20120314 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(水野氏)近藤さんが東京にいらっしゃいます。
 4号機のプールが課題だとアメリカの原子力規制員会が言っているそうですが、この4号機のプールのリスクというのを小出さんはずっとおっしゃっております。アメリカの原子力規制員会も小出さんがおっしゃっていることをわかっているというか、同じ見方をしてるのかと思いますが、じゃあプールから燃料棒を取り出すことが課題だと原子力規制委員会、アメリカで言ってるんですね?取り出したほうがそれはいいに決まってるんでしょうが、取り出せるんですか?
(小出氏)取り出すことがものすごく今、難しいのです。これも聞いていただいたかもしれませんが、4号機の使用済燃料プールは、今崩壊、崩れ落ちてしまう危機にあるわけで、先ほど地震があったという報道で「え!?」と私は思いまして、福島原発の近くでなければいいなとまずは思いました。千葉東方だったということで、ちょっと私は胸をなでおろしましたけれども、本当に大きな余震が来るようになれば、崩れ落ちる危険性があるわけですね。みんなそれを心配しているわけで、一刻も早く使用済燃料プールの中から使用済の燃料を外に、安全な場所に出したいのですが、4号機の原子炉建屋は激しく壊れてしまっていますし、使用済燃料を移動させるためのクレーンなどももう壊れてしまっているのです。壊れた建屋の瓦礫がプールの中に散乱している状態ですし、どうやって使用済燃料を安全の外に移せるかということが、なかなか難しい状態に今あります。
 もちろん東京電力も早くやりたいということは承知しているわけで、大変な被曝環境の中、既にもう作業員の人たちが4号機の使用済燃料プールの近くまで行って、なにがしかの作業を始めているように私には見えます。
 ・・・被曝をしながら、少しでも早く動かしたいと東京電力も思っているでしょうし、私もなんとかやってほしいと願います。
(水野氏)近藤さん、これ、4号機のプールは大変・・・注目するべき課題であるというのをね、日本政府が言ってるんじゃないんですよね。アメリカから指摘されてるっていう状況ですね。
(近藤氏)とにかく、今年に入っての地震の頻度、そして首都圏を中心にして東大だのなんだのが出してる予測を考えますとね、なんか・・・国がもう少し前面に出て、いろいろモノを言っていただきたいという気はしますね。
(水野氏)国はですね、再稼働に向けてどんどん走ってるんじゃないんですか?
(近藤氏)そっちのほうはいいんだけど、それはいかがなものかと思うね。
(水野氏)でも実際は、ストレステストが再稼働へ向ける一つの条件とされますけども、小出先生、このストレステストは国によって次々認められるシステム・・・ステップを踏んで、もう政治判断へと向かっていますよね?
(小出氏)そうですね。
(水野氏)これについてはどんな印象をお持ちでしょう?
(小出氏)もともと私はストレステストなんていうものは、全く意味が無いと発言してきました。ただ、従来の安全に関わる指針等は、福島第一原子力発電所の事故が起きたがために、事実としてもう崩壊してしまったのですね。ですから、もうしょうがなくて全く別のことを言いだしているわけですけれども、でも、中身を見ると結局昔のものと変わっていないのですね。想定した事故に対して、どの程度耐えられるかということを計算してみるというだけのことであって、想定してないようなことに関しては一切無力というままでやろうとしているわけです。
 このようなことを本当は私はやってはいけないと思いますし、安全委員会の斑目さんも含めて、「これはやっぱりまずいだろう」とずーっとやっぱり思い続けてきたんだろうと思います。
 それを「仕方がない、政治の力で突破する」という、そういうやり方なんですね。
(近藤氏)先生ね、「政治判断だ」ということを野田さん言いましたけどね、我々は原発が国策だって言い始めた時から、いつどこでどういう議論があって国策になったのかも聞いてないわけです。ね?
(小出氏)そうですね。
(近藤氏)それで「政治判断」っていうことを言われてもね、僕らが要するに今の政治家に対して「原発についてどうか?」と問われて、我々の意思を反映したことは一度も無いんですよ。
(小出氏)そうですね。
(近藤氏)だからその前提条件がまるで無いところで、いきなり「政治判断だ」と言われてもね、なんかしかし、そのもちろん前提は「その前に住民の・・・」っていうのはあるわけですけど、しかし住民の声だけ聞いて「政治判断」っていうのも乱暴な意見ですよね。
(小出氏)そうですね。住民といってもいわゆる立地自治体の首長の意見のようなことになってしまいますし、そうなるとこれまで交付金でずーっと操られてきた人たちなわけですから、結局・・・OKを言わざるを得ないだろうと私は思いますし、あとはもう野田さんが「政治主導だ」と言ったらGOサインが出てしまうという、おかしなシステムだなと思います。
(水野氏)今入りました情報ですけれども、東京電力によりますと、先ほど午後9時5分頃、千葉、茨城で震度5強を観測した地震で、福島第一原発、福島第二原発に新たな異常は無いということです。また、茨城県によりますと、東海村の東海第二原発など県内の原子力関連施設から異常の報告は入っていないということです。
 韓国の原発の故障について、これ電源が全て止まった。正常な状況だったけども電源が全て止まった12分間っていうのがあったという話がありましたよね?古里原発といいます。
 この事故について、私たちが学ぶべきことっていうのはどういうことでしょう。
(小出氏)要するに、地震でもない、津波でもない、機械そのもののトラブルで発電所が全所停電してしまったということが事実として起きたのですね。ですから、今日本では、何か津波さえ防げばいいかのように、国や電力会社が言ってるわけですけれども、そうではなくて機械ですから、津波や地震がなくてもそんなことが起きることがあるということを示してくれたのだと思います。
(水野氏)そうか、地震が無くても津波が無くても、それでも機械はトラブルを起こし、そして12分間のブラックアウト。もう全く電源が止まってしまう状況になりましたけど、これがもっと長く続いたらどうなるんですか?
(小出氏)たまたま今停止中だったから良かったと思います。原子炉が運転中の時の崩壊熱は、シャットダウンをした直後の崩壊熱に比べると、1日経つと約10分の1まで減ってくれますし、何か月か経ってるのであれば数十分の1まで崩壊熱が減ってくれていますので、12分間のブラックアウトでも大したことが無く乗り切れたということだと思いますし、運転中にブラックアウトになったとしたら、12分間でもかなり危険な状態になっただろうと私は思います。

【参考資料】2011年5月26日東京電力発表 福島第一原発1~3号機の崩壊熱変化
5月26日 東京電力発表崩壊熱

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_110526_01-j.pdf

(水野氏)あ、そうなんですか。何時間ももつものではないんですね?
(小出氏)もちろんもちません。日本の場合も30分くらいで、もう必ずブラックアウトは復帰すると、そういう考え方の元に安全だと言ってきたわけですけれども、12分でも場合によっては危ないと思います。
(水野氏)ありがとうございます。
【以上】


【関連記事】
米NRC、日本の規制庁新設支援 ヤツコ委員長
共同通信(2012年3月14日)
 【ベセスダ(米メリーランド州)共同】米原子力規制委員会(NRC)のグレゴリー・ヤツコ委員長は13日、メリーランド州で始まったNRC主催の「情報会議」会場で記者会見し、日本政府が新設を目指す原子力規制庁が有効に機能するよう組織づくりを支援していることを明らかにした。

 NRCは原発の利用促進を担うエネルギー省から独立性を保っているほか、世界最大規模の専門家集団を抱え、技術的にも高く評価されている。また、公開の場で専門家や関係者から意見を聴く公聴会を年間千回以上も開くなど、組織の透明性確保に力を入れていることでも知られる。こうした経験を日本側に助言しているという。

 施策を広く国民に伝えるため、年1回開いている情報会議も透明性確保の一環。ヤツコ委員長は「日本に関心があるなら、運営方法などを情報提供していきたい」と話した。

 事故発生から1年が過ぎた東京電力福島第1原発については「短期的には4号機の使用済み燃料の取り出しが課題になる」と述べた
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/03/post-5053.html
 

首相「地元理解が前提」 原発再稼働で、参院予算委
共同通信(2012年3月14日)
 野田佳彦首相は14日午前の参院予算委員会で、原発再稼働に関し「地元の理解を得られるかを政治が判断しながら、決断する」と述べ、地域住民の同意が前提となるとの考えを重ねて強調した

 再稼働をめぐっては、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の安全評価(ストレステスト)の1次評価結果について原子力安全委員会が検討を終えた段階。近く首相と関係閣僚が、安全性の確認と地元への要請について協議する見通しだ。

 民主党の谷岡郁子氏が質問で、事故発生時の避難ルート確保など安全面を重視するよう要求。首相は「地元に懸念があれば理解していただけない。説明できる環境をつくれるかが再稼働の条件になる」と指摘した。

 予算委は首相と関係閣僚が出席して2012年度予算案に関する一般質疑を実施した。
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/03/post-5054.html


千葉県・茨城県で震度5強
NHKニュース 3月14日 21時26分
14日午後9時5分ごろ、千葉県東方沖を震源とするマグニチュード6.1の地震があり、
▽千葉県銚子市と茨城県神栖市で震度5強を観測したほか、
▽震度5弱を千葉県旭市と茨城県日立市で観測しました。
また、水戸市や千葉市中央区、栃木県真岡市、埼玉県宮代町、それに福島県玉川村などで震度4を観測し、東京・中央区や品川区、神奈川県横浜市中区、新潟県南魚沼市、それに山梨県忍野村などで震度3を観測しました。
このほか、東北と関東甲信越、静岡県の各地で震度2や1の揺れを観測しました。
この地震で多少の潮位の変化があるかもしれませんが、被害の心配はありません。
気象庁の観測によりますと、震源地は千葉県東方沖で、震源の深さは10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.1と推定されています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120314/t10013727961000.html


韓国の原発、2月に電源喪失事故 1カ月以上報告せず
朝日新聞 2012年3月13日22時20分
 韓国の原子力安全委員会は13日、南部の釜山市にある古里(コリ)原発1号機で2月9日、全交流電源が12分間にわたり喪失する事故があったことを明らかにした。当時、1号機は点検中で原子炉は停止していたが、冷却が必要な状況だったという

 安全委によると、2月9日午後8時34分ごろ、1号機の電源関連の装置のテストをしていたところ、外部電源の供給が止まった。非常用のディーゼル発電機も作動せず、外部電源が復旧したのは12分後だった。

 原子炉は停止していたものの、使用済み核燃料の貯蔵プールや原子炉は残った熱をとるために冷却中だったという。
http://www.asahi.com/international/update/0313/TKY201203130615.html

失礼します。
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