガス、「シェールガスがBtu2ドルでアメリカで売られてるのに、日本は16ドルだ。この差をどういうふうに埋めるんだ?」或いは「CO2が駄目だといいますけど、石炭火力を二国間クレジットで使ってやれば、原子力無しでもCO2問題をクリアできる」、こういうようなところをきちっと一個一個詰めていくということが大事。
 あともう一つ重要なのは石油なんですけども、電源の話だけしてると石油の影は薄いんですが、今日別の資料で書かれてますけど1次エネルギーベースみると、やっぱりどの案でいってもやっぱり石油が枢要なんですね。そうすると石油について、どうやって確保していくかきちんとした戦略を考えなきゃいけない。
 私は原子力を減らしていく上で一番武器になりそうなのは火力なんじゃないかと。私は今35という数字を言ってますけど、火力は2010年でいったら50%台いってるんです。ただ高いって問題があるわけで、むしろここのところを火力の調達を工夫することによって原子力を減らしていく、実はエネルギー政策の一番の重要なところは化石のところにあるんじゃないかと、こういうような印象を持っております。以上です。

(三村委員長)はい。ありがとうございました。次は八田委員、よろしくお願いします。

01:19:30頃~
八田委員(八田委員)どうもありがとうございます。
 まず崎田委員が「Aのところは具体的な数字が無いから一般の人は判りにくいんじゃないか」とおっしゃったけど、これは再三議論があったように考え方を深めて、後はモデルは専門家に任せたらいいと、そして数字は出す。従って問題ないんです。ただし、「考え方全く深まってないんではないか」というのが私の考えです。だからこういう数字のことをここで議論するんじゃなくて、ここではちゃんと政策を議論しましょうというのが考えです。
 なぜモデルを重視するかというと、モデルっていうのは結局整合性なんですよ。要するにその根拠は他の数字とはどういう関係なのかというのを何らかの形で出さなきゃいけないんですね。ここでこんな数字言ったって何の意味もないというのが私の考えです。
 それから次に、この事務局から指名された資料2 ですね。これから重要な全体の報告書のベースになりうるものだと思いますので、これについていくつかご意見を申し上げたいと思います。
 まず、項目で4ページに『「需要サイド」を重視した社会』ということがあるんですが、ここで書いてあることは割と消費者の選択ということが書いてあるんですが、私が思うにはここの議論ではかなり停電が起きた、要するに3.11で計画停電が起きたり電力制限令をやったことの根本的な理由の一つは、需要抑制するシステムが無かったからだった。価格を引き上げて需要抑制するということが大切なので、そういうシステムを作りましょうよということが、この「需要サイド」ということの一番重要な要件だと思うんですが、そこが入ってない。これは大口でそれができるとかなり安定的なものになります。
 それからこれは、先ほどシステムが重要だという高橋委員のお話とも関係あるんですが、要するに今までは「どんな危機になっても価格は一定で、使いたいだけ使ってください」という契約だったんですね。kwだけの制約で、kwhについて全く制限が無い。だから「使いたいだけ使ってください。」危機の真っ最中にそうする。それから今度新規参入者が余った電気を外のネットワークに出そうとする。それはタダで没収する。何の供給に対するインセンティブも無い、そういうシステムなんです。そうすると供給側が新規参入者にしろ電力会社にしろ、とんでもない量のオーバーキャパシティを持って準備してなきゃいけない。要するに需要家の気まぐれにあわせて、大変な数量のキャパシティを用意していた。それが現在のシステムなんですね。だからこれだけ原発が落ちても今何とかやっていけるというのは、それだけのキャパシティがあるからです。これは発電所だけじゃなくて、送電線も大変無駄がある
 日本のシステムっていうのはそういうふうに作られてるわけだから、「ここを変えていきましょうよ」っていう議論が中心的な議論だけど、そういうところがあまりなされてない。私はこの「需要の抑制」というところが如何にもおざなりに書かれてるのに、ちょっとびっくりしたということです。「需要サイド」のところですね、そこが第一です。
 それから、2番目は原子力についてなんですが、ここの5ページの『(5)国力を支え、世界に貢献する社会』というこのトピックは、原子力にまつわる考え方っていうふうに言ったほうがはっきりする項目だと思うんですが、これは恐らくこの報告書でどこかで明記するべきことは、「民主政権は原子力依存度をできる限り減らす」と言ったんだけども、そしてそれは間違いないんだけど、結局「現行計画の45.4%から減らすという意味なんだ」ということをやっぱり明記すべきだと思うんですよ。それはここの議論でこれまでだんだん明らかになってきたことだけど、それはやっぱり普通の人はそうは思ってなかったから、それは明記すべきだと思うし、「いやそうじゃなくて、実は現行よりも下げるんだ」という、ちょっとここでは言われてない議論ですけど、もしそうだとすると、それはそういうふうにお書きになるべきで、そうすると「かなりの選択肢はここで議論されるけれども、民主党の方針と違います」ということをどこかで書く。いろんな意見っていうのはありうるし、政策だって後から変更だってありうるから、それは解釈だけはきちんと明確に書くべきだと思います。
 それからですね、原子力の安全性ですけども、絶対に安全だとおっしゃる方々がいて、私はとにかく原子力はある場合には使うべきだという理論の人間ですけども、安全性だけでは絶対重要だと思っているんですが、その度合いなんですけど、私は例えばフィルタベントだとか免震重要棟を作るだとかいうことは当たり前のことだと思っています。少なくとも今回の3.11で明らかになったような手抜かりに対する対策はたてて、それからやるべきだと思います。それまでのところは、電力機器に対してどうしたらいいかって、それは需要抑制、価格の構造を利用する、それからどうしてもしょうがないなら電力制限量を活用するけど、電力制限も去年みたいに非常に生の???な形じゃなくて、それに市場メカニズムを加えた上で、あまりダメージが無いような形で活用する。
 そんないろんな工夫をすべきだと思いますが、原子力を使う時には、やっぱ安全性は担保しなきゃいけないだろうと思っています。
 その際に、しかしここでは20年先、30年先の話ですが、そういう単位のことは関係ないと思うんですが、新設をするかどうかということが今の焦点なんですが、私は安全性が本当に確保できるなら新設してもいいと思います。ただし、安全性の確保の条件というのは、再三申し上げているとおり、それが「安全だと認定して保険がかかる」ということです。損害賠償保険を民間がちゃんとつけるということです。そこに関して無限責任ということは言いません。それは無理だとおっしゃるから言いませんが、しかし福島で起きた規模の損害に対しては、民間の保険がかけられる。そのことが条件だと思います。
 要するに、私たちのような素人にいくら「安全だ、安全だ」って言ってもらっても困るんで、金を投資する人に対して説得するだけの条件が必要だと思います。既存のものについてはそんな大規模なものじゃなくていいけど、何らかの形で保険をかけるべきだし、先ほど申し上げたような条件は整えるべきだと思います。
 今度、ちょっと寺島さんがいらっしゃらなくなったので、ちょっと残念なんですけども、国防に関することで原子力が必要だという時に、寺島さんのご意見には3つあった。最後のところは「費用、価格を提示して原子力をやらなかったらどのくらいの価格になるか提示しろ」とおっしゃった。ここは非常によくわかるところでそうすべきだと思います。原子力やる・やらないでどうなるか。ただし、原子力に関しては保険を掛けるということは、恐らく原子力の方が高いだろうと思います。
 それから2番目は、私は高くてもいざという時のために一定の期間使えるような用意をしておいてもいいと思いますけども、それは寺島さんの価格に関するところ。
 それからもう一つは「国防のために必要である」と。その要するに「核の傘にあるのに、日本が核を、原発を持たないオプションは無い」とおっしゃるんですね。まぁそうなのかなと思うんですが<笑>、とにかく今回のことは冗談でもなんでもなく、アメリカ側も日本側も使用済燃料のプールがもし核爆発反応を起こしたら、東京までやられてしまうかもしれない。日本の半分が失われてしまうかもしれない。それが本当に幸運なことにそこから免れた。そういう事態であるときに、国防のことを考えるならば、これはやっぱここで議論すべきではないと思います。それは国防に関する委員会で、「国防予算のどれだけを切り裂いて、この原子力に充てるのか」、要するに「費用が掛かるのは判ってるけども、敢えてそれをやるのか」。その議論をすべきで、「むしろ戦闘機を買う代わりにこっちをやろうよ」と、そういう議論をしてほしい。そしてそれが核の傘云々の、難しい私にはわからない議論を専門家の間でやってもらいたいと思っています。
 それから技術を外に出すというのは、要するにこれまでこの随意契約をもってジャブジャブにしていたから、日本の原子力産業は成っていたわけで、日本がアメリカと組んでやってきたわけで、それだけの国費を無駄にして技術ができましたというものをこれからやっていきましょうというのか、それとも元来ならiPhoneなんかは日本でやるべきことを取られてしまってます。そういう産業を育成する能力がない日本をどうやってみなすかということのほうを考えるべきじゃないかと思います。以上です。

(三村委員長)はい。ありがとうございました。今日は全員札が挙がってる方に全部意見を言っていただきます。順番だけちょっと申しますと、次が柏木委員、その次山地委員、豊田委員、伴委員、植田委員、中上委員、それから松村委員、辰巳委員、最後に榊原委員と、これだけまだおりますので、どうぞよろしくお願いします。
 それでは柏木委員、よろしく。

01:30:30頃~
柏木委員(柏木委員)どうも、二つだけポイントを申し上げたいと思うんですが、コジェネ・自家発15%と。前回一応私は容認したような形になってるんですけど、この自家発の中の内訳がですね、きちっと明確にまだ示されてないと思ってまして、私個人的には、風力、太陽光、バイオマス+コジェネという分散型で3割。大規模で7割。いろいろ計算の結果そういうことも出してますし、そうなりますと、できれば自家発はコジェネとは全く違って、モノジェネのようなものですから発電所そのもので、本来自家発はこの火力発電の方に含めていいんじゃないかと。コジェネはコジェネだけできちっと切出して、例えば紙パであるとか化学、食品、熱事情の多いところに電源立地をしていく。今までやはり出てきた電力の扱い方があまりうまくなかったということがあって、どうしても小ぶりのものしか入らなかったのを排熱でうまく利用するシステム、この三業種だけでも700万kwくらいあるというふうに言われてますので、そういう意味ではこのコジェネの位置付けというか分散型の位置付けを明確にするということが一つ目のポイントです。
 二つ目のポイントは、再生可能エネルギーのシェアの問題ですけども、前回ちょっと申し上げたんですけど、もう少し細かい計算をやってみまして、例えば30%再生可能エネルギーをいれると、これだと選択肢Cになりますね。私も一応これに入るので、私はCとDの間くらいだと自分では理解をしてまして、これ、風力7%、太陽光6%、これをkw換算しますと、太陽光6000万kw、風力が3500万kwということになりますので、調整用の電源として必要になるのが大体7900万kw必要になる。これはやはりベースとしてずっと動いてないと、いざという時にボーンと無くなったら急激にやっぱ立ち上げるわけですから、50%稼働率っていうことで考えますと、それだけで調整用の電源の火力の電源のベース、要するに調整してる、いつもスタンバイしてる状況での発電量というのが3900億kwhということになりますので、これでいうと例えばCでいうと、火力発電がいくらになってるかというと35%ですから、約3500億kwhですから、これでも蓄電システムを約800万kw程度に相当する蓄電池を入れないといけない。ところが単なる成り行きで火力で調整っていう段階での30%ではないってことなんですね。
 ですから、蓄電池等を入れないで、今あるもので揚水とかそれだけでうまく調整するってことになると、計算しますとやっぱ25%っていうのが現状の段階では上限になるということをもう申しておきたいと思います。ですから、もちろん技術開発が進み、車のEモビリティ化が進んできて、蓄電システムがデマンドサイドに自然に入ってくるということであれば、もちろんのことシェアは少しずつ増えていくというふうに思いますけども、こういう定量的なこともきちっと精査した上でやることが重要。
 最後に今までもう18回やってまして、私は着実に進んでいるというふうに思っていまして、定量的なものでこれはシナリオですから、原子力ゼロのケース、それから20%、25%、35%のケース。それに対して出口が、設備評価をやって国力がどうなるのか、或いは相対的な数値的なものを見て、そして国民が判断するというシナリオをいくつか選んでくるプロセスっていうのは非常に重要だと思っておりまして、あくまでも定性的な議論をもとに複眼的な目で二者択一の中の自分の答えを数値で表しているという信念を持ってやっておりまして、そういう意味ではこの定量的なものが重要だということを申し述べたいと思います。以上です。

(三村委員長)ありがとうございました。次は山地委員お願いします。

01:35:30頃~
山地委員(山地委員)ありがとうございます。
 選択肢の意味について阿南委員はじめいろんな委員からご意見がございましたので、私の考えを述べさせていただきます。
 「これで依存度の低減になってるのか」ということで「詭弁だ」とか「非常識だ」という話がございましたけども、答えはご理解いただいてると思いますが、現行基本計画と比較すれば低減ということで、これは私の考えでもありますけど一つはこの前も申し上げたんですけど、原子力委員会で新大綱策定会議というのが行われて、そこで原子力規模についての意見分類をしてるわけですけども、その中のひとつにこれがあるわけですね。それで、そこでも低減化という議論があって、もちろん「低減になってない」というご意見の方もいらっしゃいましたけども、議論の方向としては近藤委員長の説明も私の今の理解と同じことをおっしゃってたということ。繰り返しですけど前回申し上げた通り。
 あと現行原子力26%くらい、kwhで言ってるんですけど、福島事故前の原子力規模でもって、非常に我が国は設備利用率低くって、米国並みというか世界平均並みに動けば大体30%くらいの比率だったはずでございます。それをちょっと念頭に置いておいていただきたいと思います。
選択肢2

 それで、ただじゃあこれ技術的にこの比率35%という、私は5000万kwという掴みの数字を置いて設備利用率80%で計算したわけですけども、それが実現可能なのかということを問われて、一つは私の考えはですね、何度も繰り返してるんですけど、今非常にいろんなことが不確実なんですね。原子力の稼働も含めてですが。その不確実性を見極める期間で、今から議論していくという中では、やっぱ選択肢は技術的に可能な範囲ってことをチェックした上で、幅広く持っていた方がいいというふうに考えております。
 技術的に修理して動かせるということを現状考えますと、福島第一の1~4号機は廃炉です。決定です。これを差っ引いて大体4600万kwくらいあると思います。2030年で考えた時にこれに+αと-βが加わるわけですね。これをじゃあ具体的にどう考えるか、これをこの前も私、避けましたね。私は今回も避けますけど、原子炉にはこれから2030年までに多重原子炉、現行原子炉、全て名前がついてるわけで、ヘッドカウントは私はしたくございません。専門家の見解としては、固有名詞無しで申し上げたい
 それでですね、ちょっと脇に逸れるようですけど、安全規制に関して私、独立性って、この場ではなかったかなぁ、何度も言って、独立ってよく推進側と規制側の独立って言いますけど、私は実は政治からの独立が非常に大事だと実は思ってるんです
 簡単に言いますけど、今回多いの3,4号の再稼働について4大臣で相談してっていってましたけど、『暫定安全基準』って出てきましたけど、もし『暫定安全基準』を4大臣で決めたら、多分安全規制上の独立という点から非常に問題です。しかし、形式上はやっぱりこれは安全規制の担当者から出てきたものを取り上げて、再稼働に関して政治的な判断をして、地元との調整を図る、そういうことになってる。政治ってそういう役目だと思うんですね。
 これは逆に考えていただくと非常にわかる。
 もし安全規制で「安全でない」と言われたものを政治的に「安全である」として進められたら非常に怖いわけですよね。そこの政治的独立性っていうのは大事
 なぜこんなことを言ったかというと、個々の原子炉を動かせるか辞めるかっていうのは、私は政治プロセスが大いに働くと思ってますので、そういうことには私としては関与したくない。ただしヘッドカウントは自分でも何度もやってます。大体4500万から5000万っていうことは、少なくとも可能だと思ってるということを申し上げます。
 その中で何度か委員の意見の中で、「40年で廃炉にする、これは現行提案されている規制の法案の中にある」ということで案ですからまだですけど、私はその中でもしかし「場合によっては60年動かす」ということが書かれていますが、ちょっと思いきっていえば、40年という年で原子炉の寿命を決めるというのは、私は政治的判断じゃないかと疑っております。基本的な原子炉の設計、それからプラントの現在の状況、運転実績、これらを見て原子炉の安全な運転ができるかどうかを決めるというのは合理的であります。今も続いてるのかどうか、次世代原子炉の設計って進めてましたけど、これは80年事業で設計をしてたわけで、もし40年で廃炉といったら、多分安全を高めるための技術進歩の努力を削ぐことになります。私はこれもあまり合理的ではないと思う。
 ただ、40年と法律ができれば法律ですからそれを守ることになりますが、ただその時に60年までっていう条件が不可能でないということがありますので、やっぱそれは考えるべきで、40年経ったら全部リタイアすると考えるシナリオを説くというのは、私は実はとっておりません。
 それからもう一つ、設備利用率ですけども、70%とこれはコストの検証をされたときに70%軸にされたし、過去の日本のパフォーマンスがその程度ということがあるんですけど、もし原子力をきちんと選択して維持して採用するということになれば、それは世界並の設備利用率を動かすべきでしょう。やっぱり80%以上で動かすというのが、私は合理的な選択だと思う。
 そういう考えで作っておりますのでご理解いただければと思います。

(三村委員長)はい。ありがとうございました。次は豊田委員、よろしくお願いします。

01:42:15頃~
豊田委員(豊田委員)はい。ありがとうございます。私からも二つほど申し上げます。
 一つは原子力について、随分ご質問、ご意見ございました。今の山地委員がお話されたことにほぼ沿ってるんですけども、私が申し上げた(原子力比率)25%について具体的な数字を申し上げますと、建設中の2基を入れていて、既設を50年で計算してます。平均ですね。それで廃炉をする。稼働率は80%。そうしますと3400万kwで2400億kwhが可能になる。大島委員他の皆様は、40年70%といっておられますけれども、私の計算はそういうことです
 なぜそうしたかということについては、ほぼ山地委員と同じ意見なんですけども、細かいことは、私が3月9日に提出した資料の10枚目のスライドに、私のシナリオ以外のものも数字を書いてございますので、是非ご参考にしていただきたいんですが、まず40年廃炉問題ですけれども、40年廃炉と主張されている委員が多いのは判りますが、私の理解では現在閣議決定された原子炉等規制法では、「原発の運転を40年としておりますが、申請があれば1回限り60年までは延長可能」ともしっかり書いてありますので、後ほど事務局の方からご説明いただきたいですけれども、50年というのは決して非現実的な数字だというふうには思っておりません。加えてですね、今山地委員が「国際並み」とおっしゃいましたが、まず廃炉については米国は40年ということにしておりますが、60年まで延長可能というふうにしております。そして2011年の半ばですけども、100基以上ある原子炉のうち、66基は60年で許可を得てます。そして16基が60年にするべく申請中でございます。そして、今アメリカの中では80年までの延長を議論中、検討中でございます。これは政治的判断ではなくて、科学的判断で決めていこうということだと思います。
 フランスについては、寿命の制限はありません。10年に1度の高経年評価をしているということです。
 イギリスにおいても、寿命についての制限はありません。10年でレビューがあって、既に40年を超えているものはございます。
 というのが国際的な状況でございます。
 それから稼働率についても、恐らくご案内だとは思いますけども、米国は平均して89%ですし、スイスは90%ですし、フィンランドは93%ですし、ベルギーは88%、韓国も89%でございます。日本はちなみに1998年に84%であったということです。従いまして、日本自身も80%を超えていることはあったわけですし、国際的には決しておかしい話ではない。
 したがって、20%の数字というのは非常に現実的なお話でございます。現在の建設中のものを数えなくても、大きな困難はないだろうというふうに思います。
 35%については、私自身も計算をしてみましたけれども、山地委員が今ご説明をされましたが、私どもとしては、例えば建設計画が10年ほど遅れると、「現在建設中の理念に加えて4つほど増えて、54年の廃炉期間で90%稼働であれば35%は可能」でございます。それをやるかどうかという議論はもちろんございますけれども、35%が非現実的だというふうにおっしゃって、原発をゼロというふうにおっしゃる方は、再生エネルギーや化石燃料を極端に増やし、省エネルギーを過度に行い、日本の発展・繁栄を困難にするのではないかというふうに私は危惧しておりますので、よほど現実性に乏しいシナリオではないかというふうに思っております。
 私のいくつかのシナリオ評価では、参画がもっとも多いのが原子力ゼロのシナリオだったというのは、そういう意味でございます。原子力ゼロシナリオを選択肢に残していただくことに全く反対はございませんけれども、35%を落す合理的理由はない。むしろ原子力ゼロをおっしゃってる方に対して、「どうして再生エネルギーがそんなにたくさんできるのか?」ということの説明責任がおありだということははっきり申し上げておきたいと思います。
 美しい言葉をいくら並べているだけでも、国民の方々は理解できないわけで、しっかりとその裏付けをご説明をいただきたいというふうに思います。
 二つ目は、省エネルギーでございます。これについても、枝廣委員、それから河野委員から詳細なお話がございましたけれども、私自身ちょっといくつか疑問に思ってることがございますので申し上げますが、2010年において2011年の経験に照らして20%、2010年比20%も可能ではないかというふうに言っておられますけれども、私は現実性を欠いているのではないかというふうに思います。お時間がございませんが詳細は述べませんが、2011年はやはり異常な年であったということは認識をしておくべきだと思います。相対的に冷夏であったということに加えて、先ほど来、何人かの方がお話になってましたけど、大口の産業が相当無理をして努力をした結果である。家庭についていえば、6%から11%ほどのピークカットしかできていないわけで、この温度の点を考慮すれば2%か6%程度のカットしかできていないという現実を見ていただいた方がいいと思います。
 これが最後にいたしますけれども、(経済成長率について)マクロ的に見ても慎重ケースで1%程度という議論をしているわけでございますが、既に1%でさえGDPが増えるわけですから電力は増えるわけで、それに対して20%ほど低減させてようやく2007年並みというか10年波になるわけで、そこから10%下げるだけでも大変なことだと思います。中身は申し上げませんけれども、私の提出資料にはいくつかのイメージが書いてございますので、むしろイメージを具体的に言っていただきたい。更に10%増やせるというのであれば、むしろ根拠を言っていただく必要があると、私の理解では様々なものを100%義務化というのをしないといけないので、まさに市場メカニズムどころか、様々な努力を強制する必要が出てくるということだと思います。
 その辺おっしゃっていただくことは大変結構だと思いますが、省エネルギーもどんどんやるべきだと私自身も思いますけれども、美しい言葉を並べるだけではなくて、具体的な措置を説明していただく、説明責任があるということは申し上げて、是非そういうご努力をお願いしたいと思います。以上でございます。
<01:51:35頃まで>

【その③】に続きます。
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