三権分立(行政・立法・司法)によって独立しているはずの司法が、99.9%有罪判決という異常な日本のシステムの中、どこまで独立性が保たれているか、正直に申し上げまして、私も懐疑的です。

今、さまざまなところで仮処分の申し立てが行われていますよね。
実は裁判所に行ってしまえば、私たちにできることは注目し続けることくらいで、私たちの手から離れていく印象があります。別のステージですね。

裁判官との相性(?)が非常にものを言う制度だと思っています。
裁判の途中でも異動されたりしますしね・・・。

ちなみに、年間被ばく量の話ですが、原発作業員の方でも事故前はほとんど5ミリシーベルト以内で抑えられていたそうです。

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7月12日 広瀬隆氏×岩上安身氏インタビュー【即刻学童疎開を!】@IWJの内容起こし【その①】より

では、どうぞ。

20120125 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(水野氏)東京には近藤さんがいらっしゃいます。
 今、福島県伊達市のお話が出てまいりました。調査の対象となったのは、9443人の方ですけれども、そのうち33人の方、年間の推定値が10ミリシーベルトを超えるという数値です。或いはそのうちお二人は年間20ミリシーベルトをも超えるという数値です。
 どんな印象を持たれましたか?
(小出氏)私は放射線業務従事者というレッテルを貼られた人間で、1年間に20ミリシーベルトまでは我慢をしろと言われている人間です。私のいる京都大学原子炉実験所にも、そういう職員が100人くらいは居ますけれども、年間10ミリシーベルトを超えて被曝するような人はほぼいません。
(水野氏)そうなんですか!日々お仕事なさっている小出先生たちでも・・・。じゃあ20ミリシーベルトというのは、どんな感じなんですか?
(小出氏)原子力発電所で働いてる人たちが、多分今1年間10万人くらい居ると思いますけれども、そういう人たちでも20ミリシーベルトを越えて被曝するような方はほぼ居ないというのは、これまでの、ほぼ・・・本当かどうかはわかりませんけれども、これまでのデータでした。
 もちろん福島第一原子力発電所の事故が起きた後あh、250ミリシーベルトを超えてしまった人も居るわけですし、本当に世界が変わってしまったんだなと思います。
(水野氏)小出先生、今日はですね、私どものスタジオに元金沢地裁裁判長で、現在弁護士でらっしゃいます井戸謙一さんがいらっしゃっております。井戸さんとも是非お話していただきたいと思います。
(小出氏)はい。ありがとうございます。
(水野氏)井戸さん、どうぞ。
(井戸氏)小出先生、どうも初めまして。よろしくお願いいたします。
(小出氏)こちらこそよろしくお願いいたします。
(水野氏)小出先生がもともとは原発の未来を信じて、京都大学入られて、その後女川原発の裁判辺りが発端で、原発のあり方に疑問を持たれたと聞いたと思うんですが、裁判もいろいろと見てこられて、『原発裁判』というものに対しては、どんな考えを小出先生は持ったはりますか?
(小出氏)私は女川でも工事を妨害したということで、刑事事件の被告側に立って裁判を担ったことがありますし、その後で京都大学原子炉実験所に来てから、伊方原子力発電所の裁判というものに関わりまして、私自身も証人として裁判に出廷したりしたことがあります。
 少なくとも伊方の裁判では、原告側、要するに住民側と国側というものが、科学をベースにして論争をずっとしました。井戸さんがやってくださったもんじゅの裁判もそうですけれども、科学的な問題を巡ってずーっと論争を続けたのです。
 私が見る限りは、伊方の裁判では住民側が圧勝したと思っているのですけれども・・・
(水野氏)それは論争の上でですか?
(小出氏)そうです。国側の証人も出てきたわけですけれども、ほとんど国側の承認は反対尋問に耐えられずに、証人席で突っ伏してしまうような人たちが山ほど居た。証拠を求めれば、全部墨塗りがされて出てくるというような状況で・・・
(水野氏)証拠を求めると、墨で塗られて出てくる部分があるんですね。
(小出氏)はい。国の方は、立証するつもりもないという、そういう態度で出てきてですね、いわゆる挙証責任を彼らは、国の方が放棄してきたわけで、
「どうやったら国の方を勝たせることができるのかな。」
とそういうふうに思うくらいでしたが、やはり判決になると国が勝ってしまうということになりました。
 それで、私は
「あぁ、なるほどな。原子力というものは、国家の基本的な方向性を決めるというか、非常に基本的な役割を担っているので、司法がそれにたてつくことができないということなんだ」
というふうに、私は受け止めました。
 それ以降、私は原子力に関する限りは、裁判はやらないと決めまして、井戸さんが担ってくださったもんじゅの裁判に関しても、一切私自身は関わりませんでした。
(水野氏)井戸さんは、裁判長でいらしたお立場で、今の小出さんのようにある種『司法に絶望』を持っていらっしゃるというふうに、私には聞こえましたが、どんなふうに井戸さんはお聞きになりましたか?
(井戸氏)あの、まず小出さん、もんじゅというふうにおっしゃいましたけど、私がしたのは志賀2号機です。
(小出氏)あ、ごめんなさい!失礼しました。志賀でしたね。
(水野氏)志賀原発2号機の時に、住民側が勝訴の判決を下された、運転差し止め命令を出されたんですよね。
(井戸氏)それで、原告側が勝った裁判は、この志賀2号機ともんじゅの控訴審だけで、それも上級審でひっくり返されまして、最終的には全敗ということですから
 そして、小出さんが言われたように、中身的には原告側が勝っていて、原告団或いは弁護団は『当然勝つだろう』と思っていたのに、ふたを開けたら負けていたというような話も聞きますし、そういう意味で小出さんが言われたような感想を持たれるのは・・・それは仕方がないのかなとは思いますが、しかし、私はああいう判決をできたし、それで何か特別にスーパーマンでも特別に頑張ったわけでもなくて、事件の主張と証拠を見て、そこから素直に考えてああいう判決をして、それをすることについて何の妨害も圧力も何もなかったわけですから、やはり司法のそれなりの健全性と言いますか、裁判官が自分だけの判断で結論を出すことができるという、そういう健全性は私は保たれていると思っているので・・・
(水野氏)保たれているけれども、住民側勝訴というのが他にはないという現実ですね。
(井戸氏)それはやはり個々の裁判官がなかなか・・・。それは個人の判断として踏み切れなかった、踏み越えることができなかった・・・
(水野氏)そこの難しさってどういう部分なんでしょう。具体的には?
(井戸氏)それはやはり内容があまりにも専門的で、肩書のある専門家の方々がたくさんバックについて、それで国の原子炉設置許可処分というのが出てるわけですから、それを素人の裁判官が覆すというということについての慄きといいますか、そういうような気持ちだろうと思います
(水野氏)リスナーからです。
『文系の方が多いであろう裁判官の方が、こうした理系の高度な話に対して、どうやって判断を下すのか難しいでしょうね』
ってくださったんですけど、正直そのところは立派な肩書の先生がどんどん出してくる、それをある程度信じるというか、信頼するということになるんですかね?そこを疑うというのは・・・
(井戸氏)もちろん、疑うべき事情を原告側が出してくるわけだから、その双方の言い分を虚心坦懐に見なきゃいけないわけですけどね。
 ただ、問題点は『原発が安全かどうか』なんです。『安全』というのは、100%の安全というのは有り得ないわけでしょ。そうなると、『社会的に許容される程度に安全かどうか』という問題なんですよね。
 それはやはり国民から見て、
「それは100%安全とは言えないけど、これだけの安全対策をとってくれれば、まぁ周囲の住民も国民もそれなりに安心して生活できるね」
という程度の安全対策をとってるかどうかが問題だと思うので、そういう意味では自然的な知見はベースにするけれども、最終的には『社会的判断』であって・・・
(水野氏)『社会的判断』・・・
(井戸氏)それは裁判官ができることだと私は考えているんですけど。
(水野氏)はぁ・・・。小出さんはいかがですか?やっぱり『科学としての論争』と『社会的判断』というお話が今出てきましたよね。
(小出氏)はい。裁判の場所でお互いに証拠を出しながら、反対尋問もあるわけですね。そういうときに、どういう答えをするかということを見ていていただけるならば、その主張が正しいのかどうかどうなのかということは、私は判っていただけるものだと思ってきました。
(水野氏)素人でもですか?
(小出氏)そうです。ですから、私自身は原子力・・・、私は反対してきましたし、国が進めてると言ってきたわけですけれども、私の意見をただ聞く、そして国の意見をただ聞くのではなくて、同じ場所で論争させてくだされば、どちらか正しいか皆さん判るということをずーっと言ってきて、
「一対一の論争であれば、どこにでも行きます。」
と、私は今まで言ってきましたし、出ていくようにしてきたのですけれども、内容が科学的に難しいものであったとしても、それを両者が論争しているところを聞いていただければ、どちらに利があるかというのは、多分ほとんどの方に判っていただけるものだと思ってきました。
(水野氏)そうですか。
(小出氏)はい。
(水野氏)井戸さんね、証拠となる情報が墨塗りに潰されているというような話・・・、これは・・・そんなの、うそでしょ?って思うくらい信じがたい話なんです。私から見たら。
 双方が同じだけの情報を持ってやってるんですか?どうなんですか?
(井戸氏)いや、安全性対する情報は、ほとんど被告側が持ってますよね。
(水野氏)つまり電力会社側や国側が持っていて、じゃあ住民側は十分な情報は持てない?
(井戸氏)それはもちろんいろいろ調べて、情報収集はしますけど、やはり情報量の格差っていうのは、圧倒的な違いがあるので・・・。
 先日も・・・
(近藤氏)井戸さんの判決のいきさつは、私なりに理解してるんですが、今回3.11のあぁいう事故が起きてね、その結果を踏まえて、
「出した裁判の判決っていうのは、どうも疑問がある」
というようなことで、裁判官を辞めたとかそんな動きっていうのは、今のところないんですか?
(井戸氏)その後ですか?原発を担当した裁判官がですか?
 それは聞いたことないです。
(近藤氏)その人たちは、どういう解釈の中で生きてるんですかね?
(水野氏)そうですね・・・。
(井戸氏)それは・・・内心は判りませんけど、建前としては、当時の主張・立証に照らして適切に判断したというふうに思っているとおもいます。
(近藤氏)要するに法廷の中での・・・。
 井戸さんの場合は、やはり今回の事故をそれなりにお考えなさって、自分の判断に、いわば自身をいだいていますか?そういう思考の流れっていうのはあるわけでしょ?
(井戸氏)そうですね、それは言い渡した時から、あの裁判における主張と立証からすれば、「この結論しかない」と自分としては自身をもって判断してましたので、その気持ち自体は揺るがないです。
(近藤氏)事故が起きた時に、「やはり起きたか」っていう気持ちはありましたか?
(井戸氏)それはありましたね。
(近藤氏)だとすれば、本当に良心に基づいて皆さん判決なさったにしても、事故をそれなりに受け止める気持ちっていうのは、やっぱりなんかこう、聞きたいところは私にはありますね。
(井戸氏)うーん、あのお一人取材などに応じておられる方がいらっしゃいますけども、やはり「その認識が甘かった」という反省の弁は述べておられました。
(近藤氏)そうですか。
(水野氏)そういう声が出てきてくださることで、私たちにしたら司法が変わっていくのかなと、あり方がわかっていくのかなと見えてくるかもしれません。
 小出先生、どうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
 井戸さん、本当に失礼しました。もんじゅと間違えていました。今後もよろしくお願いします。
(井戸氏)よろしくお願いいたします。
【以上】


【関連記事】
年間被ばく10ミリSv超33人 伊達市の住民測定結果
河北新報社 2012年01月25日水曜日
 原発事故を受け、福島県伊達市は25日、中学生以下の子どもや妊産婦、放射線量の高い特定避難勧奨地点がある地域の住民ら9443人に配布している小型線量計(ガラスバッジ)による被ばく線量の測定結果をまとめ、年間の推定値が10ミリシーベルトを超える人が33人に上ることを明らかにした。このうち2人は国が避難の目安としている年間20ミリシーベルトを超えた。
 市によると、2人は勧奨地点がある霊山町の住民で、市の聞き取り調査に「屋外で農作業をした」などと説明している。33人に妊産婦や子どもは含まれていない。
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/2012012501001669.htm


川内原発停止求め5月提訴へ 国と九電に3県弁護士ら
2012/01/22 18:51   【共同通信】
 鹿児島、宮崎、熊本3県の弁護士らでつくる「原発なくそう!九州川内訴訟」の弁護団準備会は22日、鹿児島市内で会議を開き、川内原発全2基(鹿児島県薩摩川内市)の稼働停止を国と九州電力に求める訴訟を、5月をめどに鹿児島地裁に起こすことを決めた。
 弁護士は「東京電力福島第1原発事故で、原発の危険性が証明された」と主張。国に対しても「事実上、九電と一体となって原発政策をリードしてきた」として責任を追及する方針。原告は、千人を目標に2月から募集する。九電管内の原発では、福岡と佐賀両県の住民らが、玄海原発の全面停止を求める訴訟を昨年12月に起こしている。
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012201001576.html

【追記】



【さらに追記】1月28日
2012.1.26(木)ニュース解説 眼 原発事故の裁判所の責任を問う!
解説:神保哲生(ビデオジャーナリスト)
アシスタント:井田香菜子(慶応大学3年)
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