※この記事は、
8月27日 【動画・要点】「原発」国民投票、やるべし、やれるよ、やりましょう!飯田哲也×杉田敦×マエキタミヤコ×宮台真司&今井一【その①】
9月27日 経産省「総合資源エネルギー調査会基本問題委員会」に原発政策に批判的な有識者を委員に!
9月27日 【動画あり】原子力委員会:『原子力政策大綱』会議再開
10月3日 【動画あり】経産省:「総合資源エネルギー調査会」初会合の様子
10月28日 【動画・内容起こし】神保氏:メディア問題の本質①『記者クラブはなぜ問題なのか?』【ミニマムアクセスと特権】
1月20日 【関連動画あり】次回のストレステストは意見聴取会は傍聴なしで開催へ【ドイツにあって日本に無いもの】などに関連しています。

先日は、ストレステストに関する意見聴取会に関して記事をUPいたしましたが、今回紹介される総合資源エネルギー調査会や原子力政策大綱はなかなか追えていませんでした。
良い機会なので、この後フル動画を見ようと思います。

さて、今回はビデオニュースドットコムの神保さんと社会学者の宮台真司さんです。
私の印象を申し上げますと、神保さんのお話は割とすんなりと耳に入ってきやすいのですが、宮台さんはちょっと言葉が悪いかもしれませんが、いわゆる『インテリ』っぽい印象で、ちょっととっつきにくいというのが正直なところです。
でも、宮台さんのお話もとっても説得力があり、何が問題なのか、このままだとどうなってしまうのが一番怖いのか、客観的にお二人でお話されています。

『空気を読む文化』、『事なかれ主義』、『経済第一主義』のままで居てはいけないということ、ひしひしと感じます。

是非、ご覧になってみてください。

では、どうぞ。

推進派も反対派も主張の真意が問われ始めた (2012年01月21日) 神保哲生×宮台真司


【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(神保氏)また始まった有識者会議ウォッチングなんですが、今週はですね、二つ、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会だっけな?あと、原子力大綱の策定委員会ですね、その二つが今週はあったので、ちょっとそれを見ていただくのがいいかな。ちょっと復習みたいになりますけど、去年の後半にどちらも論点整理というのが出てきて、論点整理を巡ってちょっと紛糾があって、ある種ちょっと仕切り直しをして話を進めようとなっているというところですね。総合資源エネ庁は、電力改革という、ようするに発送電分離、或いは地域独占をどうするかの議論。それから、大綱のほうは、二次被害区域、つまり避難状況の見直しがあるということについての議論ということです。
 まず、委員会そのものは、全部また委員会の方のサイトでも見られますし、ビデオニュースのほうでも見られるようにしますので、もし関心のある方は、その委員会の全体を見ていただければと思います。今回は、その中からサビの部分だけ、二つの委員会から抜いてありますので、ご覧ください。


<VTR開始>
1月18日経産省:総合資源エネルギー調査会 基本問題委員会
(河野龍太郎氏/BNPパリバ証券チーフエコノミスト)
 通常の多くの業種においては、独占というのは競争阻害行為でありますから、通常の産業においては許されていないわけですね。だけども、然るべき理由によって、公益性の高いものについては規制があるということで、自由競争でなくて、例えば電力のように地域独占が容認されてるということなので、まずこの地域独占が敷かれている現状が妥当なのか?ということを問う必要が十分にあると思います。
(飯田哲也氏/ISEP所長)
 今の電気事業連合会っていうのは、カルテルではないのか?と。
 それから、もちろんそのカルテルという側面もあるし、もう一つはこの間多々報道されているメディアとか政治とか学者への献金等々、やはりそういったものによって政策がゆがめられてきているような実態をどういうふうに今後防止していくのか。
(豊田正和氏/日本エネルギー経済研究所理事長)
 発送電分離というのが非常に華やかに議論をされ、各国が少なくとも単著を始めた時期というのは、エネルギーと価格も安定し、エネルギーの供給量も非常に豊かにあった時期で、競争による価格低下というのは、非常に重要だったときだろうというふうに思います。
 ただ、今はどちらかというと量が不足し、コストが上がっていくという時期で、いわば『戦時である』と。そうすると、同じ電力システム改革というこの論点を見た時にですね、当面やらなきゃいけないものは一体何なのかということは、『戦時』と『平時』と違うのではないか?と。
(河野龍太郎氏/BNPパリバ証券チーフエコノミスト)
「いまは『平時』じゃなくて『戦時』だ」
ということでおっしゃられたんですが、それはあれですかね?
「現在が戦時だから、規制を強化した方がいい。」
或いは、
「価格統制的な方向の政策をとったほうがいい。」
とおっしゃられているのか、ちょっとそこだけ、確認をしたいんですがいかがでしょうか?
(豊田正和氏/日本エネルギー経済研究所理事長)
 フィードインタリフという形で再生エネルギーを入れていかなきゃいけないということも、どちらかというとむしろ『戦時』で、そういう意味においては規制の強化も必要であるということだと思います。
(河野龍太郎氏/BNPパリバ証券チーフエコノミスト)
 あの、念のためお話しておきますと、例えばオイルショックの時に価格高騰を回避しようとしたところのほうが、不足が起こっているというのが一般的な認識なのでですね、むしろ価格が上がることによって、需要が抑制されて需給が促されるというメカニズムもあると思いますが、それをご認識の上でおっしゃられているわけですよね?
(豊田正和氏/日本エネルギー経済研究所理事長)
 石油危機の時には、規制がものすごく強化されたということをご認識の上でお話いただいているんでしょうか?
(松村敏弘氏/東京大学教授)
「今は緊急事態だ。需給がひっ迫しているようなときにこんな議論を・・・」
という話は、豊田委員に限らず、いろんなところでそういう議論を聞くのですが、私はそのような議論を聞いた時には、まず一番最初に考えることは、
「もし仮に、平時にシステム改革のような重要なことがずっと議論されて来て、それで震災が起こって、この緊急事態に一旦中止して、そのあとちゃんとやりましょう」
と、こういう議論をしている人たちなのか、
「震災前にそういう議論を全くしていなかった、或いは邪魔をするばっかりの人がそういうことを言ってるのか?」
ということは、ちゃんと考える必要がある。
 私は、このような需給ひっ迫の時期だからこそ、こういう根っこからのシステム改革は非常に重要だと思っています。

<VTR開始>
1月18日原子力政策大綱策定会議 第11回会合
(金子勝教授/慶應義塾大学)

 従来の安全基準との関わりでは、特に妊娠中の女性の内部被曝1ミリ以下と妊娠可能な女性の腹部外部被曝の2ミリ以下などの基準ていうのは、明示されてないんですけど、どうみても従来の基準から見て、これは中間目標とはいえですね、非常にこの間安全基準が上へあがっては自然減衰とともに下がるというようないい加減な安全基準っていうのは、不安を招いてるというふうに思います。
 現に、福島県から大量にそういう女性や子供の流出という、人口の流出が起きてるわけですから、意味のない基準になってしまっているというふうに思います。
 それから、この周辺地域の関してですね、
『2年後に10ミリシーベルト、次の段階を5ミリシーベルト』
と、一体何年かかるのかという、本当の目標がよく判らないんですね。
 長期で2年だけでも、もう既に町は崩壊するわけですね。そうすると、その次、これだけかかれば、実際どれだけの人間が残るのかと考えると、現地の井戸川双葉町長の言うように、新しい街を提供しない限り、地域のコミュニティーは崩壊してしまうというふうに思います。
(伴英幸共同代表/原子力資料情報室)
 放射線防護の基本の一つには、『線源から離れる』ということがあって、避難はその一つとして実施されていると思いますけど、こういう段階になってくると、移転ということも当然、方法としてあるわけで、その移転についてここでは全く書いてないんですね。
 国も対策をとろうとしていない。
 法律では、1ミリシーベルトっていうのが制限値になってるわけですから、それを超えるような地域について、もしその人が避難をしたいということになれば、それは国の方でそれを認めていくというようなシステムを作っていかないといけないと思います。
 多くのお金が出て、除染ということで始まって、結局大手のゼネコンがどっと入ってきて除染作業をしていく。地元は雇用という点では多少はあるかもしれないけど、地元の経済って全然効果が無いというか、副次的な効果しかないという、そういうことなんですけど、多分除染というのは非常に長く続くでしょうから、そういう意味では、地域経済、或いはそういうのに本当に役立つような形で除染の体制っていうのをとっていっていただきたいと、こんなふうに考えています。
<VTR終了>

【フル動画】
総合資源エネルギー調査会~基​本問題委員会~ 第8回
・ニコ生⇒
http://live.nicovideo.jp/watch/lv78039395
・Videonews.com⇒http://www.videonews.com/press-club/0804/002218.php
新大綱策定会議(第11回)
http://wwwc.cao.go.jp/lib_007/video/120118_1.html

(神保氏)はい。委員会は長いんでね、短いと楽しんですけどね。
 要するに発送電分離について、或いは自由化については、今は需給状況がひっ迫しているので、『戦時である』という、平時・戦時の『戦時である』。
「だからそういうときにそんなことをやるべきじゃない」
と言ったらば、最後松村先生がぴしゃっと。
(宮台氏)もう「戦時だから体制を変えてはならない」っていうのは、ナンセンスな議論で、戦時であれ準戦時であれば、ますますセキュリティ、安全保障が非常に重要になるのでね、需給のひっ迫した中で独占体制に依存するとか、その独占体制が原発に依存するとか、なんとかに依存するとか、ようは依存よりも分散が、或いは依存よりも自立、集中よりも分散がセキュリティ上メリットがあるのは、アーキテクチャ上明らかなのであって、だから頭の悪い人ですね、あの人は。
(神保氏)まぁだから、
「そういう時に自由化だのなんだのをすると、最初は混乱があったり????する可能性があるから、戦時だからそんな余裕はない」
ということを言おうとして、自由化反対意見を出したんだけど、松村さんの面白いところは、
「そういってる人間が、じゃあ平時に変えようとしてたかどうかを見ないとダメだよ。散々それをつぶしてきておいて、今は戦時だからやめようっていうのは、全然話にならない」
っていうふうに言われちゃうと、まぁ。
 あとは何か話し方がね、『なんとかであることを認識なさっての話ですか?』みたいな言い方とか、相変わらずやっぱり・・・なんか・・・なんですよね。
 ただ、これが一応非常に重要なエネルギー基本計画をほぼここで原案作りを、両案併記になる可能性が高いとはいえ、原案作りをするという場所なので、日本人がエネルギー政策を転換できるかどうかの非常に重要なのは、この総合資源エネ庁にかかっているということですね。
(宮台氏)まぁあの、どだい電力会社がね、原子力に依存するという体制は、普通に考えてね、今後はやはり継続可能ではないですよね。
 その理由は簡単なことで、例えば、原発安全神話に象徴されるような信頼、良くも悪しくも、騙された上で形成された完全にペテンの信頼でしたけどね、その信頼がまさにペテンによって、或いはペテンであることが次々と明らかになることによって、或いは災害が起きた時の危機管理の在り方についても、実は全く計画もなければ準備も無かったということが明らかになることによって、信頼は完全に地に落ちており、その信頼を回復できるめどが全くたっていないんですね。
 どだいシステムに依存して、その結果起こったことが我々の原発行政に必要な信頼を失わせてしまったのですね。
 この状況でですね、今後例えばどのような決定メカニズムを使って、原発政策の継続を決めたとしても、今までのように回ることはもう二度と無いですよね。
(神保氏)もう信頼してもらえないですね。
(宮台氏)そうですね。或いは反原発運動、脱原発運動が従来のように単にカルトとして扱われるということは、今後は全く無い。
 その意味でいえば、原発政策の支持・不支持が、直ちに地方議会の議員さんや国会議員さんの票に直結する時代が、もう来ていますのでね。
 もう従来のような信頼を前提にした、インチキな信頼でしたけど、原発行政はもう無いんだということをね、この頭の悪い人たちが判ってるのか?ということですよね
(神保氏)さっきの松村先生の議論というのは、ある種それの決め手みたいなところがあってね、
「結局なんだかんだ言いながら理屈を見つけてきて推進するんだと言っても、言ってる人が今まで何を言ってきたのかというのを見たら、それが本当に大事だと思って行ってる人なのか、それとも全く別の動機でどっかから持ってきたものなのかということを見なきゃいけない」
って言ったってことは、まさに信頼がね。
「根っこの部分がもう無いよ」
って言ってるわけですね。
(宮台氏)そうそう。経産省の役人もね、僕、「頭が悪いなー」って本当につくづく思うのはね、従来の既得権益者をそうやって入れちゃってるでしょ。そしたらね、原発行政に対する国民の信頼は、ますます戻らないわけですよ。どんなに一致させたってもう全然味がなくなっちゃうわけですね。
 つまり、
「経産省の官僚たちにとって都合のいいことを、それは言わせられるだろう。そういうやつらなんだからさ」
ってなってきてるからね、そうなっちゃって、結局原発行政に関する信頼が取り戻せなければ、実は全く持続可能じゃないんだという、社会的な・・・ある種の常識みたいなものが欠けてるんだね。

(神保氏)まぁ『舐めてる』んですね。逆に言うとね
(宮台氏)まぁね。
(神保氏)何とでもなると思ってる。ただもう理屈の上じゃないわけですよね。
(宮台氏)そう、信頼の問題です。
(神保氏)逆に理屈を練れば練るほど、その理屈を言ってる人がどういうことを言ってるのかを疑われる、言えば言うほど、逆に説得力があればあるほど、逆に危ないっていう話になるでしょ。
 あとは、この避難区域の問題にも関わってくる問題なんだけどね、宮台さん。
 去年の年末に『収束宣言』っていうのをやっちゃいましたよね。あれが実際は『冷温停止状態』とか、『収束』の意味というのがどういうものかっていうのは、けっこうこの番組しっかりやった。だから、本当のことはわからないけど、今のとこ出来てるんで、とりあえず継続的に小康状態にあるということを言ったんだということだったわけだよね、あれはね。いろいろ聞けばそういうふうに説明するんだけど、ただ、『収束』とか言っちゃったから、もう。
 でもね、そこで早速僕、心配なことがでてきたのが、実は新年早々に宮台さんも言ってたけど、一時的に福島のセシウムのレベルっていうのが高くなりましたよね。1月2日に上がりましたよね。
(宮台氏)相当あがりましたね。
(神保氏)これは、理由が判らないっていう説明と、
「風で舞い上がったくらいにしか考えられない」
という言い方だったんでね・・・
(宮台氏)でも、1月2日っていう???が説明できないね。それは。
(神保氏)できないし、それからその後に2号機の温度が、『冷温停止』で『収束』したはずの2号機の温度がまた上がっちゃってると。どうも2号機の燃料が一番飛び散ったというか散らばってるような可能性が高いようなんだけど、ちょっと圧力容器の中にも部分的に残ってるんじゃないかと。
 写真撮ろうとしたんだけど、なんか、蒸気で全く水面が見えなかったということですね、今回ね。
 でね、僕が心配したのはそこです。
 もう『収束』って言っちゃったんで、安易にこういう原因だと思われるみたいなことは、政府が言えなくなってるじゃないですか。
(宮台氏)あのね、僕、弟がいわき市にいたので、今は引っ越しちゃってるけど、いわき市の情報がある程度入ってくるんですが、やはり収束宣言をして以降ね、人がやっぱり戻るっていう動きがものすごく加速していて、実は昨年の段階では、不動産はマンションとか賃貸とか、結構がら空き状態だったんですけど、今は、これ開沼博さんもおっしゃってるね、どこも満員御礼のお札が出ていて、空きがありませんみたいになっちゃって、どんどん人が戻っちゃってる。
 『収束宣言』が社会的な、政治家のシンボルになっちゃったんですよ。
 「実体どうなってるのか?」っていうことが確認できたわけじゃないのに、あの宣言が出たっていうことだけでね、
「もう戻っていいんだ。」
或いは、
「今こそが戻るべきときだ。」
みたいな話になっちゃっていて、その中でまだ帰ってこないとか、収束宣言以降福島を出ようとする人間たちとね、やっぱり戻ってくる、或いは戻ってきて当たり前じゃないかみたいに思う人間たちの間で、やはりコンフリクト(摩擦)があって、尚且つそういう流れの中で、これ大変なことなんだけれども、各役所とかいろんな役所の出先機関には、経産省の役人が入ってきていたりとか、東電の社員が『応援』と称して入ってきたりしていて、やっぱ残念なことなんだけれど、そういう中で、つまり、『空気』の問題ですけどね、自由な議論ができる『空気』が無い
という話になっちゃってるわけですよ。
(神保氏)言霊だったんだね。やっぱり僕のソウルが言ったときの言霊の要素は強いんですね。
(宮台氏)そうですね。だから、ある流れが明らかに加速していて、その結果、ある空気が醸成されて、加速された流れを押しとどめるような動きを作りにくくなってる。
(神保氏)KY感が出ちゃうわけですね。
(宮台氏)そうなんですよね。だから、そういうことを予想できるじゃないですか。野田っていう総理の頭の悪さって何なんだ?
(神保氏)だからヘタすると、それを言わせてる側がですよ、仮に言わせてる人間が居たすれば、そこまで計算してる可能性が高いわけですね。
(宮台氏)まぁそうです。当たり前ですね。
(神保氏)だから、このKY感はね、僕らはすごく思うのは、例えば原発が???2,3日前にやってるときも、世の中的にはすごいKY感があったわけですよ。
「原発のことを危ないなんて今更言うなんて。あの人たちはそっちの人なのね」
みたいなものだったじゃないですか。ずっと同じようなことをやってきて、世の中が一時的にすごい勢いで「原発危ない」の方にきて、一部ではもうそれを遥かに通り過ぎて、「我々がむしろおとなしすぎる」という感じのことを言う人に、宮台さん若干走ったけどね、いろいろとマエキタさんなんか引っ張られて。
(宮台氏)あれは走ったんじゃないよ、別に。
(神保氏)でも、かなり宮台さんは発言されたけどね、でも、???的にはある程度、あんまり・・・一気にぶれるようなことはしないようにして、ちゃんと大事なことを伝えるというスタンスだったけど、もうちょっと・・・「原発について危ないことだけをとにかく集めてくれ」的な、情報が一時は席巻した時代があったと思うんでね。
 世の中がちょっとある種こっちを通り越していって、またすごい引いてる感じがするんですね。
(宮台氏)それはね、今いわき市とか福島の近辺で起こってることとしてお話したことの表れですよね。
(神保氏)全国でどうも起こってるような感じ
(宮台氏)それは、やっぱり『空気』っていうことは、やっぱりすごいこの社会で重要なんだなっていうことが判る事例なんですよ。
 それでね、僕が発言してきた主要な理由は二つあって、空気の中で「事態を低く見積もろう」とかね、或いは「不正確なことについて言わないでおこう」みたいな話がずーっと支配していたので、リスクマネジメントのために必要な『最悪のシナリオ』みたいなことについて、一切言えない状況が、やっぱ『空気感』的に続いていたんですね
(神保氏)そのとおりです。
(宮台氏)なので、『最悪のシナリオ』はこうだっていうことをいろんなところで言い続ける必要があったというのは、まず一つある。
(神保氏)予防原則ですね。
(宮台氏)しかし、もう一つはね、経産と東電が悪者だとかいう議論は、僕に言わせると本当に有り得なくて、経産と東電にあるような組織原理、或いは原発周辺に漂ってるような原子力村の空気感とか、もちろん原子力立地地域の空気みたいなものっていうのは、日本中どこに居てもあるものです
(神保氏)ほかの問題でもね。
(宮台氏)そうなんですよ。なので、敵と味方を分けて、
「こいつらが諸悪の根源だ」
「極悪人だ」
みたいな議論はね、やはり木を見て森を見ない議論なんですよね。
 僕はね、この日本がすごく『残念』なのは、メディアも含めてそうなんだけど、社会学で『切断操作』っていうふうに言ったり、『カタルシス』って言ったりしますけどね、実質、社会システムがより安全なより公益的なものになったのかどうかということを問わないで、やはりカタルシス、気分がすっとするとか溜飲を下げるという次元で側面検証に価値を見出す、或いはそれで商売をする人たちが、やっぱり非常に多いということなんですよね

 ある意味でリスクマネジメント的に『最悪の事態』を想定しなきゃいけないということは、一方でありながら、他方で、
「こいつこそが諸悪の根源だ」
みたいな方向での過激化っていうのは、明らかにカルトなんですよね。
 やっぱりカルトを廃する、例えばカルトが中になって『空気の支配』が同じような意味であったりするんですよ。

 これ社会学の基本的な認識ですよね。
 原子力村に存在するメカニズムがね、脱原発の党派の中に存在するのは当たり前なんですよ。
 そこに諸悪の根源を見出さずに、技法策的なことばかり考えていても、実は原発政策を日本が止められない理由がわからないし、先ほど見たような委員会や協議会とか検討会みたいなのが、今まで山ほど開かれてきながら、何ら原子力行政に対して資するところが無かったということの意味も、やっぱり分からなくなっちゃうんですね。
(神保氏)現に、もう委員会の情報なんて、ほとんど報道もされないですから、サイトには出てるんですよ。ノーカット版はね。それから、????では、こうやってNコミでやってますけど、他はほとんど委員会事態を関心を示さなくなってしまっている。
 答申が出た時だけ、ちょこっとベタ記事みたいなニュースになるんでしょうけど、これではやっぱりね、エネルギー政策変えられないですよ。
 要するに、民意の後ろ盾みたいなものが無くなってしまってるんですね
。そこにね。
 だから、メディア的にも僕大きいと思いますけど、やっぱりこの本当に原発の問題でエネルギー政策に関心を持ったら、今の主戦場はあそこなんだから・・・。
(宮台氏)敗戦の時と同じですよね。
 失敗の研究で繰り返し明らかにされてきた、日本では乏しい研究なんだけれどね、残念ながらやっぱり日本は敗戦後、ドイツのように『何が駄目だったか』という研究を十分にしないで・・・
「陛下の終戦の詔書以降、我々は心を入れ替えて民主主義者になりました」
とか言ってですよ、教科書を墨塗りした程度のことで、
「私たちは悪かったです」
みたいな表現になっていると思いこんでしまったんですね。
 実は、何が戦前的なものを引き起こしたのか、戦時中的なものを引き起こしたのか。
 これは全然検討していないから、原子力村的なものがあるわけです。
簡単に言えばね<苦笑>
(神保氏)そうですね。
(宮台氏)今更止められない空気にあらがえないとかね、そういう意味で言えばですよ、それこそ
「陸軍参謀本部が悪かった!海軍・軍令部が悪かった!」
みたいな話と一緒でね、
「あんた、朝日新聞、お前が一番悪いじゃねぇかよ!」
みたいな話がね、どこかに消えてるわけですよ。
(神保氏)うーん。まぁ、あの、継続的に若干KY感漂いますが、これをやっていこうと。
 日本の今の主要な政策とか主要な論点の中に、『エネルギー政策の転換』というのは、ほとんどどこ見ても入ってないんですよね。なんか、『税』と『社会保障の一体化に向けて』とかそういうのは入ってくるんだけど、あとは『議員定数』とかが大きな争点で、『エネルギー政策の転換』っていうのが・・・、原発問題には関心あるんですよ。結構ね、まだね、原発うんぬん、放射能うんぬん、食の汚染とかっていうと皆すごく関心あるみたいなんだけど、『エネルギー政策の転換』っていうのは、どうも今の日本の優先議題の中に、多くのメディアを見る限りには入ってないみたいになっていて、どうなんでしょう、このままだと答申が出て、国会でがやがややってて、その度にちょこっと報道されるんだけど、これじゃあやっぱり【民意の後ろ盾があるような状態で政策を転換する】という状態にはならないですね。これだと。このままだと。どうも下手をすると。
(宮台氏)まぁ日本人の悪い心の習慣だと思うし、それを支える社会システムの流れだと思うけれども、『収束宣言』を機会にして、『空気』が一変するんです。そういう形で簡単に言えば、禊をして、その後は水に流して、「ちょっと忘れて生きようよ」みたいになる
(神保氏)「いつまでも言ってるやつがむしろ外れてる」と
(宮台氏)そうそう。もちろん、それはね、僕のよく??要するに『日本人の美徳』なんですよ。だから『日本人の美徳』と『日本人の醜悪さ』は表裏一体だってところがすごい難しい問題なんですが。
(神保氏)なるほど。
(宮台氏)ただ『醜悪さ』に目を向けないで、『美徳』の美徳たるゆえんを説いても、やはり全然リアリティがないんですね。
(神保氏)そうですね。
 失敗の研究の一人者が、事故調の委員長をやってますから、これが最終的に・・・、僕はね、畑村先生に是非出ていただきたいと思ってるんだけど、今のとこちょっとああいう立場だから出られないと思うんで、全部終わってから。なかなか畑村さん、実はメディアに出てくれないんですよ。NHKとかには出るみたいですけど。
 だから、ちょっと辛抱強く交渉していこうと思うんだけど、やっぱりこの失敗から何を学ぶかというね。
 なぜ出てほしいかというと、結局、事故調の結果が出るとワーッと報道されて、『何とかの反省を必要』みたいになって、で、多分それで終わりになっちゃう。
(宮台氏)僕はね、原発災害の問題についてけじめをつけておかなかったら、また大地震が起こった時にとんでもないことが起こるだろうっていうこともあるんだけど、失敗の研究っていうサイドからいうと、結局原発やめられない社会は、グローバル化の中で、先進国がやっているような産業構造改革の試みとか、或いは地域改革の試みとかが、実はできないで・・・
(神保氏)重要な決定ができないってことだよね。
(宮台氏)そうなんです。既得権益に依存し続けるだけということなので、実は日本の経済も社会も、政治のデタラメさ故に、ものすごい勢いで沈滞していくままになるということなんですよ。
 そういう意味でいえば、二度目の原発災害を起こさないための問題であることもさることながら・・・
(神保氏)もっと大きな話になっちゃう。
(宮台氏)もっと大きな話ですね。はい。
(神保氏)結局それを、また国民が市民が感じるだろうから、幻滅感みたいなものが、益々無力感とか政治に対する幻滅とか、でもそこは、僕はやっぱり言っておかなきゃいけないのは、やっぱりそれを変えられるのは一人一人しかない。だから、関心を持つことによって、いろんな形になって多分圧力になっていくわけですね。
 それでもし逆に言うと、エネルギー政策の転換という国の主要政策・基幹政策を転換できれば、それは成功体験ということになって、
『本当にちゃんと求めれば、求めれば可能なんだ』という成功体験になるけど、逆に今回メディアなりそのレベルで見てて、
『結局変わらなかった。こんな事故があったのに、エネルギー政策一つ転換できないなんて、やっぱダメだ、日本は』
っていうふうに、日本人も思ってしまうことのリスクって、原発の問題を越えた大きなリスクですよね。
 だから、やっぱりちょっとさっきの映像を見ても、
「めんどくせぇな」
って思われるのわかるんだけど、しかも委員会がさっきちょっと出した映像で申し訳なかったんだけど、撮影する場所に背中を向けてる委員の発言とかが撮れないんですよ。テレビ的にはアレだとアウトなんですね。実は。うちは使っちゃいますけど。
 でもやっぱりそういうこともちょっと考えてくれないとですね、委員会を例えばテレビで抜いてくれるとか、紹介してもらうってことがしにくくなっちゃうもんね。全く映像的なこと関係なく四角にテーブル作っちゃうと、どこにカメラ行くかによってどうしたって後ろの席ができるじゃないですか。小さなことなんだけど、その人を抜きたいと思ったら、テレビでは後頭部しかなかったら使えないですよ。使えないです。
 だから、そういうことも含めていろいろやんなきゃいけないんだけど、本当はね、2台あれば解決することなんですけどね、うちなんか少々厳しいのでね。2台はね。
 ということで、引き続きKY感の中、原発、エネルギー政策をウォッチしていこうと思います。
(宮台氏)何度も言いますけど、政府も経産省も巨大電力会社も、信頼を全く失っているので、従来と同じ方針を採用できたように見えてもね、残念ながら、まさにその当事者であるあなた方の思うとおりにいかないし、さっきも神保さんおっしゃったように、繰り返してくださったように、残念ながらそれを許容すると、我々の社会は更に急速に沈むんですね。
(神保氏)全ての分野で、これだけの事故が起きても変えられなかったら、多分・・・、もう何があっても変わらないですね。
(宮台氏)変わらないですね。
(神保氏)と思いますけどね。でも怖いのが、『これだけの事故が起きても』っていう言い方事態を否定する人たちが出てきてるんですね。
「もうあの事故は大したこと無かったんだ」
っていう系説が急速に今、広がっているでしょ。
 これもまた、面白い・・・「面白い」って言ったらちょっと語弊がありますけど、
「あの程度の線量なら大丈夫なんだ。被害なんてない」
っていうような発言とかがものすごい勢いで進んでるわけですね。
 だから、そこでやっぱり「あぶない。あぶない」って言ってるのは、またKY感に包まれるという感じがあってね、でも、まぁ僕はポイントは、【KYを楽しむ】みたいな感じかなと思ってるんですけどね。
 あとは『良いKY』と『悪いKY』が実はあるんだっていうね。
『GKY=Good KY』と『BKY=Bad KY』があるんだというふうに思えばいいじゃないかと思ってるんですけどね。
 はい。では引き続きエネルギー政策をウォッチしていきましょう。
【以下略】

失礼します。
にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ
にほんブログ村

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村