※この記事は、2011年12月28日 原口一博×上杉隆 2012年 日本社会の動向を読む~東日本大震災後の日本~(ゲスト:日隅一雄氏、木野龍逸氏、上原春男氏)【その①】の続きです。

<47:50頃~>
(原口氏)あの、細野さんや馬淵さんが???してくれて、結局ものすごく遅れるんですけど、復水器はつくんですね。だけど、放射線の量が落ちたからついたわけじゃないんですよ。放射線の量は相変わらず高かった。
 もう一つ明らかにしたいものが、現地の作業員の皆さんの様々な声がありました。私のところに、例えば、
『3号機の横の瓦礫が異様に高い放射線量なんだ。そこへ行くと、もうこわくてやれないんだ。だけどそのことを言うと、じゃあお前が取れと言われてしまう』
ということで、Jヴィレッジにいわゆる作業員のみなさんが様々なことをするものがありますけども、そこに貼られていた福島第一原発の中の放射線マップというものがあって、それを送ってくださったんですね。それは東電が当時発表しているものとは全然違うんですね。それは、ベクレルっていうか、その放射線量の桁も違っていました。
 だから「正直に出してくださいね」ということで、あれを出してくれたのは5月3日になりますかね。これも細野さんが会見で言ってくれたんですけども、これほど然様に、いわゆる放射性物質となると、もっとじゃなかったですか?そのストロンチウムもプルトニウムも。最初プルトニウムの値は、これ「おかしい」と思ってたら、全部バーが引っ張ってあったんです。僕らの報告書にも。バーッていうのは検出されていないという意味なのか、無いという意味なのか。それを当時の枝野さんに言って出してもらったのが、3月27日でした。
 このことについても、皆さんは大変な追及を続けておられますが、もう少し時間の軸を3月11日近くに戻して、いろんな『壁』の話を伺っておきたいと思います。木野さん。

(木野氏)今のプルトニウムとかほかの放射性物質のモニタリングの話なんですけど、結局僕らが会見場に行ったのは16日、17日からなんですけど、その前からそういう話がちょいちょい出てるんですね。記者の方から
「そういったきちんとした分析をしないと、炉の状態もわからないのに、なぜやらないんだ?」
という質問が出ていて、東京電力は、
「今はヨウ素とセシウムだけで状態がわかるので、今の状態であればプルトニウムが出ているとは思わないのでやらない」
っていう話、説明を東京電力はずっとしていて、でもその裏で土壌を採って分析に回したりして、きちんとやることはやってるんですけど、やってるってことを言わないんですね。全く。
(上杉氏)あとね、最初の時の追及は、その後追及してないんですよ。
(木野氏)その後しばらく空いてるんですよ。
(上杉氏)だからそれで23日でしたっけ?僕らたまたまプルトくんっていう友達ができたばっかりだったので、プルトニウムが趣味だったんです。それで聞いたんですね。その時は、「検出してない」という同じ???だったんです。
「なんで検出しないのか」っていうのを、ペーパーを見たら傍線が引っ張ってあって、NDじゃないんですよね。
(木野氏)NDじゃないです。
(上杉氏)
「なんで核種、これだけNDじゃなくて棒なんだ?」
って聞いたら、
「それは測ってません」
「なんで測ってないんだ?」
「測れません」
「測れないなんてことないでしょ。なんで?」
「測れるはずです。ただ測っても時間がかかります。」
「いや、22時間で測れますって聞いた」
「なんで22時間?そんなことありません」
っていうから、根拠を示したんです。
「なぜならば、あなたたち東京電力が検査に出している日本分析センターのホームページに『プルトニウムでも22時間で検出できて、2,3日の???で、少なくとも1週間弱でできる』って書いてますよ」
って言ったんです。そしたら、
「え?何ですか?それ?」
って言ったら、次の日に
「測ってました。21日、22日に。」
って急に。
「じゃあ嘘ついてたでしょ?冗談じゃない。嘘ついたな」
って言ったら、
「最初から測ってる。そういうふうに申し上げた」
皆も嘘つくんです。
 このプルトニウム事件というのは、事件にしてますけど、要するに情報隠ぺいのいい証拠だと思ったんです。これが情報隠ぺいの典型的で。
 だから、そのあとずーっとプルトニウムっていうことが出た時言ってたのは、
「こうやって隠されてますよ。そして『プルトニウムは安全です』っていう安全デマを今度は流すんです。紙でも防げます。飲んでも安心です。」
(木野氏)プルトニウムが出た時にも、東京電力の武藤副社長が
「それほど影響はない」
って言いきってましたから。
(上杉氏)それでやっぱり飲んでほしいと思ったわけですよ。
(木野氏)飲んでほしいと僕は思ってないですけど。
(原口氏)プルトニウムについて、上原先生、いわゆるこういう原子炉の厳しい状況になったときに出てくるものとすると、希ガス、ヨウ素、それから今非常に問題になってるストロンチウム。いろんな半減期の放射性物質が出てくるんですけど、プルトニウムっていうのは、その中でも最も毒性が強いものと言われていますが、上原先生、その原発の事故についての少し基礎的な説明をいただけないかと思うんですが。
(上原氏)はい。短時間に説明するのは、どの程度説明していいかわかりませんけども、要するに今回の事故の場合は、原子炉の中の冷却水の能力が落ちてしまったということで、結局メルトダウンがまず起きるわけですね。メルトダウンが起きると、当然すぐになんて言いますか、水素が発生をしまして、それが爆発に及ぶわけです。そうすると、爆発をしてしまいますと、結局、原子炉の核燃料の中に入っております核物質が飛び出していくわけですね。それは先ほどから言われてますように、核物質の中にいろんな物質があります。もちろんストロンチウムもありますし、セシウムもありますし、プルトニウムもありますし、いろんなまたさまざまな物質が入っているわけです。
 ですから、今世間がセシウムとかヨウ素とかいう単純なものにだけいってますけど、それがどの程度出てしまったかというのを想定をきちっとですね、本当は保安院とかなんかが発表をすべきものなんです。
 ですから、その件についても、今度の中間報告にどの程度書いてあるのか、まだ私見てませんけど、そういうことをきちっと言ってほしいというふうに思っております。
 原口さんの質問に充分答えたかどうかわかりませんけど、わかりますかね?
(原口氏)ありがとうございます。ちょっとスカイプの状況がアレなんで、ポートがつぶれたのかもわかりませんが、再度アクセスさせていただきます。ありがとうございます。
 それで木野さん、やっぱり当初お三人がおっしゃるように
「それは、問題ありません。プルトニウムについては重いので、そんな飛ばない」
っていうことも言っています。
(木野氏)「炉から出ていかない、出ていきにくい」って言ってました。
(上杉氏)未だに言ってますよね。だからそれを???っていうのは、当然メディアなんですよ。専門家の学者の方を引っ張り出してきて、『飛ばない』って言ったりですとか、『安全です』って言ったり、そういう意味では日本全体がそういう危険なもの、プルトニウムが象徴的ですけど、ほかのことも含めて大したことはない、つまり『放射能 みんなで浴びれば 怖くない』みたいな感じになっちゃってるんですよね。
(原口氏)飛ばなきゃ飛ばないほうがいいんです。そういう説明をしていただくっていうのも、ある意味安心を与えるっていうのでいいんだろうけど、しかし事実は事実として向き合わないと・・・
(木野氏)正確に情報を出していただかないと判断が、我々ができないですよね。そういうプルトニウムに限らず、他の今上原先生がおっしゃっておられましたけど、どういった放射性物質が中から出てきているかというモニタリング調査といいますが、きちんとモニタリングをして、何が一体出てきているのか、何がどこにどのくらい出てるのかということを調べることで、避難の足しにもなりますし、炉の状態を確認する目安にもなりますし。ただ、それを一切出さないことで、結局炉の状態がどうなってるか、最後まで隠し続けて、どこまで避難範囲を広げればいいかという情報も隠し続けて・・・というところは、全部ベースのところに何が出てるかを隠すことで、そういう部分を広げていっちゃったのかなと。
 原発の周辺に関しては、今でもそうですけれども、東京電力に全部モニタリングをやらせてるんですね。丸投げで。これはある記者が吐き捨てるみたいに言ってましたけど、
『泥棒に現場検証させてるもんじゃないの?』
って。ちょっとそれに近いかなっていう感じが今でもしますね。
(上杉氏)犯罪者に犯罪・・・ね。
(木野氏)変わらないですね。今でも。
(原口氏)そのSPEEDIの問題についても、当初は
『電源が喪失したから、データのもととなるものが取れなかったんです。だから出せなかったんですよ』
っていう説明をしていました。
 しかし、事実が明らかになるにつれて、そのことについてもちょっと違うねっていう話になって・・・。
 日隅さん、その辺SPEEDIについても随分・・・
(日隅氏)そうですね。その点についていうと、読売新聞が当初発表したんですけど、その翌日には、運営してるセンターのほうが、
「いやいや、ちゃんとSPEEDI動いてますよ」
って言ってHPで出してるんですね。それにも関わらず、読売新聞はそれを受けた報道をしてないわけですよね。
 それで、結局SPEEDIは使えないものだという思い込みを国民の間に。
 それで、その次には、いや、実は放出量が判らないからなんだという話になって、結局使えない方向にどんどん持っていったわけなんです。
 最終的には、それが「なんか使えそうだな」ってことになると、「いや文科省と原子力安全委員会の間で管轄の問題で何かもめて、わけがわからなくなっちゃったんだ」とか。
 もう本当に、次から次へと使えない理由を作っていった
っていうのが、SPEEDIの大きな問題で、SPEEDIのことでもう一つだけ付け加えると、実は東京電力も似たようなものが当時あったんですね。
「どういうふうに拡散するかっていうのをやってるんじゃないか?」
っていうのを聞いたら、
「やってます。調べてます」
って最初言ったんです。
「じゃあそれを発表してください」
「ちょっと待ってください」
って言ってたんですが、いつの間にかそれも「放出量の数字だから出せません」って言う話になって、遂には、「そもそもやってない」っていう話に変わったんです。変わったんです。それが当初そういう質問してたんです。
(上杉氏)そういうことばっかりなんです。モニタリングポストもそうですし、「壊れて無い」って。そしたら「移動して昨日可動式モニタリングで実は測ってた」とか。
 これ、一つ原口さんに聞きたいのは、その時に政府の方でもSPEEDIは無いって言ってたんですよ。枝野さんもそういうふうに言ってましたよね。会見で。
「壊れてる。モニタリングポストも壊れてる」
 ところが、結局あったわけじゃないですか。ここはしょうがないですよ。結果責任だから本当はダメなんですけど、しょうがないんですけど、私のメモを見ると知ってるんですよ、SPEEDIがあること。SPEEDIがあることも、SPEEDIの報告も文科省から上がってきてる。
 これは原口さん、よく判ると思うんですけど、役人は怖いからあげますよ。絶対に政府に。そうしないと、自分たちのとこで止めたら、後で自分たちの責任になりますから。
これは絶対に官邸も、僕は12年間、多分一番長く取材してると思いますけど、小渕政権の時から官邸取材してますけど、官邸の情報で、結果として誰か政府にあげなかったことは無いんですよ。誰かにあげてるんです。どうしてかというと、役人は霞が関は、最終責任は絶対取りたくないから、それもあがってるんですよ。
 メモ見てると、内閣官房の方もかなり認識してるんですね。その時に言ってるのが、
「これが出たらパニックになる」
というのが一つ。もう一つは、
「東北道並びに東北新幹線、止めなくちゃいけないだろう。避難人数多すぎる。無理だろう」
 こういう会話があるんですよ。
 これは結果としてまずいですよね。
 これは細野さんが5月に会見で半ば認めました。
「あの時に発表していたらパニックが起こっていた。だから出さなかった。」
って言いましたよね。
 これは自ら政府が犯罪行為を認めたことですよ。こんなこと、どうして政治家が許すんですかね?民主党は。

(原口氏)あの、それと似たようなことっていうか、同じ文脈が子供たちの20mSvですよね・・・。なんでこんな基準を?って。
 これも直接担当者に僕は言いました。
 担当からは、本当にいろんなことを言い訳にならないことを聞きました。それを聞いてると、全然主観でない議員が、
「一博さん、1000校動かさなきゃいけないんですよ。あなたが言うとおりにしたら。」
って。
 これ、順番が逆ですよね。
(上杉氏)1000校動かさなきゃいけないことしちゃったんですから・・・
(原口氏)逆なんですね。状態があまりにも厳しいから、その状態に合わせて皆を危険にさらすっていうのは、危機管理の真逆の考え方なんですね。
 今日隅さんがおっしゃったそのことを、僕は・・・。
 だから、僕は東電だけをガンガンに責めて何かをやろうとは思っていません。むしろ、今もオペレーション中ですし、そこに働いてる人たちをもっともっと元気づけなきゃいけない、勇気づけなきゃいけない。
 例えば消防もですね、この間ちょうど1か月前に20㎞圏内に行ってきました。福島第一原発の4号機のゲートまで行ったんですけど、さっきのモニタリングを商業地区の消防署の協同組合の人たち120人だけでやってるんですよ。その20㎞圏内。
 あとでフェイスブックに載せておきますけども、20㎞圏内は、人が立ち入ってませんから、草ぼうぼうで、彼らに
「今一番何を訴えたいですか?」
って言ったら、やっぱり公務員だから非常に口が重いんですけど、実はこの枯草にさまざまな放射性物質を含んでいるであろう枯草に、火がついたらまた濃縮したものが外に飛散するので、ところが20㎞圏内って東京23区と同じくらいの広さで、それを120人の人たちがナイトシフトしながら、第二警戒なんとかって言ってましたけど、その状況の中を震災後からずーーーっとやってるんです。
 これをネットでいろんな人たちに言ったら、60を超えたNPOの人たちが、
「僕らも放射線の影響は、比較的若い人に比べると軽微だっていわれてるから、私たちもその方々に替わってお手伝いできないか」
っていうようなものが、今来たんですね。
 本当に現場のご苦労は大変なものだし、私たちはそれを支えていかなきゃいけない。だからこそ事実を・・・
(木野氏)きちんとした説明をしないことで、そういう現場の努力をなんか全部無にしてる感じがするんですよね。
 ちょっと許せない・・・
(日隅氏)工程表を出してくれって私は言ったのは、もちろんそうなんです。結局、工程表に埋まらないものがあるわけですね。現状では対策ができてないところが。現状ではこんな対策してるけども、それだとやっぱり不十分だからもっと別の方法があるんじゃないか。そういうことを智恵を結集できるからこそ、工程表を出してほしいと言った。
 ところが出してきた工程表は、『できることだけ』を書いて、しかも本当にできるかどうかわからないけど、『できることとして』書いてあって、肝心なできないこととか、どうしていいかわからないことは出てこないんです。そうすると智恵の出しようがない。それがもう当然、未曽有の事態ですから、工程表に穴が開くの当たり前なんですよね。それを何度も言われてましたけど、まだこれからこの知識が必要だとか言われてましたけど、そういうことを隠しちゃったんです。それが本当に決定的な当初の間違いだったと。
(木野氏)結局、そのまま最後までいって、もともとできることしか書いてないですから、そりゃ、目標達成できますよね。ステップ1とかステップ2とか言ってますけれども。
 ステップ1からステップ2の目標の最終目標も、細かい作業の内容でできること以外に、あまり最初4月の時点で注目されていなかったんですけど、この間上杉さんと話してて気が付いたのが、要するに放射性物質を抑制するっていう大目標が、わりに一番最初から書いてあって、最初はそれに触れてなかったんですけど、ステップ1の達成の頃から、それを目安にし始めたんですね。実際に作業が出来てる・出来てないじゃなくて、それ以外のすごくあいまいな、ある意味達成できてるかできてないか、確認のしようもない放射性物質を抑制するとか管理できてるっていう言葉だけのところで、ステップ1とかステップ2の目標の目安にし始めた時点で、「ちょっとこれはないかな」っていう感じはしますね。
(上杉氏)やっぱり木野さんがおっしゃったように、もう一つは4月17日の最初の工程表のままで『冷温停止状態』っていう言葉は、僕記憶になかったんです。全く。『冷温停止』はあったんですけど、『状態』も無い。『冷温停止』もなかった、『安定冷却』とかあったんですよ。
 それで、最初の工程表は、もうこれ、ずっとそれ作るまで日隅さんと木野さんが言ってきたのは、七尾さんもそうですけど、
「とにかく最初にステップ2完了9か月後に除染も終わり、皆戻れる」
って言ったんですよ、最初。それを言ったのにもかかわらず、そこが反故にされて、除染して戻れる、子供も妊婦も。ところが子供も妊婦もどころじゃなくて、
「とりあえず9か月経ったから戻しましょう。みんなで除染しましょう。」
 全く逆ですよ。
これ、消費税じゃないけど。
 で、これがまずびっくりしたのと、工程表を日隅さんが出た日にたまたま電話したんですよね。工程表を出す会見に僕が行けなかった。そしたら日隅さんが、かなりいつも温厚なんですけど、ときどきブチ切れますけど、いきなりかなり強い口調で
「こんなの、上杉君、願望表だよ!!工程表じゃない、願望表だよ。データも数値も何も書いてない。こんなのは工程表とは言わないんだ。」
 それまで出してくれと言っていたものは出てきたのはそれなんです。ところがそれを各メディアは、全部一面トップで『工程表出る!ステップ??』
(日隅氏)マンションの近隣に配る工程表だって、こんな分厚いものを配るわけじゃないですか。でも実際出てきたのはこんなペラペラですから。
<一同笑い>
(上杉氏)0ミクロンですよ。プルトニウムの核種よりも小さかった。
 でも、やっぱりそういうのは、ちょっと一言、もう一個聞きたいのは、さっきの政府の方の隠ぺい、いいです。これは歴史が絶対断罪しますから。これは、記者クラブも含めて。
 問題は、一番気になるのは、当時3月からずっとですね、放射線が出てるんじゃないかと言ってきたんです。デマ扱いされましたけど。全員。でも、出てたわけですよね。官邸は言わなかったと。
 ところがそれによって、少なくとも最終的な譲歩、『子供と妊娠してる女性、若い女性だけでも逃がしてくれ。それをなんで避難させないんですか?』っていう質問に変わってるんです。
 結局、そこに対しての提言、っていうか声が結果届いてないですよね。政府の方に。これなんで?原口さんもずっと言ってたと思うんですけど、これはなんでこれ止まっちゃったんですか?
(原口氏)これはかなりいろんなNPOとか市民レベル、国民レベルでは随分いろんなことを僕らもお手伝いしてますし、現在も。
 しかし、政府全体としては、福島県、それから日本政府、非常にいろんな議論の中に沈んでるっていう状況。
(木野氏)それは福島県側からの要望というか、地元自治体からの要望みたいなのはあるイメージなんですかね?
(原口氏)「子供を逃がしてくれ。これだけでいいから」とやったときに、地元の人は、これこそ「100mSv/年にしてくれ」っていう人がいる。ここが放射線の安全基準、ICRPとECRRの違い。専門家によって全然違うんですね。違うことに対しては、定まってないことに対しては、ものすごい大胆な、無謀なと言っていいでしょう。
(日隅氏)その「100mSv/年にしてくれ」っていうことが出た背景には、実は原子力安全委員会が『100mSv/年以下では、健康に被害が無い』というペーパーを配って、それがHPに載ったんです。
 それが間違いだっていうことを認めたのは、5月には認めたんです。
 ところが訂正しなかったんです。そのままずーっと継続して、訂正したのは10月の末なんです。だから、それを見た人は、
「原子力安全委員会がそういうふうに言ってるんだから100mSv以下は安全だっていうふうに言ってくれていいじゃないか」
というのは当たり前なんです。
(原口氏)当たり前なんですね。
(日隅氏)だから、そこの情報の流し方を完全に間違えている。でも、それをどこも報道しないんです。
(木野氏)放医研の放影研も自分とこのHPに放射線のQ&Aっていうのをいろいろ出していて、その拠り所として『安全委員会の4月のペーパーにこう書いてあった』っていうのが、最初の頃出していたので、ある意味、情報の出どころをきちんと整理できなかった、情報の・・・
(日隅氏)今回の中間報告書でもそのことに触れてないはずですよ。
 だから、それは安全委員会が『100mSv以下は安全だ』と出したのが決定的な間違い
(木野氏)あれは決定的な間違いです。
(上杉氏)いや、でも本当に酷いですね。私たちはいつも言ってるのは、別に安全なほうの100でも1でもいいんです。ただ情報を出した上で、あと選択の余地をやっぱり与えるべきだと言ってるんですよ。
 例えば、子供と若い女性、妊娠してる方は不安なわけじゃないですか。その不安をとるためにも、やはり逃げたという意思があったら、逃げさせる。そのときの情報提供なんですけど、情報公開に関しては、枝野さんを含めて菅内閣、それから野田内閣、はっきり言って、後退どころじゃないです。情報隠ぺいのリビアとか、チュニジアとかの独裁国家以下のような扱い方をしてます。ここに入ってくるのだって、まだ私たちは1回1回全部書かされて、ボディチェックしてやってるわけですよ。記者クラブ問題、12年経ちますけど。何一つ変わってないです、これ。
 だから遅刻したんですけど。本当に。
<一同笑い>
(上杉氏)こういう基本的なこともできない国家が、そして総理会見も未だにネットも使えない。皆全然入れない。そういう情報隠ぺいが海外への不信も生み、要するに世界中に
「日本政府は情報隠ぺいをやったな。ソ連以下だな」
って言われてるんです。今は。冗談抜きで。ソ連は3週間ですから。
(木野氏)カナダの医師何とか会が名前を正確には忘れてしまったんですけど、日本政府の情報の出し方は、当時のソ連政府以下だっていう論文出してました。
  【参考】EX-SKF-JPさんのブログで紹介されています。
      ⇒http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/12/blog-post_24.html
(上杉氏)あと、3月13日、二日後ですよ。これはクリントン国務長官、メルケル総理、二人とも
『日本政府は情報をきちんと出せ』
って抗議してるんです。これは日本のメディアはほとんど取り上げませんでした。
 要するに情報隠ぺいしてるってその時点で疑いをもたれてるんですよ。結果それが確定になったんです。疑いが確定になって確信で、もう日本に関しては、正直にプレイヤーではないような扱いです。それはやはりこういう結果として、情報隠ぺいをして多くの国民に被曝をさせた疑いのないというか、変えられない事実ですから。
(木野氏)問題なのは、今でもそういう被曝の状況が福島でやっぱり続いてることは、続いてる以上は、先ほど原口さんもおっしゃいましたけど、選択肢をきちんと与えて、出たい人というのは、当然「100mSvでも僕はいいよ」っていうひとももちろん中にはいると思うんですよ。お年寄りの方も含めて。でもそうじゃない人がいるということをきちんと捉えて、その人たちにそうじゃない、無理やりそういう状況を強要するんじゃなくて、きちんとその人たちの希望にかなうような選択肢というのをきちんと政治の側でこれは与えないと、要するに国民を国民扱いしてないような気がするんですよね。非常に。
(日隅氏)そういう意味じゃ、今回3段階の新しい避難の区域ができましたけど、結局20mSv以下だとそこは戻っていいみたいな方向になってますが、旧ソ連だと
 5mSv以上だと基本的にはそこには住んではいけません。
 1~5mSvだとちゃんとお金を出して『移転をしてもいいですよ、政府が保証しますよ。でも、そこに住むという判断もしてもいいですよ』と。
 1mSv以下は別に何もしませんよ。
 ということで、それはソ連の事故・・・
(木野氏)いや、1mSvでも何もしなくないんですよ。
(日隅氏)あ、では、判りました。そこ補足して。
 要は言いたいのは、旧ソ連の時にはうんと高い基準だったんですけど、ソ連の崩壊して民主的な制度、政治体制になった途端に、そういうふうに5mSv以下は危険なんだということをちゃんと伝えて、その政策をとってるんですね。
 それなのに、今の日本がやってるのは、旧ソ連の状態の???をして、
「それよりはいいじゃないか」
みたいな言い方をしてるわけですよ。
 でもそれは、旧ソ連という国だったからこそ維持できた制度であって、それが崩壊したら直ちに訂正されてるわけです。
 我々はむしろ訂正された状態に学ばなければならないはずなのに、そうはなってないんですよね。
(上杉氏)ウクライナ・ベラルーシに学ばなくちゃいけないですよね。今の。ウクライナやベラルーシはとっくのとうに4月からずっと言ってる。
「せめて情報の部分ではベクレル表示やってくれ。測って。そらから、R指定。つまり子供には安全な食べ物。60歳以上の歳よりは、ガンの寿命とセシウムの摂取によるガン化のどっちが早いかというと、まぁ死ぬのが早いだろうと。そういう意味で、どんどん5、60歳以上は食べろ」
と言うようなことを極端に言ってるわけですよ。
 それをやはり情報公開してるウクライナ・ベラルーシのように日隅さんがおっしゃったようなやり方が今国際基準なのに、日本は1986年のソ連のところをやってるのと、もう一つ付け加えると、それ以下なんですよ。それは広河隆一さんが、大先輩のずっとチェルノブイリ、多分世界で第一の専門家ですよね。言ってるんですけど、当時ソ連は3週間で、キエフ市長の責任者が女性だったということもあって、3週間で子供と女性だけをバスを何百台出して、クリミア半島に避難させたんです。「サマーキャンプだ」と言って。
 だから、ある程度被害が収まった。
 ところが日本は3週間どころか、9か月経ったら政府が「安全です」って言って、政府が戻してるんですよ、子供とかを。
 そういう意味で、ソ連よりも酷いということは、このことなんです。
 それは日本人だけが知らなくて、記者クラブがあるから、海外はみんなこれ知ってるんですよ。
(原口氏)私もちょうど12月にオスロに行きまして、ノーベル平和賞の授賞式の関連カンファレンスで、いろんな国の人たちと話をしました。珍しくノルウェーの去年のノーベル平和賞の関連で、珍しくっていうのは中国の方があんまりおられなかったけど、それ以外の方々とはいろんな意見交換をしました。
 やっぱりどうしても話題はこの福島第一原発事故と放射能、それからこれからのエネルギー政策。私は情報通信大臣でもありましたから、インターネットセキュリティとかに議論が及ぶんですが、3人の皆さんがおっしゃるように
「適切な情報開示とそれからやっぱり何が起きたかっていう解明をしてくれ。本当に原子力由来のものなのか、原子力発電所そのものが抱えてる構造なのか、福島第一だから起きたのか、東京電力だから起きたのか。」
 だって何をどうすればいいか。
 例えば、今ヨーロッパではキャッチャー型のメルトダウンしてもこういうふうに放射能が外に出ませんねという原子炉が作られていて、これ、今までの何倍もあって、もうこれを作んなきゃいけないんだったら、コスト的にも安全保障上でも無理ですねっていう議論が起きてました。
 でも、まだ僕らは当事者であるにもかかわらず、まだその手前に居るんですよ。
 何が起きたのかっていうのが、まだ判ってない。
 だから、今日の皆さんとのお話を進めて、スカイプの調子が悪くて申し訳ありません。上原先生。上原先生のところの映像が、繋がってはいるんですね。
 先生、すいません、映像は出ませんが・・・
(上原氏)聞こえてます。
(原口氏)声、聞こえております。お声だけで。
(上原氏)そちらの話、よく聞こえますよ。
(原口氏)ありがとうございます。今まで3人の皆さん、大変な情報開示を求めて頑張ってこられました。
 日隅さんは工程表を出してくれっていうことで、本当にこの工程表のもととなったのは、この日隅さんのご提言だと思っています。
 しかし、この間『冷温停止状態だ』という宣言をして、ある意味での終息宣言ということで、私はこれも、何を意図したものなのかというのがわからない・・・。
 上原先生、前からおっしゃってますが、
「仮に表面が低温であったとしても、中の温度がわからなければ、それは本当には安全を確認したとは言えないんだ」
ということを先生は、再三再四おっしゃっています。
 少し、今回の『冷温停止状態』、これも聞きなれない言葉です。コントロールされた原子炉の中の炉心が下りて、冷温停止になるということは、私たちは学んできましたけれども、先生、『冷温停止状態』ってどういうことなのか、今回の政府の発表についてどのように受け止めておられるか、少しお話を聞かせてください。
<01:19:30頃まで>

【その③】に続きます。
失礼します。
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