※この記事は、
2月17日 東電:2号機は温度計故障と断定、今後は他の温度計や格納容器の気体分析等で総合判断へ【注水量も減らす方向】
2月20日 フクシマの命と未来を放射能から守る会:南相馬市で108万ベクレルを検出・・・に関連しています。

20120223 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(千葉氏)今日は毎日新聞論説員の藤田さとるさんと一緒にお話を伺います。
 小出さん、今日はまずこの質問から伺いたいんですが、今のニュースでも伝えておりましたけれども、またまた温度計のくい違いが起きたということで、福島第一原発2号機の二つの温度計がそれぞれ違う温度を示しております。
 原子炉圧力容器の底に3カ所ある故障と判断された温度計以外の一つが上昇を続けて、49.5℃まで上昇したと東京電力は発表しております。もう一つの温度計は37.1℃だということで12度ほど差が出てるんですが、東京電力は
「冷却水の注入量を一時1時間当たり17.6トンまで増やしたあと9トンに減らしているので、この影響で温度上昇にばらつきが生じたとみている」
ということなんですが、これは、東京電力の見方というところでいいんでしょうか?
(小出氏)皆さん、ちょっと想像してただきたいのですが、原子炉圧力容器というものですね、鋼鉄製の圧力釜ですけれども、直径が5mから6mあって、高さが20mほどあります。言ってみれば、新幹線のような車両を縦に立てた、そんなような大きさなんですね。もう少し太いかもしれません。それの胴回りのある部分に温度計が貼りつけてあるわけです。
 そして、その圧力容器自身の中に水が静かな状態で溜めてあって、お風呂のように静かな状態ということでは全然ないのです。どんどん水をジャージャー入れながら底に穴が空いてしまって、そこから流れていってる、そして、その圧力容器の中には、溶けた炉心のほとんどは私は下に落ちてしまっていると思いますけれども、まだ残った泥のようなものがグルグルと回っている、そういう状態なんです。
 ですから、部分的に温度の低いところもできるだろうし、部分的に温度の高いところもできるというのは、ごくごくあり得ることであって、一方で30何度、一方で40何度というのは、全く不思議ではないと思います。
 ただし、前回がそうであったように、現場の状況がものすごい過酷な状況にあって、次々と測定器が故障していく、そういう状況なのですね。前回も温度計の一つが故障しましたし、今回のことも私としては、今の情報を聞く限りは、また温度計が故障に向かっていると思います。
(千葉氏)はぁ・・・。あの、やっぱりそっちの方向で・・・の可能性が高いということですか?
(小出氏)東京電力は数日見ると居たそうですけれども、もちろん数日のうちに決着がつくと思います。
(千葉氏)そうするともう一個故障するということになってしまうということになったら、あと一個だけということになってしまいますね。
(小出氏)もちろんそうですけど、その下の位置に多分また3個あると思いますし、全く目が見えなくなるというか、測定値が得られなくなる状況ではないですけれども、でも次々と測定器自身も故障していく、そういう厳しい状況だと皆さんも判っていただきたいと思います。
(千葉氏)はい、判りました。
 では、続いてスタジオには今日もたくさん小出さんへの質問メールがきておりますので、順番にお伺いしてまいります。
 まず、羽曳野市のリスターから。
「現在、ほとんどの原発が休止、停止状態ですが、原発は稼働していなければ安全なんでしょうか?停止状態で地震や想定外の出来事が起こり、配管や隔壁などが破損したらどうなるんでしょうか?単純に止まってるから安全、稼働してるから危険とは思えないのでお教えください」
という質問です。
(小出氏)動いていれば、もちろん危険です。でも、止まっていれば安全化と言われるとそうではありません。既に原子炉が動いていた時に作り出してしまった核分裂生成物というものは消えませんので、ずっと残っているのですね。それが使用済核燃料プールという底に沈めた状態にあるわけで、今回の福島第一原子力発電所の事故でも、炉心だけではなくて、使用済燃料プールというものが、今現在も危機的な状態にあるということになっています。
 ですから、他の原子力発電所も私は即刻停止すべきだと言っていますけれども、停止したところで安全になるわけではありません。
(千葉氏)やっぱりより安全性を高めるということならば、停止した上で止めて解体するということしかないということですね?
(小出氏)もちろんそうですけれども、原子力発電所を解体したところで、核分裂生成物は消えませんので、それをどこか安全なところでずーっとお守りをし続けなければいけないという仕事が残ります。
(千葉氏)今の解体の話についてですね、質問が来てまして、こちらは静岡のリスナーから。
「福島原発はすでに40年間稼働していて、今後燃料の取出しや解体に同じ年数以上が掛かるとも言われますが、その間にも容器の劣化が進むと考えられるんですけれども、容器が不測の事態で加熱されり、劣化が集中したりことっていうのは無いんでしょうか?」
っていう質問なんですがいかがですか?
(小出氏)「容器」と今リスナーがおっしゃったのは、多分原子炉圧力容器といっているもののことだと思うんですが、原子炉圧力容器というのは、分厚い鋼鉄製の圧力釜ですが、それが劣化をしていくという最大の要因は、中性子に被爆をするということにあります。そして中性子に被爆をするということは、原子炉が運転中でなければ起きません。
 ですから、停止をしてしまえば、原子炉圧力容器の劣化ということは、もちろんゼロではありませんけれども、基本的に考えなくてもいいと私は思います。
(千葉氏)ガラスのような状態になってしまうと前小出さんおっしゃってましたけど、そういうことになる要素は少なくなるということですね。
(小出氏)はい。要するにもう既に例えば玄海の原子力発電所1号機ですけれども、普通の温度状態ではもうガラスになってしまっているんです。でもそれがじっとその場にある限りは、それ以上にどんどん脆くなるとかいうことはありません。
 ですから、ガラスになったものをとにかく壊れないようにお守りをしなければいけないという仕事は残りますけれども、劣化が進むということ自身は心配をしなくてもいいと思います。
(千葉氏)でも解体をその中で進めていくというのは、そう簡単なことではないわけですよね。
(小出氏)もちろんです。ですから、原子力発電所はせいぜい40年しか動かないわけですけれども、その解体をするためにはもっと長い時間がかかりますし、解体をしたところで放射能は消えませんので、その後何百年、何千年、そして使用済の燃料そのものは100万年お守りをしなければいけないというものです。
(千葉氏)100万年・・・。
 藤田さん、いかがですか?
(藤田解説員)いや、もうこの温度計の問題一つにしても、時間が経てばたつほど新しい問題がどんどん出てきますでしょ。ですから今後、数十年となると、またどんどん新しい問題が出てきそうな気がしますが。
(小出氏)そうですね。
(千葉氏)次は、
「フクシマの命と未来を放射能から守る会という市民団体が、南相馬市の市営マンションの駐車場から採取した黒い粉末状の物質から、1㎏あたり108万ベクレルの超高濃度の放射性物質が検出されたというニュースが流れている」
ということなんですけど、この108万ベクレルっていうのはものすごい高い数値ですね。
(小出氏)高いですね。南相馬市でそれほどの濃度が出るということは、私は数字を聞いた時には意外に思いましたし、今でも高すぎるなぁというふうに思います。
 放射性物質がある場所に濃縮されるということは、自然の現象として生じ得ますので、それを私たちはマイクロスポットであるとか呼んできたわけですね。ホットスポットとかマイクロスポットと呼んできたわけですが、そういう現象が起きた可能性はあると思います。
(千葉氏)ということは、こういうとんでもない状態のところが南相馬のみならず、国が放射能汚染地図で示した福島県をはじめとしたすべての区域で存在する可能性は考えられる?
(小出氏)もちろんあります。マイクロスポットというのはどこの場所にもありますし、それは比較的汚染の低いといわれている地域、例えば東京などでも個別のそういう強烈なものが集まっているという場所はあるはずです。
(千葉氏)・・・わかりました。どうもありがとうございました。
【以上】


【関連記事】
2号機原子炉、50度弱に上昇=東電「冷却水減の影響」-福島第1
時事通信(2012/02/23-20:08)
 東京電力は23日、福島第1原発2号機の原子炉圧力容器底部に3カ所ある温度計のうち、故障していない温度計の一つ「H2」が同日午後5時に49.5度まで上昇したと発表した。
 もう一つのH3は37.1度と開きがある。今月前半に故障したH1の異常上昇に対応して冷却水注入量を一時毎時17.6トンまで増やした後、同9トンに減らしており、東電はこの影響で温度上昇にばらつきが生じたとみている。
 ただ、二つの温度計が毎時9トン注入で50度程度だった1月の水準で落ち着かず、H2だけ上昇し続ける場合は故障の疑いがあるため、2、3日様子を見る方針。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012022300661

失礼します。
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