※この記事は、
1月14日 民間事故調・福島原発事故独立検証委:菅元首相をヒアリング、今後も政府要人のヒアリングを予定
11月15日 民間事故調査委員会が発足【情報提供を呼びかけ】などに関連しています。

SPEEDI“存在も知らず”
NHKニュース 2月28日 6時38分 
去年3月の原発事故で、放射性物質の広がりを予測するシステム「SPEEDI」が住民の避難にいかされなかったことについて、菅前総理大臣ら、事故の対応を中心となって行った政治家たちが「所管する文部科学省などから説明を受けず、事故から数日たってもその存在すら知らなかった」と民間の事故調査委員会に対して証言していることが分かりました。

原子力事故が起きた際に放射性物質の拡散を予測するシステム「SPEEDI」は、開発・運用に120億円の費用が投じられながら、去年3月の原発事故で住民の避難に生かされず、政府の対応に批判が出ています。
これについて、28日に公表される民間事故調の報告書の中で、事故対応を中心になって行った菅前総理大臣ら5人の政治家が「所管する文部科学省などから説明がなく、事故から数日たってもその存在すら知らなかった」と証言していることが分かりました。
調査の対象となった5人のうち、当時の枝野官房長官と福山官房副長官は、2号機から大量の放射性物質が放出された去年3月15日ごろ、マスコミからの指摘で初めてSPEEDIの存在を知ったと話しているほか、当時の海江田経済産業大臣は「存在すら知らなかったので、データを早く持ってこいと言うことができなかった。本当にじくじたる思いだ」と述べたということです。
SPEEDIの説明がなかったことについて枝野前官房長官は「予測の計算に必要な放射性物質の放出に関する数値が得られなかったためデータの信頼性が低く、説明の必要はないと判断した」と文部科学省から報告を受けたと話しています
これについて民間事故調は、28日公表する報告書で「SPEEDIは原発を立地する際、住民の安心を買うための『見せ玉』にすぎなかった」と厳しく批判したうえで「住民の被ばくの可能性を低減するため、最大限活用する姿勢が必要だった」と指摘しています。
また、災害時の情報発信に詳しい東京女子大学の広瀬弘忠名誉教授は「原子力災害が起きている最中に指揮官である官邸の政治家が存在さえ知らないというのは通常は考えられない。SPEEDIの存在を政治家に報告しなかった官僚も問題だが、官邸にも危機管理能力がなかったと言わざるをえない」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120228/k10013333181000.html


枝野氏、悪魔の連鎖は当時の心情 事故調査報告書で説明
共同通信 (2012年2月28日)
 枝野幸男経済産業相は28日、東京電力福島第1原発事故の際、当時官房長官だった枝野氏が「原発被害が拡大する『悪魔の連鎖』を懸念した」と、民間事故調査委員会の報告書に記載されたことについて、「当時の心情を話した」と述べ、専門家の分析を踏まえた政府の見解ではないと強調した。閣議後会見で述べた。
 枝野氏は「(昨年3月)14日から15日にかけては、(原発被害の連鎖の)可能性もあるのではないかという強い危機感を持ちながら仕事をしていた」と説明。当時、そうした懸念を話さなかったことについて「専門家でもない私が個人の印象として、『私はこう思う』と申し上げる立場ではない。政府として、政府機関や専門家の評価や判断はしっかりとお伝えした」と述べた。
 民間事故調の報告書によると、枝野氏は「1(福島第1)がダメになれば2(福島第2)もダメになる。2もダメになったら、今度は東海(第2原発)もダメになる、という悪魔の連鎖になる。そんなことになったら常識的に考えて東京までだめでしょうと私は思っていた」と証言した。
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/02/post-4882.html


民間事故調:原発安全神話を指弾 検査形骸化と縦割り弊害
毎日新聞 2012年2月28日 6時35分
 「決められたことをチェックするだけ」「木を見て森を見ず」--。民間事故調が27日にまとめた報告書から浮かぶのは、形骸化した原発の検査体制と縦割り行政の弊害だった。また、国が原子力政策を決定し、事業者が運営する「国策民営」方式で、安全規制へのモラルハザード(倫理観の欠如)が生まれ、責任の所在が不明確になったと断定。「原子力ムラ」が生んだ原発の安全神話が事故原因になったと指摘した。【中西拓司、奥山智己】
 民間事故調は、縦割り行政の象徴として、放射性物質の拡散状況を予測するSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)の公表遅れを取り上げ、400ページに及ぶ報告書のうちの16ページを割いた。この中で、「文部科学省が放射線モニタリングをまとめ、内閣府原子力安全委員会がそれを評価する」との役割分担が昨年3月16日に決まったのを機に、公表責任の所在があいまいになったと言及
 文科省は公表の役割について、安全委員会が受け入れたと主張しているが、班目春樹・原子力安全委員長らは聴取に「文科省が勝手に決め、安全委に(公表の役割を)押しつけた」と証言した。事故調は「文科省が安全委に一方的に役割を『移管』した」と推定。「文科省の対応は、責任回避を念頭に置いた組織防衛的な兆候が散見され、公表遅れを招く一因になった可能性は否定できない」とした
 上空から放射線を測る「航空機モニタリング」では、実施主体となる文科省所管の財団法人「原子力安全技術センター」と、ヘリを運航する自衛隊との連絡がうまくいかず、3月25日まで測定できなかったことを明らかにした
 一方、原発の安全審査について、経済産業省原子力安全・保安院と、その傘下の原子力安全基盤機構(JNES)、文科省とその傘下の日本原子力研究開発機構(JAEA)による「二元審査」にあったと指摘。両者について「横の連携が取りにくいちぐはぐな関係にあった。それぞれの機関が定められた行動だけを取り効果的な事故対応ができなかった」と指弾した。
 報告書は、電力会社任せになっている原発の安全審査の実態も言及。「電力会社が作成した資料を丸写しして、決められた手順通りに行われているかチェックするだけ」(元JNES検査員)▽「検査はどんどん細部に入り、『木を見て森を見ず』になっている」(JNES幹部)--などの発言を紹介した。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120228k0000e040165000c.html

官邸の介入で混乱も=東電、聴取に応じず-民間事故調報告書・福島原発事故
時事通信(2012/02/28-13:13)
 東京電力福島第1原発事故で、民間の「福島原発事故独立検証委員会」(民間事故調、委員長・北沢宏一科学技術振興機構前理事長)は28日までに、「官邸が現場に介入し混乱を呼んだ」などと指摘した事故報告書をまとめた。
 民間事故調は昨年9月に設立。菅直人首相(当時)、枝野幸男官房長官(同)ら政府首脳を含む約300人から事情を聴取。事故発生時の首相官邸や経済産業省原子力安全・保安院の対応や、情報公開の在り方、事故の背景にある「安全神話」成立の背景などを調べた。
 報告書は、菅氏が原発に運ぶバッテリーの大きさまで確認するなど、官邸が現場に直接介入したことが混乱の一因になったと指摘。その半面、菅氏が全面撤退を考えていた東電を押しとどめ、制御不能になった原発事故が連鎖する「最悪のシナリオ」を防いだ功績もあるとした
 事故調は東電の清水正孝社長(同)や吉田昌郎同原発所長(同)ら同社関係者の聴取も要請したが、東電側から拒否されたという。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012022800449

民間事故調、「しがらみなし」 官邸や東電の責任ばっさり
(1/2ページ)
産経Biz 2012.2.28 08:34
 東京電力福島第1原発の事故原因を、民間の立場で独自に検証してきた「福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)」が27日、報告書をまとめた。政官業とは一線を画した立場からの報告は、菅直人前首相の行動を「混乱や摩擦のもとになった」と批判する一方、東電の事前対策の不備を「人災」と断罪。他の事故調が出した報告書とは異なり、当事者責任に深く踏み込み、「第三の事故調」の存在感をアピールする内容だ。(原子力取材班)
 民間事故調の最大の特徴は、しがらみがない、自由度の高い調査だ。政府が設置した事故調査・検証委員会(政府事故調)や国会が設置した事故調査委員会(国会事故調)とは異なり、特定の機関から調査を委託されていないためだ。
 これまでに公表された政府事故調や東電の中間報告は、「原発内で何が起きたのか」という物理的事実の解明が中心だった。
 事故対応について、政府事故調は「官邸内の連携が不十分だった」と構造的な問題点を指摘したものの、政治家個人の責任追及はしておらず、東電は「厳しい環境下での対応を余儀なくされた」と自己弁護に終始している。
 「政府と東電が『国民を守る』責任をどこまで果たしたか検証する」と掲げた民間事故調は、菅前首相ら政府関係者の聞き取りを重視し、事故対応に当たった官邸の問題点を精力的に検証した。
 報告書は、事故直後の官邸内の政府首脳の言動や思考を浮き彫りにすることで、「官邸による現場介入は無用な混乱を招いた」と厳しく指摘。さらに、他の事故報告書が触れていない「最悪シナリオ」にも言及し、政府が情報を隠蔽(いんぺい)してきた側面も強調した。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120228/mca1202280835009-n1.htm
(2/2ページ)
 東電に対しても、国際原子力機関(IAEA)の原則を引用して「第一義的な責任を負わなければいけない」として追及しており、過酷事故への備えがなく、冷却機能喪失に対応できなかったことを「『人災』の性格を色濃く帯びる。『人災』の本質は東京電力の過酷事故の備えの組織的怠慢にある」と言い切った
 東電が「国と一体となって整備してきた」と釈明し、政府事故調が「極めて不十分だった」とするにとどめた姿勢とは対照的だ。
 ただ、課題も残った。国政調査権に基づく調査や証人喚問が要請できる国会事故調、公的な後ろ盾があるため「調査協力を拒まれた例はない」とする政府事故調と違い、民間事故調の調査は任意のため、相手の同意を得られなければできない点が、今回はネックとなった。東電に調査協力を拒まれ、技術的な問題点については、政府事故調の結果をほぼ追認する格好になってしまった
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120228/mca1202280835009-n2.htm

本日15時から会見があるようなので、その後恐らく報告書が公開されるものと思います。
http://rebuildjpn.org/news/924

失礼します。
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【追記】
残念ながら400ページはUPはされないようですね・・・。してくれればいいのに。
概要は以下のPDFです。

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http://rebuildjpn.org/wp/wp-content/uploads/2012/02/34fc7150633ba79554ff4c9c9d29885a.pdf