※この記事は、2月15日【内容起こし】第4回国会事故調、斑目氏の発言部分【前半】の続きです。

<41:45頃~>
黒川氏(黒川委員長)ちょっとよろしいでしょうか。
 原子力安全委員会のほうでは、SPEEDIについては今回のことも含めて、正確性、いろんな意味があるんでしょうけども、その信頼性が低いために使わないというような、今方向だとおっしゃいましたよね。
 畑村委員会の中間報告では、むしろそうではなくて、予測情報が提供されればという条件はあるんだけど、今おっしゃったようにいろんなシミュレーションがあると思いますが、より適切な避難経路などを選ぶ指針が、ある程度のラフなガイドかもしれませんけど、そういうことをなかなか電源が切れてるとかいろいろあって、実際に避難された方たちの話を聞いてると、ほとんどがテレビで知ったという話が多いんですね。
 そういう意味では、別の対策はあるにしても、そのSPEEDIの使い方にもっと工夫がいるなという話も出てますが、それはまたどうお考えですかね?
(斑目氏)まぁこの辺もですね、是非、しっかりとした検証をしてただきたいというのが安全委員会の基本的な立場でございます。
(黒川委員長)ありがとうございました。それではよろしいですか。今のところなければ、原子炉の安全基準について、ちょっとお伺いしたいんですが、これについては、大島委員からですね。
大島委員(大島委員)委員の大島でございます。
 私のほうからは、原子力安全、或いは原子炉の安全といった問題につきましての国際的な側面、こういった見地から質問をさせていただきたいと思います。
 原子力の平和利用につきましては、国際的に、世界的に一方で競争があり、他方で協力、特に安全性、セキュリティーの向上については付帯的な協力、基準作りといったものがIAEAを中心に進んでおるわけです。同時に先ほどちょっと委員長も触れられましたけれども、アメリカでのB.5.bのことを恐らくおっしゃったんだろうと思いますけれども、いわゆる良き先例、Good Practiceを取り入れて、そういう側面もあろうかと思います。
 いずれにしましても、そういった国際的に合意されていく、作られていく基準のようなものですね。特に安全の問題につきまして、こういったものに対する日本。特に安全委員会の取り組み、その必要性に対する認識というのをどういうふうに持っておられるか、ちょっと冒頭お聞きしたいと思います。
(斑目氏)これからのこと?
(大島委員)今までです。
斑目氏(斑目氏)今までですか?まず、先ほどの最初の冒頭に申し上げましたとおり、我が国の場合には、
『国際的にどんどん安全基準を高めるという動きがあるところ、なぜか日本ではそれはしなくてもいいかという言い訳づくりばっかりをやっていて、真面目に対応してなかったのではないか』
という想いがございます。
 B.5.bなんかに至っては、安全委員会は全く実は知らなかった。今回初めて知って、
「あぁ、これをもっとちゃんと読み込んでおくべきだった」
 あれがたまたま9.11、核セキュリティの方の話としてあったもんですから、安全委員会の書証ではなくて、原子力委員会の書証で、全く安全委員会は別の組織に置かれたということです。
 これからのことなんですけれども、これだけの世界に対して迷惑をかけた国としては、最高の安全基準を定めるのは、これは当然の責務でして、むしろまずは世界的な安全基準に追いつかなきゃいけないんですけど、それを追い越してそれ以上のものを定めていく、これはもう国際的な責務だというふうに思っております。
(大島委員)ありがとうございます。
 少なくとも、今まで従来においてはそういった国際的な動きに対してやや内向きであったと、そのような説明を先ほどおっしゃいましたけれども、事実としてそういうことがあるんじゃないかということであるわけですけれども、特に安全基準につきましては、IAEAにおいて基本、安全、原則というきちっとした国際的なルールができておるわけですね。その作成の過程においては、たまたま日本人の次長の方がリードされて、こういうものができたわけですけども、こういった健全基準を作る過程において、各国の原子力安全当局の専門家が参加していた中で、日本からはそういう専門家の参加がなかったというようなこともあったように聞いております。
 と同時に、もっと肝心なことは、基本、安全、原則なるものが欧州連合諸国、EU諸国においては、2009年でしたか、採択をされている。それからアメリカにおいても、2010年には採択をされている。発展途上地域や旧ソ連諸国は、義務的に参加しているといったような状況がある中で、主要な原子力国である我々、この日本だけが入ってない。いわば蚊帳の外にあるという指摘を専門家の方もなされておるわけですけれども、こういった事態をいろいろ考えますと、委員長のおっしゃっているような体質というものが残念ながら非常にあるんじゃないか。
 これは今おっしゃったように、これからの対応としてはですね、是非変えていく必要があるんじゃないかと。恐らく多くの専門家がそういうふうに感じておられると思うし、個人としてもそういうふうに感じるわけでございます。
(斑目氏)まさに先生のおっしゃるとおりでございまして、そのための最大限の努力をしなければいけないというふうに思っております。
 やはりですね、我が国の例えば安全審査指針ひとつとってみても、変えるのにあまりにも時間がかかりすぎているというところがございます。
 それで、大きくいくつかありましたけど、まず例えば、そもそもシビアアクシデントを考えていなかったというのは、もうこれ大変な間違いだった
というふうに思っていまして、そこについては、急きょ変わってきていると思っています。それ以外もですね、実はいろんな事象の想定の時に、ちょっと専門用語になって申し訳ないんですけれども、決定論的な考え方だけではなくて、確率論的な考え方とかいろいろなものをちゃんと組み合わせて、適切に考えなさいよというふうに国際的な安全基準はなってますが、その辺についてもですね、まだ全く追いついてない。
 ある意味では、30年前の技術か何かで安全審査が行われているという実情があります。
 こういうあたりは、早急に直していかなきゃいけないというふうに考えているところでございます。
(大島委員)最後ですけれども、今おっしゃったような認識を今政府の中で、日本の安全規制改革が進められているわけですけれども、安全委員長として、今おっしゃったような認識を新しい組織に反映していく上で、どういう助言、或いは指導をされておられるのか、或いはこれからされようとしてるのか、その辺についてのお考えをちょっとお聞きしたい。
(斑目氏)まず第一にですね、新しい組織については、原子力安全委員会自体がまさに検証の俎上に載っているわけですので、積極的な発言をするべきではないというふうにまず考えてございます。
 敢えて今日はむしろ自由に発言をしていいという場を与えていただいたというふうに考えていますので、個人的な意見を述べさせていただきますとですね、この問題というのは、『最後は人だな』というのをつくづくと思い知らされたということです。
 つまりですね、例えば実は今日午前中も衆議院の委員会に呼ばれていましたけれども、その場で三条委員会がいいのか規制庁という組織がいいのかっていう議論がありましたけれども、それ以上にですね、やっぱり人なんですね。
『安全性を高めるためには、最大限の努力、どんなに事業者が抵抗しようと何しようと、最大限の努力をするんだ』
という思いが如何に強いか、それだけで決まってしまいます。
 そうでないと、また何か一生懸命言い訳だけ考えて、現状のままでもなんとかなるからというところにまた留まりかねない。
 これは組織の形態がどうあるかというよりは、そこを引っ張る人の意欲と知識で決まるんではないかというふうに、私自身思ってるところでございます。
(大島委員)ありがとうございました。
(野村委員)今までその組織を引っ張って来られたのは、委員長ご自身なわけですよね?
(斑目氏)はい、さようでございます。
(野村委員)ということは、なんか先ほどからですね、官僚の動き方が悪いとか事業者が悪いとおっしゃっておられるんですけれども、その人として最もおかしい動き方をされてたのは委員長ご自身じゃないんですか?
???委員

(斑目氏)それはある程度のところは認めざるを得ませんが、私も実は原子力安全委員会に来たのは、2年弱前。平成22年の4月21日だったかなんかです。それから発災まで11か月弱で発災になってるわけですが、それに至るまでの間にいろいろと中で議論をして、例えば
『シビアアクシデントの規制要件化は絶対にやろう』
『安全指針類についてもいろいろ見直そう』
ということをやろうとしていた。まぁ今ちょっと今言っても言い訳になってしまうので、あまり言いたくないんですが、やろうとはしていたということだけは、ちょっと敢えて言わせていただきたいと思います。
(黒川委員長)先生のところのスタッフについて、先生はどのくらい満足して、何が必要だと思われますか?委員だけじゃなくてスタッフとか。
(斑目氏)原子力安全委員会という組織は、100人って言ってますけど実際には70名くらいがいわゆる常勤のスタッフです。それ以外30人くらい非常勤の技術参与という方を抱えてございます。技術参与の方というのは、例えば昔の原?研のOBだったりですね、そういう専門家の方ですが、残念ながら非常勤です。
 それ以外に指針を作るために、例えば石橋先生なんかにもご協力いただいたりしてますけれども、外部の専門家というのを合計300人くらい抱えてる。ただし、この方たちはあくまでも、本来大学の先生であったり、病院の先生だったりそういうような方がそういう時だけお手伝いいただく。
 こういう非常時にも緊急助言組織を立ち上げるわけですけれども、そういうとこに集まってくださる方も、本職は別に持ってる方が集まってくださる。そういう体制になっております。
(黒川委員長)いや、だから普段からの常勤の人たちの『質』はどうだと思ってますか?っていうこと。
(斑目氏)『質』ですね。
 少なくとも私が着任していろいろとそういう人たちと話し合った結果、随分意識改革はしていただいて、私の手足となって働いてくださるようになりかけたかな、というところで事故が起こったというのが実際のところでございます。
(黒川委員長)それでないといくら変えても、その人たちがやってるだけでは意味が無いですからね。
(斑目氏)ええ、そこはなんとか制度をうまく作りこんでいただきたいと思っています。
(黒川委員長)それではありがとうございます。今度、石橋先生。
石橋委員(石橋委員)委員の石橋です。
 今話と関連することですけれども、ちょっと次元が下がるかもしれませんが、冒頭、委員長が「指針類を今見直している最中です」とおっしゃった、そのことに関して具体的に伺いたいと思います。
 原子力安全委員会には、現在、安全設計審査指針と耐震設計審査指針、これの見直しをなさってるんだと思いますけれども、現在の進捗状況と、それから今後の見通しをこの二つの指針について、改定に向けての簡単に、簡潔にご説明いただきたい。
(斑目氏)原子力安全委員会自体が3月末で無くなりますので、3月末までに中間とりまとめを行っていただこうと思っています。それで安全設計審査指針のほうに関しましては、残念ながら全面的な改定というわけにいきませんので、全交流電源喪失対策と、それから最終ヒートシンク対策あたりについて、これはむしろ深層部分でいくと第三層よりも第四層まで踏み込んだような話になるんですが、そこまで含んだ形のとりまとめを行って、あとは新組織に引き継ごうというふうに思っております。
 それから耐震設計審査指針については、確かに津波に関する記述が非常に少なかったので、津波に関する記述を付け加えた上で、更にそれに対する手引きなども作って、これも安全委員会自身がなくなってしまいますので、指針として策定するということではなくて、あくまで中間とりまとめという形で規制庁に送ろうと思っています。
 というのは、これは指針の改定ということになってしまうと、実はパブリックコメントを受け付けなければいけなかったりとかですね、日程的に間に合わないということから、中間とりまとめで受け継げば、これは新組織の方でしかるべき引継ぎをしていただけるものというふうに考えてございます。
(石橋委員)ということは、まだしばらくの間、この二つの指針に関しても現行の古い??を抱えたモノがまだ使われるということですよね?
(斑目氏)現実問題として、昨年発災後、原子力安全保安院のほうで、緊急安全対策を打てということを指示を出してございます。このための例えば省令の改正等も行っていらっしゃるはずです。
 したがって、実体としてはそちらに基づいた形で行われているというふうに認識してございます。
 ただ、耐震の話については、例えば安全委員会なんかも、今回の地殻変動が相当起こってまして、応力???もだいぶ変わってますので、そういうのを含めて、いろいろと再調査等をしてくださいというお願いを保安院の方に出しているところで、答えを待っているという状態でございます。
(石橋委員)まぁただ、3月30日の保安院の緊急安全対策の指示、でもこういうのは応急的なもので、要するにプラントの基礎体力をきっちり安全を担保するという、そういう観点ではまだ今移行途中だということですよね?
(斑目氏)もちろんそういう意味では、そのとおりでございます。
(石橋委員)次にですね、安全審査指針類の根底にある、原子炉立地審査指針のことをちょっと伺いたいんですけれども、これは原則として大きな事故の誘因となる事象が、過去はもちろん将来も無い、そういう場所に原則立地しなきゃいけない。そういうことをうたっていますし、それから重大事故の発生を仮定しても、或いは仮想事故の発生を仮想しても、ちょっと表現が違いますけど両方とも要するに周辺の公衆に著しい放射線障害或いは、放射線災害を与えないことっていうことを目標にしてますよね。
 この指針に関して、福島原発事故を目の当たりになさって、どういうふうに今、評価なさってますか?
(斑目氏)正直申し上げますと、全面的な見直しが必要だと思っております。
 私の聞いてる限りでは、これまで原子力基本法がそもそも改定になるというふうに聞いております。これまでの考え方というのは、どちらかというと人への被害ということだったのですが、今度基本法が改正されて「人と環境の被害を防ぐ」ということになるというふうに伺っております。
 今までの例えば立地指針に書いてあることだとか、仮想事故とか言いながらも、実は非常に甘々の評価をして、あまり出ないような強引な計算をやっているところがございます。ですから、今度の原子力基本法が改正になれば、その考え方に則って全面的な見直しがなされてしかるべきものだというのが、私の個人的な考えでございます。
(石橋委員)じゃあまぁ先生個人としては、できるだけ早急に根本的な改定をすべきだとお考えなわけですね?
(斑目氏)はい。そのとおりでございます。
(石橋委員)ですけれども、現在はですね、宙ぶらりんの状態の訳で、3.11以降にですね、この指針類全体の不備が明らかになって、誰の眼にも明らかになって以降、稼働している、或いは一時的に止まっているけれども再稼働しようとしている、そういう既設の原発は、その安全性に関しては適正な安全審査指針類で保証された安全性というものはないままにですね、動いてる格好になってるわけで、国民の中には、
「これはまるで適正な車検を受けてない大型ダンプカーが市街地を突っ走ってるようなものじゃないか。怖くてしょうがない」
なんていう、そういう声もあるわけですけれども、この辺りはいかがお考えですか?
現状に関して・・・
(斑目氏)まさにおっしゃるとおりで、現在のところできているのは、例えば原子力安全保安院の出された緊急安全対策に対しての手当てがなされてるとか、或いは指針類の見直しも大変残念ながら、全交流電源喪失だとか津波だとかに対する配慮が足りなかったところ、そういうところを直すという、そういう暫定措置にとどまっているのは事実です。
 したがって、石橋先生がおっしゃるように、これは全面的な見直しを早急に進めて、残念ながら原子力安全委員会は、もうひと月ちょっとで無くなってしまいますので、新規制庁でしっかりとしたものに則って、今度バックフィットも法律化されるというふうに伺ってますので、審査をもう一度し直されてしかるべきだというふうに思っております。
(石橋委員)はい。わかりました。
 ですが、一方で斑目委員長は、7月6日に原子力安全保安院に、経産大臣に宛てた文書ですけれども、実質的に原子力安全保安院に、例の既設の原発の安全性に関する総合的評価の実施を求められた。
 これが現在行われているストレステストの出発点になっているわけですけれども、このストレステストと今おっしゃった安全審査指針類が今のところ不備であってということとは、どういう関係にあるんでしょう?
(斑目氏)それぞれ両方とも必要だと思ってまして、要するに、国が最低限の基準というのは当然決めなきゃいけない。これに瑕疵があるというのは確かだから、それはきちんと直さなきゃいけない。
 それと同時に、いろいろな緊急安全対策を打った結果としての実力がどうなってるかというのを、事業者自らがしっかりと調べるという、これも当然やらなきゃいけないので、まさに車の両輪だろうと考えてるわけです。
(石橋委員)ただ、先ほどもちょっとおっしゃいましたし、今もおっしゃいましたけど、
『国は安全基準について最低のレベルを決めて、プラントの安全性を本当に保証するのは事業者だ、事業者が努力すべきだ』
ということをおっしゃいましたけど、一方で
『世界の規制の基準は非常に高くなっている。それに対して日本は非常に遅れている。それを十分に高めて追いついて、追い越さなければいけない』
ともおっしゃっているんですけども、ちょっとその両方は矛盾するような気がするんですが。
(斑目氏)これは両方を進めなきゃいけないんです。
 つまりですね、ちょっと日本と違ってアメリカなんかの状況を言いますと、アメリカでは事業者が自主的にどんどん安全性を高める努力をすると、その結果、全体的に国がしばる範囲というのを高めても良くなる。そうすると更に努力をする。
 要するに、Good Practiceがあれば、Good Practiceを褒め称えると同時に、なぜ他のプラントでそれはできないの?と問いかける形で、どんどん全体を高めていく。
 ですから、国の基準も高めていく。それに先行して事業者自身が自らのプラントの安全性を高めていく。
 これを常にやりつづけなきゃいけない。継続的改善っていうのは、そういう形で進むべきもので、いきなりですね、とんでもない基準をボンと示せばいいというものではない、というふうに我々は考えてございます。
(石橋委員)それは、「我々」って今おっしゃいましたけど、斑目委員長個人のお考えではなくて、今の原子力安全委員会としての方向性、考え方なんですか?
(斑目氏)原子力安全委員会は5人の合議制ですので、5人の合意をとったということではございませんけれども、原子力安全委員会の中では、結局は
「この継続的改善への道を開くことが一番大切なことだな」
ということでは、大体意見が一致しているというふうに思っております。
(石橋委員)ですが、アメリカでは例えば、アメリカのNRCは去年の7月に福島原発事故を踏まえた21世紀の益体、SAFETYに関して、Recommendationっていうのを非常に高めるためのRecommendationを出してますよね。
 ですからそういうのに比べると、やはり日本の国の基準、指針は、非常に低くて、それはそれで一方で高めていって、両方で競争していくべきだということですね?
(斑目氏)はい。その通りでございます。
(石橋委員)ちょっとストレステストに戻りますと、ストレステストを始めたヨーロッパではですね、これは施設の弱点を見つけて、プリフェッチとかなんとかそういう弱点を見つけて、それを改善していくための手法としてが主眼になってると思うんですけれども、そういうことはそれはそれで日本でもやったらいいことだとは思いますけれども、この一応現状では、国の安全審査指針類が非常にレベルが低い段階で、このストレステストに合格したら、それは再稼働していいっていうことになるんですか?その辺の関係はどうなんですか?
(斑目氏)ですから、ストレステストというのは、安全審査基準にのっとって行われるものではなくて・・・
(石橋委員)そうですよね。
(斑目氏)もっと上を目指してやるものなので、それを見させていただきたい。
「安全審査指針にのっとってるから、文句ありませんね」
といふうに事業者が言ってきたら、
「文句あります」
というふうに答えようと思っています。
(石橋委員)ただ、ちょっと細かいことになりますけれどもね、このストレステストは、かなり応急的なというか、要するに基礎体力を高めるとかいう話ではなくて、例えば具体的に大飯3号4号でいえば、基準地震動700ガルの何倍まで大丈夫だっていう話で、これのテストの方法も、今結論として報道なんかされてるのは、
「700ガルの1.8倍の1260ガルまでは大丈夫です」
ということになってますけど、その地震動が大きくなれば、当然それは地震が大きいわけで、ソースが大きいわけで、従って振動の継続時間とかスペクトルとか、周波数とかそういうのが変わってくるわけで、指針類に基づいて安全審査、或いはバックチェックをするときには、その辺をきちっとみて、要するにプラントの基礎体力というものが高まっていくというわけですよね。
 だけど、現在日本で行われているストレステストっていうのは、単に倍率をかけるだけで、だから基礎体力を高めるものではないと思うんですけれども、その辺いかがお考えですか?
(斑目氏)あの、原子力安全委員会が経済産業大臣宛てに出した文書にはですね、まさに
「自らのプラントに弱点を、脆弱性をちゃんと把握して頑健性を高めるような、そういう評価をやってください」
ということになっております。
 それに対してですね、
「一次評価と二次評価という形でやります」
というふうに言ってきたのは、これは原子力安全保安院の方
で、とりあえずそれでやりますということなので、それでやるということ自体は了承してございます。
 ただ、最終的な目標は、まさに全体としての頑健性を高めることなので、どうも原子力安全委員会が存続する間に二次評価の結果持ってきてくださるような気はしなくなってしまってるんですが、最終的には石橋先生がおっしゃるような形でのことをやっていただきたいと原子力安全委員会としては願っているところでございます。
(石橋委員)最後に伺いますけども、おとといですか、保安院から大飯3号4号に関しては、原子力安全委員会に報告が出たそうですけれども。
 報道によると、斑目委員長は
「この原子力安全委員会が存続している間に、結論、検討結果を安全委員会としても出したい」
とおっしゃったみたいですけど、今でもそういうお考えですか?
(斑目氏)やっぱりできたら出したいと思ってますけれども、これは原子力安全保安院の方の回答次第では、そうでない場合もあり得るというふうに回答していると思います。
(石橋委員)判りました。どうもありがとうございました。
(野村委員)いいですか?
(黒川委員長)どうぞ。
野村委員(野村委員)何度もご質問で恐縮なんですけど、今ストレステストは安全指針類との関係について、これは次元の違うものだというのはよく理解できたのですけども、もともと安全審査指針類の中に仮想事故っていう概念がございますよね。これは起こらない事故ということで起こった場合に、どれくらいの放射線量が出るのか等々考えながら、周辺の避難住民の健康被害との関係で検討をしていくという考え方だと思うんですが、今回実際この福島の事故では、仮想事故で想定していた放射線量の何倍の放射線が出たんでしょうか?
(斑目氏)多分100倍近く出てるんじゃないかと思いますが、ちょっとすいません。もっと出てるかもしれません。
(野村委員)1000倍・・・
(斑目氏)1000倍出てるかもしれませんね。ちょっとすいません、計算ちょっとできないのでごめんなさい。
(野村委員)うちが間違ってなければ、1000倍くらいの・・・
(斑目氏)はい、じゃあ1000倍だと思います。
(野村委員)10,000倍ですか?
(黒川委員長)10,000倍くらい。
(野村委員)あ、ごめんなさい、10,000倍くらいですか。
(斑目氏)とにかく、すごいです。全然考えたこともございませんでした。
(野村委員)違ったので10,000倍ですけども。起こりえない事故として計算していた放射線量の10,000倍も出てしまってるわけなんですが、それはもともとの基準がとんでもなく計算間違いっていうことではないんでしょうか。そのことについての責任っていうのは無いんでしょうか?
(斑目氏)とんでもない計算間違いというか、むしろ逆に・・・敷地周辺には被害が及ぼさないということの結果になるように考えられたのが仮想事故だと思わざるを得ない。
 申し訳ございません。これ、定めた時私自身、安全委員であったわけではないので、想像ですけれども、このあたりは根本的に反省して、再出発するしかないと思っております。
(野村委員)今おっしゃったことっていうのは、結局10,000倍出るという計算から始めてしまうと、日本のこの国土の中では住むところが無くなっちゃうと、そういう計算になっちゃうんですよね、恐らく。距離から行けば。
 ってことは、このくらいまで人が住んでもいいということを逆算すれば、これしか出ないっていう計算をしたんじゃないかというご推察だという理解でよろしいですか?

(斑目氏)その通りです。
(黒川委員長)それは多分、そういうことなんでしょうね。立地の指針ということが、仮定がどこかでずれてきてしまった。もとは多分アメリカと同じルールでやったんだと思いますけど。いくつかの仮定の設定は、しっかり見直さないといけないんじゃないかなと思いますけど。
 それはやるんですかね?
(斑目氏)大体、立地指針なるものが必要なのかどうかちょっとよく判らない。というのは、立地指針って非常に変な構造をしてまして、基本的なことを考えたあと、いろんな詳細設計が済まないと最終的な解が出てこないという、非常に変な構造の指針になってますので、もうちょっと抜本的な見直しが必要なんだろうと思っています。
(黒川委員長)専門家として何かありますか、石橋さんと田中先生は何かありますか?いいですか、指針の話は?一番最初の一言。専門家だから。
(田中委員)田中と申します。
 ちょっとベントのことについて、ちょっとお伺いしたいと思います。
(黒川委員長)いや、今立地指針のことをちょっと聞いたんだけど。10,000倍の話。
(田中委員)すいません。ごめんなさい。今ちょっと別なことを。
石橋委員(石橋委員)確かに根本的に考え直さなきゃいけないと、今の原子力安全委員長がお考えということは、大変心強いわけですけれども、要するにどういうとこなら建てていい、どういうとこなら建ててはいけないということがもっとはっきり分かるように、明快なことをズバッと決めればいいと思うんですよね。それは本当に持って回った???しかもあれは1964年、昭和39年ですよね。
 ですから、あれが未だに生き延びていて、それの改定を誰も責任ある側が言いださなかったということが、それがある意味ではそういうことが積もり積もって、福島の事故が起こってしまったわけですよね。
 ですから、今後も組織が変わっても、多分ご要職にあたられる可能性が高いと思いますから、是非お願いします。
(斑目氏)多分その可能性はゼロだと思っています。
(黒川委員長)田中さん、一つだけ。

田中委員(田中委員)田中です。
 ベントのことでちょっと確認だけさせていただきたい。
 ベントっていうのは、やっぱり放射性物質を出すか出さないかという銃砲な問題だと思いますが、聞き間違いじゃなければ、先ほどのご説明の中で「まずベントのことが思いついた」っていうのが3月11日の夜のことだったと思いますけれども、その時には減圧による注水を考えて、格納容器のの圧力を下げようと思ったっていうふうにおっしゃったように聞こえましたが、それでよろしいですか?
(斑目氏)はい。そういうふうに考えていたと思います。
(田中委員)ということは、その時は水素発生のことは考えてらっしゃらなかったという意味ですか?
(斑目氏)その時点では、あの、えーっと、水蒸気がどんどん、要するにSR弁から噴いて、格納容器の圧力が上がってるものだと思い込んでいました。
(田中委員)ただそれは水蒸気がSR経由だとどうして上がるんでしょうか?
(斑目氏)どんどん噴いて、それで・・・
(田中委員)濃縮してしまいますよね。
(斑目氏)ええ。ですが、だんだん格納容器のサプレッションプールの水温が上がっていて、それで蒸気発生が起こっているのではないかと推察してました。
 明らかに間違いでしたけど。
(田中委員)そうすると東京電力はそれを夜中に考えて、手動し始める準備をしはじめるベントというのとは、ちょっと意味が違ったベントを考えてらした?
(斑目氏)ええ、そうのとおりです。時間が違いますので、ですから、格納容器の実際に圧力が上がりだしたのは、多分夜中を過ぎてだと思いますけれども、その辺りから私自身は、相当にいろいろ頭の中でいろんなことを考えて不安になっていたと思います。
(田中委員)そうすると、水素はまだその時には発生してなかったんだけど、というそういう理解をされておられて、その後だんだん水素のことが頭の中に巡ってきたという、そんな感じでしょうか?
(斑目氏)うーーーん、ちょっとその時、とにかくいろんなことを考えてたので何とも言えませんけれども、当然水素は、炉心が溶ければ水素が発生するのは、これは自明ですから、水素のことに頭がいかなかったわけでは絶対ありません。ただ、それがどの時点だったかというと、ちょっともうはっきり言えないのが実情です。
(田中委員)もう一つだけすいません。
 水力学的動荷重の研究を多分なされてると思います。
 今回は地震動と水力学的動荷重が重なるとかそういうようなイメージは、一瞬お持ちになったことはございますか?
(斑目氏)今回に関しては、特には無かったですね。そういうことよりも、全電源喪失の話をパッと聞いて、そちらのほうの対策としてどういうことが打てるのかということにばっかり頭がいっていた、という状況です。
(田中委員)ありがとうございました。
(黒川委員長)はい。今ちょっと一つ戻って、さっき言った、今石橋先生が言った立地審査指針のところがね、仮想の事故にしろ重大事故にしろ、今回は全く想定外じゃないけど、全くレベルが違うわけですよ。だから、そういうところまで戻さないと、今度のさっきおっしゃった新しい法律を作ろうとしてるっていうのは、そこまで考えてるんでしょうね。
(斑目氏)要するに、今まで日本でシビアアクシデントは、これは事業者が自主的に対策を打っておけばよくて、規制の対象外だったんです。
(黒川委員長)あ、そうなんですか。
(斑目氏)しかし、現実にシビアアクシデントが起こったわけです。従って、これからはシビアアクシデントもちゃんと規制の中に入れますということに、今度の法律改正案はなっているというふうに理解しています。
(黒川委員長)事業者の責任?
(斑目氏)いや、今度は違います。今度は規制もちゃんと関与します。
(黒川委員長)今までは事業者の責任だったんですか。
(斑目氏)ええ。ですから、非常に変なことが起こってまして、多分田中先生詳しいと思いますが、例えばベントのための配管というのは、これは施設公認の対象にすらなってないんです。
(黒川委員長)それは最近ですよね。もっと後の話ですよね。
(斑目氏)えっと、今も多分なってないです。で、根本的に見直さなきゃいけないところです。
(黒川委員長)そうですね。判りました。
 ありがとうございました。その次に、健康被害問題について、崎山委員と横山委員でお願いします。
崎山委員(崎山委員)委員の崎山です。よろしくお願いします。
 安全委員会では、住民の健康被害の防止について、どの程度の優先順位で考えられていたんでしょうか?

(斑目氏)どの程度のと、まぁとにかく住民の健康被害を起こさないことは第一優先順位だったというふうに考えております
(崎山委員)第一。
 それで、そのためには、どういう施策っていうか指示をなさったんですか?
(斑目氏)えっと、例えば住民避難の話はですね、これは私がしたかどうか、ちょっと本当に判らない形で行われています。しかし、3㎞、10㎞、20㎞という形で行われている、これが第一点ですね。
 あとは、原子力安全委員会というのは、こういう事故が起こった後は、基本的に助言機関ということになります。それで、原子力災害対策本部のほうからいろいろな技術的な質問事項がやってきます。それに対して、どんどん回答してるということをやっています。
 その中には、例えばヨウ素剤なんかの服用についての質問も多分あったはずですし、それから例えばスクリーニングっていって、いろいろ放射性物質で汚れてる人をどう対応したらいいかというような質問もあったでしょうし、そういうようなたくさんの質問に次から次へと答えていた。
 これが原子力安全委員会の対応でございます。
(崎山委員)ヨウ素剤の配布ということについて、助言なさったわけですね?
(斑目氏)はい、してると思います。
(崎山委員)それは、末端までちゃんと届いたんですか?
(斑目氏)未だ以て、原子力安全保安院のほうに問い合わせていますけれども、回答がございません。
 原子力安全委員会としては、やっぱりそういう緊急時助言組織の鈴木元先生が、
「ヨウ素剤を服用させなさいよ」
という助言を与えてるらしいんですが、それがどこかで消えてしまっているという・・・
(崎山委員)それはどうしてなんでしょう?
(斑目氏)原子力安全委員会のことは判りません。申し訳ございません。
(崎山委員)そういうシステムですね、避難所で渡すとかそういうようなシステム自体の問題ということにはならないんでしょうか?
(斑目氏)まさにおっしゃる通りで、こういう時にヨウ素剤を一度集まってもらって渡すなんていうのは、机上の空論にすぎなかったと思っております。
 そういう意味では、少なくても発電所の方の状況が差し迫った時に、すぐ逃げていただくような範囲の方には、各戸配布をあらかじめしておくとか、そういうようなことも含めて、現在防災指針なんかの見直しをやっているところでございます。
(崎山委員)見直しをやっていると。
 一番初めに、安全委員会ヨウ素検討会でも、そういう案は出ていたはずなんですけども、すぐ消えてしまったっていう・・・、私はヨウ素剤検討委員会で傍聴してたことがあるんですけれども。
(斑目氏)い、いつのですか?
(崎山委員)一番初めのヨウ素剤検討委員会。
(斑目氏)ヨウ素剤検討委員会、安全委員会の方の?防災?医療分科会でしょうか?
(崎山委員)はい、そうです。
(斑目氏)いや、聞いてみようと思います。各戸配布。
(崎山委員)その時は消えて、今各戸配布してませんよね。
(斑目氏)はい。今はしてません。
(崎山委員)それから、4月11日に安全委員会は『100mSvは健康への影響はない』というふうにしていました。衆議院の科学イノベーションの委員会で、安全委員会の委員が
「100mSv被曝すると、生涯0.55%の癌死率が上乗せになる」
ということをおっしゃいました。
 4月の時点の見解と、それを5月に変えて、それで10月の修正っていうこと、ホームページでですね、修正してあるわけですけれども、こういう基準のアドバイスというのは、どなたがなさってるんでしょうか?
(斑目氏)基本的には原子力安全委員会では、久住先生がその分野の専門家ということになってございますが、当然、後ろには多くの専門委員の方が入って、そういうような文章を作ってございます。
(崎山委員)原子力安全委員会の中の専門委員が、そういうことを考えてらっしゃると?
(斑目氏)ええ、原子力安全委員会、専門委員っていうのは、他の職業を持ってる方ですが、そういう方に一緒になって考えていただいてるというのが実情でございます。
(崎山委員)それでは4月の時点での発ガンは無いというような見解というのは、過小評価だったということですよね?そうすると。
(斑目氏)4月の時点でガンの発生が無いという・・・
(崎山委員)『健康への影響はない』ということは、ホームページにあったわけですけど?
(斑目氏)すいません、私ちゃんと把握してないんですけど、もしそういうのがあったとしたら、当然それは間違いだと思います。
(崎山委員)で、今度労働者の被曝のことに関してですけれども、東電の幹部から、労働者の放射線作業従事者の線量限度を100から250mSvに上げるということを相談されて、250mSvに上げられましたね。その根拠は?
(斑目氏)根拠は、これはICRPの勧告によりますと、こういう非常事態の場合には、500mSv~1000mSvというのが基準になってございます。更には志願者については上限なしというルールを適用してる国もございます。
 私がやったことといいますが、原子力安全委員会というのは、結局助言組織ですから、そういうふうな東電からの申し出に対して、それに対しては『ICRPなどではこういうふうになってます』ということを説明して、実際の省令改正等々は、これは規制行政庁の方で行われたものだというふうに理解しています。
(崎山委員)線量を上げる以外にですね、方法を検討されたのでしょうか?
(斑目氏)その場では、どういう状況になっていたかというと、実は
「非常事態の場合は100mSvまでだと法律違反にならないように、東京電力としては50mSvにせざるをえない。そうすると一切作業ができなくなってしまいます」
ということで、
「是非国際水準に合わせていただけないでしょうか」
という申し出があったので、国際水準はこうなっているという解説をしたのだというふうに記憶してます。
(崎山委員)ということは、放射性作業従事者の数が少ない、技術者の数が少ないということなんですか?
(斑目氏)いえ、違います。
「1回の作業で下手をすると50mSv以上浴びてしまうような作業は、一切できなくなるということなので、万万が一の時でも法律違反になるようなことはできないとなると、本当に手足を縛られてしまってどうしようもなくなるので、国の方で法令を少し考えてくれないか」
という申し出があったのだと理解しています。
(崎山委員)それで250mSvに上げてから、労働者の放射線管理っていうのは、少し杜撰になったという声も聞こえるんですけど、きちっと250ミリっていうのは守られるように、そういうような指導をされているんでしょうか?
(斑目氏)結局、具体的な指導というのは、これは規制行政庁の方にお尋ねいただきたいんですけれども、作業者の放射線管理というのは大切なので、いろんな形で原子力安全委員会から原子力災害対策本部のほうに助言はしてるはずだと思います。
(崎山委員)次に食品のことについてなんですけれども、3月17日に厚生労働省が決めた食品と飲料水に対する基準ですけれども、その基準値についてどういう評価をされていらっしゃいますか?
(斑目氏)どういう評価・・・。原子力安全委員会としては、いつまでも暫定基準が使われている・・・暫定基準値っていうのは、原子力安全委員会が定めたところの防災指針に書かれてる値なんですが、それが何時までも使われるというのは好ましくないと思いましたので、
「ちゃんと厚生労働省の方で然るべき値を決めてください」
とずっと申し上げてきたところ、値が出てきたものですから、それはそれで結構だと思っているところでございます。
(崎山委員)それで下げるということに関しては、この間答申が出た、それはずっと方針としては守るということなんですか?100ベクレルと。
(斑目氏)原子力安全委員会としてどう考えるかですか?
 原子力安全委員会としては、ちゃんと厚生労働省で定めたんだったら、それにきちんと従ってやっていただきたい、それに尽きるということです。
(崎山委員)この暫定基準なんですけど、現在ある基準ですね。それは放射線障害防止法でクリアランスレベルっていうのがあると思うんですけれども、原発を解体した時に100ベクレル/㎏ですよね。そういうことですと、暫定基準値っていうのは、クリアランスレベルよりも高いということですよね?
(斑目氏)えーっとですね、ちょっと・・・私自身がよく理解できてませんけれども、要するに・・・クリアランスレベルというのは、もう管理を外しても結構ですよという値でございます。いろいろな工業製品、農業製品、いろんなものありますけど、そういうのに対して管理を外してもいいという基準でございます。
 それから食品の安全性に関しては、これは天然の放射性物質、カリウム40だとか私自身にもあって、私自身も大体放射線源になってございますので、それとの比較で議論しなきゃいけないというところで、ちょっと比較が違うのではないかという気がします。
(崎山委員)それは自然放射線よりプラスに入るわけですからね。カリウムやなんかよりは、食べるもので入るのは。
(斑目氏)ですから従って、充分カリウム40による影響に比べ、十分無視しうるくらい小さい値に定めていただければ結構だということで、そういうふうになっているというふうに私は理解しています。
(崎山委員)でも、今の基準ですと、4月に変われば別ですけれども、放射性廃棄物扱いにしなければならないようなものを国民が食べさせられているということになるんじゃないかと思うんですが?その点いかがですか?
(斑目氏)いや、ちょっとすいません。そこまでちゃんと計算してないので、わかりませんけど、そうはなってないと思います。
(黒川委員長)これはまた後で、横山さん。
横山委員(横山委員)こういう議論がありますとですね、何ミリシーベルト以下だ、以上だっていう。ただこの放射線っていう、なんかこういう議論をしますと、あたかも閾値があるように思う方もおられるんじゃないかと思います。
 この辺は委員長はどういうふうにお考えでしょうか?
(斑目氏)原子力安全委員会としては、閾値は無いということでずっと発言してるつもりでございます。それで、結局、不幸にして現在現存被爆状況という状況にあるわけで、しかしながら、これを計画被爆状況といいますか、年間1mSv以下になるように努力し続けなきゃいけない、そういうことになってますので、閾値がもっと高いところにあるかもしれないという議論は一切なしに、やっぱり最終的には年間1mSv目指して最大限の努力をすべきである、これが基本的な考え方でございます。

(横山委員)ということは、先ほど「決定論から確率論へ」とおっしゃったということはですね、ここから以下はいいんだとかいうことではなくて、どの場合にも・・・それとはちょっと違う話なんですか?
(斑目氏)それとは全く違う話です。すいません。健康影響の方とは全く別に、どういう事故を考えなきゃいけないかという時に、なんか『直径が60㎝もあるような配管がぱかっと切れるようなことまで考えてるんだから、もういいでしょ』とは言わないで、もうちょっと現実的にどういうことが起こりうるのかということを全部洗いだして、そういうのの確率もちゃんと計算して、そうした上でこういう事故に備えるようにしましょうと、そういうような方針に変えるべきだということを申し上げたつもりでございます。
(黒川委員長)今の多分一つはですね、放射性の廃棄物の処分するときに、セシウムでいうと100ベクレル/㎏以上であれば、放射性の廃棄物だというふうに定義することになってるんですね。ところが食品について、今回の厚生省から出たのは、例えば同じ放射性のセシウムでいうと、飲料水、牛乳、乳製品は200ベクレル/㎏以上はやめなさいと。野菜類その他では500ベクレル/㎏となると、放射性廃棄物より遥かに高い値を食べてもいいのかという話に解釈されるんじゃないかなと、あとで調べていただいて、ちょっとご返事いただければいいかなと。
(斑目氏)はい。すいません。ちょっと勉強不足で。
(黒川委員長)その辺、またちょっといただければよろしいかと思います。早急に訂正しなくちゃいけないのかもしれないなと思ったので、そういう質問が出たんだと思います。
 最後、石橋先生。
石橋委員(石橋委員)ちょっと一つだけ。
 このお話の最初に、
「原子力はもちろん住民の健康被害の防止を第一に考えてます」
という趣旨のことをおっしゃったと思うんですけど、いや、それが本当かなって言っては失礼ですけど、また立地審査指針に戻りますけれども、立地審査指針の基本的目標というところにですね、
『万一の事故時にも公衆の安全を確保し』
と書いてありますけど、その次に、
『且つ、原子力開発の健全な発展を図ることを方針として』
と書いてあって、やっぱりこれはひっぱりにかかって、必ずしも住民の健康を第一では、これまで必ずしもなかったのではないかという、これを多くの国民が思ってると思うんですよ。
 いや、斑目委員長個人に申し上げているわけではありませんが、やっぱりこの辺も福島の事故を踏まえて、痛切に反省していただかなければいけないと思うんですけれども。
(斑目氏)原子力基本法もまさにそういう書き方をしてございまして、ここも含めてしっかりと国会でも議論がされるものというふうに期待してるところでございます。
(黒川委員長)えーっと、本当に今日はありがとうございました。
 委員としても、先生とフランクな意見を交換できて良かったなと思っています。今回の事故というのは、本当に皆さんもあまり予想してなかっただろうと思いますが、委員長として原子力安全委員会としてはですね、ある目標、それによって何か達成されたとは言いにくいのかもしれないけど、その次にいろいろ変わってきましたよね、いろんな意味で社会も変わってきたし、今度、法律も変わってくるという話ですが、これをどういうふうに先生として、委員長として引き継いでいくのか、それから今の先生のスタッフもそうですけど、どうやってそれぞれの適材適所っていうのが勝負だっておっしゃったけど、そうだと思うんですよ、私も。
 そういう意味では、どういうふうにお考えかなというのをザクッと言っていただけるといいと思いますが。
(斑目氏)えっとこれだけの事故を経験して、世の中変わっているということをとにかく踏まえると、今までと同じように
「外国では気にしてるけど日本では起きませんよ」
なんていいう、そんな言い訳は通用しなくなっている。これは明々白々です。
 そういう中で、きちっと機能するような組織であり、制度であり、それを支える人であってほしいし、そういうふうになることをまさに国民全体できちっと監視してかなきゃいけないと思っております。
 私自身は、多分立場は全然変わってしまいますけど、それをいろんな形で見守ってまいりたいと思っております。
黒川氏(黒川委員長)それから、今日の先生の話を聞いておりますと、私もこの委員会を非常に今議論してると、意を強くするというか同じ意識をしてるんですけれども、日本は今まで原子力も技術立国であるという評判があって、こんなことが起こってということは非常に信じられないという話は、随分聞きます。
 しかも、お互いにこれからこういう事故からどう学ぼうということで、委員会の問題、独立性の問題、人材の質の問題というのは非常に問われているわけで、そういう意味では、確かに技術ではそうだけれども、そのマネージメントその他のシステムの問題はかなりあからさまになってきたわけですね。
 そうすると、日本の原子力推進の基本にあるのは何なのかということは、向こうも日本語で書いてあっても、かなり調査してますから、そういうことから言うと、先ほど一時触れましたけど、立地審査基準というのも昭和39年ですか?作られたことの問題も、ちょっと先生のご意見も伺いましたが、そういうことからいうと、かなり今から考えてみると、日本がそういうのを作ったのは、明らかにアメリカのルールをまず最初は採用しながら、先生がおっしゃったようにいろんな事故から学んで、どんどんきつくしていくというプロセスがあったんだけど、実はけっこうそれが緩かったんじゃないかという話は、日本だけじゃなくて世界が実は注目して、実は知っちゃってることですよね。それに対応できない限り、日本の国の信用はなかなか大変だろうと思うんですが、そういうことからいうと、あの設置基準そのものからいうと、意外にそのもとのところからは合わないところが結構あるんじゃないか。もう建てられちゃってるんじゃないかという話も、あるルールの下で出来てるのかもしれないけど、実際はかなりModifyされたものを入れただけで、そこからちっとも進んでないということは結構あるんじゃないかと思うんですが、そういうことからいうと、発電所がいくつもあるかもしれないなということなどは、先生のご専門からいうとどう思われますかね?
(斑目氏)えっと、まさにこれからしっかりと多分ストレステストっていうのも行われるんでしょうし、指針類の根本の改正も行われると思いますけれども、それに合わないのは当然、廃止していく。そういう中で本当に総理がおっしゃったように、『世界最高の安全水準を目指すんだ』というところの決心を、もう一度し直す必要があると思っております。
(黒川委員長)そうですか。ありがとうございます。その『世界一の安全』ということもそうなんですけど、事故が起きた時にはやっぱり国民なり住民の安全と避難ということをやっぱり考えないといけないという話も出てくると思いますが、そんなことより本当に今日は、斑目委員のフランクな意見をうかがわさせていただいてどうもありがとうございました。
<01:40:45頃まで>
【ここまで】

失礼します。
にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ
にほんブログ村

人気ブログランキング