※この記事は、
9月19日 【内容起こしUP】原発作業員に聞く 福島第一原発事故の真実@スーパーニュースアンカーより「造血幹細胞知らない」「最期はがんで死ぬ」
2月23日BBC放送"This World 2012 Inside the Meltdown"のご紹介などに関連しています。

たね蒔きジャーナルで上田アナウンサーが現場で作業されている方々の声を取材してくれました。
テレビではなかなか報道されない、本当の声です。

何度も言いますが、現場業員の方々がいるから、私たちの生活があること、忘れてはいけないと思います。

どうぞ。

2012年3月5日 TVでは報道しない原発事故末端作業員の驚きの証言

※9:00頃からです。

【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】
(水野氏)今日の特集です。東日本大震災から1年。今日から続けてこの震災関連の特集を組ませていただきますけれども、その初日です。今日のテーマは『原発事故その後を支えてきた作業員』。今日は実際に福島で実際に福島第一原発事故収束のために一生懸命働いてらっしゃる作業員の方々のいろいろな証言をインタビューしてまいりました。上田崇順(たかゆき)アナウンサーの報告です。上田さん、どうぞよろしくお願いします。

(上田氏)よろしくお願いします。
 政府は『冷温停止状態』というふうに福島第一原発言ってるんですが、実際どうなのか。この1年支えてきたのはやっぱり作業員の皆さんじゃないかなと。
 東京電力に聞きますと、この人数なんですが、ちょっとデータ古いですけど、12月末の時点までで1万9594人。この数の方が第一原発の入ると登録をした人だそうです。
(水野氏)じゃあ、大体今で2万人を超えてらっしゃるか、超えてらっしゃらないかそれくらいの数字ですね。
(上田氏)もう年が変わってからも随分経ちますので、恐らく2万人超えてるんじゃないでしょうか。1日あたりは平均で3000人くらい、3000人を越えるくらいの人が働いているそうで、このうち500人~600人が東京電力の社員、残りの2400~2500人が関連会社のスタッフということなんです。
 作業の内容ですけれども、これも東京電力に聞くと、建屋の最上階の使用済燃料プールがあるところは、まだがれきがいっぱい残っているので、その除去作業をしてる人。瓦礫といっても非常に大きくて人では動かせないので重機を操縦したりする人が居たり、そういう土木作業、建設作業系の人。それから、放射線量の測定作業をする人。「いろんなところに高いところが無いか、どこがいくらくらいあるのか」調べて回る。それから、汚染水の漏れなどが無いかパトロールをする人。浄化システムの操作をする人など、もうさまざまな仕事があるということですが、なかなか実態が判らないということで・・・
(水野氏)聞こえてこないですね。
(上田氏)はい。原発作業員に取材に行ってきました。何人かの方に話を聞いたんですけども、個人を特定されますと仕事を失ったりご心配されることがありますので、今回はそういった仕事の細かい内容などについての情報はちょっとご報告できません。我々のようなメディアとの接触も厳しく禁じられてる部分もありますし、情報が出せないようになってますので、内容をお伝えすることを重視して声をお聞きいただこうと思っております。 先ほどちょっと話をしましたが、下請け、下請けとピラミッド構造になってますので、その中に含まれている人の話を聞いていきます。
 まずは福島第一原発の現状と作業の様子について聞いたので、この声をお聞きください。
(作業員A)もうぐっちゃぐちゃだった。最初来た時は。どこもぐちゃぐちゃだったんですけど。だって1,2,3,4まで蒸気出っ放しでしょ、煙が出てるんだから、ずーっと。で、がれきだらけ。何してもぐちゃぐちゃだった。10㎝以上ある扉が、鉄板の扉が曲がっちゃってるのを見たりね、閉まらないだろうなと、当然それ締めないと危ないっていう原子炉ですよね。それが曲がっちゃってたのを見たりとか。
 2号機だって何も収まってないじゃないですか。見た目がね、1号カバー隠してるっしょ?3,4今やってるでしょ?2号でこれだけ騒いでるのに何もしてないんだよ<苦笑>
(上田氏)なんか今温度が上がってるとかって。
(作業員A)上がってるでしょ?何にもその前から、何にもしてないんだよ?3号をやってる作業員なんて、怖いだろうなと思う。隣でやってて。1号の人もそうだと思う。
 いつも、いつも「行ってないとこ、触ってないとこ、あそこにちょっと行ってみてください」って言われて、「こっち終わったからあっち行ってください」って言ったら、
「あーーっ!!!」
から始まるよね、みんなね。
「なんだよー!こんなかよー!写真くらい撮れるでしょう?どんなだったの、今まで?」
(上田氏)それだけ酷いっていうこと?
(作業員A)うん。
(上田氏)はい。2月に2号機の温度の上昇のニュースがありましたけど、「何もしていないんですよ」という声に驚きました。それから厚い扉が地震で歪んでしまっているという、これも凄まじい地震の力ですよね。本来閉じていないとそこから放射線が出てくるわけですけど。
(水野氏)これも貴重な証言ですね。
(上田氏)まぁなかなか作業が追いついていないという2号機は手つかずの状態なんだということが判りました。
 もう一人現状を聞いておりますので、こちらをお聞きください。
(作業員B)当然爆発した直後っていうのは、高い線量を浴びてる人=技術者やったでしょ。結果から見たら。今は、もう高いとこに入ってる人=使い捨て要員なんですよ。
(上田氏)そういう人はどういう仕事なんですか?
(作業員B)「ボタン押してこい。走ってそのボタン押してこい」とかそんなんですよ。「水処理なんか今からパイプ繋ぐから持っとけ」とかそんな状態ですよ。
(上田氏)はい。状況は瓦礫で残っていて酷いというのが判りましたし、やっぱり仕事が大変なのは、高い濃度の放射線があるからなんですね。ですので、ちょっと行ってボタンを押して戻ってくる、それで精一杯・・・
(水野氏)わずかな時間しか働けない・・・
(上田氏)その時間が本当に短くないといけないというような状況なんです。それから、皆さん作業員の方は、防護服、聞くとみなさん「タイベック、タイベック」というふうに皆さんの間では言ってるんですけども、そういった防護服を着てマスクをしています。働けるのは長くても3時間とか4時間という作業の方もいるということで、そうなると、例えばトイレに行こうと思っても現場を離れなきゃいけないので、一旦行ってしまうともう防護服脱げないからトイレ出来ない。しようと思うと、現場を離れなきゃいけないということで、トイレに行くのにも30分くらいかかるそうで、不便で仕方がない。それから皆さんチームで作業されていると、コミュニケーションをとりたいわけですね。話をしたいんですけども、マスクをしてますから中に声がこもってしまって、なかなか伝わらない。ですので、仕事が進まない、声が通らないのでみんな叫びあっているようなときもあるということでした。
 一人でそうやって作業されてる方もいらっしゃるわけですけれども、放射線に汚染された場所の瓦礫をどけなきゃいけないんですけど、それを取り除くにもその瓦礫も高い線量がある。だからそれを落とさなきゃいけない、「じゃあどうやってやっていったらいいんだ?!」ということばかりの現場です、というような話でした。
 放射線の汚染に対してどのように対応してるのかというのを聞きましたので、その声です。
(作業員C)建屋の中にも入ってます。
(上田氏)あ、入ってるんですか?
(作業員C)入ってたよ。うん。1ミリになったらブザーが鳴るようになってるんですけどね、すぐだからね。もうすぐ。
(上田氏)時間でいうとどれくらいですか?
(作業員C)最短でどんなもんなんだろう、30分もかからないで鳴っちゃった時があったような。
(上田氏)普通に1年分を30分で浴びちゃうわけですよね。
(作業員C)うーん。でも痛くもない、かゆくもない。管理も甘かったよね。俺らも多くの人がろくにわかんない状態でやってたかんね。こんな管理、管理だからいっかってチャック開けて線量計見たりね、みんなそうだった。肌もちょっと出てたしね、みんな。肌、マスクとかの肌が出てるとこがあった。
(上田氏)露出しちゃってるところがあったんですね?やっぱつけかたがうまくいってないんですね。
(作業員C)うん。そうそう。
(上田氏)そういう人たちを指導するというかそういうところがあんまり徹底してなかったと?
(作業員C)そうだよね。「それじゃあ危ないよ」くらいのことしか言われなかった。何がなにかわかんない。痛みもないし。
(水野氏)管理は相当杜撰だといえますね。
(上田氏)特に当初はそうだったという話なんですね。そして、高い線量も30分で1年分浴びてしまうなんていう話もありました。そして、こういった環境の中にあって、放射線の障害を予防するためにヨウ素剤を飲むというような対応をとったケースもあったんだそうです。
(作業員D)ヨウ素剤飲みながらやってたんですね。「飲みなさい、飲んだ方が良いよ」っていうんで飲むでしょ?14日間服用すると、検査受けなきゃいけないんですね、今度ね。不思議でしょ?「飲みなさい」って言われて、14日で今度検査されるって。
(上田氏)逆にそのヨウ素剤が多いといけないっていうことですか?
(作業員D)いや、わかんないけどそうみたいですね。
 「飲みなさい」って言われて、本当のこというと飲んでなかったんですね。僕はね。ポケットの中入れっぱなしで、飲むの忘れてたんだけど。溜まるだけ溜まってた。バサッと。
(上田氏)それも・・・良くないですよね。
(作業員D)でも、ヨウ素剤って何か判んなかったし・・・。
(水野氏)はぁ・・・
(上田氏)結局はきっちりと対応なんかしている状況ではなかったという話だったんですね。ヨウ素剤も飲むタイミングが重要だという話もあります。
 そして、更に当初より今の方が作業環境が悪くなっているという指摘もありました。
(水野氏)今の方が悪くなってると?
(上田氏)はい。それはなぜかというと、発注元の東京電力、それから元請=その下の会社ですよね。下請け、下請けという先ほどもいっているピラミッド構造が原因のようで・・・
(水野氏)あの、それは何次下請けくらいまであるもんなんですか?
(上田氏)聞いたところによると、6次、7次は確実にあるというような構造なんです。何社も続いていっています。その辺りを聞いていますので、こちらの声です。
(作業員E)労働者の条件っていうのは、震災直後より悪くなっていってるんです。ほんと。
(上田氏)どうしてそういう状況、今の方がその条件が悪くなってるんですか?
(作業員E)まず一つは、東電にお金が無くなったっていうことですね。僕らが身につけているタイベックとか、これが唯一放射能を軽減させてくれる唯一の武器じゃないですか。それもだんだん、
「行き帰りはそのタイベックを着るな。放射能下がってるから。行き帰り用の青い薄いやつ、それにしてくれ」
と言われる。誰かが犠牲になって線量を上げて帰るっていう感じですよね。で、それを浴びるのは、そこの末端の人間ですよね。だから、6次請け、7次請けがまかり通ってると思います。
(水野氏)今最後に「6次請け、7次請けがまかり通ってる」っておっしゃいましたよね。これは下請け構造が1次、2次、3次、4次・・・6次、7次とあって、その末端といわれている人たちが高い線量を浴びる作業をしてる、そういうことですか。
(上田氏)そうです。そして、行き帰りという言葉もありましたが、原発から離れた宿舎に皆さんいらして、そこから作業員用のバスが出て第一原発に向かっています。その間では作業服を着るタイミングをちょっと今変えられていたりするということですね。
(水野氏)ちょっと、でも言うたら、お金の節約をしろっていう意味でしょ?これ。
(上田氏)はい。
(水野氏)はぁ。
(上田氏)一番安全を確保したい部分でのコストの削減っていうことになってると。
 当初から下請けの人ってもちろん高い線量のところで作業して、線量がオーバーして年間これ以上被爆するとダメですよっていう量は決まってますから、そうするともう皆さん帰っていくわけですね。また新しい人が来る。また帰っていく。どんどん人は足りなくなっていく。
 そして、熟練の技術者の処理が求められるにも関わらず、線量の関係で経験のある人ほど長く続けていられれなくなっていく。新しい人が来て、また1から作業を覚えなきゃいけない。働き盛りで体力のある世代が居なくなっていって、今度は50代とか60代とかそういった方が多くなって、現場で仕事をするようになっていて、作業効率にも影響があるというような話もありました。
 そして、今度は、賃金です。一体いくらぐらいお金もらえるんですかという話を聞いてみました。こちらの声をお聞きください。
(作業員F)俺、5次。俺自体は7000円。それとか9000円の人もおったり、あと1万5000円くらいの人もおったり。なんで5次やから金が少ない?ちょっと悩む????
(水野氏)ちょっと聞き取りにくかったんですけど、7000円とか9000円、1万5000っていう数字出ましたよね。
(上田氏)はい、この人は5次で話がまとまっていて・・・
(水野氏)あ、5次の下請けね。
(上田氏)はい。日当7000円で働いています。1日7000円で働いていますと。
(水野氏)7000円でしかないんですか?日当ですか?1日これだけのリスクを伴う仕事で・・・。
(上田氏)はい。同じ現場で9000円の人も1万5000円の人もいるんだけれども。
(水野氏)所属が違ってピラミッド構造の頂点に近い方の人は1万5000円だったりするわけですね?
(上田氏)そうです。なので、5次やから給料低いんやろうというふうに話していたわけですね。ちなみに東京電力に聞きますと、
「元請さんから下にはどのくらい会社があるかはわからない。把握していない。」
というふうに話をしています。
(水野氏)は?東京電力はどれだけの会社が入ってるか把握していない?把握していないのは・・・、いいんですか?そのままで。実は明日弁護士さんにこの問題を聞きたいと思いますので、その辺りも聞きましょう。はい。
(上田氏)中には会社自体無くなってしまって、支払われなかったケースもあるということでした。こういった現場だから、こんな不満が作業員から聞かれました。
(作業員G)えーっとね、はっきりいいますと1万2000円です。1万2000円の5次でやってますけど、契約上マシなんですよ。
(上田氏)中間搾取の層が相当厚いですね。
(作業員G)それが相当厚いと思いますよ。なんでそんなに間・・・で儲けてるのが多いっていうのが解せないですよね、そこは。あれだけ現場で線量浴びて、よく納得できるなと。働いてる人間はいいとして、間は何もせんとかすめとってるの、許せないですよ!
(上田氏)という怒りに繋がるわけですね。
 この方は今、5次請けですというふうに話をしていましたが、この人より少し上の位置に居る人、もう少し東京電力に近い人に居る下請け業者に勤める方に、どのくらい、じゃあお金が抜かれているのか、引かれているのかというのを聞いてみましたので、そちらの声をお聞きください。
(業者)うちももらってる金額も安いしね。
(上田氏)っていうとどれくらいになるんですか?
(業者)だから、会社自体がもらってるのは、一人あたま最低賃金の3倍。
(上田氏)それってごめんなさい、いくらくらいですか?
(業者)だいたい2万5千円弱か。うちから下請けに出して下請けからそこに出していくと実際もらってるのは、安すぎて・・・。
(水野氏)はぁ?
(上田氏)はい。ということなんですね。ですから、この人たちの一つ下、二つ下になってくるだけで、2万5000円弱という形から1万円になったり7000円になったりするということがわかったわけです。
(水野氏)同じ仕事をしている方でも、どの会社に所属してるかとどの段階の下請けで仕事してるかで全然違うお金になっていくんですね。
 何分の1、3分の1とか4分の1ってこともあり得るってことですね。
(上田氏)はい。
(水野氏)はぁ・・・。
(上田氏)結局、人があつまりませんので、いろんな会社を使ってなんとか人を集めようと。ですから、地域を超えて全国から人が福島第一原発に集まっているという、そのことで、何社も何社も会社が入ってしまうという状況があるということのようでした。ですので、現場レベルでは全国各地の方言が聞かれて、ときどき何を言ってるのか判らなかった時もあったという話も聞かれたんです。
(水野氏)はい・・・。いや、だけど、これ・・・金銭のことをそれぞれの方達が同じ仕事をしながら話し合って文句を言うなんてことは無いんでしょうね・・・?
(上田氏)それはね、やっぱりできないルールになってるんですね。ご法度だという話がありました。それでもこの方は話をしてくれましたが、非常に貴重だと言えますね。
(水野氏)はい。じゃあCMに続いて、貴重な証言を続けます。


(水野氏)たね蒔きジャーナル、今日は福島第一原発で作業してらっしゃる方々のインタビューをしてまいりました、上田崇順(たかゆき)アナウンサーが報告をしております。上田さん、続けてください。
(上田氏)はい。この原発作業員の皆さん、一体どうして全国各地からこの福島第一原発の事故処理の仕事をするために来たのかというふうに聞いてみたんですが、まずはこんな形でこの仕事に就いた人も居ます。
(作業員H)一回西成で問題になりましたよね。原発ちゃうっていったのに、来たら原発やったって。僕もそのクチなんですよ。そんな人いっぱいいますよ。今でも。
 で、行ったら「Jヴィレッジと違って1Fなんやわ」って言われる。なんでかというと、皆、6次請け7次請けなんです、来てる人間が。6次請け、7次請け、8次請け、9次請け。
(上田氏)9次!?
(作業員H)ほとんどみんなそうです。
(上田氏)ご自身はどのくらいの位置か把握されてるんですか?
(作業員H)僕はね、調べたんですよ。最初そうやって騙されてきたときに、僕が大体5次請けくらいです。で、話し合いして「じゃあ行きます」って言って。その分ちょっとお金を上げてあげるよって言われた部分があって、僕、半分悩んだんですね。帰ったやつもけっこう居るんです、そこで。じゃあやれるだけやってみようと思ってやったんです。
(水野氏)騙されてきたら、1Fって。
(上田氏)当初、Jヴィレッジといわれた、これは楢葉町にある福島第一原発から20㎞ほど離れている原発作業の作業拠点なんですけど、ここで仕事をすると思ってきたら、1Fというのは福島第一原発、ここへ行けと言われた。行くまで判らなかった。
(水野氏)だから「騙されてきたんだ」っておっしゃっていたんですね。
(上田氏)そうです。「こんな人はいっぱいいるんだ」という話でした。また、どうしようもなくこの仕事をしているというか、そういった方も居ます。こちらです。
(作業員I)「誰が行く?」
って会社の会議で言われて、誰も手を挙げないから、みんな手を挙げないから、俺がしょうがなく手を挙げたっていう形。
(上田氏)原発で仕事するっていうことに関しては、奥さんには何も言われなかったですか?最初。
(作業員I)最初言ったときは、
「やっぱり行くの?」って感じで。
「うん。」
「断れないの?」
とは言われたけども。
「断ろうと思えば断れるけど、俺は行くよ。行く人居ないんだもの。俺は国のためだって思ってないよ。会社のためだ。」
って。
 まぁ、そこまで危なくないだろう、安全考えてるよなっていうふうに自分に言い聞かせてました。
(上田氏)使命感から自ら挙手をしてという人もいるわけで、働いてる人の事情も様々なんです。ただ、労働環境にはいろいろ差もあるみたいで、いろいろ不満を持っている人も多くて、例えば
「夏場、休憩所のクーラーを節電で止められた。でも東京電力の社員の休憩所はクーラーがついていて・・・。」
「僕らは日当で働いてるけども、東電の社員はボーナスがもらえる。せめてお金は作業員に回してほしい。働く施設とか防護服とか日当とか、そういったものになんとかお金回してもらえないか」
という声も聞かれました。
 また、なかなかやっぱり、作業員の体験の話が出てこない、情報として出てこないのも、作業員の皆さんも「それはおかしい」と。
(水野氏)自らおっしゃってるんだ・・・?
(上田氏)「ここまできたらもう情報公開したらいけないというのは意味が無い。どうせ漏れるし、うっぷん溜まってる人間が大勢いるんだ」
というような話も聞かれました。
 それでもこの過酷さがなかなか届かないというのはどうしてなのか、次の作業員の方はこういうふうに話しています。
(作業員J)ここがが今一時間で何マイクロ浴びますよとか貼り出してありますし、原発のニュース、今2号機が突然温度上がった後がどうのこうのって、中で聞くと「大丈夫かな」と思うんですけど。
「近くやん、これすぐ」
と思って。仕事の進捗状況も細部までは判らないですけど、景色が何も変わってない。周りの人間が浴びてる線量は全く変わってないですし、自分自身も変わってないし。
(上田氏)??をつけて入られるわけですよね?
(作業員J)変わってない。何を以て『収束』。何も変わってない。止まって出えへんようになって、初めて収束じゃないですか。出続けてるんですよ?まだ。
(上田氏)一方で総理は『冷温停止状態』というような言葉を使ってますよね。
(作業員J)それはもう『現状維持』っていうだけですからね。現状維持、もう爆発して最悪になったものを現状維持してるだけなんで、根っこは取れたかというとそうではないですよ。現状維持して止まってますよということだけなので、何を以てその『収束』なのかは全く理解できません。
 本当に国がヤバい状態になってるのに、自分らの利害であるとかそういうことで、なんか隠そうとしてる、無かったことにしようという感じがすごく見えますよね。本当に向き合って、それこそ本当に何かするなり、全身全霊を注いでも福島を良くする、元に戻そうっていう気持ちが全くないじゃないですか。
(水野氏)「何も良くはなってないんだ」と。
(上田氏)実際に働いてみている福島第一原発で見ている状況と、ニュースで報道されているものの違いがあまりにも大きいという・・・
(水野氏)えらい違いですよね。
(上田氏)大変衝撃的な証言だったんです。そして、隠ぺい体質。この原発に関する。働いてる人たちが感じてるという事実もありまして、どうしてそうなるのかその場面を見た人の話をお聞きください。
(作業員K)吉田所長は、あの人は現実を全部話そうとしてたんですけど、だけど、それを止める人間が多すぎて、話が矛盾しだしたっていうのはあると思う。
 現場でしっかり伝えようとしてた吉田さんが、実は話そうとしてた現場の状況にしても作業員の状況にしても、東京電力の人間の動きにしてもしゃべろうとしてたけど、でもふさいじゃったでしょ。東電サイドで。あの人が歩くたびに、3,4人の取り巻きがついてしゃべらせないようにしてたでしょ。
 実際見てたからね、その現場。
 こんなことしてたら、絶対隠し通すだろうなと思ってた。
(上田氏)それで、そういうとこで働いてらして、どういうふうに思いますか?
(作業員K)隠さないで全部出して、っていうくらいですね。本当のこと言って、進めていこうよ。本当のこと言って、案をくださいって言ったほうが、絶対いろんな人間の案が出てくる。
(上田氏)だから、世界各国に救いを求めたほうがいいというふうに言ってるんですね。そして、作業員のみなさん、この原子力発電所自体をどう思っているのか、聞いていきました。その声です。
(作業員L)ものすごいものを毎日見させられて実感した。全然そこまではそんな日本が原発、原発っていうのがあっても爆発するなんて思ってなかったし、そこに自分が行って、その爆発したらどうなったかっていう惨状を見たりして、それを知ったら、そうなったら、それを回復するのは不可能なんやというのを知って、そこで暮らしてる人間も居る。働いてる人間も居る。そこで自分らも働いてる。こうやって頑張って??しているといったら、「これ、日本の中でこういうことが起こってんねや」っていうのは最初は信じられなかったですけど、目の当たりにするとすごい世界に来たなと思いました。
 怖さと、怖さもあるし理不尽さもあるし、両方ありますね。怖さも理不尽さもあるし。でもやらないと何も変わらないっていうのもあるし、やってみる。やっても変わらない。何なんやろ、これ?っていういろんな複雑な気持ちがいっぱいですよね。
「こんな状況になってこうなってて、まだ動かそうとすんの?」
って思いますけどね。
 無くしてできるすべがあるのなら、国を挙げてそっちをやるほうがいいじゃないのって思いますけどね。これ、だって、日本なんて地震大国じゃないですか。僕もそんな知識ないですけど、活断層の上にやっぱり原発があったりするわけじゃないですか。怖いっすよ!怖いでしょ、そんな国に住んでるの。
(上田氏)一方で仕事を失う怖さもあって、今の段階でそういった原発止めればいいということを簡単には言えないという作業員の方も居ました。
 最後に今思うことということでいろんな方に聞いたんですけども、最初の方は健康に対する不安を上げていて、「やっぱり独り身で怖い。でも誰にも言わずに来てるんだ」という話をしていて。次の方、福島第一原発で作業していたということを他の現場で知られると、どうかというのを心配しているという方です。
(作業員M)ここ終わって、別の仕事行って、もしバレた時に「はい、君帰っていいよ」、この一言が俺からしたら怖い。やっぱこの敬遠されるっていうのが一番怖い。それも特に福島なんていう言葉が出てきて、それがバレテももうたら、やっぱり誰でも今の福島に対してはちょっと敬遠されるじゃないですか。それで敬遠されるのが怖いというか、怖いけど、言ったことに恥はないから。逆に誇りに思ってる。
(上田氏)中で作業をしてることで敬遠されるんじゃないかという不安があると。なぜそういうふうに思うんですかと聞きましたら、
「原発に作業に入っているということ聞いたことで、破談になったケースがあった」
と。他の作業員で。
(水野氏)あぁ・・・、結婚のご縁が破談になってしまう・・・
(上田氏)それを聞いてしまって。この方はまだ若くて独身なんですけども、彼女が今居ないということで、
「もしできるとするなら、一生隠さなきゃいけないんだろうかな」
と。
(水野氏)福島で働いてることを言えないだろうということをおっしゃるくらいなんですね。
 はぁ・・・。
 あの、もうすでにお聞きになった皆さんからもいろんな感想をいただきました。最後のコーナーでご紹介もしていこうと思います。今日は上田崇順アナウンサーの報告です。

 今日のたね蒔きジャーナルは、福島第一原発で働く人たちへの上田アナウンサーのインタビューをご報告しております。
 リスナーの方々、いろいろご意見くださいましてね。
「作業員さんのお話にショックを受けました。今まで新聞やテレビでこんなインタビューをした報道は見たことも聞いたことも無かったです」
というふうにくださいました。
 平野さん、このリスナーは、
「すごい内容で鳥肌が立ちました。これ、完璧な人権侵害じゃないですか?」
(平野氏)うーん、人権侵害でもあるし労働基準法違反ですよね。同一賃金、同一労働という・・・
(水野氏)同一労働、同一賃金であるべきですよね。
(平野氏)それも反してますし、最も心配されるのは健康障害ですよね。これ、健康管理が非常にお粗末だということは改めて証言しておられるんですけども。
(水野氏)そのあたり明日の弁護士さんにも法的なもので伺いたいと思います。
 東大阪のリスナーは、
「なんでここまで作業内容を秘密にしなきゃならないんでしょうね?」
って。どうですか?
(上田氏)皆さんやっぱりね、仕事を失うことの怖さというのを常に感じてますから・・・
(水野氏)作業員の方の対応としてはそうですよね。だけどじゃあ東電はどうなんでしょう?
(平野氏)東電側は、作業員が集まらないということでしょうね。全てでてしまうと。
(水野氏)あぁ・・・。これからもっともっと作業にあたる方達が必要だというふうに小出先生がおっしゃってたんですよね。リスナーはそこを指摘してらっしゃいます。
「そうした小出先生の発言が現実になりつつあるんでしょうね」
って。
(平野氏)そうですね。忘れてならないのは、菅さんもですね、年間500ミリシーベルトまで基準を上げろと言ったことがあるんですよ。細野さんも250ミリシーベルトまで大丈夫じゃないかと。そうでないと人が集まらないと。
 小出先生の話では、年間20ミリシーベルトまでですよね。もうとんでもない基準を政府が自分たちだけの論理で打ち出してる。
(水野氏)その劣悪な状況で働き続けている人たちがいるからこそ、今私たちの、今なんとかこの日常があるってことなんですよね。
 上田アナウンサー、どうも報告ご苦労様でした。
(上田氏)はい。
【以上】


失礼します。
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