※この記事は、
【ヨウ素剤について】
10月27日 小出氏:食品安全委員会の生涯100mSv(内外合わせて)、震災翌日のヨウ素剤対応、遮水壁と東海第二の水漏れ@たねまき
10月7日 政府:原子力安全委からのヨウ素剤服用助言、「対策本部に届かなかった」と答弁書を決定
【SPEEDIについて】
9月13日 保安院:SPEEDI「心が及ばなかった」オフサイトセンター「撤収のタイミング、再考必要」原発「安全を確保する」
9月2日 保安院:ERSSで事故進展予測結果を公開「SPEEDIを使う思いが至らなかった」
8月8日 NYタイムズ紙:SPEEDIを公開しなかった政府を批判【元記事をご紹介】
【県民健康管理調査について】
10月8日 福島県民健康管理調査、先行地域の回収率は47%【健康管理調査の詳細その②】
10月5日 福島県:医療体制に助成【福島での県民健康管理調査】等に関連しています。

20111213 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://www.youtube.com/watch?v=ke8OKkSwYGE&context=C23cfdADOEgsToPDskJl8spdtGeMU6u_DZLeUu3Z

【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

今のニュースを聞かれて二つポイントあると思いますが、事態が水素爆発で悪化した10日後になってから、やっと総理官邸にSPEEDIのどんなふうに影響が出るかという、放射性物質がどのように拡散しているかの予測の結果が発表された。
この10日後というのは、どう見られます?
(小出氏)そんなことは有り得ません。

『有り得ません?』
どうしてですか?
(小出氏)SPEEDIというのは、チェルノブイリ原発事故の後、日本の原子力関係者がこぞって危機感を感じて、25年の歳月をかけて、100億円以上のお金を投入して、万一でも日本で事故が起きたら、即座にそれを動かして住民を守る、そのためにこそ開発されたものです。

100億円掛けて、25年かかって?
(小出氏)はい。SPEEDIの関係者は事故が起きた時から、きっと不眠不休でその計算をしていたはずですし、時々刻々計算結果が出ていたはずですし、その計算の重要性ということは、もちろん認識していたはずですし、認識していなかったといえば、もうそもそも話になりませんし、今のようなシナリオは全くあり得ません。

(平野解説員)先生、これは別の取材では、やはり首相官邸に届いていた、ところが、当時前線につめてた原子力安全保安院の院長が、菅総理に渡さなかった、或いは枝野さんに渡さなかったということまでも明らかになってるんですよね。
(小出氏)それはあり得ると思いますが、それは・・・

(平野解説員)FAXが流れたということが・・・あるんですね。
FAXが流れたっていう話があるんですよね。
(小出氏)はい。要するにそれは保安院がなっていないというかですね、もともと彼らがこれまで原子力を奨めてきた張本人ですし、事故をなるべく小さく見せたいし、悲劇的なシナリオは描きたくないという思いの中で動いてしまったということかもしれませんが、いずれにしても国家としての体裁を成していません。

だって、SPEEDIのこの結果、それこそ一刻も早く知らせるために・・・
(平野解説員)一番重要ですよね。
総理の首根っこ捕まえてでも、
「ほら!こうですよ!だから今すぐこうあるべきです!」
って進言しなきゃいけないことですよね。
(小出氏)そうです。

それが、10日も経ってからだというのは、こういうふうな話が出てくるという意味ですね。本当知りたいですね。何のために10日後という話になってくるのか、そこは検証しないといけないですね。
(小出氏)そういう説明をした人たちが一体自分たちの職務というか、自分たちの責任をどう感じているのか、いたのか、聞いてみたいです。

もう一つ今のニュースのポイントとしては、安定ヨウ素剤をみなさんに飲んでもらう、配るという話がありましたが、この安定ヨウ素剤を10日も経ってから、事態が悪化したのちの10日も経ってから、安定ヨウ素剤を配ろうかというふうに原子力安全委員会が言ったという話ですね。
(小出氏)「もう手遅れだからやめよう」と言ったんですよね。当然手遅れです。

そうです。これ、本来安定ヨウ素剤は、どの段階で配るべきだったんですか?
(小出氏)放射能の雲が流れてきた、それより前です。

ということは・・・
(小出氏)もう全く意味がありません。10日後は。

はぁ・・・。
そうなんですね?
だから、水素爆発をする前に・・・
(小出氏)水素爆発をして、放射性物質が流れてくるわけですけれども、「流れるぞ」ということをSPEEDIが教えるわけですね。「そっちの方向に流れるぞ」と教えたその時に、やらなければいけません。

(平野解説員)先生、でもその時やったとしても間に合わない可能性もありますよね?
(小出氏)その可能性ももちろんあります。

(平野解説員)ですから、これ、よく言われますけれども、防災対策を義務付けてる市町村に、もうあらかじめヨウ素を配っておくべきだというのがありますよね?
(小出氏)もちろんです。住民が本当に即刻でも手に入るような状態で渡しておかなければいけませんし、一番いいのが住民一人ひとりに渡しておくのがいいのですけれども、薬物ですので、それが難しいというのであれば、本当に小さな行政単位でそれを保管して、即刻飲ませられるようにしておかなければいけない、原則としてはそうなのですけれども、国家自身がこの体たらくですから、どんなことをしてもダメですね。これは。

本当に驚くばかりの唖然とする話でございます。
それから次の話にいかせていただきます。
福島県が県民の外部被曝線量の調査結果を発表いたしました。
これは、これから全ての県民の方々を対象に調査していく、その先行地区の結果なんです。震災以降4か月間の外部被曝の累積されたものを推計したという結果なんですが、これが原発作業など放射線業務に従事していらっしゃらない一般の住民の方で見ますとね、1589人の方達の結果が出たんですが、そのうち1mSv以上の外部被曝の方が、およそ4割だそうです。
この数字をどうご覧になりますか?
(小出氏)少なすぎると思います。

ほう・・・。
それはどういう意味でしょう?
(小出氏)はい。日本の国はですね、法律を一切反故にしまして、1年間に20mSvを超えるような地域は、いわば強制避難させるということにしたわけですけれども、それを下回るような地域の人は、もう避難をさせないと決めたわけで、避難するのであれば勝手にしろ、国家は何の補償もしない、そういう戦術に出たのですね。
つまり「19.9mSvのところだって居続けていい」と言ってるわけですし、そこの4カ月居るとすれば、それだけで6mSv、7mSvになってしまうのですね。
ですから、そういう汚染範囲が広大に広がっていますし、1年間に10mSvというところも広大に広がっていますし、いったいどういう人たちを検査したのかなと私は思いますが、大変申し訳ないけれども、私、その報告書自身を見ていないので、正確には申し上げられませんが・・・。

川俣町や浪江町、飯館村など、線量の高い地域の方々の一部の方なんですけど。
(小出氏)ただ、そういう人はすぐに逃げちゃったからもう大丈夫だと、そういうことになってるんではないでしょうか?

あー、そうですね。
そういう方々もいらっしゃいますよね。
(小出氏)はい。ですから、そこに1日しか居なかったということにすれば、もちろん被ばく量は減ってしまいますけれども、そうではない、取り残されてるところにいる人々はたくさんいるわけですから、そういう人々に対する調査は、本当になされているのかなということは、私は、大変不安ですし、何かこの調査の結果はおかしいと思います。

つまり、
「4カ月、どんなふうにあなたは行動しましたか?」
というふうに、後になって聞かれてもですね、どれくらいのことが答えられるのか?って。だから、そういう非常に幅のある結果だということを、この調査の仕方は、それしかしょうがないんだっていうことを私たち判って、この結果を受け止めなければいけないわけですね。
(小出氏)そうですね。それですぐに逃げちゃった人ばっかりを集めれば、もちろん少ない結果になるわけですし・・・

そうか、そうですね。
(小出氏)どういうところに居て、いつの時点で逃げた、或いはずっと居るのかということが非常に決定的になるわけで、きちっと網羅してるのかどうかということが勝負と分けると思います。

なるほど。これは本当に詳しく見ておかなければいけない調査なんですね。
(小出氏)申し訳ありません。私は報告そのものを見ていませんので、正確には申し上げられないけれども。

今日出たばかりの結果ですので・・・
(小出氏)おかしいと思います。

私たちも詳しくもっと見るようにします。
(小出氏)はい。

今の発表されてる中では、一般住民の最高が14.5mSvで、この県民健康管理調査検討委員会、座長の山下俊一さんという方は、こうおっしゃっております。
「この値からは健康影響はないと考えられる」
いかがでしょうか?
(小出氏)<苦笑>山下さんらしいといえば山下さんらしいけれども、そんなことはありません。
どんな被曝ももちろん健康に影響があります。そして、日本に住む人というのは、1年間に1mSvしか被曝をしてはいけないと決められていたのに、わずか4カ月の間に14年、15年分の被曝をしてしまったということなわけですから、それだけを見ても途方もない被曝だと私は思うべきだと思います。

はい。ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】


【参考記事】
外部被曝 住民最高14.5ミリ 福島県が推計値
朝日新聞社 2011年12月13日12時5分
 東京電力福島第一原発の事故による福島県民の外部被曝(ひばく)線量について、県は13日、1727人のうち、原発作業員ら放射線業務に従事していない一般住民で、最高の被曝線量は14.5ミリシーベルトと発表した。全体で最高の37ミリシーベルトは、行動パターンから原発作業員とみられる。また、18の避難行動別の被曝線量の試算結果も公表した。

12月13日福島県民外部被曝線量の分布朝日新聞


12月13日福島県民の避難行動別外部被曝線量の推計 外部被曝線量の推計は、全県民約200万人を対象に今後30年以上、健康への影響を見守る際の基礎データとなる。事故後4カ月間の合計で、自然放射線量を引いた。対象は、比較的、空間線量が高く、健康調査で「先行実施地域」の飯舘村と浪江町、川俣町(山木屋地区)の1727人。
 このうち138人が、原発作業員や放射線技師といった「放射線業務」に従事経験があると回答した。

 これらの138人を除いた1589人の外部被曝線量は、1ミリシーベルト未満が一番多く63%、1ミリシーベルトが23%、2ミリシーベルトが8%など5ミリシーベルト未満が97%を占めた。5~10ミリシーベルトは38人、10ミリシーベルト以上は4人だった。年齢別の線量に差はみられなかった。結果は年内に個別に郵送で通知される。
 18歳以下の約36万人が対象の甲状腺の超音波(エコー)検査は、これまでに約1万1500人が受けたと報告された。生涯にわたり、甲状腺がんの有無を調べる。
 県民健康管理調査検討委員会座長の山下俊一福島県立医科大副学長は「この値からは健康影響はないと考えられる。ただし、放射性ヨウ素の影響はわからず、甲状腺検査など県民の健康を長期間、見守っていくことが大切」と話した
 県は、外部被曝線量の推計結果がまだ出ていない県民が、線量の大まかな目安として使えるよう、原発周辺から県内外に避難する18通りのパターンを想定した外部被曝線量の試算も公表した。滞在の場所や期間で0.18~19ミリシーベルトと開きが出ている。県のホームページで公開する。(林義則、大岩ゆり)
http://www.asahi.com/national/update/1213/TKY201112130145.html