※この記事は、12月5日 【内容起こし】IWJ 百人百話 第20話 千葉由美さん【前半】の続きです。

【動画】12月6日 百人百話 第二十一話 手塚雅孔さん
http://www.ustream.tv/recorded/18965364 (74:31)

【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
2011年9月1日収録
 福島県郡山市に住んでいます手塚といいます。
 妻と二人の娘と4人で暮らしてます。
 私は43です。
 上が高校3年生で、下が小学校2年生です。
 病院のソーシャルワーカーをやっています。
Q.今も郡山に?
 はい。そうです。
 生まれは郡山です。母が郡山出身で里帰りして私を産んで、小さいときは東京に居たんですが、その後郡山に移って、高校まで郡山でそれ以降就学して就職して、しばらくは東京にいましたが、また郡山に戻ってきました。
Q.3月11日の状況
 3.11は私は病院に勤めてますので、病院の職場で被災しました。
 患者さんが来てるデイケアというところに勤めてまして、そこでカラオケをやってる時に地震が来まして、私、子供のころに宮城県沖地震というのを経験してるんですね。その時は、なぜかそこと別の住んでるとことは別の病院にいっていて、すごい揺れを感じて、すごく自分でパニックになって、手を引かれてあちこちウロウロしてたのを思い出したんですけれども、その時の揺れよりも、すごく長くて大きくて、なんていうんですかね、地面がズリッとずれるのを感じたんですね。
 実際に揺れが収まって、患者さんが大丈夫というのを確認して、外に出たらもう駐車場も地割れが出来てまして、
「これはもう只事じゃないな」
と思いましたね。
 ちょっと仕事中だったんですけども、携帯電話で自宅というか子供のところに連絡を取ろうとしたのですが、全然携帯電話が通じなくて、
「本当にこれはどうなってるんだろう」
っていうのがすごく不安でした。
 それで、家の病院が被災したので、病院は3カ所でやってるんですけど、1ヵ所の建物が壊れてしまったので、患者さんをうちの病院に運んでくるということがアナウンスされてきたんですけれども、自分の家のことも家族のことも心配で、連絡が取れなくて、でも、自分の仕事をやらなくちゃいけないというのがあって、心配な気持ちを押し殺して、患者さんを受け入れる準備をずっと夜までしていました。

Q.震災・原発の情報取得の手段は?
 病院の中では、仕事中テレビなんか見れませんので、ただラジオはかけておけますので、そういう状況の中で外来とかそちらのほうでは掛けてなかったんですが、私がいってる???というところには、実際に水が出なくて食事も出せなかったので、患者さんちょっと来られないような状況だったんですけども、そのほか病院の中で他の患者さんが急性期の病院なんかから来た患者さんの対応で、いろんなものを運んだりですとか、部屋を作り直したりとかそういったのがありましたので、雑用係という形でやっていたのですが、その合間合間で、私がいるところのスタッフルームでラジオをつけまして、ラジオ福島という放送局で流れている情報を頼りにして、いろいろ判断しなくちゃいけないかなというふうに考えてました。
 原発のことは、そうですね・・・。
 『爆発しました』なんていうのは、多分リアルタイムでは聞いていなくて、自宅に帰ってテレビを見て、それで『爆発した』なんていうのを気が付いたという記憶があります。
 私も福島に住んでいながら、原発が何基あったかとか、プルサーマルなんて言葉は聞いてはいたんですけれども、実際にどのくらい危険なものを燃料に使ってるのかなんてことも、知らないでそれで、『全電源喪失』なんて、言葉としては入ってきたんですけども、それが何を意味するのかっていうのも判らなくて、ただ「仕事に行かなくちゃ」とか、「その間子供をどうしよう」とかそんなふうなことと、あとは何より「仕事に行くのにガソリンをどうしよう」とか、「食べ物、水どうしよう」って、そんなことばっかりが中心で、『原発、全電源喪失』って言っても、ピンとこなかったんですね。
 それで、ようやく爆発したものをテレビで見てから、
「あ、これはヤバイのかな?」
なんて思って、でもテレビでは官房長官が、
『ただちに健康に害はありません。大丈夫です。』
なんてこと言ってましたし、職場で流していたラジオ福島では、ラジオ局のアナウンサーも、
「まぁ大丈夫です。パニックにならないでください。」
という内容をしゃべっていましたし、あとは、ちょっと時間が少し過ぎてしまうんですけど、地震から1週間くらい経ってから、放射線リスクアドバイザーなんていうような、山下さんなんていう方が出てきて、そこでしゃべって
『100mSvまで安心ですよ』
っていうようなことを言ったりですとか、あと名前忘れちゃったんですけど、毎日新聞の科学関係の記事を書いていらしたような方が、そのラジオに出て、やっぱり
『そんな心配することないんだよ』
なんていうふうに言ってたりしたんですね。
11月15日 【内容起こし】IWJ百人百話 第7話 鹿目久美さん【その①】にこの毎日新聞の方の記事を紹介しています・・・。】
 それで、でも、なんていうんですかね。私も『大丈夫、大丈夫』って皆がみんな言うのが、ちょっとなんかこう・・・違和感を感じたといいますか、
「ちょっと本当に大丈夫なのかな?」
って。大丈夫だったら、こういうふうなところで大乗うぶですってはっきり言ってくれればいいんですけども、全然・・・なんていうんですかね、『大丈夫、大丈夫』とだけ言われて、何も「こういう理由で大丈夫なんだ」っていうのは全然出てきてませんでしたので、それでちょっと本当に大丈夫なのかしら?というふうに思ったんですね。
 それで私もアナログ人間なので、ツイッターもフェイスブックもやっていなかったんですけども、インターネットをつないでおりましたので、インターネットで普通によその記事がどんなの出てるのかな?なんていうのを自宅で調べてたりしたんですけれども、それで、日本政府は大丈夫って言ってるんですけれども、どうもなんかアメリカは『80㎞圏から避難しろ』なんて言ってますし、フランスは『航空機を無料で出すから、海外にフランスの方は逃げてください』なんていうふうな報道がなされてたり、ドイツもそういう形ですし、確か、バングラディッシュかなんかだったと思うんですけど、アジアの国でも『日本から逃げてください』、韓国もそうです、『逃げてください』って、いうふうなのがなってて、
「なんでこんなに違うのかな?」
というところで、
「本当はまずいんじゃないかな?」
とそこで思いだしたんですね。
 ただ、そう思って妻に話はしたんですけれども、妻も看護師でうちの病院とは別の職場で働いてまして、当然やらなくちゃいけない仕事があって、すぐには動けなかったんですね。でも、やっぱりそこでネットで見ていくうちに、子供に影響が出るというふうなことがすごくわかってきましたので、とにかく子供達だけでもなるべく遠くに逃がしたいということで、山梨に親戚がいまして、そちらの方に逃がすっていうことを、本当はもっと爆発で危ないっていうのを知ってからすぐ逃がしたかったんですけれども、3月15日とか16日とかには逃がしたかったんですけども、ちょっと遅くなって、事故から1週間後の3月18日に子供二人と妻を連れて山梨に行きました。
 子供二人だけ親戚のところにお願いして、妻と私は仕事があるので、また郡山に戻ってきました。すごく、もう・・・地震で水も出なくて、ライフラインが駄目になっててガソリンも無くてっていう状況の中で、もうとにかく『そのことのプレッシャー』のほうが大きくて、その中でも仕事をやらなくちゃいけないっていうのが・・・
Q.『そのことのプレッシャー』とは?
 ライフラインもちゃんと水もしてなくて、うちは電気は大丈夫だったんですけれども、水が無くて、尚且つガソリンも10リッターとか、よくて20リッターとか。あと、私の義理の弟なんかは、「1時間並んでやっとガソリンを入れた」とか、職場の人のご主人は「一晩車の中にいて、布団を持って行って車の中で一晩すごしてガソリンを入れた」なんていうような話を聞いて、昼間仕事してますのでガソリンを入れにも行けないんですね。
 スーパーもすごく時間を限定した営業で、仕事が終わってからスーパーに行っても閉まってるんですよ。何も買えないし、ガソリンも無いしっていうことで、それで仕事いかないといけないしっていうので、すごくプレッシャーでした。というのが??????です。そういった何もない状況の中で、山梨に連れて行くときに、車のエアコンも使わないで、エアコン使うと外気がちょっとでも入ってきたら、放射性物質が車の中に入ってくるのかなっていうのも心配だったんですけども、その後になって、群馬大学早川先生のブログなんかで、福島の方に回って郡山の方に回ってきて、そこから那須のほうに風が抜けたんです。そういうのは後からわかったんですけど、そんなことわかんないで、放射能が飛んでる方向に車を走らせて、東北道新幹線もちょっと微妙な状況でしたので、山梨に向かっていってっていう中で、途中、エアコンもつけないで、でも3月だったんですけど、なんか妙に天気が良くて車内が熱くて、皆で服を脱いで下着になりながら、車運転して走っていってという状況で、途中でトイレ行きたかったんですけど、宇都宮の手前までは、すごい地震の被害も大きくて水も出なくて、仕方なく下の子に・・・外でトイレをさせたりして、その時にももしかしたら被曝してるかなっていうのはすごく怖かったんですけども、まぁそんなトイレ我慢させられないので、水もないところでトイレをさせて、やっとやっと、宇都宮に来て、そこからずっと埼玉の方に抜けるように行って、宇都宮から埼玉の間もガソリンスタンドはやっぱりやってなくて、すごく心細い状況で、でもやっと高速に乗るくらいになってから、周りの人が普通に生活してて、コンビニに入って普通に買い物をしたりしてるのを見て、
「やっとなんかちゃんと大丈夫なところに来たのかな」
っていうので、そこですごく安心な気持ちになりました。
 埼玉でホッとして、山梨に行ったんですが、ちょうど計画停電でインター降りたら真っ暗なんです。親戚の家までの道はなんとなくは覚えていたんですが、暗くて判らなくて行けなくて、結局カーナビを使って行ったんですけれども、真っ暗な・・・なんて言うんですかね、なんかすごくこう・・・真っ暗さに不安を感じて、親戚のうちに行って、でも暖かく迎えてもらったんですけれども、報道のされ方が、
『福島原発がこうなってるから停電してるんだ』
っていうような言い方をされて、原発の爆発自体には、福島県の人は全然責任ないと思うんですけれども、なんか自分たちのせいで、福島のせいで停電になってるっていうような感じをすごく持ってしまって、
「すごく申し訳ないな」
なんていうふうに思いながら。
 実際にガソリンスタンドに行って、山梨はガソリンはある程度入れられましたので、なか福島ナンバーっていうのを見られると、やっぱりギョッとした顔をされたりして、まぁ何か言われたとか、車を傷つけられたとか、そういったことは無かったんですけれども、やっぱり、すごく『福島、福島』っていうのを周りの人が意識しているような感じは受けていたりですとか、あとは、山梨に子供を連れて行って一時的に避難させたんですけど、その時によその親戚の人が来て、
「なんでここ来てるの?」
みたいな顔をするような人もいて
、なかなかこう・・・自分たちが放射能がすごく怖くて逃げてるんですよって、それが何で怖いかっていうと、どのくらい出てて、どんな影響があるかっていうのがわかんなくて逃げていて、そこでネットで調べたやつで、チェルノブイリの子供さんが甲状腺ガンになって、その手術の後、ここに白い撒いてるのを見て、
「うちの子もこんなんなっちゃうのかな。うちの上のお姉ちゃんが産んだ子供がこんなんなっちゃうのかな」
なんて思ったら、それですごくそのことがやっぱり怖かったです。だからとにかく
「子供をお願いします」
ということで連れて行ったんですけれども、行った先の頼んだ親戚はすごく好意的だったんですけれども、ちょっと別の親戚の人で、
「なんでそんな、そこまでする必要があるのか?」
とか、
「郡山って避難所になってるよな?浜通りの人、避難してきてるよな?なんで避難所になるところの人が山梨に逃げて来なくちゃいけないんだ?」
なんていうふうに言われたりしましたね。
 本当に自分たちが何で不安なのかっていう根拠が示せなくて、でも
「チェルノブイリみたいになっちゃうかもしれないから、怖いから」
っていうふうに言っても、なかなかというか全然通じなくて・・・。
Q.「安全とされていた場所から避難した」として、肩身の狭い思いを?
 逃げていったときに、やっぱりそうなんです。
 官房長官は、
『安全です、安心です』
原子力安全委員会の斑目委員長も
『大丈夫だ』
っていうふうに言ってましたし、爆発したのも、テレビでちょっと名前忘れちゃいましたけれども、いろんな大手メディアの報道番組でコメントしてるような学者さんたちも、
『あれは計画的にやったから、全然不用意な事故じゃないんだ』
みたいな言い方をしてたりしたのを聞いてて、多分そういうのが皆大手のメディアを見てる人は、そういう情報だけで大丈夫だっていうふうに判断してて、福島市郡山市なんて、あとは今線量が高いって言われてる飯舘も、全然線量が高いなんてことは、当時全く言われてなかったですから。
 そんなところで、
「なんで大丈夫っていうところから来てるの?」
っていうふうな。
 やっぱりそういうふうなところは、皆こころの中にあったのかなっというふうには思います。
Q.大手メディアや政府の発表を鵜呑みにしなかったのはなぜ?
 まぁさっきも原発何基あるかっていうのも判らなかった状況で、チェルノブイリとかスリーマイルアイランドとか、そういったようなところは、そこでネットで調べだして、原発事故の似たようなというか、他の原発事故というところで、スリーマイル、チェルノブイリというところにたどり着いたんですね。
 それで自分でいろいろなところを調べていったところで、やっぱりチェルノブイリのお子さんが、大変な状況になっているって。事故後汚染された牛乳を飲んだり野菜を食べたりって、そういった線量が高いようなところもちゃんと調査されなくて、それで放置されていたような状況で、普通に生活をしていた。その普通に生活していた中で、4年、5年って経ったときに次々に病気が出てきて、すごく甲状腺ガンが多くてオペをしたっていうような情報が入ってきたんですね。
 それはネットから取ったんですけれども、ネットからとった情報を見て、政府は全然そんなこと一言も、官房長官も言ってくれないです。
 ただ『ただちに』っていうのは何なのかな?っていうふうには思いましたけど、
「あぁ、こういう意味だったんだ」
っていうのは、そこで判りました。
 当然、政府も県も郡山市も行政も、さっき言ったように地震自体のパニックっていうところも、その後の混乱ということもありましたので、自分でなんとかするしかないと思って、自分の中で一番遠くに連れていけて、安心して頼めるところが山梨だったので、山梨に向かったんですね。
Q.夫婦間での認識の違いは?
 妻とは意見は、そうですね。なかなか・・・今も合ってないです。
 そうですね。
 妻は、危険だっていうふうにやっぱり思ってはいます。ただ、チェルノブイリの子供さんが事故後も、あと事故の時に生まれていなかった子供さんも、その後になって事故の時に生まれていたお子さんと同じような甲状腺の障害だったりだとか、そのほかの病気が出てるということもそういったこともちょっとは知ってると思うんですけれども、
『じゃあどのくらいの放射線のレベルでそういったことが起きるのか?』
っていうことをもしかしたら知らないかもしれないです。それで、
「危ないけれど、なんとなく、すごく気を付けていれば、ここで郡山で暮らしていても大丈夫なんじゃないか」
って思ってると思うんです。
 そこがベースにあって、そこの理解がベースにある中で、例えば今の職場の関係ですとか友達の関係ですとか、妻の実家の家族との関係ですとか、そういった中で、
「やっぱり自分がそこから抜けてしまったら困る人がたくさん出てくる。だから、自分はやっぱり抜けられない。」
 子供のことは当然心配です。でも、やっぱりなんとなく
「そこまで本当に、そこも仕事とか人間関係とかもかなぐり捨てて行くほどまでの状況ではない」
というふうに思ってるように思うんです。そこは私が話しても、何回話しても、
「チェルノブイリでこういうことが起こってるんだよ」
とか、
「チェルノブイリで日本に静養に来た子供が居て、でもその子供がすごく病気をたくさん持ってて、生まれながらにして生涯を持ってるんだよ」
というようなことを、他のところで講演会なんかで聞いて来てその話をしても、そこが私が思ってるレベルでは、妻のところには入っていかないんですね。
 そこが妻が判らないからとか、知識が無いからっていうのではなくて、思ってるのは、妻が・・・ちょっとこういう現実を認めたくないっていう気持ちも一部にはあるのかな?というふうに思うんです。
Q.具体的な数値やデータに基づいた話し合いは?
 私は、5月の連休明けに線量計を自分で購入したんです。
 それで、家の線量を測ったりして、本当に5月の連休明けの頃は、家の中の一番高いところで、5マイクロシーベルトいったことがあったんです。失礼しました、0.5です。線量の一番家の中で一番高いところで、0.5マイクロシーベルトいったことがあったんです。
 家の外ですと1マイクロシーベルトをちょっと超えているくらい。うちの庭の芝のところを測ると、3マイクロシーベルトくらいあったりというところで、0.6マイクロシーベルトっていうのが放射線管理区域だっていう、3か月1.3、1年で5.2という数字は頭にありましたので、ほとんど家の中でもそれに迫るような数値。
 5月の段階でそれなんだから、4月の頃はもっと高かったんだろうなというふうに思いました。
 その数値は妻には話します。
 で、妻も、そこは危険だっていうふうには思うんですけれども、じゃあこの数値をずーっと1年間とか2年間とか、今後浴び続けていったときに、どうなのか?っていうところの情報というか、妻の医療関係の資格を持っていて勤めていますけれども、それがどのくらい正確なところで入ってるのか?っていうのは、ちょっと判らないかなって思うんです。それは、郡山でも、
「郡山だってこんな放射線降ってるんだから、ラドン温泉に入ってるようなもんだから、すごく健康にいいんだよ」
なんていうふうに言ってるくらいのお医者さんも中には居たりして、あとは、やっぱり100mSvまで大丈夫って、本当に100mSvは大丈夫って思ってないかもしれないですけれども、このくらいのレベルだったら大丈夫って思ってるお医者さんも居るでしょうし、本当にちょっとでも大変なんだよっていうお医者さんもいて、多分どういうお医者さんがどういう話をしてるのかっていうようなところとも絡んできてるのではないかなというふうに思うんです。
 ですから、医療関係でもそこが十分に、
「これがこう。チェルノブイリだとこんなふうにすごく当たり前のように起こったんだよ」
っていうふうなところは、医療関係者でもどのくらい判ってるのか?っていうのは100%とは言えないと思う・・・
Q.放射線健康リスク管理アドバイザー「山下俊一氏」「高村昇」彼らが福島県の医療関係者に与えている影響は?
 あの、許せないことなんですが、山下教授が『100mSv大丈夫』って言ってる山下教授が、福島県立医大の副学長になりましたが、副学長になる前も福島大学の理事長付きの特任教授っていう形で、ずっと福島県で医療従事者向けに講演活動なんかもやってました。
 その中で、なんていうんですかね。県民の人には『100mSv大丈夫』とか、『笑ってる人のところに放射線は来ない』とか、そんなような『福島県の人は科学を勉強して、すごいすばらしいですね』なんてバカにしたような言い方をしてたりしたんですが、その医療従事者向けには、きちんと自分が集めてきたデータもきちんとパワーポイントで示してなんていうことで、もうちょっとこう・・・医療従事者の受け入れやすいような表現をとって、それで「自分たちがこうやって研究していくから協力してくれ」というよう内容の話をしているという状況はあります。
 医療従事者に対しては、そのような言い方をしていて、一般の人にはそういう言い方をしていてという、全然、二枚舌というかそういう言い方をしてるところもあります。
 医療界のほうででも100%、それは100mSv大丈夫とか、そんなことを信じてる人は、居ないと思います。
 ただ、このくらいの、今の例えば郡山の毎時1マイクロシーベルトちょっと切るくらいの数値、こういうのが1年間くらい続いたらどういう影響が出るのか?っていうことに関しての判断っていうのは判れてるっていうのは、すごく実感しています。
 中には「全然大丈夫だ」って言って、お子さんを普通に保育園なんかに通わせてるお医者さんも居ますし、中には「お子さんはちょっと危険だから、遠くに避難させてる」っていうお医者さんも居ます。
 お医者さんの考え方と、開業医かどうかというところと勤務医かどうかというところで、
「自分は心配なんだけれども、公には心配とは言わないで、自分のお子さんだけ避難させてるよ」
なんていうような話も聞きます。
Q.勤務医と開業医の認識の違いは?
 そうですね。
 勤務医の中でも、「大丈夫だ」っていうふうに言ってる勤務医の方もいますし、あとは特に産婦人科のお医者さんで、
「もう危険な状況だから、全部自分のクリニックをたたんで、産婦人科の先生も外に出た」
という話も聞いています。
Q.割合は・・・?
 1対9か、1より少ない、9.いくつ対0.いくつくらいの感じで、逃げてない、逃げてないというか、表面上は今の仕事を続けてらっしゃるお医者さんが多いような気がします。
 そうですね。1割がご自身も逃げたり、お子さんも逃がしたりっていうような感じだと思います。9割逃がしてないか、実際逃がしてないかっていうのは、はっきりとは、すいません、言えないんですけど、ただ『そういったことを話しちゃいけない』ような空気はあります。
Q.話してはいけない空気とは?
 『放射能について話す』というか、『放射能がやっぱり危険だから、それが恐ろしいから自分の子供をお医者さんがどこかに逃がしたとか、そういったようなことは表沙汰で言うのは・・・』というような、憚られるというような空気はあります。
 みんな普通に原発事故が無かったかのように過ごさなくちゃいけないというような、空気というか・・・、そのような・・・うーん、何て言うんですかね、無言の圧力というか、を感じているから、私自身も無言の圧力というか空気を感じます。
 幸い私の職場はネットをやっていたり、ツイッターをやっているような人がたまたま私の同じ部署に居るので、その人はいろいろ調べたりして、私と話が合って、ただ、ネットとかやってないもうちょっと年齢が高いスタッフも居ます。そのスタッフには、私たちがしゃべってるようなことは、ちょっとずつ話してるので、情報として入っているから、
「今ちょっと大丈夫って言われてるけど、大丈夫じゃないんだな」
っていうふうに感じられるんですけど、実際、多くの方は、心配なんだけど言えない。心配だって皆の前で言えない。あとは、全然気にしてないっていう方も・・・、言うと、
「なんでそんなこと言ってるんだ?」
 私も実際に職場でそんなこと言っていたんですが、ある、ずっと役職がついてる方に、
「あなたがそうやって心配してたら、患者さんはどうするの?患者さん、心配になっちゃうでしょ?病院に来て安心したいんだから、安心できるように、あなたもそのような関わり方しなきゃいけないんだよ」
というふうな言い方をされました。

 私は、そのように職場で言われましたけど、心配です。
 ですから、あまり私もすごくそこを心配だっていうのを全面に出してガンガン言えるタイプではないので、そこまで気が強くないので、ちょっとコソコソコソっと若い人が来ると、
「チェルノブイリでは嫌な話かもしれないけど、生まれてくる子供さんの5人に4人が障害を持って生まれてくるよ。どこか向こうのほうでは、1000人に対して1900の病気が1年間に出てるんだよ。だから1人平均、二つ病気を持ってるっていうふうな状況なんだよ。そういうふうなことが報道もされてるし、ヨーロッパのほうの研究で、日本語で翻訳されてるようなサイトもあるから、そういうのを見てみると判るけど」
というようなことで話をします。
 だから、仕事をやめろとは言わないですけれども、
「先々、もし結婚して子供っていうんだったら、もうちょっと影響が少ないようなところに行った方がいいんじゃないかな」
なんていうようなことも話したりはします。
 でもそれはおおっぴらにではなくて、自分の近くでいるような若い人に対して、そういうような話をしたりはしています。
 ただそれを大きな声で言うと、やっぱりさっき言ったように、多分、上の方の人から、
「そんなことを言うな。患者さんとか若い職員を不安にさせるな」
というふうな言い方はされると思います。


 この間、ちょっと話は病院とは変わるんですけれども、実業界の郡山の企業を経営されているような社長さんの『除染をしよう』っていう集まりに参加させていただいたんですけれども、その会合に。
 その時に私が感じたのは、
「やっぱりこのままだと郡山から人がいなくなってしまう。経済が回っていかない。すごく危機的な状況だっていうことで、だから除染して皆が居られるような空気を作ろうというふうにしてる」
というふうなことを実際おっしゃってました。
 そこのところも併せて考えますと、今既存で動いて例えば経営をしてるとか、お金をこれだけ稼いでいるとか、病院の場合だと患者さんがこれだけ来ているとか、こういう実績があるっていうのは、やっぱり『そこのところを守っていきたい』っていう想ってる方が、それを守っていこうとして、『今までの生活を続けるように』というふうに考えて、そのようなところをいろいろな形で、私たちに直接、「逃げるな」とかじゃなくて、
「これから一緒に地域のために頑張っていこうな。俺たちがここで頑張らないと、みんなここで、郡山で生活していけないだろう。ここの地域は、例えば医療から再生していくんだ」
なんていうふうなことを言ったりするんですね。
 そういった形で『私たちもこの場に居るように』というふうにもっていってるのかなというふうに、お客さんが減ったり、病院だと患者さんが減ったりというのは、そこがやはり経営されてる方は、恐ろしいというのはあると思います。
 そこで、ある程度の実績を残して評価されてというところで、そこでどんどん大きくしていこうというふうに考えて、そういう考え方の元に全て事業が展開されていると思いますので・・・
Q.「空気を読んだ沈黙」「無言の圧力」について
 そうですね、あの・・・福島に居ると、郡山もそうですけれども、なんていうのかな。その、やっぱり『放射能は危険だと言ってはいけない』というような圧力というか、その圧力というのは、どうしてそういったようなことを感じるのかな?と自分は思うんですけれども、やっぱり、うーん。
 東京のような大きな街と違って、郡山はそれでも30万人いるのであれなんですが、でも小さい個々のところにいくと、なんか行った先で話をしたら、実際自分の知り合いの知り合いだったとか、親戚のなんかの人だったとか結構多いんです。
 私の親戚にも福島県庁に勤めてる人もいますし、郡山市役所に勤めてる方もいますし、やっぱりそうった時に、なんていうのかな・・・血縁とか知縁っていうのを、まだ大事にするような空気が残っているんですね。
 その中で自分が余計なことを言うと、他の人に親戚とか自分の近しい人にも迷惑がかかるかなというふうなことは、やっぱり常に思って、それがブレーキになっていたりするんですね。だから、もしかしたら、何か「悪いことをするな」っていう部分でのいいブレーキになることもあるかもしれないですけど、今度のような状況の時でも、
「自分が何か余計なことを言っちゃったら、周りに迷惑がかかるんじゃないか、その結果として、自分の立場が危うくなるんじゃないか」
というようなことは感じます。
 実際に、私もいろいろ・・・今回の原発事故ということに関して、いろんな情報を伝えてくださる方がたくさん郡山にも来てくださいますので、そういったときに、勉強会に顔を出した時に、たまたま普通のどこかのテレビ局のカメラにたまたま顔が写ってしまいまして、それが私の知らないところで放送されていて、それを妻の友人が見て、妻に言ってそしたら妻が、
「なんでそんな勝手なことしたの!?」
って言って怒ってきました。
 だから、そこが多分、東京の方は
「なんで?そんなの別に、個人の自由じゃん?」
っていうふうにおもうかもしれないですけれども、多分郡山でそれをやってしまうと、周りの輪を考えないで、周りの人の迷惑になることも考えないで自分勝手に行動してるというふうに、受け取られるんじゃないかなというふうに思います。
<36:50頃まで>

【後半】に続きます。
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