20120209 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(千葉氏)今日は毎日新聞論説員の池田あきらさんと一緒にお話を伺います。
 さて、小出さん、今日もスタジオにリスナーの方から質問のメールがたくさん来ていますので、それをお伺いしてまいります。
 まずは神奈川の方から。
「今日ご相談したいことは、自宅の眼と鼻の先がホットスポットでしたということです。2月3日に横浜市瀬谷区の使われていない排水路付近で、市内の放射線量測定では最高となる毎時6.85マイクロシーベルトが検出されました。高さ1㎝で測定したそうです。この線量を1年間浴び続けると仮定した場合、単純計算で外部被爆はおよそ60ミリシーベルトになるとのことで、大変ショックを受けました。同じ場所の地上1mでも、毎時1.45マイクロシーベルトだったそうです。その水路の隣には小学校があり、大変子供たちが心配です。近くの住民として、毎日飲む水など、近くには農場などもあり、考えただけでも眠れなくなりました。私たちは病気になってしまうんでしょうか?」
という質問なんですが・・・。
(小出氏)例えば私は今大阪に住んでいますけれども、ごく普通のところであれば、1時間当たり0.04、或いは0.05マイクロシーベルトくらいしかありません。
 ですから、1㎝の高さで測ったというのは、あまり比較にならないと私は思いますが、1mのところで測って1.いくつとおっしゃったんでしょうか。
(千葉氏)「1.45」ですね。
(小出氏)はい。ですから、30倍くらいは高いということになっているわけで、普段使われてない排水路とおっしゃったでしょうか。
(千葉氏)はい、「排水路付近」ですね。
(小出氏)そういうところには放射能が濃縮されて集まってきてしまうということは、当たり前のことなんですね。避けることができませんので、そういうところに溜まっている泥とかを集めて、掃除をするということをやったほうがいいと思います。
 ただし、放射能を消せませんので、要するに移動してるんですね。ですから、その排水路にも周辺から移動して集まってきているのであって、そこを私は掃除したほうがいいと思いますが、また集まってきます。そこには。
 ですから、これからずっと注意をしながら、そういう集まってくる部分の放射性物質は取り除く。取り除いても無くなりませんので、どこか別の場所に移さなければいけないということが残ってきます。
(千葉氏)あの、事故からもう11か月近く経ってるわけですけれども、2月にはこういうホットスポットが見つかったということで、まだまだこれからこういう場所が見つかる可能性というのは・・・
(小出氏)もちろんです。たくさんあるのです。調べれば調べるだけ、それが出てきます。
(千葉氏)「11か月経ったから少し収まったよ」とかそういうことは・・・
(小出氏)ありません。むしろ増えてくると思います。
(千葉氏)はぁ・・・。判りました。
 それから次はですね、ニュージーランドからメールをいただいております。
「私はニュージーランド、クライストチャーチに在住で、日本食品についての質問があります。ニュージーランドの法律で、日本からの輸入食品について、現在放射能に汚染食品の最高基準値が、セシウム134と137合わせて1000ベクレルとなっています。国際的な数字としても、大体1000ベクレルなんですが、日本の暫定基準値が500と言うことですが、これはセシウム134と137を別々にカウントしてるんでしょうか?それとも、合わせた数字なんでしょうか?」
(小出氏)合わせた数字です。
(千葉氏)合わせた数字なんですか。134と137を合わせた数字として、500というふうにカウントしてるということですね。この方はそこが疑問だったということなんですけれども。合わせた数字ということです。
 それでは、次に参ります。こちらはドイツからいただいていますね。
「核廃棄物を燃料として電力を生産できる『プリズム高速炉』とうたったイギリスのニュースがありました。2月2日付のイギリス、ザ・ガーディアンニュースでは、『新世代の原子炉は核廃棄物を燃料として消費することができる』というヘッドラインで、核廃棄物のプルトニウムを燃料にして電力を生産することができるとされておりました。
 ブルームバーグの報道によりますと、日立製作所とGE社は英国の87トンのプルトニウム備蓄を動力とする原子力発電所の建設を提案したということです。」
という、ニュースが入ってきてるんですけど、この『プリズム高速炉』って、プルトニウムを原料にして動くなんてものがあるんですか?
(小出氏)私は今、ふっと笑ってしまったのですが、もともと原子力というのは、ウランと核分裂させてエネルギーを得るんだと言ってきたんですね。でも、ウランというのは地球上にあまり資源がありませんので、仕方がないから原子力をやるためには、プルトニウムをどんどん作って、それを増殖させながら原子力を使うんだというのが今までのうたい文句で、プルトニウムはむしろエネルギーの希望の星だったのですね。
 ところが今のいい方であると、プルトニウムはもう厄介者だから、それを何とか燃やしてしまいたいという、なんかそんな宣伝に変わってきてるように、私には今聞こえました。
 実際そうなんです。
 もうプルトニウムを増殖させるなんていうことは、いわゆる高速増殖炉と呼んだ原子炉なんです。日本ではもんじゅというものを作ろうとしたのですが、1兆円投入したまま1kwの発電もできないという、実に馬鹿げたものだったわけで、結局プルトニウムを燃料にするということはできないということになってしまったんですね。
 そうすると、プルトニウムというのは、人類が遭遇した最高の猛毒物質と言ってもいいほどの猛毒ですし、これからのお守りを・・・どうやって危害が加えられないようにお守りをしようかと考えると、もう途方もない重荷になってしまうので、それをなんとか消すしかないというふうに、今世界は変わっているのです。
 そのために・・・ごみを消すための原子炉というのを考えたということですね。それは。
(千葉氏)でも、これ、プルトニウムというのは原子爆弾にできる物質ですものね。
(小出氏)そうです。もうすでに膨大に溜まっちゃってるのです。イギリスだけでも60何トンと言ったんでしょうか。日本にももう45トンもありますし。
 それをとにかく消さなければいけないという、そういう重荷を今私たち目の前にしているわけで、そのための方策の一つとして、プルトニウムを燃やしてしまう・・・プルトニウムだけではないんですが、私たちが超ウラン元素と呼んでいるやっかいな毒物を消すためになんとかしなければいけないと、そういうところに今私たちは追い詰められているのです。
(千葉氏)池田さん、いかがですか?
(池田氏)やっぱり我々はその辺の立ち位置っていうのは、しっかりと見つめていかなければいけないですよね。
(小出氏)と、思います。
(千葉氏)それから、もう一つ質問がありますので、こちらに参ります。埼玉県の方からですが、
「突然気になったので差支えなければお教えください。先生のように放射線業務従事者の方は、一般的なガン保険に入ることはできるんでしょうか?また、福島県の線量が高い地域に住まわされている方々は、保険について今後も心配ないのでしょうか?」
という質問ですが、いかがですか?
(小出氏)すいません、私、実は保険っていうのは大嫌いで、個人的にそういう保険契約をしようと思ったことが無いので、正確にわかりません。正確なことは法律の専門家に聞いていただいた方がいいと思いますが、放射線業務に携わっている人は、がん保険に契約するには、何かの制約があったはずだと私は思います。ですから、放射線業務従事者にガン保険に加われない可能性が高いと私は思いますし、今福島の現地の人たちは、放射線業務従事者として私が許されているような被曝を、既にもう許されているというか、もう国が『勝手にそこで住め』と言いだしているわけですから、保険会社としては、もちろん嫌がるでしょうし、保険契約というものができなくなる可能性もあるんではないかと私は思います。
 すいませんが法律のことがわかりませんので、正確でないかもしれません。
(千葉氏)わかりました。小出さん、ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】


【関連記事】
横浜 小学校近くで高放射線量
NHKニュース 2月3日 20時50分
横浜市瀬谷区の小学校に隣接する水路の跡地で、1時間当たり最大で6.85マイクロシーベルトの、通常より高い放射線量が計測され、横浜市は隣の小学校の校庭の一部などを立ち入り禁止にしました。
通常より高い放射線量が計測されたのは、横浜市瀬谷区の横浜市立二っ橋小学校の校庭に隣接する、幅およそ3メートルの、現在は使われていない水路の跡地です。横浜市によりますと、市民からの情報を受けて、3日、市が放射線量を測定したところ、水路の跡地の底から高さ1センチのところで、最大で1時間当たり6.85マイクロシーベルトの、通常より高い放射線量が計測されたということです。また、この場所の土壌の放射性物質の濃度を測ったところ、1キログラム当たり6万2900ベクレルの放射性セシウムが検出されたということです。これを受けて、横浜市は、小学校の校庭にコーンを置くなどして、子どもたちが近くに立ち入らないようにする措置を取りました。現場は、周囲より低く、水や土壌が流れ込みやすい地形で、横浜市は東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射性物質が集積したものとみて、近く土壌を取り除くなどの措置を取ることにしています。二っ橋小学校の飯塚行夫校長は、「非常に驚いている。直ちに保護者にはメールで知らせ、子どもたちが近寄らないような措置を取ったが、今後も安全に配慮して対処したい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120203/k10015771131000.html



New generation of nuclear reactors could consume radioactive waste as fuel

The new 'fast' plants could provide enough low-carbon electricity to power the UK for more than 500 years
Duncan Clark
guardian.co.uk, Thursday 2 February 2012 07.56 EST
A generation of "fast" nuclear reactors could consume Britain's radioactive waste stockpile as fuel, providing enough low-carbon electricity to power the country for more than 500 years, according to figures confirmed by the chief scientific adviser to the Department of Energy and Climate Change (Decc).
Britain's large stockpile of nuclear waste includes more than 100 tonnes of plutonium and 35,000 tonnes of depleted uranium. The plutonium in particular presents a security risk as a potential target for terrorists and will cost billions to dispose of safely. The government is currently considering options for disposing of or managing it.
(イギリスの核廃棄物の大規模な備蓄には、プルトニウム100トン以上劣化ウラン35,000トンが含まれている特にプルトニウムはテロリストの潜在的なターゲットとしてセキュリティ上のリスクにさらされ安全に処分する数十億の費用がかかる。政府は現在、廃棄、またはそれを管理するためのオプションを検討している。)
Decc's preferred option is to build a plant to combine the plutonium with other materials in so-called mixed-oxide fuel (Mox), which is less dangerous than the current plutonium-oxide powder. But there is currently no large-scale capacity for consuming Mox fuel, and the previous Mox plant at Sellafield has been shut after being beset by operating and financial problems.
In addition, Mox fuel allows only a tiny proportion of the energy in the waste to be converted into electricity.
The engineering firm GE Hitachi has submitted an alternative proposal based on its Prism fast reactor, which could consume the plutonium as fuel while generating electricity.
(Decc<エネルギー・気候変動局>の優先的オプションは、現在のプルトニウム酸化物粉末よりも危険性が低いとされるプルトニウムとほかの資源を混ぜ合わせるMOX燃料を生産する工場を建設することである。しかし、現状はMOX根量を消費するための大規模容量が無く、先のセラフィールドMOX加工工場は、操業・経営問題に悩まされ閉鎖されている。
さらに、MOX燃料は電気に変換される廃棄物中のエネルギー割合が非常に少ない。エンジニアリング会社であるGE日立は、電力生産のための燃料としてプルトニウムを消費することができるプリズム高速炉をベースにした代替案を提出した。)
Diagram showing how a fast reactor would work.
"It's a very elegant idea that we should try and use [the waste] as efficiently as possible. I definitely find it an attractive idea," said Prof David MacKay, Decc's chief scientific adviser.
Recent news reports have suggested this proposal has been rejected by the government and Nuclear Decommissioning Authority (NDA) on the grounds of being too far from commercial viability.
But the Guardian has confirmed that talks between GE Hitachi, Decc and the NDA are continuing.
MacKay told the Guardian: "My position as chief scientific adviser at Decc is that I think Prism is an interesting design and I'd like to see [details about its credibility] worked out."
A spokesperson for the NDA said: "The statement that the NDA has rejected the GE Hitachi Prism reactor is completely without foundation." He added that the current round of discussions "might last about six months".
Fast reactor technology was developed by the US government over many decades until 1994 when President Clinton terminated all nuclear power research.
GE Hitachi's Prism reactor is a commercial offshoot of that government-funded research. No Prism reactors have yet been sold, but GE believes it could construct one in a few years plus the time taken to license the technology.
The reactor is a fixed small size, producing around 311MW of power – equivalent to 100 large wind turbines running non-stop or a quarter of a conventional nuclear plant. The reactor core is submerged in a pool of liquid sodium, which acts as a coolant, transferring the heat to the turbines where electricity is generated. Designers say that passive safety features ensure the reactor won't go into meltdown if its power source is cut off, which is what happened in last year's accident at Fukushima, Japan.
In the proposal currently under discussion, a pair of Prism reactors would be installed at Sellafield and optimised to consume the plutonium stockpile as quickly as possible. If, however, the government decided to prioritise low-carbon power generation rather than rapid waste disposal, a larger number of Prism reactors could theoretically be combined with a fuel recycling system to extract as much electricity as possible from the plutonium and depleted uranium.
(代替案は現在議論中だが、2基のプリズム高速炉がセラフィールドに設置され、できるだけ早くプルトニウムの備蓄を消費するために最大限利用されるかもしれない。しかしながら、政府がもし早急な廃棄物処理よりも低炭素発電を優先するよう決定するようであれば、できるだけ多くの電力をプルトニウムと劣化ウランから引き出すために、理論的には多くのプリズム高速炉が燃料サイクルシステムに組み入れられるかもしれない。)
According to figures calculated for the Guardian by the American writer and fast reactor advocate Tom Blees, this alternative approach could – given a large enough number of reactors – produce enough low-carbon electricity from Britain's waste stockpile to supply the UK at current rates of demand for more than 500 years.
MacKay confirmed this figure. "As an upper bound on what you could get from those resources in fast reactors I think it's a very reasonable estimate. In reality you'd get all kinds of issues so you wouldn't achieve the upper bound but I still think it's a reasonable starting point."
But he added that free or low-cost fuel was not in itself sufficient to make inexpensive nuclear energy. "When you think about the economics of the low-carbon transition, it isn't the nuclear fuel that's the expensive bit – it's the power stations and the other facilities that go with them."
The cost of any Prism installation would depend on unknown quantities, including the details of the licensing requirements. However, Eric Loewen, chief engineer at GE Hitachi nuclear, claims that the technology should be economically competitive due to its small and fixed-size modular design, which allows it to be produced in an off-site factory.
MacKay said, "I think it's credible that it could be cheaper [than Mox] but it's up to GE to tell us the price tag". He added that the alternative option of making Mox would not be easy either. " You have to make a big facility to make the Mox fuel and you need to have a load of reactors that can accept the Mox fuel, and we don't have either of those in place yet."
MacKay also said that he supported "long-term research and development" into new reactor technologies that could be safer and more efficient than current designs.
He argued that such research should not be seen as a threat to renewable technologies such as wind and solar, which were crucial but not sufficient on their own to meet the UK's ambitious carbon targets.
"If you've seriously looked at ways of making plans that add up you come to the conclusion that you need almost everything and you need it very fast – right now. You need all the credible technologies that can develop at scale … I don't think anyone serious would say that we only need nuclear … but similarly I think it's unrealistic to say we could get there solely with renewables."
http://www.guardian.co.uk/environment/2012/feb/02/nuclear-reactors-consume-radioactive-waste


GE, Hitachi Propose Plant to Burn U.K.’s Plutonium Stockpile
Bloomberg By Kari Lundgren - Nov 30, 2011 10:00 AM ET
Hitachi Ltd. (6501) and General Electric Co. (GE) have proposed building a nuclear reactor powered by the U.K.’s 87-metric ton plutonium stockpile, the world’s largest civilian accumulation of the waste.

The venture’s 600-megawatt Prism Fast Reactor could power as many as 750,000 homes, according to nuclear plant project Vice President Danny Roderick. The plant would take about five years to build and be operational for 60 years, he said. During that period it would burn 100 metric tons of plutonium.

The British government is consulting on ways to manage its stockpile of plutonium, stored at Sellafield in northwest England. One option is to turn the radioactive metal, a byproduct of uranium-fueled plants, into mixed-oxide fuel, known as MOX, which could be burned in conventional reactors. Building a fast reactor is a much more direct way of dealing with the waste, Roderick said.

“The advantage we have is that we take something people are trying to get rid of and turn it into something people can use,” the executive said in a telephone interview. “It’s going to be an investment of several billion dollars, but our analysis shows that if you add the total cost of using MOX fuel, this is much more economical.”

The GE Hitachi Prism reactor is the commercial product of a plant developed by the U.S. government, a plutonium-fueled fast reactor, the EBR II, that operated for 30 years. Within five years of first being used to fuel the fast reactor, the spent fuel bundles are safe for disposal, GE Hitachi Chief Consulting Engineer Eric Loewen said.
http://www.bloomberg.com/news/2011-11-30/ge-hitachi-propose-plant-to-burn-u-k-s-plutonium-stockpile.html

失礼します。
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