※この記事は、
11月17日 東電:工程表改定【毎時0.6億ベクレル放出[推定]、『冷温停止』に向けて・・・?】
1月21日 東電:4号機の漏えい汚染水は表面線量0.1mSv/h、3号機でもにじみ漏れ、内視鏡の動画など・・・に関連しています。

第2回中長期対策会議が開かれました。
その資料を見ていて、気になることをご紹介しようと思います。

政府・東京電力中長期対策会議 第2回会合(2012年1月23日)
 議事次第
 
名簿
 
【資料1】第1回会合議事概要
 
【資料2】プラントの状況
 
【資料3】個別の計画毎の検討・実施状況
 
【資料4】東京電力(株)福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ進捗状況(概要版)
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/conference-j.html#man

皆さんも非常に心配されている4号機の使用済燃料プールですが、使用済燃料を取り出すために、瓦礫を除去して天井クレーンの再設置をしようとしているようです。
当面は、原子炉建屋の南側と北側の外壁・柱・屋根等の鉄骨を解体して再構する予定のようですが、心配される使用済燃料プールに影響が出ないように進められるのでしょうか。

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また、5,6号機側にもシルトフェンスを張るようです。(やってなかったんかい・・・。)
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さらに注目なのは今までの汚染水対策として、セシウム専用除去装置ではなく、多核種除去設備を設置する方向で動いています。
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この中で気になる箇所は、やはり告示濃度限度に対し、試験結果の数値が出ていないことですね。
『告示濃度限度以下なら良い』
というのは最低基準ではありますが、この処理した後の水を恐らく海へ流すつもりでしょうから、やはり総量が問題になってきます。濃度の問題ではありません。
この事故によって、すでに0.05ミリシーベルト/年などという液体廃棄物の目標値は全く意味をなさないほど放出してしまっています。(下記資料参照のこと)
日本国内に対してはもちろん、諸外国に対しても、この数値を公開すべきでしょう。

また、この設備を設置するために、福島第一原子力発電所敷地内の森林を伐採する必要があるとのことです。
森林伐採されるときには、恐らく森林に付着していた放射性物質が再び舞うのではないかと予想されます。
この作業をされるときには、必ず広く告知をすることと、作業時間帯や風向きなど周辺地域の方々に対して必要な情報を先行して発表すべきでしょう。

【文科省HPより】
発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に関する指針について
原子力委員会 昭和五〇年五月一三日
1 線量目標値

発電用軽水炉施設の通常運転時における環境への放射性物質の放出に伴う周辺公衆の受ける線量当量を低く保つための努力目標として、施設周辺の公衆の受ける線量当量についての目標値(以下「線量目標値」という。)を実効線量当量で年間50マイクロシーベルトとする。ただし、線量当量の評価においては、気体廃棄物については放射性希ガスからのガンマ線による外部被ばく及び放射性よう素の体内摂取による内部被ばくを、また、液体廃棄物中の放射性物質については、海産物を摂取することによる内部被ばくを実効線量当量で評価するものとする。なお、線量当量の評価は、施設周辺の集落における食生活の態様等が標準的である人を対象として現実的と考えられる計算方法及びパラメーターにより行うものとする。
ここで設定した線量目標値は、周辺監視区域外の線量当量限度及び周辺監視区域外における放射性物質の濃度限度の規制値に代わるものではなく、いわゆる「as low as reasonably achievable」の考え方に立って周辺公衆の受ける線量当量を低く保つための努力目標値であるこの線量目標値が達成できないことをもって、運転停止、出力制限等の措置を必要とするような安全上の支障があると解すべきものではない
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19750513001/t19750513001.html

【ATOMICA HPより】
環境放射能安全対策の概要 (11-02-08-02)
(2) 実用発電用原子炉の運転に伴い発生する放射性気体及び液体廃棄物については、それぞれの廃棄物処理設備により濃度及び量を低減するための処理を行い、気体及び液体廃棄物の一部については「線量目標値」に関する指針で年間0.05ミリシーベルト(5ミリレム)以下を満足するように年間放出管理目標値が定められており、放射能レベルを監視しつつ、周辺環境に排出されている
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=11-02-08-02

また、概要をご紹介しておきますが、やはり現在も少なくとも7000万ベクレル/時の放射性物質が放出され続けています。(1~3号機、空間線量のみ)
前回の評価より1000万ベクレル増えてますね・・・。

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現場の方々は、本当に頑張ってくれていると思います。
言葉ではうまく伝えられませんが・・・。

失礼します。

【関連記事】
福島原発で放射性物質の放出増加 内視鏡調査などが影響か
2012/01/23 21:23 【共同通信】
 東京電力は23日、福島第1原発1~3号機からの放射性物質の放出量が毎時0・7億ベクレルとなり、昨年12月の同0・6億ベクレルから増加したと発表した。2号機の内視鏡調査の準備や3号機周辺の解体作業で放射性物質が舞い上がったのが原因と東電はみている。
 東電によると、1号機の放出量は昨年12月の5分の1程度に下がったが、2、3号機でそれぞれ0・1億ベクレル増えた。
 東電はまた、汚染水に含まれるセシウムだけでなく、コバルトやストロンチウムなど約千種類の放射性物質を除去できる新たな「多核種除去設備」を設置すると発表した。
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012301002368.html

1~3号機の放出量増加=放射性物質「作業で舞った」-東電
時事通信(2012/01/23-21:46)
 東京電力は23日、福島第1原発1~3号機の原子炉格納容器から放出された放射性セシウムの量を測定した結果、1時間当たり計約7000万ベクレルだったと発表した。昨年12月の測定に比べ、約1000万ベクレル増えており、東電は「作業員の出入りや、がれきの撤去で放射性物質が舞い上がった」と説明している。
 測定結果は、同日開かれた政府と東電の中長期対策会議の第2回会合で報告された。
 東電は毎月、放出量を測定している。前回12月の測定では1、2号機が1時間に1000万ベクレル、3号機は同4000万ベクレルだったが、今月は1号機が同200万ベクレルと減少した一方、2号機で同2000万ベクレル、3号機で同5000万ベクレルに増加。1~3号機で計1200万ベクレル増えた計算になる。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012012300770
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