※この記事は、
1月25日 【内容起こし】日隅一雄氏:世界と日本の仕組みの違いと主権者が主権を行使するために@CNIC【前半】に関連しています。

安全委、津波襲来時も原発停止へ 観測網整備も推奨
2012/01/30 20:59   【共同通信】
 原子力安全委員会は30日までに、地震の揺れは強くなくても大きな津波が原発に襲来する可能性がある場合は、原発を停止するよう電力会社に求める方針を固めた原発は一定以上の揺れで自動停止する仕組みになっているが、津波には明確な規定がなかった
 安全委事務局は、電力会社が自ら地震と津波の検知システムを整備し観測体制を構築することを推奨するとの案を30日の会合で提示。一定規模の津波を早期に把握した場合は、手動で原子炉を止めるなどの措置を求める方向で検討している。

 1960年のチリ地震のように、遠方で発生し揺れは大きくなくとも、津波が日本に襲来する備えも必要と判断。
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012013001002235.html


原子力保安院が内部告発放置 伊方原発で4年半も
2012/01/30 21:25 【共同通信】
 経済産業省原子力安全・保安院は30日、四国電力伊方原発3号機で消火ポンプのケーブルが焼けた件で、関係者からの内部告発を約4年半にわたり放置していたと発表した。
 申告者が07年1月から11年8月まで数十回にわたり、ポンプの作動状況が事実と異なるなどとして調査委員会が再調査するよう求めたが、保安院の担当者は委員会が「問題ない」とした報告書の結論に影響は与えないと考え、委員会に報告していなかったという。
 調査委員会は11年8月に再調査を決定。四国電力が消防へ通報していなかったと判明し、保安院は速やかに通報するよう口頭で注意した
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012013001002262.html

原子力安全委員会が津波の予測がある場合は、原発の運転を手動停止するよう規定を作ろうとしているようです。
今まで無かったんですね・・・。
防潮堤があっても、どういうことが起きるのかは判りませんよね。

また、保安院が内部告発を4年半放置していた。
本当に原子力村って恐ろしいところだと思います。

きっとまだ明らかになっていないだけで、同様のことはたくさんあると想像します。
また、保安院の対応が『口頭で注意』というのがすごいですね。
何か処置をすることができないのであれば、意味がないように思います。

以前、東京電力が内部告発されたときも、佐藤栄佐久元福島県知事は福島県内の原発をすべて停止させました。そういうことしかできないのかと思うと、保安院の存在意義って何だろうと思います。

以下、その経緯の記事をご紹介します。

東京電力福島第一原発の何が問題だったのか ―― その行政手続きを考える 橋本努
2011年03月30日11時39分 提供:SYNODOS JOURNAL

東京電力福島第一原発の事故の真相は、まだ十分に明らかになっていない。おそらく、これから少しずつ事実が明かされ、またその過程で、責任の所在も明確になっていくだろう。この問題との関連で、『週刊文春』の最新号(3月31日号)は、佐藤栄佐久(前福島県知事)氏のある証言を載せている。それによると、東京電力は、福島県の副知事を脅かしたことがある、というのである。「あらゆる手段をもっても潰します」

2002年、福島県が「核燃料税引き上げに関する条例の改定案」を公表すると、東電の常務から福島県の副知事のもとに、このような電話があったという。

背後にあるストーリーは、こうである。国および電力会社は、原子力発電所の設置や安全管理をめぐって、受け入れ先となる地方の合意を得て、原発政策を進めなければならない。原発に対して批判的な知事がいると、事業そのものが滞ってしまう。そこで国および電力会社は、さまざまな手段を使って、知事や副知事に揺さぶりをかける、というわけである。

実際、佐藤栄佐久氏もまた、つくられた汚職事件によって、辞職に追い込まれてしまったという(現在、上告中とされる)。

佐藤栄佐久氏は、1939年生まれの政治家であり、東大法学部卒業後、日本青年会議所での活動を経て、1983年に参議院議員として初当選。1987年に大蔵政務次官、1988年に福島県知事に選出されると、以降、2006年までの約17年間を、福島県政に捧げてきた。県民から絶大な支持をえてきた氏は、原発その他の問題では「闘う知事」として名を馳せた。

その佐藤栄佐久氏が起訴された経緯については、自著の『知事抹殺』に詳しい(2009年に平凡社より刊行。現在絶版だが、原発事故を受けて増刷中とされる)。本書を読むと、原発行政の問題点が、さまざまな角度から見えてくる。以下では本書に依拠しながら、原発事故の背景について考えてみたい。


◇無責任の体制◇
1989年1月6日、東京電力福島第二原発の三号機は、手動で止められた。原子炉の冷却水再循環ポンプ内部に、最大30キロの重さの金属片が落下し、それらが原子炉内に流入するという事故が発生したためである。

ところが東京電力は、この事故を正月のあいだずっと隠しつづけた。また、その時点では異常を示す警報を鳴りっぱなしにして、7時間も原子炉を稼動していたという。この事件は、まず東京電力の本社に伝えられ、つづいて、通産省の資源エネルギー庁から福島県に伝えられ、最後に地元の富岡町に伝えられた。県や町は、原発事故に対して、何も権限がないことが露呈したのであった。

しかも事故後の経過説明で、東京電力の池亀亮原子力本部長(当時)は、「安全性が確認されれば、炉心に流入した座金が回収されなくても運転はありうる」と答えたという。この発言は、地元自治体や県議会の猛反対を呼び、住民と電力会社の信頼関係に、亀裂が走った。

こうした一連の事態に直面して、佐藤栄佐久知事(当時)は、ひとつの大きな教訓をえたという。すなわち、国は、安全政策について、何の主導権もとっていない。事故が起きても、国は電力会社の役員を呼びつけてマスコミの前で陳謝させるだけで、それ以上のことはしない。事故を教訓にして「防止策を考えよう」ということにはならない。すべては電力会社に任され、県も地元も、原発に対して口出しする権限がないのであった。

◇まるで阿片のような原発◇
1991年には、こんなことが起きた。東京電力福島第一原発の地元である双葉町の町議会は、原発増設の要望を議決した。双葉町は、すでに原発が二基あるおかげで、財政的には恵まれていたはずである。しかし30年から40年の単位で考えると、原発のある地域は、新たに原発をつくらなければ、財政的に厳しくなる。

双葉町はその後、2008年には、福島県内で財政状態がもっとも悪い自治体となっていた。新しい町長は、税金分以外無報酬という事態にまで追い込まれた。原発とはつまり、地元経済にとっては、麻薬のような効果をもっている。もっとつくらなければやっていけないという、原発依存症の自治を生み出してしまう。

◇答責性のない官僚制◇
1993年、東京電力は、福島県に次のようなお願いをした。東京電力福島第一原発の敷地内に大きなプールをつくって、その水のなかで、使用済みの燃料を一時的に保管したい、というのである。原子力発電の問題のひとつは、使用済みの燃料を処分する場所がない点にある。この問題をめぐって東京電力は、一時的な保管を福島県に求めてきた。

この要請に対して、当時の佐藤栄佐久知事は、通産省の担当課長に問い合わせ、「2010年から再処理工場が稼動するので、同年からは原発敷地内の使用済み燃料を運び出していきます」との確認をえた。そのうえで佐藤栄佐久知事は、使用済み燃料の一時的な保持を了承した。

ところが翌94年になると、国の原子力政策を決定する原子力委員会は、方針を変えてしまった。2010年までに処理するのではなく、「2010年ごろに、再処理に関する方針を決定する」という具合に、大きく政策を転換したのである

佐藤栄佐久知事はこのとき、すぐに通産省の課長と連絡を取った。ところがその課長は、すでに異動していた。約束は「なかったこと」にされていた。国の役人には、顔がない。後で非難されても、人事異動を通じて、答責性を免れることができる。結果として国は、福島県をだましたことになった。

◇国も隠蔽する◇
2002年8月29日、経産省の原子力安全・保安院から、福島県の原子力担当部局に18枚のFAXが送られてきた。その内容は驚くべきものだった。「東京電力福島第一・第二原発で、原発の故障やひび割れなどの損傷を隠すため、長年にわたり点検記録をごまかしてきた」と書かれている。隠蔽された損傷は、炉心を支える部分や、原子炉本体の主要な配管にも及んでいた。この内部告発の報告は、その二年前に国に通知されていたというが、この時期になってようやく、福島県に通知されてきた。

国はこのとき、内部告発の取り扱い方を誤ったようである。国(保安院)は内部告発を受けて、本来であればすぐに立ち入り検査をし、告発内容を検討すべきであった。ところが保安院は、その内部告発の内容を東京電力に口頭で伝えて、照会していた。すると東京電力の側は、「報告は告発内容と一致しなかった」として、内部告発の訴えを退けてしまった。しかも悪いことに、保安院はその後、告発者の氏名や資料などを、東京電力に渡していたという

こうした問題が起きてから、内部告発は、保安院よりも福島県庁に対して報告されるようになった。「一番信頼できるのは福島県だ」、と関係者たちのあいだで囁かれたという。福島県はこのとき以来、内部告発の報告を受けて、国の原発政策の責任を、厳しく問うことができるようになった。

同年9月2日には、原発検査記録改ざんの責任をとって、東電の南直哉社長が辞任、あわせてプルサーマル計画が凍結された。東京電力福島原発10基のうち、問題のあった3基の運転は、9月下旬から停止。さらに保安院によって、他の原発でも次々とトラブル隠しが明らかとなり、2003年には、安全点検のための停止を含めて、10基すべての原発が停止する事態になった。

福島県はこうして、佐藤栄佐久知事の下で、原発の安全性を優先して、その稼動を制御することができた。けれども、国と東京電力のトップは、「メンツ丸つぶれ」である。やがて佐藤栄佐久知事に対しては、「つくられた汚職事件」が生み出されることになる(ただしつくられたかどうかは係争中とされる)。

◇破局に向かって走りきる◇
2005年、国の原子力委員会は、今後10年程度の原子力政策の基本方針「原子力政策大綱」を発表する。しかしこの方針には、福島県が提出した意見は、まったく反映されていなかった。佐藤栄佐久氏は、この大綱の問題性について、次のように記している。

「この大綱を決めた原子力委員並びに策定会議委員一人ひとりに、この核燃料サイクル計画が本当にうまく行くと思っているのかと問えば、実は誰も高速増殖炉がちゃんと稼動するとは思っていないだろうし、六ヶ所村の再処理施設を稼動して生産されるプルトニウムは、プルサーマル程度では使い切ることはできないと思っているだろう。使用済み核廃棄物の処分方法について具体案を持っている人もいないのである。

しかし、責任者の顔が見えず、誰も責任を取らない日本型社会の中で、お互いの顔を見合わせながら、レミングのように破局に向かって全力で走りきる決意でも固めたように見える。つい60年ほど前、大義も勝ち目もない戦争に突き進んでいったように。私が『日本病』と呼ぶゆえんだ。」(『知事抹殺』106-107頁)

佐藤栄佐久氏の眼には、原発の新たな政策指針は、破局に向かって走る戦争のように映ったのであった。

同年、それまで一度も改定されたことのなかった原子力発電所の耐震指針が、25年ぶりに見直されている。原子力安全委員会の耐震指針検討分科会は、4月にその原案をまとめて、国民にパブリックコメントを求めた。すると726通もの意見が寄せられ、そのなかには重大な修正を求める意見もあったという。ところが分科会は、改定案を少し見直しただけで、8月には結論を取りまとめてしまった。このとき、委員の一人であった神戸大学教授は、地震学者として抗議の辞任をしている。

いまとなってみれば、当時の耐震指針の改定は、不十分であっただろう。すでに2007年7月、新潟県中越沖地震が起きている。この地震は、設計で想定された値の5倍をこえた威力で、柏崎刈羽原子力発電所を襲った。原発のなかの1基は、炉心冷却装置が故障し、放射性物質を含んだ水がプールから漏れ出した。また同発電所は、褶曲(しゅうきょく)活断層のうえに立てられていたことも指摘されている。

蛇足ながら、2007年の新潟沖中越地震は、わたしたちが原子力発電所の耐震基準を根本的に見直すための、よい機会を与えていた。にもかかわらず、わたしたちは有効な耐震政策をとることができなかったのである。

以上、佐藤栄佐久氏の著作から、さまざまなエピソードを紹介してきた。原発行政の問題点について整理すると、次のようになるだろう。

(1) 国は、安全政策の主導権をとっていない。事故が起きても、それを教訓に生かすことができない。
(2) 原発のある地域の地元経済は、自立できない。30-40年単位で考えると、また新たに原発をつくらなければ、やっていけなくなる。
(3) 国の役人には、顔がない。後で非難されても、人事異動を通じて、答責性を免れることができる。
(4) 内部告発をうまく生かすことができれば、原発の安全性は改善され、県は原発の稼動と停止を制御することができる。
(5) 使用済み核燃料の処分方法については、だれも実効的な案をもっていないにもかかわらず、政府は新たな原子力政策の指針を立てている。
(6) 原発の耐震指針改定をめぐる立法手続きは、十分に機能しなかった。

これらの指摘は、いずれも、原発行政をめぐる重要な問題を提起している。もちろん、佐藤栄佐久氏の著作は、一定の価値観点から書かれているので、もっと中立的な、あるいは別の観点からの検討も必要であろう。

いずれにせよ注視すべきは、はたして佐藤栄佐久氏が失脚することなく、現在もなお福島県知事であったとすれば、今回の原発事故をどこまで防ぐことができたのか、という問題だ。たとえば、福島県の原子力担当部局は、その後、どこまで原発の安全性を優先し、そして制御できたのであろうか。あるいは今回の事故は、どれだけの人為的なミス(隠蔽工作を含む)とともに引き起こされたのだろうか。こうした問題の解明は、今後の原発政策にとって、必要である。わたしもひきつづき、関心を寄せていきたい。
http://news.livedoor.com/article/detail/5451782/

失礼します。
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