※この記事は、
12月11日 ベトナム首相:「原発事故後も技術への信頼はゆるぎない」【原発輸出政策を続ける日本政府・・・】
10月29日 日本・インド:事故後中断中の原子力協定交渉を促進させることで一致・・・
10月22日 ヨルダン:原子力協定の国会承認を年末までに終えるよう要求「不可能な場合、日本企業は選定しない」
2月21日【内容起こし】小出裕章氏:斑目氏の「1次評価だけでは不十分」発言と保安院の実態【原子力寄生庁?】@たね蒔きジャーナルなどに関連しています。

私も一応日本では、工作機械やパーツなどを輸出していた経験がありますので、後藤さんの話はおさらいのように感じながら見ていましたが、こと原発輸出に関しては、倫理的なことだけでなく、アジアに占める日本の状況として何が一番恐ろしいかを最後にお話されています。
前半は難しいかもしれませんが、後半、ポイントです。

どうぞ。

【動画】2月21日 原発輸出と外為法 後藤政志氏@CNIC
http://www.ustream.tv/recorded/20598462 (70:38)

【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(澤井氏)こんばんは。東京の原子力資料情報室です。
 今日は2月21日、福島第一原発の事故から348日目になります。サイトでは報道陣に現場の模様が公開され、ニュース、それから新聞等で皆さんも写真をごらんになっていらっしゃるかと思います。相当壊れているところの模様が写しだされております。
 今日は、東京で原子力安全委員会が発電用原子炉施設の安全性に関する評価検討会、いわゆるストレステストの原子力安全保安院の審査を終了したものに関して、今度は原子力安全委員会がそれについて調査審査するという会合の第1回目が開かれております。今日のゲストの後藤さんや安全委員会のほうのストレステストの検討会ですが、それの傍聴もされましたので、最初にちょっとそのお話を伺いたいと思います。
 後藤さんよろしくお願いいたします。
 今日安全委員会のほうの傍聴に行かれたそうですが?
(後藤氏)後藤です。どうもこんにちは。
 昨日、ストレステストの委員会がありまして、昨日は既に大飯3,4号は保安院から原子力安全委員会に上げた、その保安院から原子力安全委員会にあげたその資料について、今日保安院から原子力安全委員会に報告があったということです。
 概要をちょっとお話すると、大飯の3,4号機について安全委員会に答申といいますか、保安院の意見を付けてだしまして、それを保安院が説明したんですね。それに対して原子力安全委員会の側は、原子力安全委員が5名ですか、それに専門家ですね、意見聴取会、ストレステストと同じように意見をいう方が6名ですかね。大学の先生が多かった、或いは研究所、元の原研の方とか。
 意見をその場でいろいろ忌憚なく????
 ポイントは、保安院としては大飯3号機について、ストレステスト1次評価、炉心溶融までの評価を一応して、基本的には大きな問題ないといいますか、彼らの持ってる保安院の持ってるやり方について沿ってやってるということを評価している、そういう報告をしました。
 それに対しまして、委員の方からけっこう基本的な意見も出ました。
 例えば、1次評価、2次評価の話もありました。当然。1次評価ってそもそも炉心溶融までの話だけで、評価として不十分だという意見も当然出まして、つまり、炉心溶融した後にどうなるかって、これはストレステストの委員会のほうで私も言ってますけど、安全性の問題ってそこの炉心溶融した後どうなるかっていうのに非常に関わってくるんですね。特に福島で実際それが起こっちゃったわけですよ。そのことをきちんと評価しないと無理があるんじゃないかっていう主旨ですね。
 もっと具体的にこういう話がありました。
 そもそも大飯1,2,3,4と4基あるのに、3,4号を評価しました。それは炉心溶融までとしていいかもしれない、まぁ仮にそうだとしても、じゃあその時にほかの号機も何らかの損傷を受けるということを仮定する、そういう評価をしたことになってるんですけど、質問は、
「では1,2号機はその時メルトダウンしてるのか、していないのか?どういう過程か?」
 そういう質問がありました。
 でもこれは結構本質的な問題を突いてまして、
「炉心溶融までなんだから、1,2号機は炉心溶融手前である。そういうつもりで評価をした」
と、こういう答えなんですね。それは、その質問した方から見ると違った見方ができる。つまり、3,4号が炉心溶融にいかないように制御しようとする条件として、実はもう既に1,2号機が炉心溶融してしまった、これは福島で全くあったことじゃないですか「1,2,3号機で。そうすると
「炉心溶融があって近づけないような状態になった時に3,4号が炉心溶融を防げるかどうか?」
ってこういう質問なんですね。これはきわめて真っ当な重要な指摘だと思います。私はちょっとそこまで踏み込めなかったです。その時には気が付きませんでした。考えてみるとそういうことなんですね。非常に真っ当な意見だと思います。
 そういう意見が出ましたし、それ以外にも比較的、忌憚なき意見というのがいくつか出てました。
 私は比較的それはなるほどというふうに聞いていました。
 ただ、安全委員会の最後の方で、10項目近く、数は忘れましたけど、すごく抽象的な見解を出してるんですね。それで、保安院に対しては、もう少し突っ込んだ説明を求めるという趣旨になっていて、その項目ですね、一番最後の方にちょっとあったんですけど、どこでしたかね・・・。<探しておられます>膨大な資料で、これでも省いてるんですね。全部つけてるわけじゃなくて、一部ですけどね・・・。
 これ、私はストレステストの意見聴取会の方に出てますから、内容の大半は知ってるはずなんですね。それでも付いていくのが大変なくらいで、その場でもいろいろ・・・不規則発言もちょっと一部ありましたけどね。
「もっと判りやすく」
っていうのがありました。
 ポイントはちょっとお待ちくださいね。
 原子力安全委員会の事務局から、7項目出てるんですね。
7項目1

7項目2
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hatsudensougou/hatsudensougou001/siryo6.pdf
 すごく表現が抽象的なんですけどね、説明は比較的内容のあることを言っていました。例えば、事業者の独自の努力っていうマインドっていうか、どういう精神でやってるか。そもそも想定外とかそういうことを持ってくるんじゃなくて、基本的にそういうものに対する本当に安全を守るための姿勢を持ってるのかとかね、技術的な背景はちゃんとバックボーンがあるのかとか、それから"common mode failure"っていうんですけど、共通要因故障、その問題をきちんとどう捉えるかとか、そういうかなり本質的なことを言ってます。
 ですからこれ自身については、流石に安全委員会だなと私はちょっと思ったんですね。それから成功パス、つまりシナリオ書いていって、だんだん事故のシーケンスと経過を成功・失敗って追いかけていくんですね。その時、成功したっていうパスですね、それを決定論的にやるんですけど、成功したパスの頑健性を確認する観点からもう一度きちんと条件が満たされてるかどうかとか、そういうことを見るべきであるって。
 これは私なんかと言ってることと同じこと言ってますね。
 つまり、すべてのことがうまくいったら、それがうまくいくのは当たり前で、ある面では設計と同じになっちゃって。そうじゃなくて、そのプロセスで一番そのことが、「その条件が整うかどうか」っていうのが一番本質的な問題なんですね。
 そういう観点からきちっとそういうことを評価すべきであると、比較的真っ当な意見が出てたというふうに思います。
 これは安全委員会側がそういうことを言ってました。
 それとあとですね、シナリオ同定の頑健性ってこれもちょっと判りにくいですけど、炉心溶融までのシナリオ問題をどういうふうに見るかということ。きちんと評価を、特に保守的な方法でやると言ってるんですけど、こういう表現してるんですね。
「十分なロバスト性がある」
っていう表現。ちょっと難しい。
 ロバスト性っていうのは、十分保守的なって言ってるけど、実はその本当にそれがどれだけ余裕、余裕っていう表現だとちょっと軽くなっちゃうんですけど、ロバスト性って言うのは協調度といってもいいと思うんですけど、何かをしようとしたとき、それでも結果として十分柔軟性があるといったらいいんですかね。「簡単には壊れないよ、丈夫だよ」
ということを言ってるんです。それをロバスト性って設計で、技術ではそういう領域を使うんですけど、
「これはロバスト性がある。」
 ロバスト設計っていうのは、何かがあっても充分に耐えられるものになってると。
 例えば細かい計測をやっていくとき、「1.8倍である、1.81倍である。」この数字がどうこうっていうんじゃなくて、それが非常にぶれてもいろんなことがあっても大丈夫だっていうの、そういうのをロバスト性っていうんですね。
 それを問うと言ってるんです。これは本質的な問題です。私もこういう主張はしてたつもりですけど。
 それから、可搬施設による対処の考え方。電源車とか水とかそういうものを外から持っていこうっていうのは・・・
(澤井氏)「カタン」っていうのは「搬送できる、可能な」の「可搬」ですね。要するに移動できるっていう意味。
(後藤氏)そういう外から付け足してるものなんで、それは自由度があって自由に動かせるんだけども、逆に言うと信頼度に劣る面がある。それについてどのように考えてるのかという質問ですね。これは、ストレステストの方でも言ってたんですね。
(澤井氏)後藤さんがずっとおっしゃってたやつですね。
(後藤氏)それから、経過措置の頑健性ですね。大型い施設の設置等の実施までに時間がかかる。
 例えば、最近出てるあれでは、格納容器ベントをやってそれにフィルタを付けるという議論があります。それを大型の設備ですから、それがすぐ付くのか?っていう問題。それが付くまでの間どうするの?少なくともそれについて保証しなきゃいけない。その経過措置、その段階における頑健性、つまりそれで大丈夫だっていうことをどうやって保証するのか?っていう問題。
 そういう質問をしていますね。
 それは、至極真っ当な質問なんですが、問題はそれをきちんと受け止めて評価をしていくかということになります。
 それで、ただ私からの非常にその場でもある聴衆の人から、非常に不規則発言ということになるかもしれませんけど、クレームがあったのは、
「ストレステストの意見聴取会の方で出てる問題点っていうのがちゃんと伝わってないんじゃないか?」
と。つまり保安院の説明の中に入ってないということを言ってるんですね。それを
「きちんと説明すると言ったはずじゃないか。それをなんで説明しないのか?」
 そういう意見が出てました。私も、私が指摘したことに対して正面から答えた形になってないまま、私がお願いしたのは、もしその報告書が保安院としてまとめるならば、意見として、裁判じゃないですけどね、少数意見でもいいんですけど、
「意見としてこういうのが出たということを残してください」
とそういうふうに申し上げたんですけど、それも一切出なかった。
 もちろん中に一部触れてあるんですけど、抽象的に触れてあったり、基本的な問題を外してる感じなんです。
 例えばいつも何回も言ってるんですけど、一例でいくと、津波に伴って瓦礫が流れたり、それから燃料が出て火の海になってしまった。そういう津波と火災が一緒にっていうのは、今回起こってるわけですよ。それに対する評価をしないでおいて、何も触れてないっていうのはおかしいって言ってるわけです。
 それは酷い話なんですね。それで保安院のやり方は非常におかしいという意見があります。 
 もう一つだけ申し上げておきますと、これは安全委員会の委員長ですね。斑目委員長がその場で言ってること、或いはその前に新聞等で報道されてる内容からいきますと、伝聞なんでどれだけ正確か判りませんが、ひとつには、
「保安院の1次評価だけで安全性の確認はできない。だから2次評価までいる」
という話と、それはそう言ってるんですが、
「そもそもストレステストっていうのは安全性の確認になってない。」
 安全性の確認っていうのは、むしろ設計、指針類、一番基本的には地震でしたら耐震設計審査指針であります。それから安全、津波等の安全設計審査指針。この二つは、両方とも大事なんですね。
「この元に戻って考えなきゃいけない」
っていうことを言ってるわけです。そのことと
「ストレステストは車の両輪である」
と、こういうことを安全委員会は言ってる。
 これは、それなりに説得性のある、納得のある言葉と私は思いました。
 ただし、ちょっと気になったのは、新聞情報によりますと、
「ストレステストの1次評価っていうのは、安全性とは関係ない。安全委員会としては、そのことについてプラントの再稼働については、一切関係が無い」
ということを言ってるんですね。
 それは見方によりますけど、一つの見方は、安全委員会はこのストレステストというものをもってして、再稼働することは安全の問題としてはおかしいと思う、つまり批判。そういうことをおかしいと思う読み方が一つです。
 それともう一つはそうではなくて、
「いや、関与しないよ」
 つまり、
「それ自体は大した問題ではないんだ。それは政治の問題でしょ」
っていってるふうにも聞こえる。
 私はそれに関してはちょっとおかしいと思います。いずれにしてもおかしい。
(澤井氏)そうですね。ストレステストをやって安全性が確認できないといってるのに、再稼働は関係ないと。
(後藤氏)はい。それは矛盾してます。矛盾してるというか、本当の意味の原子力安全委員会の責任になってないじゃないですか。
 なぜかといいますと、福島の事故が起こったのは、ご承知のように一番・・・責任を追及したいっていうことじゃないんだけどね、何で起こったかっていうのを考えたときには、責任を誰が全うしてるかってことなんですね。それはくどいほど今回もずっといろんなとこで言ってるんですけど、そうすると事業者がいますね。メーカー、それから電力会社。これについてまずやります、当然。ですけど、それに対してこれでいいとお墨付きをつけてる保安院は、ちゃんとした規制になってないんだけども、少なくとも安全に対する責任があるわけですよ、一番。それがきちんとしたものを出さないようで、しかもその上に居る安全委員会がまた「それは関係ない」と言ってしまったら、誰が責任を負うんでしょう?政府ですか?
 今度4大臣かわかりませんけど、その方達は原子力の事故について、それだけ内容をお分かりでしょうか?
 例えばどういうところまでこれで安全が担保出来るとか、事故が最大規模だったらどうなるかとか、そういうことご存じなのか?とかそういう問題になります。
 私はそれでは最終的に政治が決着するのはいいとしても、その手前のところは安全に関してきちんとした専門的な助言が無い、それが安全委員会だと。その安全委員会が安全について言わないということは、日本に於いて原子力の安全を担ってる人は、一人も居ない。
 そういうふうに見えます。
 これが一番悲しいことです。
 私は今日、昨日のストレステストの意見聴取会の後は、結構怒ってたんですね。怒ってた。
 今日は、帰りは非常に悲しかったんですね。
 なぜかというと、もちろん一生懸命考えてらっしゃることを意見されてる方も居ると思うんですけど、全体にしてみると
「なんで日本ってこんなに原子力の安全について無責任なんだろう?無責任の塊じゃないか?」
 ほかの一般の国民から見たら、なんだ?と思うのは当たり前だと思うんですね。そこの中に自分が一時でも関わってた私、責務は非常に、本当に情けなくなるくらいです。
 それではっきり申し上げて、あの中にいっぱい私がよく存じ上げてる方達も居ます。すごく一人一人見れば立派な方もいらっしゃると思います。
 ですけど、それが全体で構成されてる日本の原子力っていうのは、こんなものなのか・・・と。こちらで野次を飛ばしてた方が言ってらしたもん。
「子供にこんなの見せられないよ」
って言ってましたね。
 本当にね、それはおかしなことだと私は思いましてね。ちょっとストレステストの話をすると、ちょっとそんな話をさせていただきました。
(澤井氏)なんか3月11日がまるで無かったかのような・・・対応ですね。まるっきり反省が無いという。
 これからもまたストレステストのことは続けてみなさんにお伝えしたいと思います。
<18:00頃~>
 今日はちょっと時間をとってしまいましたが、ずっと原発の輸出という問題がありまして、私たちも何回かUstreamでお伝えしてきたんですが、安全保障貿易管理という、実は後藤さんその方面でも専門家でいらして、今日はこれから貿易管理の専門家としての後藤政志さんから『原発輸出と外為法』というテーマでお話をいただきます。
 外為法というのは、外為法と外国貿易を管理するという法律なわけなんですが、「なんで原発と?」っていうふうに皆さんお思いになるかもしれませんが、この貿易管理については、日本は平和憲法のもとに武器の輸出とか輸入、それから核技術の技研に関して、大変厳しい体制をしいてきております。
 その実態とそれからこれからもし原発って本当に輸出するとなったら、どんなことが出てくるのか。私たちの社会にどんな影響を与えようとしてるのか、お話をいただきたいと思います。
 では、よろしくお願いいたします。
(後藤氏)久しぶりに原発絡むんですけど、ちょっと貿易管理。私のここ何年かやってる本職のほうなんですね。これは企業向けとか大学向けに安全保障貿易管理というのがどういうふうになっているかを時々、アドバイザーって書いてますけど、そういう説明をさせていただいてます。
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 時間の関係ありますので、あんまり細かいとこに立ち入るのは止めますが、資料そのものはそういうところでやる資料を使いますので、若干飛ばしながらお話をいたします。
 もともとは、安全保障貿易管理とは何かというと、例えば一例なんですけど、ある工作機械メーカーが外国に機械を輸出したんですね。これがリビアの核関連の施設で見つかったんですね。リビアっていうのは、非常に当時から核の開発について懸念されてた国なんですね。北朝鮮とかもそうなんですけど、そこで機械が見つかっちゃったんです。それは日本製です。この会社の。
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 そうすると本来はこういうものを輸出してはいけないという日本の法律。これは国際法でも決まってるんですけど、その外為法、外国為替貿易管理法違反として疑われたんですね。
 それはなぜかということなんですね。
 ここの法令で定められてる、もともと貿易管理といってるのは、貨物、物と技術。その両方なんですね。それを両者について輸出をすることに関して規制をしてます。無許可で勝手に持っていくと、それは外為法違反になるので、逮捕される。
 そういう関係になっています。
3

 この3次元測定器なるものは、核開発するときに、例えば原爆とか水爆作るときに、それを機械で削るその機械、そうすると非常に精度を要する工作機械。機械で削るんですけど、それを削ったあと、計測するんですね。それがこの測定器なるもの。
 だからそうすると、「え?それって原爆と何が関係あるの?」っていうふうに遠いんですね。ですけど、原爆を作る上においては、それが一つの道具として必要だと。そういうものはちゃんと、もし輸出するのであれば、ちゃんと届け出なさいということなんですね。
 例えばこの場合には、ウランの遠心分離器。遠心分離機というのは、高速で回転させてウランを濃縮する機械ですね。そのために使われるということです。この時に、実際外為法に問われて、役員の人が処罰された。こういうことになったんですね。
 これは、こういう・・・たまたま違反してしまったわけですけれども、十分大丈夫だと思ってたけど、実は技術的に非常に良い製品であればあるほど規制が厳しくなる関係になってるんですね。つまり最新の技術であればあるほど規制が厳しい、そういう関係になっています。
 さて、その外為法に違反すると、非常に厳しい罰が待ってるんですね。
 それはなぜかというと、ある面では国の安全保障を脅かすということになるんですね。核なら核技術を意図してはもちろんのこと、意図しなくても結果としてその技術を外に持っていくこと、外国に対して出すことは極めて危険である、そういう考え方です。
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 ですから、ミステイク、失敗して間違って知らないで出しても外為法は厳しいです。問われるんですね。
 普通間違いだったら、ちょっと情状酌量あるじゃないですか。貿易管理においても全く無いことは無いんですけど、ミスでやっても相当厳しい罰が待ってるというのが現状ですね。
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 もともと外為法というのは、輸出管理の目的っていうのは、
『我が国の安全保障と国際的な平和及び安全の維持』
ということで、国際的な約束事、レジームを受けて外為法があるんですね。
 考え方は、こういうことになるんです。
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 モノの輸出というのは、国境を越えてモノが出ていくこと、これを輸出といいます。当たり前ですけども、気をつけなきゃいけないのは、国境を越えてモノがいくということは、例えばそのモノが誰のものであるとか誰が作ったかとか関係ないんです。例えば今、私が今このコンピュータを持ってますね。このコンピュータ、実はアメリカの友達が日本に持ってきました。それを「向こうに戻すんです」って言って「忘れちゃったから持ってきてくれよ」って私がこれを持ち出そうとします。そうすると外国にあったものをまた戻すだけですから、良いように見えますよね。ところがそうじゃない。
 これは、私のものではないけど、この国に、ここに今あるものを国境を越えて輸出すること、これ自身が問われてますから、これが誰のものだか関係なしに、これを持ち出す私は外為法の輸出規制にかかる。そうすると、これがもし政府の経済産業省の許可を要するものだったら、無許可で出したことになったら大変なことになる。外為法違反に問われる。そういう関係になります。
 それで、ちなみに特定貨物っていうのは2種類あります。『リスト規制貨物』と『キャッチオール規制貨物』の2種類に分かれています。
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 さて、もうちょっと難しいのは『技術』です。
 『技術』というのは、情報ですからね。紙に書いたり、何か媒体、CDに入ってるとか媒体は関係ない。通信回線で出しても同じです。
 これを技術の情報を海外に発信した場合に、これはやはり技術の提供として、もしこの技術がリスト規制に、或いはキャッチオール規制に該当するとしたら、これは許可を得る、そういう関係になります。
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 もうちょっと難しいことがあるのは、居住者・非居住者というのがあるんです。日本人、日本にいる我々は普通居住者です。外国にいる人が日本に来たら、その人は非居住者なんですね。ですけどただし、複雑になるのは、日本に来て半年の間、非居住者、半年経つと自動的に居住者になる。そういう考えになります。
 それと、大学の研究員とか研究所の研究員とかで海外から研究者が日本に来て契約しますと、その研究所と。そうするとその研究員になった途端に居住者になります。契約関係で。だけど、契約関係なしで、例えばある大学に共同研究かなんかできて、海外の研究員が来て、仕事を一緒にする。そうすると契約関係に入ってませんから、彼・彼女は非居住者です。そうするとその人に居住者から非居住者に技術を提供することは外為法にかかるんです。
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 ですから海外から研究員が来て、「やあ!」と友達になって親しい。じゃあこれをすぐ渡しましょうっていうのは、きわめて危ない行為であります。外為法上は、すぐ違反になります。特に原子力プラントに関わるような情報を出したら、一発でそれは外為法違反を問われます。
 さて、なんで外為法がそんなにうるさくなってるか、やり方の問題はどうか。
 内容は単純なんです。リスト規制の貨物或いは技術。これを非居住者・外国人に渡す、或いは海外に持ち出すときには、経済産業大臣の許可を受けなさいとなってる、これだけなんです。これを許可申請受けていればなんてことはない。そういう関係になります。
 もう一つあるのは、キャッチオールというのがあるんです。これがちょっとあるんですけど、リスト規制っていうのはリストがあるんです。実際に。原子力に関わる各原子力分野だと、核物質、ウランとかそういうもの。それと同時に、原子力プラントもそうです。それ以外にいろんな種類があります。レーザーとか、そういうのは規制対象になっています。
 それに対して、キャッチオールというのは、リスト規制以外のものは全部キャッチオール規制と考えていいです。
 例えばこれ(指し棒)ですね。モノとしてみるとキャッチオール規制貨物なんですね。こいつをじゃあ輸出するときどういうことになるかというと、ここにあるように食料とか木材以外のもので、さらにホワイト国。ホワイト国っていうのは、旧西欧ですね。アジアでは韓国。あとは、アメリカとヨーロッパです。その国々はホワイト国としていて、ここにものをキャッチオール規制貨物や技術を持っていくことは、規制対象になりません。これ(指し棒)はキャッチオール規制貨物ですから、これを持って私が韓国に出張に行ってこれを渡すことは問題ありません。ですけど、これを中国に持っていきますと、それはちょっと待ったなんです。中国の場合はホワイト国ではないので、キャッチオールでチェックしなさいと。それは何かというと、相手。相手は誰か。軍事関係に関わってないか。核関係関わってないかとか、大量破壊兵器に関わってないかとか、そういうチェックが入るんです。あとは用途ですね。何のためにこれを持っていくか。ここのところのチェックを全部しないと外為法に問われる、そういう関係になります。
<30:30頃~>
 どんなものを管理するかというと、兵器、生物兵器、化学兵器、だいたいこういうものに関わった軍事的なもの。大量破壊兵器ですね。及び、大量破壊兵器等の開発に用いられるようなロボット、コンピュータ、こういうものですね。工作機械とか、一般的なものですね。こういうものも規制対象になります。
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 あとは通常兵器ですけども、問題なのは、このへんのところですね。特に一般的なものがありますから、例えばバルブっていったって、バルブっていうのは配管があって途中で閉めたり開いたりする、いわゆる弁ですね。バルブって。これなんかは、世の中にいろいろあるわけですよ。ところが、そのうちのあるバルブの中をコーティングっていって、腐食性、耐食性の強い液体が流れても大丈夫、そういうコーティングをしたやつは、大量破壊兵器に使われる。そういう関係になりますね。
 ですから、こういう規制されるもの、これを『デュアルユース』っていうんですけど、兵器にも使えるし一般民生にも使えるということです。
 こういう大量破壊兵器、平気に関わるもの、民生用であってもリストに載ってるものは大量破壊兵器に使用できると考えるんですね。その代表的なものが工作機械です。
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 先ほど言いましたように、工作機械というのは非常に有用で、日本の輸出のかなめですけど、でも気を付けて輸出しないと・・・。
 これは2001年の9.11のとき、いわゆる同時多発テロですね。あの時航空機が突っ込んで問題になりましたね。いわゆるテロですね。それ以前は、どちらかというと冷戦が主の、終戦後間もなく太平洋戦争が終わった後東西冷戦があって、ポスト冷戦というわけです。
13

 このあと対テロ戦争というのをアメリカが仕掛けたというのがありますけどね。そういう話がある。
 日本では、湾岸戦争、地下鉄サリン事件とかそういうテロがありました。
 こういうもの、これを輸出という形、貨物の輸出、技術の提携に対して規制するために、国際的なレジームがあって、昔はココムって言ったんです。これは対共産圏。共産圏に対して???資本主義者が捉えて、こちらと2つの東西冷戦があった。その時に西側の立場としては、ココムとして規制した。つまり、東西の西側の規制だったわけですね。
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 それが先ほどの東西冷戦の終結、つまりベルリンの壁が崩壊して、そこでココムが解散したので、今度は輸出管理が対共産圏輸出からワッセナー型に変わったんです。これは何が変わったかというと、これまでは共産国を敵視してたわけですね。それに対して制限してた。ところが、ここではそういうことはしてないです。この国がどうこうということでなくて、ワッセナー型というのはどこに対してでも、ある規制する貨物は規制する。そういう考え方です。不拡散型とか補完的輸出管理。
 ちなみにこれをワッセナーアレンジメントというんですけど、これは96年に発足しています。
 ものは核兵器、生物化学兵器、ミサイル、通常兵器と分かれていて、それに対して国際レジームは核兵器は核不拡散条約。これはご存じのでしょうけど、生物兵器条約、化学兵器条約、ミサイル兵器条約こういうふうに分かれてる。通常兵器をワッセナーと呼んでるんですね。
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 核兵器では、核兵器はここで不拡散なんですけど、原子力プラントというのは、汎用品、核を使う核兵器の開発等に用いられる蓋然性の高いもの、つまり原子炉というのは、核兵器ではないんだけど核兵器のための材料となるウランやプルトニウムを作るんですね。つまり、原子炉というのは、民生用だけど核につながるので、NSG・原子力供給国会合とかロンドンガイドラインっていうんですけど、これで規制するということになってます。生物化学兵器だとオーストラリア条約。こういうふうになっています。
<35:00頃まで>

【後半】へ続きます。

失礼します。
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