※この記事は、
1月18日 【動画あり】大荒れの第7回ストレステスト意見聴取会について【一連の流れ・・・】
1月17日 東電:素粒子で炉心透視・・・!?、電圧低下でプール冷却が停止、2号機格納容器を内視鏡作業に関連しています。

私も今日は内視鏡調査のことが気になり、午後の東電会見を見ていたのですが、なんだかなぁと思う点が何か所もありました。
内部に放射線測定器を入れられなかったのは理解しますが、では、使った内視鏡の被曝量、つまり表面汚染測定器、cpmで評価することは可能なはずです。絶対測ってるはずです。記者の方、どなたもお聞きにならない・・・。

歯がゆいですね。
せっかく作業員の方々が、被曝をしながらもやってくれた調査です。
判らなかったこともあるでしょうが、わかったことを最大限に公表すべきです。

では、どうぞ。

20120119 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(千葉氏)今日は、毎日新聞論説員の近藤しんじさんと一緒にお話を伺います。
 まず、最初の質問なんですけれども、原子力安全保安院が昨日、大飯原発の3,4号機の定期検査の再稼働に必要なストレステストについて、意見聴取会を原発の再稼働に反対する市民団体のメンバーに傍聴させず、傍聴させるべきとした安全評価に批判的な二人の委員が欠席するという事態になっています。
 この議事、進行のあり方については、どう思われますか?
(小出氏)うーん、まぁ、日本というこの国が原子力を進めると決めてここまできたわけですね。それで、これまでも厳重な安全審査をするから、原子力発電所は絶対安全だと言いながらここまできて、そして事故は起きたのです。
 そうすると、これまでの安全審査で使ってきた、いわゆる指針類というものが、そのままでは使えないということになってしまいまして、そのためにストレステストというのをやらざるを得なくなっているのですね。
 でも、ストレステストをやったところで、現物の原子力発電所は1ミリでも安全に近づくわけではありませんし、単なる計算をしてみるというだけのことなんですね。
 やった結果をじゃあ一体どういう基準でOKを出すのか、それともダメだというのかという、その判断基準すらが無いという状態なんです。
 それを結局今までの原子力村の人たちが、委員という形で出てきてOKを与えてしまうということをやろうとしているわけですね。
 私はもう根本的に間違えていると思いますし、そのような委員会自身を作ってはいけなかったんだと思います。参加した委員の中でも相当な批判がやっぱりあって、そういうやり方はダメだということだと思いますけれども、私はもうそんな委員会自身がおかしいし、国がやろうとしてるストレステストというやり方自身もおかしいと思います。
 まずは福島第一原子力発電所の事故を収束させなければいけないし、一体どういう問題
があったのかということを、きっちりと調べた上でなければ、『原子力発電所の安全性を確認する』というような手続きができる道理が無いと私は思います。
(千葉氏)今回、ストレステストの結果として『妥当』という判断が出てるんですが、それは全然意味がないということですよね。
(小出氏)まぁ要するに今まで原子力を進めてきた原子力村の人たちが、相変わらず同じようなやり方で安全だというお墨付きを出しているわけですね。
(千葉氏)なるほど・・・。わかりました。
 それでは、次の質問なんですが、東京電力は工業用の内視鏡、細い管の先にカメラの付いた大腸検査なんかの時に使う、あの装置の一種なんですけど、この内視鏡を使って、福島第一原発2号機の原子炉格納容器内の調査を始めたということです。
 これによって、格納容器に溜まっている水が、予測より少なく、およそ5メートルの高さまで溜まっていると思っていたのですが、それよりも低くて水面は確認できなかったというわけなんですが、これは、小出さんどんなことを意味してるんでしょうか?
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2(小出氏)要するに水面が確認できないほど、内視鏡が役に立たなかったということですね。東京電力としては、内視鏡をとにかく格納容器の中に入れさえすれば、何がしかの映像が見えると思って、そう期待のもとに入れたのでしょうけれども、私は多分ダメだろうと思っていました。
 なぜならば、格納容器の中は、もう蒸気が充満してしまっているはずで、ほとんど湯気がいっぱいになってるわけですね。ですから、風呂の浴室で蒸気だらけだったらば、ちょっと先は見えなくなってしまうということになるわけですし、おまけに猛烈な放射線が飛び交っていますので、恐らく写真を撮ろうと思ってももう傷だらけになってしまうわけですね、写真が。今度のもなんか映像に斑点がたくさんでたといいますけれども、恐らくまともな映像は撮れないのではないかなと私は思います。
 また、一か所から入れてるわけですけれども、格納容器というのは巨大な空間ですので、内視鏡が入れられる範囲というのは、極々限られたものですので、他のところの損傷などは全く判らないままだろうと思います。
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※内壁は、通常塗装されているのですが、温度と湿度によって剥がれ落ちたために、うろこ状になっているという東京電力の見解でした。

4(千葉氏)あの、今回内視鏡が入ったから、東京電力は、
「配管はしっかりしていて地震で壊れたということはない」
ということを言ってるんですけれども、そういうことは言えないんですよね。
(小出氏)そうです。ですから、片面から入れたとしても、反対側は全く見えませんし、反対側どころか水面すら確認できなかったというほど中が見えなかったと言ってるのですよね。そんなの一部どこかの配管が、たまたまそこが壊れていなかったとしても、別のところで壊れている可能性というのは、むしろたくさんあるわけですから、そんな判断をすること自身が意味のないことを言ってると私には思えます。
(千葉氏)近藤さん、いかがですか?
(近藤論説員)そうですね、確かに、私もテレビで見て、この不鮮明な映像で何を読み取れるかなと思ったんですけれども、やはり、これ、理論的に言うとあらゆるところを見ないと意味がないということなんですかね?
(小出氏)何を期待して入れたかということなんですけれども、水面がどこまであるかということは、どうしても見たかっただろうと思います。
 でも、それすらが見えなかったのですね。
 配管が壊れているかどうかということを見たいと思うのであれば、一か所から入れても全然だめです。あちこちから入れて見るということをやらなければいけませんけれども、それもやること自身が大変ですし、今回やってみてわかったように、内部は蒸気で充満してますし、ものすごい放射線環境ですので、鮮明な画像はなかなか得ることはできないだろうと思います。
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(千葉氏)一番重要な目的ですら、達せられていなかったということですね。
(小出氏)そういうことですね。
(千葉氏)あぁ・・・、なるほど。
 それからですね、また驚くべき話が入ってまして、東京電力は福島第一原発で原子炉の状況を確認する、緊急時迅速放射能影響予測システム、SPEEDIにデータを送るもとになるERSSという装置につながるメディアコンバータという装置の非常用電源が、4カ月も外れたままになっていて、原発の事故が起きた時も繋がっていなかったことが明らかになったということです。
 その原因なんですが、おととし10月に設備を更新したときに、非常用電源につなぐケーブルが短くてつなげず、そのまま放っておいたからということなんですけれども、保安院は、
「緊急性が高いとは思っていなかった」
と言っていますが、どう思われますか?
(小出氏)<苦笑>まぁ、正直な感想を保安院が言ったんだと思います。要するに緊急性が無いと思っていたと、つまり、『緊急時支援システムなどが動く可能性がもうない』と、『そんな事故は起きないんだ』ということを保安院がもともと思っているんですね。そういう油断というか、『事故が起きてほしくないという願望』というか、それによってこれまで原子力行政が進められてきたということの証だと思います。
(千葉氏)そしたら、これに関連した質問なんですが、SPEEDIは原発事故の直後に炉心のデータが得られなくて、仮のデータを入れる状況で、汚染地域を正確に予測できないということで、活用されなかったということなんですが、このケーブルトラブルが影響した可能性というのは考えられますか?
(小出氏)それはあると思いますけれども、ただ、津波が来て以降はいずれにしてもまともに動かなかったはずですから、津波が来るまでの何十分間かを損したということですよね。
 ですから、本質的、本質的というか、今回のケーブルが繋いでなかったということがSPEEDIが動かなかったことに、ものすごく重大に影響したとは私は思いませんけれども、でももともと『事故なんか起きない』と思ってきた人たちがやってきたわけで、本当の事故になっちゃったらどうしたらいいか判らなくなったということが、今回の顛末だったのですね。
(千葉氏)なるほど。わかりました。小出さん、どうもありがとうございました。
【以上】


【参考記事】
「密室」判断に憤り=反原発派「逃げるな」-傍聴求め怒号も・意見聴取会
時事通信(2012/01/18-20:51)
 経済産業省原子力安全・保安院が関西電力大飯原発3、4号機のストレステスト(耐性評価)結果を「妥当」とした結論をまとめ、提出するはずだった意見聴取会。議事進行の混乱を恐れた保安院は、会場に傍聴者を入れず別室でモニター中継する方法を取ったが、反原発を訴える人たちが傍聴を求め反発。十数人が委員らのいる会議室に押し掛けた
 午後4時すぎから、経産省11階の会議室で開始予定の意見聴取会では、反原発を訴えるプラカードを手にした人たちが「密室で決めるのか」などと口々に保安院を非難。対応を協議するため、事務局の呼び掛けで一部委員が別室に移動しようと席を立つと、「逃げるな」と怒号が飛んだ。
 聴取会には、原発に批判的な立場を取る井野博満東京大名誉教授や元プラントメーカー技術者の後藤政志さんらも出席していた。席に残った後藤さんは「公開は絶対の原則。技術的にも確認していないところがまだあるのに、大飯3、4号機がこれでいいと評価終了というのはひどい」と怒りをあらわにした
 午後7時20分すぎ、保安院の職員が傍聴禁止で聴取会を開くと伝えると、集まった人たちから「おかしい」「どうして」と再び怒りの声が上がった。井野教授は「むちゃだ」とぶぜん。後藤さんも「傍聴者を締め出した議論には参加しない」と批判した
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&rel=j7&k=2012011800942

【本文中の写真:東電HPより】
2012年1月19日 福島第一原子力発電所2号機 原子炉格納容器内部調査状況(290KB)

格納容器内、水面見えず=東電予測より低い水位-2号機内視鏡調査・福島第1
時事通信(2012/01/19-20:54)
 東京電力福島第1原発事故で、東電は19日、同日午前に実施した2号機格納容器内の工業用内視鏡による撮影結果を公表した。撮影できた範囲では格納容器内にたまった水面は確認できなかった。
 事故後、1~3号機の格納容器内の様子を直接確認するのは今回の2号機が初めて。東電は、格納容器内の圧力などから、格納容器底部から約5メートルの高さまで水がたまっていると予測していたが、今回撮影できた範囲では水面が確認できず、予測より水位は低いとみられる
 記者会見した東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「水面は確認できていないが、大量の湿気と水滴が上から落ちてきており、冷温停止状態と異なる状況にはなっていないと思う」と述べた。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012011900727

原発 格納容器内部を内視鏡で調査
NHKニュース 1月19日 22時8分
東京電力福島第一原子力発電所で、19日、内視鏡を使って2号機の格納容器の内部の状況を調べたところ、壁や配管の一部は撮影できたものの、放射線や汚染水による湯気の影響で画像が不鮮明になるなど、詳しい状況は確認できませんでした。
福島第一原発では、メルトダウンが起きた1号機から3号機の溶け落ちた燃料の状態や、格納容器の内部の詳しい状態が分かっておらず、今後の燃料の取り出しや安定した冷却を続けるうえで、大きな課題となっています。このため東京電力は、19日午前、2号機の格納容器の貫通部から放射線に耐えられる工業用の内視鏡を中に入れて、事故のあと初めて、格納容器の内部の状況や温度を調べました。その結果、撮影された写真には、格納容器の内部の壁や設置された配管の一部が写っていました。しかし、写真の画像は不鮮明で、放射線の影響で白い斑点が多数写っていたほか、汚染水の湯気による水滴の影響とみられています。また、19日の調査では、今後の廃炉の作業に向けて、格納容器の水漏れが起きている場所に近いとみられる汚染水の水面を確認するのが目的の1つでしたが、水面は予想より水位が低く内視鏡で撮影できず、詳しい状況は分かりませんでした。写真を分析した東京電力は、写っている内部の壁や配管などに大きな破損や変形はなかったと説明しています。一方で、今回初めて、直接、測定された格納容器の内部の温度は44.7度で、これまで計測されている格納容器の周辺に設置された温度計が42.6度だったことから、温度計に大きな誤差はないとしています。福島第一原発では、今後の廃炉の作業に向けて、格納容器の内部の状態を把握することが不可欠ですが、19日の内視鏡を使った調査は課題を残す結果となりました。東京電力の松本純一本部長代理は、「今回の撮影の目的は一応達成できて、温度の確認もできたのは大きな成果だが、内部に放射性物質が大量にあるため、放射線の一種、ガンマ線の影響が大きく、また水滴の影響でほとんど視界が効かなかった。今後、別の装置も使えないか検討を進めたい」と話しています
原子炉工学が専門の東京工業大学の二ノ方壽教授は、内視鏡で撮影された写真を見て「格納容器の中の装置類が思ったよりも写し出されている。写真を見るかぎり、配管や壁に大きな破損は見られない」と話しています。また、温度が計測されたことについて「直接測った内部の温度が40度余りだったということは、溶けた燃料はそれなりに低い温度を保っているということが改めて確認できた」としています。そのうえで、水面を確認できなかったことについて、「水面の位置を確認することは格納容器の破損の位置や大きさなどを知るために必要なだけに残念な結果だ。格納容器の中は温度が下がったとしても水蒸気が立ちこめる状態であるし、光の限界もあって今回は難しかったと思われるが、今後はさらに内部を見るための技術的な工夫やカメラ開発に力を入れて、少しでも内部の様子をつかんでいくことが重要だ」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120119/t10015398521000.html

原発事故、監視の非常用電源放置 工事でケーブル短く 
2012/01/19 13:53 【共同通信】
 東京電力は19日、福島第1原発1~6号機の運転状況を監視する装置の非常用電源が事故時に接続されておらず、国の緊急時対策支援システム(ERSS)にデータが送信できない状態だったと発表した。東電は4カ月前の工事の際に用意したケーブルが短かったため放置していた。
 非常用電源は2時間近く作動するため、接続していれば事故直後の原子炉の運転データが得られて住民避難の判断に役立った可能性もある。東電の危機管理の在り方があらためて問われそうだ。
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011901001208.html