※この記事は、
12月11日 【動画・内容起こし】石橋克彦氏講演会「『若狭原発震災』前夜の私たち」@名古屋市女性会館ホール【その①】
10月3日 東大・井野名誉教授:玄海原発の圧力容器の材質不均一が脆性温度に影響か・・・?と指摘
9月4日 細野大臣:「原発の寿命はストレステストなど結果をもとに科学的に判断」「危険性は個々の発電所によって違う」【結局何も変えない?】
7月4日 小出氏:玄海原発と圧力容器の老朽化(ガラス化)@たねまき
7月13日 後藤氏:ストレステストについて【ストレステスト・格納容器・緊急提言】@CNIC【その①】
7月23日 井野東大名誉教授:玄海原発1号機の圧力容器の鋼材質に欠陥の可能性・・・に関連しています。

井野先生は、原子炉の脆性化の記事では拝見いしていて、ストレステストの意見聴取会の委員になってらっしゃることも知っていたのですが、初めてお話をきくことができました。
ストレステストの中身そのものよりも、それ以前で何が問題なのかという内容です。
是非ご覧になってみてください。
このままだと、政府は何の対応もしないまま、シレッと再稼働させそうです。
また、福島第二について、やはり格納容器にトラブルがあるような話に触れられています。まだまだ隠されていることがありそうです。

どうぞ。

【動画】IWJ Osaka ch1より
「原発運転再開問題をめぐって~欧州のストレステスト批判と日本の現状」

http://www.ustream.tv/recorded/19665237 (69:03)
http://www.ustream.tv/recorded/19666165 (128:06)

《講演者》主催:美浜の会HPより
レベッカ・ハームス氏①
 欧州緑グループ・欧州自由連盟所属、ドイツ緑の欧州議会議員のスポークス・パーソン。2004年以降、ヨーロッパ議会の産業、研究&エネルギー委員会メンバーとして、再生可能エネルギー、エネルギー効率利用、原子力問題などの課題に取り組む。
ゲオルギ・カスチエフ氏②
 37年にわたり原子力発電所の運転、管理規制等の技術研究 に携わり、1997~2001年までブルガリア原子力安全庁長官。2011年、欧州議会の委託により作成したEUの原子力発電所ストレステストの評価報告にて「残余リスク」部分を担当。元東京工業大学客員教授。
井野 博満氏②55:00頃~
  東京大学名誉教授、柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会代表。
 主な著書:『福島原発事故はなぜ起きたか』(編著、藤原書店、2011年6月刊)、『徹底検証 21世紀の全技術』(現代技術史研究会編、責任編集、藤原書店、2010年10月刊)
http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/annai_20120109.htm


【以下、お時間のない方のため内容を起こしています。ご参考まで】
 ※画像的に厳しいものがあり、文字が読み取れない資料がいくつもあります。ご了承ください。

②冒頭から井野先生講演開始~
(アイリーン氏)今から井野博満先生のお話があります。皆さん、よく御存じかもしれませんけれども、井野先生の紹介をしたいと思います。
 東京大学の名誉教授で、皆さまよく御存じかと思いますけれども、柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会の代表をされています。そして現在、政府のストレステストについての意見聴取会を行ってるんですけれども、その委員をされております。
 よろしくお願いします。


(井野氏)皆さん、こんにちは。紹介いただきました井野です。
 今、紹介された中で、柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会というのは、一番最初にレベッカさんが2007年にお話をされました。その直後に我々はああいう被災した、いわば間一髪で助かった柏崎刈羽原発の教訓を生かさなきゃいけないと。それで閉鎖を訴える会を作ったわけです。
 残念ながらその教訓が生かされないで、福島の原発の事故が起きるということになってしまいました。
 その後、政府の委員会の議論、或いは東京電力、そういうものの対応は、やはりそういうことについてのああいう大きな地震で被災した、そのことを教訓を学ばなかった。それが最後の警告だったわけですが、その教訓を学ばないでこういう事故を起こしてしまったということは、誠に残念です。
 いかに政府の調査というのが、反省なしに進んだかということは、全く今の結果になって表れているわけです。
 その時に、新潟県ではもう少しましな議論ができました。
 新潟県には技術委員会というのがあるんですが、そこの中の小委員会に原発についての悲観的な意見の委員も入れて、国のレベルよりはだいぶ進んだ議論ができました。しかし、結局のところ、現在に至ってしまったわけですが、そういう経験があったので、新潟県の泉田知事は、今度の福島事故の後で、原発の柏崎刈羽原発の運転再開については、非常に慎重な、厳しい態度をとっています。
 それは、そういう新潟県での議論があった一つの成果ではないかと思うんですが、彼は
「放射性廃棄物というのは、どこにも新潟県の中で処分するところはありませんよ。東京電力の所有物です。東京電力が処分しろ。日本にはどこにも廃棄物を処分する場所は無いんだ。ですから、新潟県であるわけがない。」
ということをおっしゃられていて、
「運転再開するというのであれば、これは放射能の被害が絶対無いということをきちんとわからない限り、運転再開は認めない」
という発言をしているわけですね。
 そういう意味で、国ではなくてやはり最後に頼りになるのは、地域、地方自治体。そういう人たちで、また新潟県の知事がそれだけ発言するにあたっては、新潟県の中での強い反原発運動の力が持続的にあったと、そういうことがベースになっていると思います。
 そういうわけで、このストレステストの問題も、運転再開の時には最後に各自治体の知事、或いは地元住民の判断というところに最後にいくわけですが、その前に国の委員会でどういう議論がされているのか、そういうことがきちんとはっきりさせなきゃいけないというふうに私は思っています。
 それが私が委員を引き受けた理由なんですが、そういうどうにもならない悪名高木保安院のストレステスト委員会の委員などになっても、『単に口実に使われるだけじゃないか』という反対意見も我々の会の中にありましたけれども、しかし、やはりストレステストというのが一体どういうものかというこという実情をはっきりさせる。そのためにはその意見聴取会ですが、参加して議論をすべきであろうという考えでなることにいたしました。


 それで、このタイトルはストレステスト意見聴取会で何が議論されてるかということなんですが、次お願いいたします。

1


 例えばこれは、今のお話にもゲオルギさんのお話にもありましたように、福島事故前でプラントがどの程度頑強性、頑健性のRobustness、があるかという評価をする、また、多重性を確認して弱い個所を見つけるか。これがヨーロッパからきてる本来のものなんですが、次お願いします。

2


 日本ではどういう経過で進んできたかというと、菅首相がまずストレステストを実施するということを7月に出して、その後枝野・海江田・細野の三閣僚声明。1次評価を提出する原発の運転再開の要件とすることを7月11日に発表をしております。
 それに基づいて保安院がEUの仕様書を下敷きにした計画書を進めております。
 現在どうなっているかというと、関西電力の大飯3号が12月28日に第一号として、ストレステストの結果報告書が保安院に提出されて、その後伊方2号機、大飯2号機、泊1,2号機、玄海2号機、川内1,2号機、美浜3号機、敦賀2号機と東通、11冊の報告書が提出されております。いずれもPWRの機器です。
 それが今保安院でその下のJNESで審査されてまして、並行して意見聴取会が開かれてるというのが現状です。次お願いします。

3


 ストレステストの問題には、ゲオルギさんのお話にもありましたけど、机上の作業ということですね。シミュレーション。それはシナリオ次第で恣意的な結論に導くことが出来る。プラントの弱点把握、またその改善のツールとして利用することはできても、全般的な安全評価はできない。
 ですから、これで運転再開がOKだとか、そういう議論はナンセンスだと思います。
 それから、シナリオがあるわけですが、これも設計基準内の評価に基づくもので、非想定外のことは含まない。事故は人的ミス、それに目に見えない欠陥であるとか、そういうもので起こってるので、予測できない問題である。ストレステストでは予測できないと思います。次お願いします。

4


 例えば、これは大飯3号のものなんですが、こういうふうに地震、津波、或いは全交流電源喪失等が起こった時に、どのくらいの頑強性があるかということで、基準地震動が700ガルとされてるわけですが、それに対しては1.8倍あるんだと、津波については約4倍ある等々。それからどれくらいの時間持つかというのは、10日であるとかこういうものが出ているわけですね。
 ここのプラント技術者の会っていうのは、我々と協力して昔70年代に活躍した方で形成された福島事故以降復活しまして、「これは是非やんなきゃいかん」ということで、プラント技術、並びに現在公害問題も盛んにやってられたグループが合流して、ストレステストの問題をいろいろやってきている。その方が作られたまとめです。次お願いします。

5


 これはですね、こういういくつかの原発を比較しますと、例えば耐震余裕というのが、大飯1、3、4号は1.80。ほかは大体横並びになるという。これではどれが一番危険性が高いのかというのは、わからない。こういう横並びというのは、各電力の得意とするところで、これもその通り。次お願いします。

6


 意見聴取会なんですが、有識者から意見を聴取するということもあって、これがその会場なんですが、ここに一番右にいるのが私で、できれば頭じゃなくて顔を映してほしかったんですけども。<会場笑い>
 ここ(手前の列)にアイウエオ順に委員が並んでまして、ここ(左奥の列)にいるのが、原子力安全基盤機構のJNESの人で、こっちが(奥の列)保安院ですね。こちらに例えば大飯3号ですと関西電力の人が並ぶ。この後ろに傍聴席がある。こういうふうになってます。
 それで日程が11月14日に初めにありまして、3日ほど前に第6回がありました。ここまで予定が入ってるということですが、会議は公開になって傍聴もされております。
『不規則発言は認めない』
というのはですね、段々と最初の頃はほとんどネクタイ背広の方々だけだったんですが、段々日に追って、ノーネクタイの方が今日の会場のように増えまして、増えるとともに『不規則発言』が増えまして、1月6日のときは、遂につまみ出される直前まで、警備員が途中から入りまして、発言した人をつまみ出そうとしたというような形で。その度に、
『不規則発言はしないでください』
と、司会の岡本東大教授が言うわけです。次お願いします。

7

http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/800/29/001/1-1.pdf
 こういう委員名簿、私と批判派では後藤政志さんですね、元原発の格納容器の設計者。それ以外は、まぁ大体原子力村と呼ばれる方、多少ニュートラルな方も1人2人おられるようですが、そういうことです。
 それから、先ほどJNESの中の1回目5人のうち3人が三菱重工の出身者ということで、そういう状況でした。次お願いします。

8


 それで、JNES対象者の利益相反の疑いですね、そういうように三菱重工が検査をしてて、ストレステストをやっていて、実際は関西電力から委託を受けてやっていて、その審査するJNESにまた三菱重工の人が入ってると、そういう状況なんですね。そういうのを含めて、たまたま12月9日に総務省の評価委員会がこういう厳しい指摘をしています。

『JNESは甚だ困ったものだ。』
それから、
『原子力事業者の出身者を多数採用しており、検査の中立性・公正性に疑念が生じている。検査対象を出身元と関わりのない施設に限るものとし、国民の信頼を確保するための策を講じるものとする。』
 これは私が言ったんではなくて、総務省の権威があるんでしょうね、こういう委員会が言ってるということで、それだけJNESの組織に関しては、批判があるということです。次お願いします。

9


 今度は委員の方なんですが、こういう過去いろいろコンタクトのある、こういう相反の有無を我々が委員になるときは、そういうことは利益相反がないかということを保安院に出してるわけですが、それ申告書を提出してるんですが、内容は公開しない。
 それから、山口彰大阪大学教授は、三菱重工系のNuclear Developmentという会社から受託研究費をいただいてる。この額についてはいろんな意見で、違う情報があるんですが。
 それから岡本孝司委員、これは三菱重工に卒業後勤務していて、東大に戻ったわけですが、最近200万円の寄付がある。また、阿部豊という筑波大の教授は500万円の寄付がある。
 こういうことになりますね。次お願いします。

10


 そうしますと、ストレステストの実態はどうなってるかというと、大飯3号4号を始めPWRの原発は、いずれも三菱重工にストレステスト先を依頼してるわけですね。それを審査する保安院には、原子力安全基盤機構に作業を委託するんですが、そこでは三菱重工の出身者が審査を担当してるということです。
 その上意見聴取会では、三菱重工やその関連会社と強いきずなで結ばれた委員たちが進行役を務めるということで、非常に影響が大きい。
 こういう状況で、ストレステストが国民に信頼されるものかどうか。審査が信頼されるものかどうかということで、私は
「委員の方々をお考えになったらどうですか」
といったわけですが、ヤジもたくさん飛んでたんですが、結局今のところはまだ辞めておりません。
 この問題は、更に追及をしていかなきゃいけないと思ってます。次お願いします。

11


 中身のことについて、これからお話しますけれども、ストレステストの何が問題なのか。これについては、第一回の意見聴取会に9項目にわたる意見書を出しました。それについて、お手元に資料として配られておりますので、ご覧いただきたいんですけれども、次お願いします。
【資料⇒http://www.kk-heisa.com/data/2011-11-11_ino_iken.pdf

12


 まず第一点はですね、従来枠組みのままのストレス審議でいいのか?という点。
 これは、福島原発事故というのは、今までの安全審査が不備だったことを示してるわけです。斑目委員長も『不備があった』ということを認めてるわけで、原子力安全委員会の委員長も認めてるわけで、その再検討、また新しいいろんな評価の枠組みを作るというのが先決で、それ無しにストレステストで運転再開がいいとかわるいとか、そういうことは本末転倒であろうということですね。
 それから、枠組みが事業者がストレステストを実施して、保安院に確認して、安全委員がまた確認するという従来と同じ枠組みになってる。これでは何の変化もないじゃないか。
 原発に批判的な考えを持つ市民、或いは、その地元住民。こういう人たちは最も原発の現実をよく理解してるわけですね。そういう人を意見聴取会のメンバーに加えるべきだということを言いました。次お願いします。

13-2

 そういう市民・住民の参加がなぜ必要かということですけれども、ストレステストは、今のゲオルギさんの話にもありましたように、大事故起こらないことを証明するものでないことは確かです。それをするならば、ストレステストの結果が再稼働の条件として適切なものかどうかというのは、それについて意見を述べて判断をするのは、まさに被害を受ける可能性のある地域の住民であります。
 ですから、そういう人たちがきちんと議論に参加する。最後に出来上がったものを地域住民が、或いはそこの首長がどう思っているのかではなくて、そのプロセス自体にそういう市民の意見、地域住民の意見が入っていかなければいけない。これはストレステストだけでなくて、『今後原発の問題を日本でどうするんだ』という時に、そういう審議過程を専門家だけに任せるんではなくて、偏った専門家だけに任せるのではなくて、市民が入っていく、そういう枠組みを作っていかなきゃいけないというふうに考えています。次お願いします。
14

 ストレステストっていうのが、どういう位置づけなのか。
 安全審査に問題があったということが明らかになってるんですから、本来は全ての原発の運転をまず停止して、その上で一次とか二次とかいうこと無く検査を受けるべきだというふうに思います。
 それから、ひとつひとつの原発ごとに『大飯3号がいいんだ、どうだ』とかっていう回避を言うんじゃなくて、全ての原発を横並びにして、どれがどの程度危険でどうなのかと、そういうことをやるならば、それなりの意味があるだろう。そういうふうにすべきである。
『全ての原発が危ないという話は起点である、本当の安全な原発っていうのは無い』
ということ、今日のレベッカさんとゲオルギさんのお話にはありましたけど、私は全く同感で、原子力発電っていうのは本質的に危険性がある。
 制御棒の核分裂の操作が失敗すれば、チェルノブイリ型の事故が起こります。それから、冷却が失敗すればスリーマイル、福島型の事故が起こるわけで、そういう本質的な危険性を持っているわけです。
 しかしですね、その中ですべての原発は危険なんだけれども、非常に危ない原発と、かなり危ない原発とがあるということで、その区別の位置関係。またそれで廃炉にすべき原発の緊急性の順序。そういうものを評価する、そういうことであるならば、ストレステストも意味があるだろうというふうに思うわけです。
 ところが実際そんなふうには動いていません。次お願いします。
15

 判断基準が明確でない。
 全くですね、審査の基準、そういうものが全く不明確なんですね。これも先ほどの話にありましたけど、明確な判断基準がない状態では非常に判断が恣意的・主観的なものになります。ならざるを得ない。このことはあとでちょっとお話をしたいと思いますけれども。
 技術的判断というものが、実は客観的なものじゃなくなるという問題ですね。それが非常に大きいと思います。
 保安院は、その審査の視点っていうのを第一回に出しました。それで、私が
「審査の視点じゃなくて、審査の基準・判断基準を示さなければこの議論はできないんじゃないか」
ということを質問したのですが、それについては
「それはいずれこの議論を経て、そのうちに提出します」
ということを言ったわけですね。
 ところが、第6回になるまで判断基準は出てきません。
 考えてみれば、多分出せないですね。
 そういうことで、にもかかわらず、次々、大飯3号などはもうじき審議が終わろうとしています。
 そういう状況にいます。突き進んでるんですね。次お願いします。
16

 福島原発事故原因についての知見を反映させることの必要性。
 これについては、津波だけじゃなくて、地震動の問題が疑われてるわけですね。従って、福島第一、第二についても、ストレステストを実施すべきである。それを先行すべきだと。そういう被災した原発にストレステストを行えば、ストレステストの有効性を検証できる、或いはストレステストが役に立たないものだということが判るだろうと。
 福島事故の現実を再現できなければ、ストレステストの意味をなさない。これは、先ほどゲオルギさんがおっしゃったんですね。
「福島でやったら、きっと安全っていう結果が出るんだろう」
ということなんですね。次お願いします。
17

 保安院にそういうことを言いました。
「福島第一、第二でやってください」
 そうすると、その後の回答が第3回。
『東京電力に対し、詳細な解析作業を指示することは、東京電力が福島原発事故の収束に注力している中、膨大な作業を求めることになり、事故収拾の面から適切とは言えない』
と、こういう返事をしたので、また質問したところ、第4回。
『東京電力から、福島第一では図面を探すことも、発電所内を踏査することも難しい。福島第二では可能だが、緊急時体制にあり、他プラントよりも時間がかかる』
と、そういう回答が返ってきました。
 これが保安院と東京電力のタッグです。次お願いします。
18

 それで、その次、
「書類は本社でも保管されているだろう。シミュレーションに踏査は要らない。柏崎刈羽のストレステストをやるっていってるんですから、やれるなら福島第一、第二をやれる余力はあるはずだし、先にやれ」
という再質問に対して、こういう回答。
『改めて聴取したところ、福島第一、第二について詳細な実施は困難だが、津波の影響を中心に簡易的な評価を実施することは可能。柏崎刈羽と並行して対応したい』
との回答を得た。
 この私が9項目出した質問の中で、多少向こうが譲ったといいますか、一部認めたのはこれだけです。
 これも『津波の影響を中心』というようなことは有り得ないので、特に第二は津波の影響はないわけですね。
 ところが、『第二はかなり格納容器が壊れている』という情報がありますし、ところがどんどん修復してるようなんで、これを早く国会事故調が調査してもらわなきゃいけないと思ってるんですけども。
⇒【関連記事】12月22日 【関連動画あり】保安院:福島第二原発の緊急事態宣言解除へ【福島第二の4号機の格納容器で水漏れ・・・!?】
 これを是非、第一、第二、きちんと特に第二ですね、やることが大事だと思います。次お願いします。
19

 次は耐震バックチェックのことですが、これは大飯3号機では700ガルという基準地震動と出されてるんですが、その信頼性とか評価の幅について、なんら記述がないわけです。ストレステスト、報告書には。
 それで、敷地の近傍にある海底活断層に連続して陸側に熊川活断層というのがある。それが一緒に動く可能性が指摘されてるんですが、その評価もされていない。また敷地内には多数の断層が走っていて、それらが動けば、真下で動けばそこで地割れができちゃうわけですから、全く支持基盤が喪失する、そういう恐れもある。
 こういう指摘について、何ら評価してない。
 ストレステストという以上、懸念されている最大地震が起こった時の評価や断層が動いた場合の評価をして、その後の機能と組み合わせて全体像を明らかにすべきじゃないかというふうに思います。
『基準地震動に対して、1.8倍余裕がある』
ということを言ってるわけですが、見方によれば1.8倍しかないということですね。仮に基準地震動、2倍の地震がくれば、余裕は全く無いというのが大飯3号の或いは4号の現実なわけです。次お願いします。
20

 経年変化、老朽化の現実を反映させることの必要性。
 我々は『老朽化』って言うんですけど、保安院は『経年変化』と呼ぶように、老人とは言わないで高齢者というように、原発を敬ってるわけですね。<会場笑い>
 ストレステストはシミュレーションにすぎないで、現実の危機がどういう状態にあるか、そういうことの現時点での調査・信頼が全くなされてないわけですね。
 計画書には、一応評価は報告時点以前の【任意の時点】の設置と管理状態を実施すると書いてある。だから
『途中で少し調査したものは入れますよ』
って言ってるんです。だけど、【任意の時点】っていうのは、現時点ではなくて、現時点で新しく設備や機器の検査などを実施する『必要はない』、『しない』、『いい』という、全く今までやったものの上塗りのストレステストなんですね。
「新しく詳細にやる」と言ってますが、何も新しいことはやってない。それがストレステストの現実です。次お願いします。
21

 自然現象以外の外的事象も評価対象に加えるべきである。
 評価対象としては、地震・津波・安全機能の喪失、全交流電源喪失、最終ヒートシンクの喪失というものを挙げてますが、航空機墜落とか、破壊工作、他国からの攻撃等についてのことは全く書かれてないということ。
 それから更に、いろんな内部的な、先ほども指摘がありましたミスであるとか機器の破損、そういうものと組み合わせた評価は一切されてないということです。次最後。
22

 過酷事故に伴う被害とその緩和策について評価することの必要性。
 とにかく、過酷事故の可能性がゼロということはできないわけです。そうであれば、その被害の大きさと被害の緩和策の評価が不可欠。
 ところが、これにいくまで???ないんですよ。過酷事故をどうやって防ぐかということの、その時にどれだけの余裕があるか。緩和策はこうであるというようなことは書いてあるんだけれども、じゃあそれがどれくらい効果があるかということは書いてません。
 これは先ほどの三大臣の声明の中に『緩和策を示せ』ということが書いてあるにも書かわらず、具体的に放射能をどれくらい止められるとか、そういうことについては、一切ストレステストの報告書にはありません。
 そういう具体性の全くないものです。
 しかし、実際どれくらい事故が起こった時被害が出るのかということがなければ、それが受任可能なものであるのかどうか、そういうことの記述が無ければ、地域住民や自治体の判断が可能になるとは思いません。そういうことは無しのストレステスト報告したっていうのは、意味がない。
 事業者は過酷事故発生後の放射能汚染の評価をも加えた報告書を作成すべきである。
 こういことを主張したわけです。
 以上です。次お願いします。


 まだちょっと時間よろしいですか。
 こういう9つのことを出したのですが、こういう議論が十分されてるとは言えないわけですね。その後、具体的なものが次々入ってきています。

23


 そこで、『技術的問題に限定して論じればいい』というのが多くの推進派の方々の意見です。
『この意見聴取会の場は、技術的問題を粛々と論ずればよい、それをどう判断するかは、政治の問題で、その後政治家や地元の人たちが各々で判断してくれればいいんだ。自分たちは技術的問題をやるだけだ。ですから、そこに集中して、そんな基本論議でどうのこうのっていう私や後藤さんのようなのは、この場で議論にふさわしくない』
というのが彼らの主張ですね。
 だけどもですね、技術的問題っていうのは、我々が技術者、或いは研究者が論じる際には、データの客観性というのはもちろんですが、それとともに「何を重視してそれをどう考えるか」っていうことに、その人の立場性といいますか、或いは思想性といいますか、そういうことが反映するわけですね。
 そういうこと抜きに、『これは技術的問題で客観的なことを言ってるだけ』そういう技術論っていうのは、僕は有り得ないと思います。
 例えば、基準地震動でやったときに、発生応力が許容値の2倍、1.8倍だというときに、
「あ、1.8倍もあるんだから安全ですね」
というか、
「いや、倍の地震が来たら、この許容は無くなるよね」
っていうふうに考えるか。
 例えば一例をあげればそういうことになります。
 そこに全ての問題において、一つの技術的なあるデータが出た時にそれをどう見るかっていうことは、その人の立場。誰の立場に立って、或いはどういう考えのもとで、そういう発言をするのかっていうことが問われるわけです。
 それ抜きに出てきたものを
「はい、そうですか」
っていうんで済んでは、全く議論も評価もしたことにならないというのが、私の意見です。
 このことが実は、意見の対立の基本ではないかと思います。次お願いします。

24


 それで、時間ですよね。はい。最後のスライドです。
 各事業者がストレステストでOKが無ければ運転再開できなくなった。
 これが菅さんがこうやったということは、そうでなければ自動的に近い形で運転再開になってたかもしれないので、そういう意味ではストレステストを実施することにしたっていうのは、それなりに良かったのではないか。
 しかし、ストレステストは何ら総合的な評価ではなくて、部分的評価に過ぎない。しかも中身はシミュレーションだけ。特に関西電力は、若狭湾に老朽化した原発を多く抱えています。老朽化の問題は、ちょっと今日では時間的なことで説明できなかったんですが、そういう意味では、古い原発が一番多いのは、若狭湾であり、関西電力であり、一番日本の中で危険な原発を多数持っている、そういう関西電力が運転再開することは、非常に危険である。
 大飯3号を突破口にして、そういう関西電力の運転再開をさせてはいけないというふうに思っております。
 ちょっと時間延長してすいませんでした。
<会場拍手>
【質疑応答割愛いたします。】

失礼します。
にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ
にほんブログ村