※この記事は、
1月9日 【動画あり】『原発』大阪市民投票署名:必要数を超え52,190筆到達!!【市民運動の成果とこれから】
1月7日 滋賀県知事:40年で廃炉規定に対し、「卒原発の第一歩」歓迎の意向
1月6日 原子炉法案:運転期間は原則40年も例外を認める・・・などに関連しています。

20120109 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

(水野氏)今ニュースで聞いていただいたかと思いますけれども、原発の是非を住民投票で問いたいとする署名活動、これが必要な署名の数が集まったというふうに市民グループが発表しました。
これについてどんな感想をお持ちでしょう。
(小出氏)良かったと思います。
 あまりにも政治が酷いわけですから、『政治にはもう任せておけない、自分たちで決定したい』と皆さんが思われたのだと思いますし、私はもともと
「一人一人がものを考えてください」
と皆さんにお願いしてきましたし、こういう条例ができることを私は願います。
(水野氏)これからまた、議会に通してというようなハードルはありますけれども、まずは第一歩が踏み出せるということに市民グループとしてはなったということですね。
 そしてですね、次に伺いたいのは、
『原発の稼働を40年とする、40年経ったらおしまいにする、廃炉にするということを法で決めます』
という方針を細野原発担当大臣が発表いたしました。
 国が原発の運転の期間を法で定めるのは、これが初めてということなんですね。
 ただ、『例外で延長もありうるんだ』というふうに文言がついております。
(小出氏)だそうですね。
(水野氏)これについては、小出さんはどんなふうに見ていらっしゃいますか?
(小出氏)私はもうこの番組でも何度も聞いていただきましたけれども、
「全ての原子力発電所を即刻止めるべきだ」
と言ってきたわけで、40年経ったから止めろとか、30年で止めろとか、そういうふうに言ってきたつもりはありません。
「新しく動き始めた原発でも、全て止めなければいけない」
と私は言ってきたわけですから、政府が『40年で止める、それも例外を認める』なんていう話は、私から見れば、もう言語道断のことだと思います。
(水野氏)この例外は、どんなふうに認めるというふうに今言ってるのかといいますとね、
『電力事業者から申請があったときは、施設自体の老朽化と施設を保全できる技術的能力について審査をして、問題が無い限り延長を承認する』
ということなんですね。
 これ、小出先生からご覧になったら、小出先生は大前提からしておかしいというお考えではありますが、本当にこういうことが法的にね、GOした時にですよ、審査する基準は、施設自体が老朽化してないか、そして施設をちゃんとやっていける技術的能力があるかどうかは、それで問題がなかったら・・・っていう前提なんです。
 これは、どれくらい科学的なものなんですか?
(小出氏)福島第一原子力発電所に対しても、
『国は厳重な安全審査をして、東京電力に技術的な能力がある、老朽化の問題もない』
と言って、お墨付きを与えながらきて、事故になっているのです。
(水野氏)そうか・・・。
(小出氏)それを今更また偉そうに『国が審査をして安全であることを認めてやる』というようなことを言っているわけで、
「まずはあなたたち、全て辞めたほうがいいんじゃないですか」
と私は言いたくなります。
(水野氏)うーん。あの、これ逆に言うと、ザル法といいますかね、例外規定もありますので・・・。意味をなさないというような恐れもあるんじゃないかと。
(小出氏)私から見ればそうですけれども、40年という年限を切ったということが、皆さんにとっては真新しく見えるかもしれませんし、それなりの一つのステップを踏んだということは、確かにあるかもしれないけれども、でも、本当はそんなことではないんだということを皆さんにわかってほしいのです。
(平野氏)そうですね、先生、関電の美浜1号機とか、日本原電の敦賀の1号機は、これはもう41年になってるわけですよね。だから40年と切って本気でやる気であれば、これは先生が先ほど言われた、『即刻廃炉』ですよね。それをやる覚悟は全くなさそうですし。
(小出氏)そうです。また何か例外で生き延びさせようというふうにしてるんだろうなと思いました。
(平野氏)だから逆に言うと、再稼働への地ならしみたいなのが、延長容認でやる気配が濃厚ですよね。
(小出氏)そうですね。
(水野氏)これだって、新しい原発も作れそうに読めますがね。
(小出氏)もちろんですね。『40年間は動かしていいよ』と、そういう宣言をしてるわけですね。
(水野氏)今まででも30年経ったら、10年ごとに運転の延長を国に申請して寿命を延ばしてきたんですよね。これは法律では決められていなかったけど、現行はそうだったんですよね。
 ということは、逆に30年でも申請しなくて、40年まで申請しなくていいというふうに、私は素人ながら読んだんですけど。
(小出氏)まぁ、どんなふうにも読めるだろうし、国の方がどんなふうに運用しようと思うかによって、全てが決まってしまうということだと思います。
(水野氏)うーーん。それから、この老朽化ということのメカニズムについて伺いたいんですけど、福島第一原発では、運転40年が経過した1号機の建屋吹っ飛びましたよね、水素爆発で。
 しかしながら、東電や保安院は、こう言ってます。
『老朽化で事故が拡大したというような影響はなかった』
というんですね。
 原発というのは、老朽化してもやりよう次第で安全を確保できるんですか?
(小出氏)事故というものは、老朽化によって起きる事故もあるし・・・
(水野氏)「も」あるんですか。
(小出氏)はい。老朽化とは全く関係なく起こる事故もあるわけですね。
 例えば人間が遭遇した最大の原子力発電所事故は、チェルノブイリ原子力発電所の事故でしたけれども、あの原子炉はソ連きっての最新鋭の原子力発電所で、2年しか運転していませんでした。
(水野氏)2年でしたか!
(小出氏)その前には米国のスリーマイル島の原子力発電所が事故を起こしたんですが、あの原子力発電所は動き始めて3か月でした。
 ですから別に老朽化とは別に老朽化なんていうこととは全く関係なく、事故は起きるのです。
 そうではなくて、老朽化が原因で起きるということもありまして、例えば美浜3号機で2次系の配管が破断して、5人の作業員が熱湯を浴びて死ぬということがありましたけれども、あれはまさに老朽化で、パイプが削り取られていって破断をしたということでした。
(水野氏)何で削り取られるですか?
(小出氏)これは大変難しいんですけれども、流量を測るためのオリフィスという測定器があるのですが、そのオリフィスの下流に冷却水が渦を巻くんですね。渦を巻くことによって、配管が炭素鋼ですけれども、それが削り取られていって、どんどん薄くなっていって、ある時点で耐えられなくなって破れたというのがあの事故でした。
 ですからそれはまさに、年月の戦いだったのですけれども、まともな検査もしていないまま、破れるにまかせてしまった、そういう事故でした。
(水野氏)そうか、事故は新しくても起こるし、古くてもまた違う意味で起こると。
(小出氏)そうです。
 福島第一の場合に、老朽化という問題がどこまで寄与したかということは、今のところよくわかりませんし、残念ながら、多分それを調べることもできない。
(水野氏)できないですか。
(小出氏)要するに、もう近づくことができませんので、事故原因を調べることもできないという、そういう状態になっていますので、福島に関しては、多分わからないまま行くだろうと思います。
(水野氏)それから、もう一つ伺いたいんですが、これは福島第一原発の事故の2週間後の段階で、政府が想定していた最悪のシナリオというものが今になって明らかになってきました。
 これは、4号機の使用済核燃料のプールの中にある燃料が溶けるということを想定したんだそうです。
 最悪の場合、どういうことが起こるかといいますと、住民で希望する人たちが居たら、移転を認めるべきだという地域はどこまでかというのが、半径250㎞の外側まで発生する可能性があるというんですね。
 250㎞というとどこかというと、横浜あたりになります。
 つまり、東京も含めて、首都圏の多くの地域から避難が必要であるという事態を、政府が想定していたという話が出てきました。
 私が思いだしたんですが、小出先生は、確か
「4号機というのは、未だいろいろ心配なことがあるんだよ」
とおっしゃった時があったかと思うんですね。
 4号機のプールというのは、今どういう状況なんですか?
(小出氏)使用済の燃料プールというのは、放射能を閉じ込める最後の防壁である格納容器という容器の更に外側にあるのですね。
 つまり、放射能を閉じ込めるという防壁に関していえば、何もないという場所に使用済燃料プールがあるのです。
 そしてそのプールの中に、4号機の場合には、原子炉の中に通常入っている燃料の2倍、或いは3倍分くらいの使用済の燃料がたまっているのです。
(水野氏)2倍、3倍溜まっている・・・。
(小出氏)そして、4号機というあの建物は、水素爆発でやはり吹き飛んでいるのですけれども、4号機の場合の水素爆発は、非常に変わった形で起きていまして、1号機も3号機もオペレーションフロアと私たちが呼ぶ最上階の部分で爆発が起きて、いわゆる体育館のようなどんがらの部分が吹き飛んでいるのですが、4号機だけはそうではないのです。
 そのどんがらの部分も吹き飛んでいるし、更にその下の1階、さらにその下のもう1階部分のところの建屋が爆発で吹き飛んでいるのです。
 実はだからそこに使用済燃料プールが埋め込まれている場所というのが、既に爆発で破壊されてしまっているわけで、いつ使用済燃料プールが崩壊してしまうかがわからないという、そういう状態が3月15日でしたでしょうか。4号機の爆発以降ずーっと続いているのです。
(水野氏)え?今も続いているってことですね?そのプールが崩壊の危機に晒されている状況は、今も続いてるんですね?
(小出氏)はい。ただし、東京電力ももちろんそのことの重大性に気が付いていまして、4号機の使用済燃料プールをとにかく崩壊から守ろうとして、耐震補強工事というのをやったのです。
 でも、あまりにも酷い作業環境で工事を行ってきていて、それしかできないわけで、ゆっくりゆっくりきちっとした工事をするようなことが、実際にはできないような現場なんですね。そこで東京電力は、苦闘をしながらやったとは言ってるわけですけれども、これからまだ余震も来るでしょうし、大きな余震が来た時に4号機の使用済燃料プールが本当に壊れないんだろうかということが、私は不安なのです。
(水野氏)はい・・・。
(小出氏)もし壊れてしまえば、政府が3月15日の頃に予想したように、250㎞というようなところも膨大な汚染を受けるということになると思います。
(水野氏)そういう不安な状況が今も続いていると認識しなきゃいけないですね。
(小出氏)そうなのです。
(水野氏)はい。ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】


【参考記事】
最悪シナリオ、福島事故後に検討 政府は公表せず
東京新聞 2012年1月6日 14時25分
 細野豪志原発事故担当相は6日、閣議後の記者会見で、昨年の東京電力福島第1原発事故発生後、1号機の原子炉が爆発して制御不能となり、4号機の使用済み燃料プールから水がなくなり、燃料が損傷する事態を想定した「最悪のシナリオ」を政府内で作成していたことを明らかにした。
 政府はこのシナリオを公表していない。細野氏は「想定しにくいシナリオをあえて描いたもので、過度な、必要ない心配をさせる可能性があった。当時の対応として間違ったことはしていない」と説明した。
 シナリオは、当時の菅直人首相の指示で、近藤駿介・原子力委員長が事故発生2週間後の3月25日に作成した。
(共同)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012010601000941.html


半径250キロ圏内を避難対象 政府の「最悪シナリオ」
朝日新聞 2012年1月6日22時39分
 東京電力福島第一原発で事故が起きた2週間後の昨年3月25日、事故が拡大すれば、東京都も含む半径250キロ圏内の住民が避難対象になるという「最悪シナリオ」を政府が想定していたことを、6日の閣議後会見で細野豪志原発担当相が明らかにした
 シナリオは、当時首相補佐官だった細野氏が菅直人首相の指示を受け、近藤駿介原子力委員長に依頼、委員長が個人的に作成して政府に提出した。
 資料では、最悪のシナリオとして、原子炉2炉心分の1535体もの燃料が貯蔵されていた4号機の使用済み燃料プールの燃料が溶けることを想定した。プールは3月15日の原子炉建屋の爆発でむき出しになっており、さらに1号機の原子炉が水素爆発を起こして作業員が退避、復旧作業が止まると、14日程度でプールから放射性物質が大量に放出されると推定した。
http://www.asahi.com/politics/update/0106/TKY201201060501.html


失礼します。
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