※この記事は、2月7日 【内容起こし】小出裕章氏:2号機の温度上昇、ホウ酸水注入について@たね蒔きジャーナルに関連しています。

20120213 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
※記事の中の資料は福島第一原子力発電所2号機 原子炉圧力容器下部温度(底部ヘッド上部)温度(TE-2-3-69H1)の状況(14.1KB)福島第一原子力発電所2号機原子炉格納容器ガス管理システムの気体のサンプリング結果について(11.1KB)からです。

(水野氏)今のニュースですね、福島第一原発2号機の圧力容器底の部分の温度計、342.2℃、これは単に温度計が壊れているとみるのがふさわしいと、小出さんは思われますか?
(小出氏)多分そうだと思います。
(水野氏)ほぉ~。それはどういうところからでしょう。
(小出氏)熱電対という温度計を使っていたはずで、かなり壊れにくいものなのです。それで、それが原子炉圧力容器のあちこちに貼りつけてあるわけですけれども、これまでそのデータがそれなりに送り続けてきてくれていたわけですね。結構それが重要な情報になっていたわけですが、今回の場合には次々とおかしいというか、どうしてかな?というようなデータを送ってきたと。それが三百何十℃というデータについになってしまったということで、もしそうであれば、その計測器がどこかで壊れたと推測することは、私は多分そうなるだろうなと思います。はい。
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(水野氏)ということは、再臨界ではないということも、前からおっしゃっておりましたけれども、これもキセノンという物質が出るか出ないかとおっしゃっていましたよね。これが出ていなければ再臨界ではない?
(小出氏)はい。東京電力がキセノンの分析をして、キセノンを検出していないというふうに言っていますので、それが正しければ再臨界は無いと思います。
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 温度計自身の情報にしても、巨大な圧力容器という直径が5mもあるような、高さが20mもあるような構造物のところどころにそれが設置されているというだけであって、それぞれの温度が違ってしまうこと自身は、私は全く不思議ではないと思ってきたのですが、三百何十℃も示すということであれば、それは機械が故障してると思わざるを得ませんので、今回のものに関しては東京電力の発表でいいだろうと私は思います。
(水野氏)でもそうしますとね、計測する機械を元に、中がどうなってるのかを考えるしかないわけですけど、いったらその計測器が全く当てにならないということでしょ?ほかの温度計は当てにしていいんですか?
(小出氏)もちろんいけないのです。いけないのです。もともと今回の事故が起きてから、皆さんも気が付いていただいたと思いますけれども、現場に行くことすらができないのですね。見ることもできない。触ることもできない。どんなふうに壊れているかということは、自分で確かめることができない。もともとあった計測器の情報を頼りにするしかないわけですけれども、こんな事故が起きるなんてことは、誰も思っていませんでしたので、計測器自身がロクに配置もされていなかった。その中で次々と計測器が死んでいってしまうという、そういう状況が今進行しているということだと思います。
(水野氏)今日野田総理はですね、国会で
「冷温停止状態に変わりはない」
とおっしゃったんですね。
 確かに『冷温停止』という本来の冷温停止はもともと有り得ないんだと小出さんはおっしゃっていました。だけど、『冷温停止状態』という、いわゆる100℃以下に抑えられていて安定的にしているってことですか。
(小出氏)いえ、そういう言葉を勝手に彼らは作ったわけですけれども。
(水野氏)百歩譲ったとしても「冷温停止状態に変わりはない」と。それを裏付けることはできるんですか?
(小出氏)できません。
(水野氏)っていうことなんですね。
(小出氏)はい。原子炉圧力容器の中にもうすでに炉心が無いと私は言っているし、東京電力も政府も言ってるわけですから、圧力容器の温度が100℃以下になるかどうかなんてことは、もともと大したこととは違うのです。
(水野氏)意味が無いんですね、今や。
(小出氏)そうです。
(平野氏)先生、一連のこの温度の一喜一憂っていう状態なんですけど、そもそもこうやって壊れた計測器をそのまま東電がその都度発表して、何か僕らに一方的な情報を与えてるんですけど、これは事故処理を客観的にするチームを作って、評価を伴って僕らに示してくれるような体制をとる必要があるんじゃないですか?ずっと東電の言いっぱなしですよね。
(小出氏)私はそう思いますけれども、これまで原子力というのは、東京電力、或いは電力会社と安全・保安院も含めたそういう組織でずっとやってきたわけですね。それが事故を起こした後も、そのままの体制が続いてしまっているのです。それを何とかしなければ私はいけないと思いますけれども、何も変わらないまま、従来のまま進行してしまっているということに、私は大変な違和感を覚えています。
(平野氏)保安院も報告を受けるだけで、何も自分たちで現場でしようとしてませんものね。
(小出氏)もちろんです。現場は何よりも東京電力の現場の人たちが一番よく知ってるわけで、多分保安院にいる官僚の人たちは、まずは力にならない、そういう状態だと今は思います。
(水野氏)うーん。現場の作業員の方の声で、
「温度よりも入れている水、冷却するための水がどんどん増えていることのほうが問題じゃないか」
という情報もあるんだそうです。それはどうなですか?
(小出氏)そうですね。ですから今回の場合には、温度が上がったということで皆が心配をしたわけですけれども、温度計なんてものは全体の中の一部の情報にしかすぎないわけですから、そんなものだけに目を奪われて「大変だ」というふうに思って流量を増やしたりすれば、そのことのよって今度はまた汚染水が増えてしまったり、汚染水を処理するための装置があるわけですけれども、それに負荷が掛かったり、またあちこちでトラブルが出てきてしまうということになるはずだと思います。
(水野氏)保安院の委員長は、今日国会でこんなふうに言ってますね。
「全体としては原子炉は、比較的安定的に管理されている」
(小出氏)<苦笑>はい。
(水野氏)「比較的安定的に管理されている」という保安院の立場をどうご覧になりますか?
(小出氏)事故の当初は、もう本当に打つ手もないまま、どうなってるかすらがわからない手探りのまま、何とかしたいと思ったけれど何もできないまま次々と原子炉が爆発していってしまったという事実がずっと進行していたのですね。その時、そういう本当に破局的な事故がドラスティックに進行した時期に比べると、現在はかなり安定してるという言葉を使いたくなるくらいに時間が過ぎているのですね。それはそうだと私は思います。
 でも、だからといってこれで安心していいのかといえば、そうではないと私は思っています。溶けてしまった炉心が今どこにあるかすらわからないという、温度が本当にどの測定器が正しいのかも実は判らなかったという、そういう状態で進行してるわけですし、先日も何度か聞いていただきましたけれども、4号機の使用済燃料プールなんて一体これからどうなるのかという大変な問題も目の前にあるわけですから、安定的だとか安心だとかいうような言い方をしてほしいとは、私は思いません。
(水野氏)はい。どうもありがとうございました。
【以上】

【関連記事】
2号機温度計は故障=一時「400度超」、周辺30度台-福島第1原発
時事通信(2012/02/13-22:21)
 東京電力福島第1原発の2号機原子炉圧力容器底部に3カ所ある温度計のうち、一つが90度超を示していた問題で、東電は13日、故障と考えられると発表した。温度計は「熱電対(ねつでんつい)」方式で測定しており、同日午後に中央制御室で電気抵抗を測定したところ、電線のどこかがほとんど断線状態であることが判明。測定直後の午後3時前には342.2度を示し、その後に400度超の異常数値を表示した
 この温度計と同じ高さにある2カ所の温度計は午後6時時点で32度前後。真下の温度計も約38度で安定しており、東電は100度以下の冷温停止状態が維持されていると判断している。
 12日に問題の温度計が新保安規定の運転制限基準の80度を超えたため、東電は経済産業省原子力安全・保安院に報告し、冷却水注入量を増やした。今後は保安院に相談して元に戻す。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012021300721

失礼します。
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