※この記事は、1月27日 【内容起こし】市民と科学者による内部被曝問題研究会発足の会見の模様【隠され続けた低線量被曝の影響】<前半>の続きです。

<44:45頃~>
(矢ケ崎氏)
矢ケ崎氏内部被曝の拡大と健康被害を防ぐ為に政府がとるべき安全対策 (提言)
市民と科学者の内部被曝問題研究会
東日本大震災にさいして起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故(東電事故)は、深刻な被害をもたらしています。広範な地域が汚染され、多くの人々が被曝して、いのちと暮らしを脅かされています。これに対して私たち「市民と科学者の内部被曝問題研究会」は、日本政府に対して『人間は核、原子力とともに生きていける』との考えを根本的に改め、汚染地域には住みめず、農林水産業はできない、との前提で、国家100年の計を策定することを求め、緊急にいくつかの提言を行いたいと思います。
 原発事故による放射線被曝の主要なものは、呼吸や飲食を通しての内部被曝です。政府や政府に助言する専門家は、被曝影響評価を主として測定しやすいガンマ線に頼っています。
 しかし、内部被曝では、ベータ線やアルファ線がガンマ線よりもはるかに大きな影響を与えます。政府と東電は、ベータ線を放出するストロンチウム90や、アルファ線を放出するプルトニウム239などの測定をほとんど行っていません。内部被曝の特性とその健康影響を意図的に無視し続けているのです。


 その背景には、アメリカの核戦略や原発推進政策があります。これらの政策の影響下で組織された国際放射線防護委員会=ICRP、国際原子力機関=IAEA、国連科学委員会=UNSCEARなどの機関は、広島・長崎原爆の放射性降下物による被曝影響を無視した放射線影響研究所の研究に依存しています。
 日本政府は福島原発事故の被曝に関して、
「100mSv以下では病気を引き起こす有意な証拠はない」
とするなど事実を覆い隠し、被曝限度に高い線量値を設定して、市民の命を守ろうとはしていません。
 また、世界保健機構=WHOはIAEAと放射線被曝問題を除外する協定を結んでいます。

 東電事故以来、政府はICRPの勧告を受けて、被曝限度値を通常の年間1mSvのところを、突如20mSvにつり上げました。
 事故があったからといって、人間の放射線に対する抵抗力が20倍になるというようなことは金輪際ありません。
 本来は事故を引き起こした東電と原発推進を図ってきた政府の責任で、住民の被曝回避にあたらなければなりません。逆に、この措置は住民の保護を放棄し、住民を長期にわたり被曝させるにまかせて、事故を起こした者の責任と負担を軽くするためのものです。住民のいのちを犠牲にする『棄民政策』です。
 日本国憲法第二十五条には、主権者として保障されるべき権利として、
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
と明記され、
「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」
と記述されているのです。
 事故後10ヶ月を経過し、事故の被害は全住民に広がろうとし、今なお拡大の一途をたどっています。放射能汚染は福島に留まらず、日本全域に広がっています。陸だけでなく海の放射能汚染も深刻です。放射能汚染は、長期間続き、被曝の被害はますます深刻になることが予測されます。
 中でも深刻なのは、放射性物質を含んだ食物が、全国に流通していることです。原則的な考え方、根本的な方法で食物を通しての被曝回避を図らねば、全住民が深刻な被曝を受け続けることとなります。子どもの『安全な環境で成長し教育を受ける権利』は侵され続けています。
 野田佳彦首相は
 「原子炉が冷温停止状態に達し、発電所の事故そのものは収束に至ったと判断し、事故収束に向けた道筋のステップ2が完了した」
と宣言しました。
 しかし、圧力容器の下部には、メルトスルーで生じた穴が空いており、核燃料の状態も把握されていません。四号機の倒壊も懸念されています。汚染水を垂れ流しながら『安定冷却できている』とするには、あまりにも不安定な状態です。いつまた核分裂などの暴走が起こるかわかりません。今、幕引きができるような状態では全く無いのです。

私たちは次のような提言を行い、政府が速やかに実施することを求めます。
1.住民の安全を保障できる体制確立
 原発を『安全神話』で進めてきた『原子力村』による委員・組織ではなく、公正な立場から客観的に判断できる委員会を構成し、原子炉の破壊状況と原因を究明するとともに、住民の安全を最優先する立場から、情報の迅速な全面公開を行うことを求める。
2.子どもと被曝弱者を守る
 少なくとも、法定の年間1mSv以上の放射能汚染が高い地域に在住する子どもを、即刻集団疎開させる。乳幼児、妊産婦、病人等の被曝弱者を即刻安全地域に移すこと。全ての保育園、幼稚園、学校の給食食材の安全を確保するために、産地を選び、きめ細かく精度の高い放射能測定を行う。
3.安全な食品確保と汚染の無い食糧大増産
 住民に放射能汚染の無い食糧を提供すること。「健康を維持できる限度値」(現在の限度値の100分の1程度)を設定して、限度値以上の汚染食品は市場に出さない。東電・政府の責任で生産者にも消費者にも、生活保障と健康保障を行う。これからずっと続く食糧汚染を避けるために、休耕地を利用するなどして、非汚染地域で食糧大増産を行う。高汚染地の生産者には、『移住して生産の担い手になる権利』を保障する。水産物の汚染も、非常に危険な状態に入っている。全ての漁港・市場に放射線計測器を設置し、汚染されたものが流通しない体制をつくる。漁業者には補償を行う。
4.除染、がれきなどの汚染物処理
 杜撰な除染は非常に危険であり、効果も期待できない。一般住民に除染作業による被曝をさせてはならない。放射能拡散を防ぐため、汚染がれきなどは、放射性物質を放出した東電の責任において収集し、原発敷地内に戻す。
5.精度の高い検診・医療体制の確立
 内部被曝を軽視するICRP等により、現状の医学・医療現場は放射線の影響を過少評価している。身体のあらゆる部位にあらゆる疾病の出現が懸念される。これらを丁寧に治療できる医療体制を即刻実現する。保障対象の疾病を制限することなしに、放射能被害者の無料の検診・医療制度を確立する。

 以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
(司会)ありがとうございます。それでは、これより市民と科学者による内部被曝問題研究会の記者会見を始めさせていただきます。
 まず、冒頭に肥田先生のご挨拶をいただきたいと思います。お願いいたします。
(肥田氏)時間はどれくらいあるんですか?2,3分ですか?
(司会)それくらいでお願いできればと思います。お願いいたします。
肥田氏(肥田氏)肥田舜太郎と申します。
 広島の原爆を受けて、当時から被爆者の診療をやってきた医師は、現在日本で生き残ってるのは、私一人になりました。
 ですから、実際に原爆を浴びた人間が、外部被爆・内部被曝を通じて、それをずっと診療して事実を見てきたっていう人間は、私一人になったわけです。
 
66年間、ずっと被爆者と付き合ってきました。全国の被団協
という団体の私はたった一人の医師で、中にいまして日本全国の被爆者の相談を一手に引き受けてきました。
 そんなわけで、私が現在まで顔を知っている被爆者で、私が聴診器を当て相談をした人間は、少なくて約6000人もいます。その中には、外部被曝を受けて大変な思いをして今日まで生き延びてきた者もおりますし、内部被曝で説明のできない非常に困難な症状を持ちながら、世間からは被爆者としては認められなくて・・・というのは、外から見て何もないからですね。そういうために、社会から差別を受け、一人前の人間として生きていけなくなった、そういう患者もたくさん見てきました。
 最近、外国の人から
「広島と長崎の経験をした日本が、なんで地震の多い国で海岸にずーっと53基も原発を作った?そんなことがどうして起こるのか?」
というお話がたくさんあります。
 また、日本のテレビでしゃべられる専門家という方々も、そういう話をされます。
 これは、事実です。
 でも、なぜそうなったのかということを、お話になる方は誰も居りません。
 私は、現地からずっと見てきて、この原因はたった一つ、占領したアメリカ軍が、『被爆者の病気すらもアメリカの軍事機密』という声明を出して、
「被爆者に一切被害をしゃべってはいかん、書いてはいかん」
「また医師はその職業柄、被爆者が来れば診療はしてもよろしい。しかし、その結果を書き残したり、それを論文にして論議をしたり、日本の医学界が放射線のことを研究することを一切禁ずる。これに違反するものは、占領軍として重罪に処す」
という声明を発表して以来、被爆者は沈黙を守り、医師は自分の診断した症状を記録もしなくなった。
 ですから、当時の被爆者は、戦後ずーっと経験してきた放射線の被害の実情は、どこにも正確に記録されていない!
 だから、今の政府も、今のお医者さんも、誰もこの当時のことを正確に学ぶ資料が全くありません。
 私は、30ヶ国くらい歩いて向こうの人の医師や学者に内部被曝のことを話してきました。
「そんな大事なことを『あなた』という個人でここへきてなぜ話すんだ?政府の発表した資料は無いのか?」
と聞かれます。
「それは全くありません」
と答えます。
 なんでそんなことになったのか?
「アメリカの線量は7年間続き、その後受けた日本の政府は安保条約を結んで、軍事条約の??、アメリカの核兵器に関することは一切記録をしないということになってるために、できないんです。」
 そういう話をして歩いています。
 私が福島の事故の話を聞いた時、一番初めに思ったのは、
「これは大変なことになったな。」
 あそこの子供も親も東電のあの放射能漏れの影響を受けた人は、放射線そのものが広島・長崎で使われたウラニウムとプルトニウムを混ぜ合わせた、そういう放射線ですから、あそこの人たちに将来、広島と長崎の被爆者が経験したことが、そのまま起こってくると考える方が常識なんです。
 これ、いつ起こるか、広島と長崎の経験でいうと、内部被曝を私たちがたくさん見て、どうしようもなくて理屈がわからなくて困ったのは、ちょうど1年くらい経ってからです。最初に表れだしたのは半年後でした。ですから、恐らくこの3月頃から、彼らの中に医師が見ても診断できない、診断がつかない非常に不思議な症状で、いろいろ苦しむ人が出てくると思います。
 残念ながら、現在の日本の医療界には、その患者を診て親切に相手のできる医師は一人もおりません。恐らく見ても、
「あなたは病気ではないよ」
といって、ほっぽりだす。ちょうど広島と長崎の患者がどのお医者さんにかかっても、大学の医学部に行っても、
「あなたは病気ではない」
といって、追いだされた。しかし、本人は働けない。『ぶらぶら病』という名前で、社会から抹殺されました。それと同じことが起こるのではないかという、私は心配しています。
 日本は、上から下まであの大きな被害を受けた原爆の放射線被害について、全くの無知です。何も知らない。
 今、広島の原爆の被害のあったことは、大人は何とか知ってるでしょうけど、あのキノコ雲の下で人間がどのように殺され、また内部被曝で身体の中に放射線を取り入れた者がその後66年間、どんな苦しい生活をしてきたか、そのことを誰も知りません。
 これは、全部私はアメリカの責任だと思っています。
 私は、当時からアメリカの憲兵や日本の警察に追い回されながら、広島の現地で寝ている被爆者を助けてきました。私は、はっきり申し上げて、別にアメリカの国民を憎いとは思っていません。しかし、あの爆弾を作り、あの爆弾で最初に殺人を考えたこの連中は許すことはできない!・・・そういう意味です。
 日本は、福島の原発だけで終わるわけがない。必ず事故が起こってきます。だから、もう二つ三つ事故が起これば、日本は恐らく滅亡するでしょう。そういう非常に危険な状態なんだということを為政者は誰ひとり考えない。のんきにあそこに出てきて、
「大丈夫ですよ」
なんて言っている専門家というものも、私は本当に軽蔑しているのであります。
 どうか、マスコミの皆さんは、『放射線の被害というのは、下手をすれば人類が生き延びることができない、大変なシロモノだ』ということをお腹に持って、どんな小さな情報でも大事に扱っていっていただきたいとお願いして、私のお話を終わりにします。
(司会)ありがとうございました。それでは、記者会見でございます。質問の在る方、挙手の上、指名をされた方は所属とお名前を名乗ったうえでご質問いただきたいと思います。(諸注意略)
 それでは、ご質問の在る方、挙手をお願いします。
(フリージャーナリスト・田中龍作氏)
 フリージャーナリストの田中龍作でございます。
 今、神奈川県などの放射線瓦礫の受け入れで、県側、行政側は「100ベクレル/㎏以下だから大丈夫だ」というふうに言ってるんですが、それはどういうふうに先生方はどう思われますでしょうか?
(司会)では、お答えいただくスピーカーの方、挙手の上お名前を今一度名乗ってからお答えください。
松本氏(松井氏)ベクレル数が8000ベクレルとか、場合によっては10万ベクレル/㎏とかっていろいろゆれるわけですけれども、本来この事故によって排出された放射性物質、これは東京電力、或いはそれと一緒にいろいろこの間事業を行ってきた東芝・日立・三菱、スーパーゼネコンと呼ばれる様々な企業、大手の銀行、そういういわゆる東電を中心とした、それが出した産業廃棄物と言ってもいいので、そこが本来処理するべきものであって、地方自治体に押し付けるという考え方は、根本的に間違ってると思います。
 特にガス化融解炉とか高温で千何百℃で処理すればいいという考えもあるんですが、いろんなデータをとって、有害な放射性物質がどんどん大気中にも出てくる。或いは非常に高濃度に汚染された灰が残る。それの処理の方法が決まってないわけですね。ですから、今の段階では、それを地方自治体に持ち込んで、しかもお金がついてくる、お金を付けて地方自治体に押し付けるというやり方は、根本的な間違いで、そのことによって、新たな放射線による健康障害を広げることになると思います。
(IWJ/岩上氏)
 IWJの岩上です。よろしくお願いします。
 肥田先生、沢田先生、そして矢ケ崎先生、お三方に質問です。
 アメリカの影響、そして敗戦、その後の占領。そして独立という形をとった後もなお続くアメリカの核戦略、政治支配。それの影響下に我々があるというお話でした。
 ということは、日本の政府、為政者、或いは日本の医学界、科学界というものにそのまま何か提言をしても、それだけでは状況は一向に変わらないということになりますが、この内部被曝研究会というものを立ち上げて実際に海の向こうのアメリカにアピールする、アメリカのこうした支配の在り方を変えるというなにかしらのアピールをしなければならないというふうに思われます。
 具体的にどのような道筋をお考えか、ちょっとお三方一言ずつお願いしたいと思います。
肥田氏(肥田氏)大変難しい問題なんですけれども、一つはアメリカの国内に医師や学者で私たちと同じ考えを持っている方がたくさんおられます。
 現在のアメリカの政治情勢の中では、この方たちは黙らされて、出す本も売れないという状態
になってるんですが、アメリカの国民の中のやはり核兵器に対する反対精力はどっこいどっこいあるんですね。
 これが結束して、アメリカの世論を変えていく中で、今沈黙している医師や学者が必ず我々と一緒になって、特に英国の今の学会は、アメリカから完全に離れて内部被曝を危険とみなす考えに変わってきています。ですから、国際情勢は大変厳しいけれども、一歩一歩事実に基づいたところに足をかけはじめている。私は、この動きに大きな希望をかけています。
 そして、日本の中で黙っている良心をもった学者たちをできるだけ掘り起こして、力を作りながら世界の世論にしていくということが大事で、またできないことではないというふうに思っています。
沢田氏(沢田氏)私は、原爆者認定集団訴訟に関わってきたんですよね。これはもうかなり病気で大変な被曝者が意を決して、「自分の病気が放射線の影響であるということを国が認めてほしい」ということで立ち上がったわけですけど、私の中で何回も証言台に立ったんですけど、そういう法廷の中での論争は、圧倒的に被爆者の側の科学者が、医学者も含めて圧倒的な勝利をもたらしたんですよね。国側の証言やってる人たちは、全然説明ができない。
 というのは、これは事実に基づくかどうか、被曝実態にちゃんと基づいているかどうかというのがすごく大きな影響を与えてるわけです。
 私はもう一つ、今原爆体験者訴訟にも関わっています。これは長崎の原爆の影響がかなり広島より大きかったわけですけれども、長崎市、今原爆手帳を貰ってる長崎の被爆者は、旧長崎市内に居た人ということになってしまったものですから、長崎原爆の爆心地が長崎市の北の方のはずれに落ちたわけですね。そのために、細長い長崎市の南の方は12,3㎞まで原爆手帳を貰ってる人がいるんですけど、北の方の数㎞くらいまでのところは原爆手帳をもらえないということで、「自分たちにも原爆手帳がほしい」ということで今裁判を起こしています。今500人くらいが訴訟に関わってるんですけど、その一番大きな影響というのは、先ほど言った放射線降下物による被曝なわけですよね。特に内部被曝なんですけど。
 
それは私が裁判で証言をするということで、意見書を書きました。その意見書の方に国側の科学者が反論を書きました。その反論を書いた人が、先ほどの最初の脱毛の発症のグラフありますよね、「この四角は放射線の影響じゃない」とその人も反論してきてるわけです。そして、普通、こういう疫学調査というのは、バックグラウンドをやる時は、本当に被曝をしてない人たちの発症率を調べるわけです。そうすると私は恐らく精神的影響の円形脱毛なんかを除けば、ほとんど日本中探しても居ないわけですからゼローパーセントになると思うんですけど、その人は「1%を差っ引くべきだ」と横に線を引っ張っているんです。全く疫学調査ではそういうバックグラウンドを引き算するというのは、一定の値を引き算するのが常識なものだから、彼もそういうふうにやったわけですね。そして共著者20人くらい名前を連ねてるわけです。それは、日本の放射線影響研究のそうそうたる学会だったり、ICRPの委員だったり、国連の科学委員会の委員だったりしてるような人たちが、ずらっと名前を連ねているんですね。そして、そういう大きな誤りをしてるのに、それに気が付かないで共著者になってるわけです。
 ということは、そういう日本の放射線影響研究者のほとんどが被曝実態から真実を明らかにするという経験をあまり持っていなくて、「国際的だ、これが学会の常識だ」と言って、それを鵜呑みにしてやってる人たちが多い
なと思っています。
 ですから、私は本当にそういう放射線の影響なんかを調べてる科学者たちが、事実に踏まえたそういう研究態度になるようにやっていきたいなと思っています。
 私がこういう論文を書いても、イギリスのロンドンの出したりいろんなところに投稿するんですけど、
「これを雑誌に載せると大混乱が起こる」
ということで掲載をずっと拒否してくるというのが、世界中の雑誌なんかの編集者の今の行動なんですね。今の放射線影響学会に対しても、同じことが返ってきて、
「これはすごく政治的な論文だから掲載できない。」
 どっちが政治的なのか判らないんですけど、そういう状況があったんですけど、やっと昨年12月に『社会学研究』という雑誌に英文の雑誌がのっかりました。
 ということで、少しずつ頑張っていけば、事実が広がっていくだろうと思っています。それは事実ですから。
 ということで、学者を民主化していくことがすごく大事だと思いますけど、同時にこういう研究をマスコミの皆さんや日本の政治家の皆さんが、国民にちゃんと伝える。そして
「内部被曝というのは、こういう深刻な影響を与えるんだよ」
ということを伝えていく。そして、民主的な議論を踏まえて、原子力発電をどう考えるか。今日本で「止めた方が良い」という人がかなり多数を占めていますけど、それを政治に反映させていくような、そういう意味で、今日本は黒船がやってきて明治になって、そして15年戦争をやって平和憲法ができた。今度の東北の大震災とか原発事故をどう日本が克服していくかというのが問われてる。すごく大きな日本の民主主義がどうなっていくかということを問われてると思いますので、そういう意味で市民の皆さんと協力しながら、日本のこういう被爆の影響について、科学的に明らかにしたことを世界に伝えていく、そして科学的にそれを国民の皆さんにも伝えていく。そういう努力をやっていく必要があるというふうに思っています。
矢ケ崎氏(矢ヶ崎氏)手短に回答させていただきたいと思いますが、内部被曝が隠されたというのは、アメリカが原爆を投下して被害者を隠し続けてきたということであります。この姿は、アメリカが核戦略の都合で日本政府がそれに全く言いなりに追随して、日本のカッコつき科学者を動員して、それで被爆者を日本の国は苦しめてきたという、そういう構造を持っております。
 この構造は、今私は沖縄在住ですけれども、普天間基地を中心にして、アメリカが日本に米軍基地を押し付けて、それで日本政府がアメリカの言いなりになっている。そして住民を苦しめている。この構造を全く同じ構造でございます。
 
それで、やはりICRP体制というのは、この日本国民・日本国だけ出なくて、世界中を支配している犠牲者隠しの人道に反する体制です。
 これに対しては、科学的な意味できちっと解明していくということと、なにはともあれ、市民がちゃんとした歴史的・科学的認識を持って、市民がきちっと日本を独立国にしていくという、市民の見識を養成しない限りどうしようもないという、そういう側面があると思います。
 そういう意味で、内部被曝研究会というのは、日本の主権在民の主権を獲得する一つの分野であるし、日本の本当の意味で独立、民主主権国家にしていくというプロセスの歴史的な舞台にあるんじゃないか、そういうふうに思っています。
沢田氏(沢田氏)ちょっとだけいいですか。
 今世界中で、特に国連も核兵器禁止条約をやらなきゃいけないというのが、世界の大きな潮流になっています。私はこれを説明すれば、今の核不拡散条約というのがあります。これは核兵器を持ってる国々は、一応核兵器を持ってることを認めている。それ以外の国には核兵器を認めない。その不平等なものを埋め合わせるために、核エネルギーを利用させるというシステムを・・・IAEAなんかもその中にあるし、国連科学委員会なんかもその中にあるわけですよね。
 だから、私はこういう不平等な条約を撤去する。不平等な条約なんですけど、この条約を使って再検討会議で「核兵器禁止条約を作れ」という世界世論が結集してるのは、これは世界世論が不平等さを補っている、そういう要約を止めて、核兵器禁止条約をちゃんとやっていけば、こういう核エネルギーを利用させるという世界的な変な体制が無くなっていくと思うんですね。
 こういう非常にひん曲がった人類社会を早く治していきたいなというふうに思っています。
(アップリンク・浅井氏)
 アップリンクの浅井と申します。
 先生たちのお話を聞いていると、今正確には???していただきたいんですけど、沖縄など離島を除く日本国民は、多かれ少なかれ内部被曝をしているという状況という自覚をしたほうがいいんでしょうか。その上で、肥田先生がおっしゃっている個々の免疫力の差によって、私たちは今生きながらえる方法を選ぶという状況なんでしょうか
矢ケ崎氏(矢ケ崎氏)まずデータの部分を私が一言でお答えして、次に肥田先生にお答えして頂きたいと思いますが、今、空気中の放射能の埃を通じて日本が汚染される。この局面はかなり低くなってると思います。
 しかし、食べ物の中に放射能汚染の物質が入り込んで、それが日本の極めて敏速に働く流通機構によって日本中を覆い尽くしております。ですから、日本国中の住民が汚染されるという危機に瀕している、こういうふうに思います。
(アップリンク・浅井氏)
 矢ケ崎さん、魚の汚染は?????の焼き魚???
(矢ケ崎氏)これはね、まだ、まだ調べてる途中。ただ非常に深刻な状況があります。すいません、まだプレスリリースできません。

肥田氏(肥田氏)どうしたらいいかということについてね、専門家という方は口をそろえて
「原発から遠くへ行け。汚染された疑いのあるものは食うな。必ず大丈夫だというのを点検してから食べろ。この二つが安全な道だ」
ということを皆さんおっしゃる。 
 確かにできればそのとおりなんですけど、実際に福島のいろんな方に会ってみてね、
「できない人はどうしたらいいんですか?っていうのを聞きたい」
というんですね。
それがあまり強いもんだから、私は自分の経験から日本中の被爆者に、被曝したことは間違いないです。みんな外部であれ内部であれ。どうしたら長生きできるかという相談を受けると、
「発病を防げばいい。放射線が原因であって病気になって、それで命を取られるんだから、病気を起こさないという我々は生活を工夫しようじゃないか」
という運動を起こしたんですね。
 みんな、
「どうしたらいい?」
「どうしたらいい?」
 その中にはね、昔から『腹八分で飯を食え』とか、『早寝早起きがいい』とかいろんなのがでますよね。その一つ一つを点検して、やれるものとやっても無駄だとされてるものを集めて、大体20年くらい全国で論議をした結果、これがいいっていうのが一つ柱ができたんです。本当にバカバカしいようなことなんだけど、
「我々の祖先が免疫を作った時の条件は、明かりも無ければ熱も無い。エネルギーを何も持たずに太陽とともに起き、太陽とともに寝て、そして目に見える果物を採ったり魚を捕まえて生きてきた。その時にできた免疫なんだから、その時の状態をあまり壊したら、もう持てないんじゃないか。やっぱりそのためには、『太陽と一緒に起きて、太陽と一緒に寝るのが正しいんじゃないか』。夜中まで煌々と電気をつけて、仕事はもちろんなこと、遊ぶのはとんでもない話だ」
ということになって、じゃあそれを一生懸命やりましょうと言って、何万という人間が実際にやったんですね。その結果、今90すぎまでの被爆者が生き残ってる。
 だから、道は遠いようだけど、皆に誰でも頑張ればできるような方法ですから、まずそこから話を始めよう。誰かが良い薬作って、
「これを飲めば放射線がどこかに出ていってしまう」
というような世の中に来れば、これは御の字だと、それまではしょうがないんだから、そういう気で頑張りましょう。
 その中で一番大きな抵抗があったのは、たばこだったんです。これは「もう絶対ダメ」っていう方と、「なんとか勘弁して吸わせろ」という方がいっぱいいて、なかなか結論が出ないんですけど、そういうことを被爆者はやってきたんですよ。具体的に。
 それで一人一人が命を守って、今日まで来たんです。
 これは、やはり現在福島で被害にあっている方々が参考には聞いた方が良いだろうというので、私はあちこちで話します。
 そうすると、他に何もないものだから、
「たった一つ、これやればなんとかなるっていう希望が一つできた」
って言って皆喜んで帰っていくんでね、それほど彼らは生きず待ってどうしたらいいかわからない。
 だから、私はやっぱりそういう努力をして、みんなしていくべきだろう。誰か偉い人がパッと教えて何とかなるという状況じゃないというふうに思っています。
沢田氏(沢田氏)ちょっと今のご質問に対して言いたいんですけど、広島・長崎の原爆の投下、それから1960年前後に核実験を大量にやりました。そういうことを含めて、世界中の人たちが被曝をして、そしてガンとかいろんな病気で、被曝線量がほぼ比例していろんなのが発症するということになりますと、どういうふうになるかということを国連の科学委員会が、
「世界中で1945年から90年までに117万人が死亡した」
というふうに言っています。
ですけど、それはすごい、先ほどの??の図のように約50倍くらい過小評価した結果なんですね。だから、ECRRはそれを50倍するというふうにしますと、約6000万人になるわけですね。世界中の人口の1%がそういうことであったということでございますね。それにチェルノブイリは入ってるんですけど、今度は福島原発事故が起こって、ずっとそれがまた世界に広がってますから、それを加算しますと、どんどん増えていくということになるわけですね。
 ということで、恐らく地球人口の1%をどのくらい上げるかということで、今度の福島の原発事故で世界中の人たちの死亡率を上げることに繋がっていってるんじゃないかというふうに思います。
松本氏(松井氏)短く一つだけ。
 通常運転でも、液体の核種、トリチウム・三重水素などが出ている。「5㎞圏内が危ない」というのはそれなんですね。いろんな健康障害が出てる。人によっては「50㎞圏内だ」という人も居ます。
 それと、もう一つ忘れてならないのは、六ケ所。私の資料の2枚目の一番上をちょっと忘れたんですが、大量の使用済核燃料が年間800トンともいわれるものが、青森の六ケ所にどんどん溜まり続けてる。これの処理が全く手がついていない。棚に上げてある。
 
このことに全く触れずに、『これからもイケイケどんどん』というところに来ているということを忘れてはいけない。これが3㎞のパイプを引っ張って、海に垂れ流されているということが、六ケ所から出てるやつがすごくあるんですね。
 これは今までのイギリスのセラフィールド
とフランスのラ・アーグでもそうだったわけでものが加わった、というふうにやっぱり見ないといけないんで、そういう証拠はいろいろ昆虫学者の研究成果も出てますし、さまざまな健康障害についての研究もあるので、それを是非いろいろ確かめていただきたいと思います。
(司会)はい。ありがとうございました。
 残り時間全て使い切ってしまいました。大変恐縮ではございますが、今の質疑応答を持ちまして終了とさせていただきたいと思います。
【以下割愛いたします】

最後まで見ていただき、ありがとうございました。
 私はこの研究会に寄付させていただくことに決めました。少額ではありますが、こうやって立ち上がっていただいた方々に、自分に何ができるのか判りませんが、せめてもの・・・。

そして、まだの方は是非こちらにご意見をだしていただきたいと思います。
1月12日 【意見送付しました】厚労省の食品新基準に対するパブリックコメント出しましょう!【飲料水10Bq/kg、一般食品100Bq/kgについて】(2月4日まで)

では、失礼します。
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【関連記事】
年1ミリ以上「集団疎開を」=広島被爆の医師ら、政府に提言-東京
時事通信(2012/01/27-20:37)
 東京電力福島第1原発事故を受け、学者や医師らが設立した「市民と科学者の内部被曝(ひばく)問題研究会」が27日、東京都内で記者会見し、政府に対し、年間1ミリシーベルト以上の被ばくが見込まれる地域の子どもを集団疎開させたり、妊産婦や病人を安全な地域に移したりすることを求める提言を発表した。
 提言は、原発を推進してきた学者ら「原子力ムラ」以外のメンバーで委員会をつくり、事故原因を究明することなども求めている。
 研究会のメンバーで、広島への原爆投下で被爆した肥田舜太郎医師は「日本人は放射線の被害を教わっていない。もっと勉強し、放射線と縁を切らなければいけない」と訴えた。米国の水爆実験で被ばくした「第五福竜丸」元乗組員の大石又七さんは「(日本は)全然進歩していない。原発を導入した人たちの責任が問われなくて良いのか」と憤りをあらわにした。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201201/2012012700946

松井英介3



被ばく研究の団体設立へ 政府批判の研究者ら
2012/01/27 20:59 【共同通信】
 東京電力福島第1原発事故に関連し、政府の被ばく防護策に批判的な研究者や医師ら6人が27日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、内部被ばくによる影響の研究や市民向けの勉強会に取り組む団体を設立することを明らかにした。

 団体は「市民と科学者の内部被曝問題研究会」。ホームページを開設するなど準備を進めており、4月から本格的な活動を始めたいとしている。
 会見には、太平洋ビキニ環礁での水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」の元乗組員大石又七さんも出席。「被ばくの研究は常に政治の圧力を受けてきた。中立の立場で研究することが重要だ」と話した。
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012701003032.html