※この記事は、12月12日 【内容起こし】IWJ 百人百話 第24話 宍戸慈さん 【前半】に関連しています。

<39:30頃~>
Q.30歳以上、60歳以上の方については、どのように思われますか?
 多分今、非常に動いて頑張ってくださっているのが、30代後半から45くらいまでの世代なのかなっていう感覚はあって、良きにつけ悪きにつけの部分はあると思うんですけど、一番バイタリティのある世代で、
『自分たちが自分たちの子供とかこれからの未来をつくってかなきゃいけないんだ。何かを残してかなきゃいけないんだ』
っていう感覚で動いてくださってるのが、本当に35~45くらいの10歳の世代かなっていう・・・
Q.それは男女ともに?
 男女ともにそうですね。
Q.52歳も頑張ってるよ!
 52なんですか!?えぇーーーっ!!それびっくり!!
 うん、あー、そうなんですか。
 でも50歳とか逆に聞かないです。
 なんか・・・、あ、でも、田中優さんとか何歳くらいですか?
Q.俺と同じくらいじゃないかな?
 同じくらいですかね?
 あ、じゃあそのくらい。そう考えると、多分50歳くらいの人たちが引っ張ってくれてて、その下の世代が植木さんとかそのくらいの世代の人たちががフットワーク軽く動いてくれてる感じかな?うーん。
 30歳、30~40くらいの人までの人たちは、どうしていいかわからなくて、もぞもぞしてる感じがしますかね・・・とか言っていいのかな・・・。
Q.女性、男性で差は感じられませんか?
 30代だと、30代のお母さんとかの話を聞くと、男性の方がやはりちょっと・・・安全視しがちっていう話は聞きます。『パパとけんかになって』とかって話はよく聞くので。でも、それは普通に働いている人と主婦で子供を守らなければならない人とっていう環境の違いなのかなとは思うんですけど、うーん。
Q.女性、男性で捉え方の違いはありませんか?
 あー・・・。私が自分自身ですごく感じたことなんですけど、私、多分母性ってこういうことなんだなって思うんですけど、ブログにも書いたんですけど、居るか居ないか、これからどうするかっていうことを本気で考えさせられた時に、現実を突きつけられた時に・・・、生まれてきた以上、自分の子供を幸せに健康で産み落とすことが、私の使命なんだなっていうことを・・・が、最後の答えだったんですよ。考えて、考えて、考えぬい多結果。
 仕事も今まで自由奔放に、そしてやりたい放題やらせていただいて、でも、人一倍時間も働いてきたつもりでいて、でも、そんな結構頑張って働いてきた自分ですら、そういう本当に局面に立たされると、子供を産みたいっていう気持ちになるんだなぁって思ったんです。
 爆発したって思ったとき、一番最初に思ったのは、
「あ、子供産んでおけば良かった」
って思ったんですよね。
 なので、全ての判断基準は、健康な子供を産めるかどうかっていうところが、私の判断基準になるんですが、やはり男性は、そこに経済活動っていうのがすごく絡んできて、私、経済活動、それこそ本当になんとか食べていければ、大切な人が居てくれて、自分の大切な子供が居てくれて、大自然とかがもしある場所なんだったら、それに越したことはないし、それ以上の幸せは無いんじゃないの?っていうところまで考え抜いたんですけど、男性とその話をすると、
「じゃあどうやって食っていくの?」
 やっぱり経済活動優先になってしまう考え方の方が多いなーっていう感覚は、すごくありますね。
 だから、まぁでもそういう生き物同士で違うのかなっていう認識にはなったんですけど。
Q.今の話は、原発をどうするかとは別の、抽象的な話ですか?
 抽象的な議論が多いですね。
「じゃあどうやって食べていくの?」
と、元気な子供を産みたいっていう混じりあわない・・・議論の中に、その議論の原点というか、なんでそれは議論されてるのか?っていうのは、原発があるからなんですけど、そことはなんかこう、また別個のところで話が行われてて、私の中ではですね、私の中では、私は、今後原発をどうしていくかっていうことを考えたら、もちろん自然エネルギーにシフトしていけるんであれば、それに越したことはないって思ってるんですけど、なんて言うんですかね。だからこそ、経済活動優先ではなく、自分自身が無理なく生活していける、そういう生活の方が、そういう生活をしていく人が一人でも増えるべきだなと思ってるんですけど、その経済活動を優先してしまってる方と話をすると、なんかこう、すりあわないというか、原発の話はそこには絡んできてないというか・・・。
Q.お金を稼ぐということと、丈夫な子供を生んで幸せに暮らすということは重なるように思いますが?
 恐らく、混じりあわないのはなぜかっていうところを紐解いて、今考えると何ですけど、得ている情報が全然違うから?なのかな・・・っていう気はします。
 基本、安全だと思ってる人。
 私は危険だと思ってる人。
っていう立場が全然違うので、
「安全だからここで経済活動する方が良いでしょ」
「やっぱりでも、私原発はなんかあんまり安全だとは思えないから、自分も含め、無い社会のライフスタイルにシフトしていった方が良いと思うんだけど」
 そのもう既に語るためのスタートラインが違うというか、与えられている情報、そして持っている情報、判断するための基準が違いすぎることが、原因なのかなと思いますね。
Q.福島の中と外で、情報の落差をどういったときに感じますか?
 まず、今日も話にあったんですけど、私、ジャパンエンデューロチャンピオンシップという日本のバイクのデューロレースを仕切っている協会からレースクインのお仕事をいただいてて、それっていうのが、全国ワンシーズンを通して、全国熊本ととか北海道とか全国転々と、月一くらいでレースが開催されて、そこに毎回同じような全日本のライダーが行ってレースをするっていうものなんですけど、私たち、私も郡山に住んでいるんですが、郡山市に住んでいて、私たちからしてみたら、福島県猪苗代町、隣町ですよね。猪苗代町は、郡山よりは数値が全然低い場所なんですね。今、猪苗代町どのくらいかな・・・。0.あっても5とか、もっと多分低いと思うんですけど、ちょっと数値がわかんないんですが、今福島の郡山市だと、0.8とか9とかなんですね。半分以下、半分くらい。
 なので、どちらかっていうと避難に行く場所、リフレッシュに行く場所という認識。
 実は、9月今週末日曜日にジャパンエンデューロチャンピオンシップの福島大会があるんです。それが猪苗代町で開催されるんですが、もちろん私も行くんです。
 普通だと、エントリー台数、100台とかもっと多いときは多いんですが、やはり猪苗代町、今回聞いたら、もちろんコースの問題とかいろいろ他の問題もありますが、60台とかやっぱ少ないんですよね。
 エンデューロのバイクのレースを見に行く人、そして出る人も、ほぼ30代、40代なんですよ。もはや放射線は、そんなに影響はないと言われてる世代。
「それでもやっぱり行きたくない」
という判断をされた人もきっと中には居るんだなというのを改めて感じて、
「あぁ、外と中でこんなに認識が違うんだ」
って思ったり・・・。
Q.身体に影響があったという話は、何か聞いたりされましたか?
 本当に爆発した後に、私は危険だなと思ってマスクをしていたと話をしてたんですが、とあるクラブイベントの打ち合わせで、同じ世代の女の子が6人、男の子が3人。そんな状況で、私はマスクをして登場したんですけど、そしたらそのパーティーの主催の女の子もマスクをして登場して、
「あぁなんかブログ見てくれてるんだね」
みたいな話をしていて、ミーティングをしていたら、ある女の子が、コソコソっと私のとこに来て、
「ちかちゃん、ブログになんかいろいろ書いてあるけど、ちょっと聞きたいんだけど」
って言われて、
「どしたんですか?」
って言ったら、
「実際のとこ、どうなの?」
って言われて、
「私は喉が痛いので、マスクしてますけど」
って言ったら、
「やぱりそうなの?」
って言われて、
「私も喉が痛いんだ」
って。でもなんかやっぱり10人くらい集まって楽しいイベントの打ち合わせなので、そんなことはあんまり大声では言えない状況で、
「そうですか、多分こうこうこうで、空気中に、今まだ放射性物質があって、空気から吸い込んでしまってっていう状況だと考えられるっていう見解もあるので、マスクはしといたほうがいいと思いますよ」
なんて話をしてたら、チラチラ皆がこっちを見るんですよ。
 結果的に、
「何の話してんの?」
ってなって、
「喉が痛いって話してたからさー」
って言ったら、
「あー、俺も痛い。」
「え?ほんと?私も!」
ってパパパパパパって出て、こんなに皆喉痛かったんだって、私そのときにすごくびっくりして。
 周りのお母さん方とかに
  子供が鼻血を出した、
  下痢がとまんない、
  クマができた、
  口内炎がひどい
とか聞いてたんですね。
 私自身も口内炎できたりとか、あとは同じ職場というか仕事で一緒にやっている人たちも、
「今まで口内炎できたことないのにできた。ストレスかもしれないけど、放射性物質かもしんないね」
って、ラジオ聞いてたんで、
「鼻血、口内炎なんかはザラにあるみたいな話を聞くよ、私は」
って言ったら、
「え。俺鼻血出てんだけど」
「え。俺口内炎今ある」
「え。私もある」
って、9人くらいいたその中で、8割くらいの子が何かしら症状が出てたっていう・・・たまたまかもしれないですけど、そういう状況は実際にありましたね。
 私のお友達のお母さんで、山形に避難したお母さんが居て、彼女も非常に福島が大好きで、旦那さんもこちらにいるので、最後の最後まで避難を考え、考え、考えて、二学期からという形で避難をしていかれたんですが、二学期前に山形に行って、その前までずっと子供たちがクマが酷くて、昔から知っている子供たちなので、私も見てるんですけど、顔つきがやっぱり違うんですよね。クマができてて。
 外で遊んでないせいなのか、放射線の影響かは確かに判らないですけど、とにかくクマが酷い。
 で、山形に行って、どうですか?って聞いたら、
「なんかね、すごい元気になって、大丈夫だよ。クマも消えたし。」
 同じ共通の友達が結婚式だったんで、子供もつれてまた戻ってきたんですね。
 そしたら、本当に元気な顔になってて、
「あぁほんと良かったな」
って思って。放射線って一回外に出ると治癒する、戻るって言われてるけど、それってほんとなんだなって思ってたら、3日、郡山の家に結婚式がらみで3日居たと。
 朝お母さんから泣いて電話が掛かってきて、
「ちかちゃん、今日うちの娘が鼻血出したの・・・」
って。
「もう私ここには住めないっていうコトだよね。私は何ともないのに、子供たちに影響が出てしまうってことは、私はもうここには居られないってことだよね・・・」
って。
Q.何歳のお子さんですか?
 小学校2年生、幼稚園生、2歳か3歳かそんな感じの三姉妹なんですけど。
Q.お母さんは何歳ですか?
 お母さんは37、6?そのくらいだと思います。
 彼女はもちろん山形に行かれたんですけど、うーん、そういうことをやっぱり聞くと、私は福島では子供は育てられないなっていう判断になってしまうかなとは思いますよね。
Q.身体に症状が出ているという話をするとき、なぜ『実は…』と話し始めるのでしょう?
 あのー・・・、福島にいる人って、福島復興の妨げをしちゃいけないんですよね。
 すごくわかりやすく言うと。
 極端ですよ。言い方は極端ですけど、福島県民は福島を愛してたい、皆愛してるんですよね。外にいても中にいても、出ても、ここに居ても福島を愛してるんだけど、でも、『福島の人は福島の復興を妨げてはいけない』っていう・・・、でも気持ちはわかりますよね。福島には、私も戻ってほしいと思うし。
 その心理がどっかでやっぱり働いちゃうからこそ、自分の身体に出てる症状とかをなんか口をつぐんじゃわなきゃいけない気がする・・・。
 私自身もそうです。やっぱり。
 私は逆に、でもそれ、今それを口をつぐんでしまうことが福島の復興の妨げになると思ってるので、私は言いますが、でもその気持ちはあります。やっぱり。今こうやって頑張ろうって言ってる人たちが、それで本当に私が言ったことによって、本当にそれがこの人たちのためになるだろうかっていう気持ちはすごくあって、そこまでしっかり考えてものをね、みんなが言うわけではないと思うので、まず、自分、例えば鼻血が出たといったときに、私の気のせいかなって最初は思いたいし、思わなきゃいけないっていう・・・なんかこう・・・それがある意味、『ちょっと曲がっちゃった福島・愛』みたいなのかもしれないんですけど、かな・・・?それがそうさせてるのかなっていう感じはありますね。
Q.自分にも何か、身体症状が表れたりなどしていますか?
 私は非常に疲れやすいなとは感じます。
 まず、原発が爆発してから、ココラジで話をしてた時は、すごく気を張っていたので、食べてもいたんですが、10日で3㎏、4㎏落ちたんですよね。
 食べてたんですよ。普通に。ちゃんと食べてもいたし、皆さんが本当にご飯もコンビニも開いてないっていう時に、みなさんが配給で持ってきてくださるので、本当に食べ物はおかげさまで困らなかったんですけど、でも3㎏、4㎏落ちて、そこからまた体重戻ったんですけど、そこからすごく疲れやすいなっていう感覚はあって、まず2週間後、3週間後はすごく眠くなりました。寝ても寝ても寝たりない。これって、だるだる病ってやつですか?
 友達とも会いながら言ってたんですけど、本当に寝ても寝ても寝たりない。
 で、その後、なんか自分の中で細胞がまた新しくなって元気になったな、一段階上がったなっていう時があって、前よりも動けるようになったと思って、また元通りの生活をしようとすると、週の真ん中くらいにカクンッって気力が落ちちゃって、1日寝てたりとかっていうことがありますね。
 あと、私、お酒が大好きで煙草も吸ってたんですけど、煙草を吸うと気持ち悪くなってしまうので、煙草がまず吸えなくなったのと・・・
Q.それは良いことですね。
 良いことですね。<笑>
 あとはビールも、ビールっていうかお酒もすごく弱くなったなっていう感じがして、でも周りに結構いるんです。『お酒飲めなくなっちゃった』っていう人が。
 クラブイベントとか主催しててお酒大好きだったっていう人が、お酒飲むと気持ち悪くなって吐いちゃったとか。
 あと、コーヒーが飲めなくなったとか。
 なんかそういうちょっとした変化は結構聞きますね。
Q.観察眼が鋭いですね。
 なんかでも普通に原理を考えると、お酒も煙草も活性酸素を増やすので、放射線による、多分影響と同じような効果があるんだと思うので、私の中では理にかなってるなと思ってて、私はお酒飲めなる、弱くなったっていうのは、身体の中の活性酸素を除去するための酵素が放射線に働いてて、ビールとかを分解するためには働かないのかなとか、考えたりはするんですけど。
Q.3.11以前に勉強したんですか?
 はい。<笑>
 でも、もともとなんか好きなんですよね。活性酸素とか添加物とか、そういうものが・・・
Q.これからどうしていきたいかお聞かせください。
 私は、本当にさっき話をした、ここで子供が産めるかどうかということを考えると、今の福島で今日例えば子供ができましたって言われたら、正直、産むかどうかすらも考えるような状況だなと思っていて、そういう状況で私は今福島に住んでいますが、5年10年住み続けるかといわれると、この状況が続くのであれば無理っていう判断なんですね。
 なので、すぐすぐではないですが、きちんと計画を立てて、外に出ていこうとは思っていますね。
 ただ、福島は大好きなんです。
 7年間福島のやさしさと自然というテーマを持ったフリーマガジンDipという情報誌を作ってきて、福島の良さは人一倍知ってるつもりだし、福島の人のことも人一倍っていってるつもりで、この福島は絶対に手放せないと思ってるので、外でできること、福島のためにできることを、できる環境を自分で作りたいなぁと思っていて。
Q.福島から離れたことはないのですか?
 えーっと、私、福島県福島市に生まれて、福島女子高校という高校を出まして、大学に行くつもりだったんですが、そのまま福島に居残ってしまい、そのままその20歳からフリーマガジンDipという情報誌を作り始めたんですね。
 『こんな田舎の町、嫌い』って思ってたので、絶対東京に出てやるって思って、高校生の時はいたんですが、ひょんなことから福島の仕事をするようになって、例えば『おばあちゃんが冬至かぼちゃを作りました。そのレシピを紹介します』とか、福島の昭和村に行って、からむし織の取材をしたりとか、農家さんの笑顔に癒されて取材をした帰りにお野菜をたくさんもらって、帰ってきたりとか、なんかそういう思い出がね、いっぱい詰まった福島なので、やっぱり福島は絶対に捨てられないので、私はこれから子供も産みたいので、外に出るつもりではいますが、やっぱり外に出ながら福島に携わることをしていきたいなと思ってます。
Q.彼氏とは、これからどうしていきたいということについて話をしていますか?
 彼は、福島の本宮市で農家をしてたんですが、原発が爆発したその影響で、農家ちょっと厳しいんじゃないかという見解で、彼はもう5月に北海道に移住しまして、今北海道でお店をやってます。向こうでそれこそ福島の人が一時行ったときに遊びに来れる場所とか、福島の人をそれこそ大きくできるのであれば、雇用できる場所とか、作りたいっていって向こうで頑張ってるんですが、彼とも話をしているのは、具体的にどうしていくかって話まではしてないんですが、彼の姿を見ていると、そういう方向性での福島の未来の作り方もあるなとは思いますね。
Q.福島の女性の一人として、自分の進路やパートナーについてどう考えていますか?
 同い年の友達とかと今後どうするとかって話をしたり、自分自身がどういう結婚をしてどういう人とどんなふうにこれからを過ごしていくんだろうっていことも、もちろん原発が爆発した後だいぶ考えて、恋バナに必ず原発問題・放射能問題が入ってくるっていう不思議な状況が今、福島の女の子の中ではあるんですけれども、まず、自分自身で考えた時に、まず原発爆発した後に考えたのは、
「福島の人はやっぱり被曝しちゃったから、福島の人以外とは結婚できないんだろうか」
っていうところはやっぱり考えましたね。
 うちのココラジのパーソナリティのむなかたかずこさんっていう人が、なんかそんな福島の女性が県外の男性と結婚破断になったっていうYAHOOニュースかなんか見て、
「もう福島は農作物も男女関係も地産地消でまいりましょう!」
っておっしゃってて、なんか笑っちゃったんですけど、そういう気持ちはどこかにあります。
それは、被曝してしまったからっていう私の場合はマイナスの部分ではなく、この放射能とか原発っていう問題を、私は一生向き合っていくことになると思うんです。それを考えた時に、同じ状況、少なからず同じような環境を共有できる相手とじゃないと、人生は歩めないんじゃないかっていう感覚は、すごくありますね。
『私は被曝しちゃったから、外の人にはもらってもらえない』
とかっていうものではなく、この悩みぬいた5か月6か月間の気持ちを県外の人に共有してもらえるのかって思ったときに、よっぽど福島に尽力してくださっている方であれば話は別ですが、そうじゃない方にこの状況を理解しろといっても、それは酷な話で、例えば
『私が東京に嫁ぎました。子供が生まれました。実家の母と父に子供を見せたいです。』
って行ったときに、果たして東京で結婚した相手は、
「いいよ、行ってきな」
って言ってくれるのか、そういう細かいことだったり、まぁ結婚した先に人生の岐路がいろいろあると思うんですけど、その岐路に立たされた時に、ここまでの極限の状況に追い詰められた経験をした私と、そうじゃないかもしれない彼と価値観は違わないだろうか。 そういう考え方で行くと、私は『福島県の人じゃないと』というよりも、『福島県の人と』結婚したいなって考えてますね。
 でも、やっぱりいろんなことを話せば、いろんな子のいろんな状況があって、でも、今私が同級生で仲良くしている友達たちは、やはり福島で同じ福島にいるパートナーなり、彼氏なりがいて、「どうするの?」って聞くと、「彼はここに仕事があるし」って。
 だから、それが理由で、彼と一緒に居たいから放射能の話を耳に入れたくないっていう子も、たくさんいます。彼と一緒にいるためには、ここの福島を安全だと思いたいから。『安全だから』ではなく、『安全だと思いたい』からっていう部分で、『大切なのは、安心・安全ではなく、彼と一緒に居る時間』っていう選択肢をとってる子もたくさんいて、でも私はその子たちに対しても、
「じゃあ彼と一緒に外に行くことも、一つの選択肢として考えようよ」
って注意喚起を促したいなとは思ってるんですが、でもね、やはり27なので、ある程度社会的にも責任があったり、そういったもろもろのことだったり、もちろん福島以外で住んだことがなければ、そこに二人で行ってどうするの?ってそういうこと考えるとなかなか立ち上がれないっていうのも状況の一つではあるかなと思いますね。
 でも、なんですかね・・・。
 その、福島の・・・今いる女の子たちは、きっと私と一緒で、この状況、この気持ちを共感してくれる男の子と結婚したい、一緒に居たいと思ってるんだけど、どこかしらで多分見たくないと言ってるのも危険なのもなんとなくわかってるから、そこに目を伏せたいっていう気持ちがあって、本来であればみんな一緒に外に出れたらいいのになって、彼氏も友達も、ほんと同い年の友達と皆で行ってるのは、
『もう仕事も友達も公園も学校も全部一緒に移住できたら、こんなにいいことないのにね』
って言ってるんですけど。
 もちろん彼との見解の差でケンカになってる子とかもたくさん見てますし、これからも私たちの恋愛事情にも、悲しいかな放射線や原発問題っていうものが考えないようにしても、考えなきゃいけない案件として挙がってくるっていうのが、現状かなと思います。
Q.パートナーと見解が相違する理由は何なのでしょうか?
 私の友達って、彼が福島に仕事がある稼業なんですが、稼業が福島にあって、今は手伝ってるんですが、ゆくゆくはそこを継いでいくだろう。結婚するつもりももちろんちょっとあり、どうしようかと思っていた。ただ、その稼業がこの放射線とか原発の問題により、もしかしたら・・・うーん・・・、今までは安定だったけれども、危ういかもしれない業種、ちょっと言及はできないんですが、業種であると。そうなってきたときに、果たして彼と結婚して大丈夫なのだろうか?っていうまずは不安と、恐らく家業を継ぐのであれば、彼はここに残る。でも、私の友達の彼女は、不安を持っている・・・。
 この彼とずっとやっていけるんだろうか、付き合っていきたいけどいけるんだろうか・・・。ただ、彼も危険だとは思ってるから、週末の度に二人で外に出ていって、土日は那須に行ってちょっと線量を下げるとか、会津に行って線量を下げて、土日で線量を下げるっていうことはしているっていう話を聞いたり。
 また逆に、彼が外の県外出身の方で、彼女が郡山の方。どちらも友達なんですけど、県外出身の彼は、戻るところがあるので戻ればいいと思うんですが、こっちにいる友達とかやっぱり仕事とかがすごく大切で、ここから離れたくない。特に、状況を見ても、安全、そこまで不安がる必要はないと彼は思っている。ただ、私が友達として、友達の彼女は、非常に不安が強くて、なんなら彼の実家に一人だけで行こうかっていうくらい、悩んでいる。でも、彼とは離れたくないから、果たしてどうする?原発の事故をきっかけに一緒に住み始めたりしてたんですが、やっぱり見解の違いがこれからの二人の人生を左右してしまうので、話し合いがうまくいかず、あんまり一緒に居る時間も楽しく過ごせないっていう話も聞きますね。
Q.『これを言っておきたい』ということは何かありますか?
 私すごく個人的に思うのが、さっきもちょっとチラッと話をしたんですが、今20代、今31,2独身っていう女の子たちが健康で元気な赤ちゃん産めなかったら、福島は本当の意味での復興は無いと思うんですよ。だから、例えば勝手に考えてるんですけど、移住が無理だったら、これから妊娠可能な女子は、12か月制度ではなく、11か月制度にして、お給料を20万のところを18万にするかわりに、1か月まるまる休んでいいから、そこで線量下げてきなさいとか、そういう措置を企業側で作ってくれるとか、なんかそういう、本当に擁護をしていけるような体制を私たちが作らなきゃいけないのか、周りと一緒に作っていくのか、でもどちらにせよ、作っていかないと彼女たちも動きづらいし、本当の意味で50年後福島が甲状腺がんの子供達だらけっていう世界と見たくないし、それこそ集まっていた10人で、また飲み会をしたら、
「私の子供、遂にになっちゃった」
ってそんな話は聞きたくないので、まだ前段階で防げる段階であると私は思ってるので、そうして、そういうふうに気づいてくれる人が増えてほしいなと思うのと、外から例えば何かしてもらえることがあるのであれば、そういった動きを支援してくれるとか、同じ世代の女の子たちにすごく強く考えてほしいなと思ってます。
【以上】

失礼します。