※この記事は、
【追記あり】5月23日参議院行政監視委員会のまとめ(小出氏・後藤氏・石橋氏・孫氏が参考人)
6月23日「危険な原発はいらない〜京都のすぐ北にも14基の原発が〜池島芙紀子さん講演@京都①(若かりし石橋先生が出演されているドキュメンタリー映画があります)、
7月16日 【静岡】浜岡原発を考えるNW:石橋神大教授(地震学)を招いて講演会
10月26日 【動画・内容起こし】福島第一原発設計技師(田中三彦氏、渡辺敦雄氏、後藤政志氏):地震の揺れで機能喪失を指摘【その①】などに関連しています。

本当に、もう、本当に、心の底から即刻原発を止めていただきたい。
これを見た後に、あなたはそれでも原発を動かし続けたいと思いますか・・・?

【動画】IWJ 愛知より

111211石橋克彦講演会1-本編
http://www.ustream.tv/recorded/19102691 (132:30)
111211石橋克彦講演会2-質疑応答編
http://www.ustream.tv/recorded/19105563 (21:20)

【動画】Youtubeより


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
※一部資料は、石橋克彦氏HP私の考えより拝借しております。

(神戸大学名誉教授・石橋氏)
ご紹介いただきました石橋です。どうぞよろしくお願いします。
今日はですね、3月11日に東日本大震災と福島原発事故が勃発した、それからちょうど9カ月になるわけで、いろんな行事があると思うんですけれども、私の講演を聞きに来てくださってどうもありがとうございました。
 皆さん、一番関心が今おありなのは、放射線被ばく、食品、セシウム含めてですね、そういうことだと思うんですけど、私は地震と原発のことが守備範囲なので、原子力の専門家でもありませんし、放射線の専門家でもありませんので、今日は地震と原発のことが中心です。
 今伺ったんですけど、山崎さんのですね、福井の原発というお話が、原発そのものの事故のことが詳しいと思いますと、私はどっちかっていうとその前座として、地震研究者としてのお話が中心になります。
 それと最近バタバタしまして、非常に準備が悪くて、お聞き苦しいところもあるかもしれませんが、ご了承ください。

1a



 「『若狭湾原発震災前夜』の私たち」。
 タイトルは若狭原発震災だったんですけど、『湾』も入れたほうが、どうでもいいことなんですけど、実は若狭湾にたくさんある原発の中の美浜町までは、昔の国名でいうと若狭の国ですけれども、敦賀とかもんじゅのある敦賀市は、昔の国名でいうと越前の国ですから、まあ若狭原発震災っていうと、ちょっと偏ってるかなと。広い敦賀を含んだ若狭湾のほうがいいかなと思って、『湾』を入れたっていうことです。
 それで、今とまっている浜岡原発より怖いという題でお話をいたします。
 まずはですね、日本列島の大地震の全般的なことを話しますが、日本列島っていうのは、地球の表面積でいうと、わずか0.3%くらいですけれども、そこに地球全体で起こる地震の約1割が集中しているという、まさに地震列島でありまして、従って、いつどこで起こっても全然不思議ではありません。日本列島のいつどこで大地震が起こっても不思議ではない。
 これは、1万年とか10万年とか長い時間をとってみれば、本当にどこで起きても不思議ではない。
 1万年とか10万年の話なら、すぐには起こらないだろうと思うかもしれないけど、それは大きな間違いで、1万年目の地震が、それこそ今夜起こっても明日起こっても不思議ではないわけです。
 こんな話がありますけども、お祭りの夜店でですね、子供を連れて冷やかしにいって、そしたらその夜店で亀を売ってて、銭亀かなんか売っててですね。
「『鶴は千年。亀は万年』っていう縁起物の亀だよ、買ってきな」
っていうんで、まぁ子供もせがむから亀を買って家に帰った。水槽に砂撒いたり石を入れてですね、翌朝見たらその亀が死んでた。それで子供はがっかりするし。またその晩も夜店に行って、
「昨日『亀は万年』って言ったのに、死んじゃったじゃないか」
そしたら、その亀売ってたおっさんが、
「それは夕べがちょうど1万年目だったんだ」
っていう、そういう話がありますけども、実際そういうことあるわけです。
 と、そういうわけですけれども、それでももっと短期で見ると、活動的な地域と活動的ではない地域が日本列島にはあります。
 それから、活動的な時期と活動的ではない時期というのも認識できます。
 そういう日本列島でですね、若狭湾一帯というのは、地震活動帯です。
 これ、あんまり一般の方は普段そういうことは考えないというか知らない、関西には地震がないなんて話が神戸の地震の場合もあったわけですけれども、若狭湾では地震が無いだろうと思ってる方多いかもしれないけど、日本列島は地震活動帯です。
 一方、日本の原発が増えていった時期、1960年代に建設が始まって、60年代後半、70年~80年にかけて建設ラッシュでどんどん増えていったわけですけれども、その時期というのが、非常に皮肉なことにというか、幸か不幸か。まぁ不幸だと思いますけど、地震活動静穏期でありました。
1b


 ですから、日本列島今現在54基の原発が一応?????稼働している状態なわけですけども、それらは大地震の洗礼を受けることなくそういう間に増えていったということです。
 しかし、1995年の阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震のころから、日本列島は地震活動期に入ったと、かなり多くの地震研究者が思っています。
 この地震活動期っていうのは、厳密に定義できるものではないし、定量的、数字的に誰が調べてみても、同じ答えでこの年からこの年までが活動期と出てくるようなものではないのですけれども、長い地震の歴史を、長いっていっても、日本史の地震のその、最近数十万年間、現在と同じように地震が起こってるという期間から比べると、非常に短い一瞬だけれども、千数百年の日本の歴史を見ると、一応多くの地震研究者が見て、共通の活動期っていうのは認定できて、そういう観点で、95年頃から活動期に入っただろうと思われています。
 今後まだ、数十年間、具体的には今世紀半ばころまでには、かなり高い確率で四国沖、東海沖、東南海・南海沖では起こるだろうと言われていますけれども、それまでの間、その後少し何年間かも含めて。従って、はっきりとは判りませんけど、あと数十年間は各地で大地震が起こるだろうと思ってる研究者がいる。
 特に3月11日に東北地方太平洋地震というご承知のとおり超巨大地震、マグニチュード9.0というのが起こったわけですけど、それによって日本列島の地震活動は一層活発化するんではないかと考えている研究者が多いと、そういう状況です。
 多少仕組みみたいなのを説明しておきますと、これは古いスライドっていうのは、3.11の前から使ってるスライドという意味で、ここのところに、東北地方太平洋地震とか書いてありませんけど、これは今日の配布資料の中に原発に耐えられない地震列島というのが、資料3かなんかにありますけど、後でご興味があれば呼んでいただければいいですけど、それの中の図です。
 この赤い三角が原子力発電所で、ここに書いてある数字が原子炉の数で、赤い丸が核燃料施設というもので、六ケ所村と東海村。この黄色いのが内陸の1995年以降から2008年までに発生した内陸のマグニチュード(地震の大きさ)6.7以上で、深さが30㎞より浅いという、どれも被害を及ぼしましたけど、そういう地震の場所が書いてあります。

1


 地震というのは、よく”×”とかで地図に示されることがありますが、大事なことは、地震の地下の源というのは、地震波を放出する源というのは、広がりを持っている。それで、地震が大きくなればなるほど、地下の広がりが大きくなるということが非常に大事で、それを震源域といいます。気象庁から発表になると、震源地とか震源とか言って、”×”で出てきますけど、それはあくまでも最初に地震波が出た場所でして、一つの地震はそこから地下でズレて岩盤の破壊が始まって、何秒とか何十秒とかっていう間に、破壊が地下で広がりまして、最終的に地震領域という領域で破壊を起こして、そこから地震波が出てくるということなので、この黄色いのはそういう広がりをもって書いてあります。
 神戸の地震ですね、95年。それから2000年の10月6日の鳥取県西部地震、それから福岡県西方沖地震。それから、2004年の中越地震。山古志村っていうのが大変な目に遭った。それから2007年の能登半島地震。2007年7月の中越沖地震、2008円6月の岩手宮城大地震、そういうのが書いてあります。
 それでA/B/Cと影を付けて書いたのは、想定されている、東海/東南海/南海という巨大地震の想定震源域。だからこの黄色いのはどれもM6.8とか6.9とか7.3とかその程度ですので、この程度の震源域の広さ。この程度のしばりなわけですけれども、このA/B/CはM8クラスの巨大地震というわけで、想定震源域が広くなっているというわけです。
 これらの地震がなぜ起こるかというと、ごく簡単に言いますと、ご存知かと思いますが、地球の表面はですね、ある厚さを持った岩石の層で覆われていて、それがいくつかのブロックに分かれていて、非常に大きなやつは十数枚ですけど、詳しく研究して細かく見ていくと、もう何十枚と細かいものに分かれますけれども。この図みたいに形は歪ですけれども、敷き詰められて区分されていて、それぞれのブロックが何百万年、何千万年前から現在まで着実にそれぞれ決まった方向に決まった速さで動いている。そういうのをプレートと言うんです。
 あるプレートとその隣のプレートの境目で、両方がそれぞれ違った方向に動くために、境目でせめぎ合いが起こって、そこで大きな地震が起こったり、火山の噴火が起こったり、高い山脈が出来たり、深い海ができたりするということになっていて、日本列島の場合は、もうほぼ確立した見方はですね、この日本海溝という海底の深い溝、それから伊豆小笠原海溝という海底の深い溝、それから北は千島海溝と呼ばれる非常に海底の深い溝が連なってるわけですけど、そこより東側の太平洋の海底の岩盤、それが太平洋プレートという名前がつけられていて、それがですね、この関東地方の東沖あたりを年間8㎝くらいで西北西の向きに動いて来ている
 そして、北海道東北関東地方の下へ、無理やりもぐりこんでいく。
 一方、伊豆小笠原海溝より西の太平洋の海底は、別の動きをしてるということが確実ですので、違う名前を付けてですね、こういう名前は研究者が勝手につけたわけですけど、フィリピン海プレートという名前がついていて、それは関東地方・東海地方の沖合だと年間4㎝くらいで北北西に動いているというわけです
 その北のへりは、相模トラフとか南海トラフという海底の深い溝があって、そこのところで特に西日本の下に向かってフィリピン海プレートが無理やり押し込んでいる。
 陸は陸のプレートという別の岩盤なんですけど、これに関してはいろんな議論があって、研究途上です。
 高校の地学の教科書だと、北海道・東北地方は北アメリカプレート、それから日本海の海底西南以降はユーラシアプレートに属していると言われていますけども、多分そうじゃないんじゃないかと思ってる研究者が多くて、私もそう思ってるんですけど、違うだろうと思ってますけど、私はアムールプレートだろうと思っています。
 このスライドでいつもこうやってつい詳しく説明してしまうと、後で時間が無くなるんですけど、この調子でやってると5時間くらいかかりますけども。<笑>
 ユーラシアプレートっていうのは、ユーラシアプレートと北アメリカプレートというのは、そもそもどこではっきり認識されるかというと、ちょうどこの裏側の大西洋、大西洋の真ん中で二つのプレートが出来て、お互いに離れています。それが巡り巡ってここまでやってきて、ここで北アメリカプレートとユーラシアプレートがしてる状態に、衝突しあってるというんですけど、その方向はいいんですけど、ユーラシアプレートは西ヨーロッパ・東ヨーロッパ・ロシア、そういうのが全て一枚岩でここまで来てるっていうのは非常に不自然なことでありまして、極東、中国大陸、朝鮮半島そういうところの小さなブロックが、仮にあぷーるプレートといって、これはソ連の研究者が名づけた名前ですけど、そういうことでユーラシアプレートとは別の運動をしてると考えたほうがいいだろうと考えた研究者がいまして、私もその一人です。
 バイカル湖の辺りでユーラシアプレートから分かれてるんじゃないかと。バイカル湖ってなんとなく形が思い浮かぶと思いますけど、如何にも地球の裂け目みたいな恰好をしてます。あそこのところで、その北西側がユーラシアプレートなんだけども、そっから南東側の方がアムールプレートと別のプレートで、そこから分かれて東に動いてくるんだろうというようなことです。
 いずれにしても、この西日本が東北地方に対して東に動いてるということは、これは今や確実です。GPSっていうカーナビでもなんでも使ってますけど、GPSっていう人工衛星を使った測地測量というもので、日本列島の大地の動きが地震国???と言ってもいいほどわかってますけど、東北地方に対して、西日本は東に動いています。
 そういうわけで、雑駁にいいますけど、北海道・東北地方の日本海の海岸線ですね、それのやや沖合からやや内陸までを含んだベルト地帯と、それから中部地方近畿地方、この辺活断層がいっぱいあるんですけど、そういうある程度幅の広い広がった領域、それからさらに、東海・東南海・南海巨大地震が起こる南海トラフ沿い。そういうところまでがですね、アムールプレートから見ると、一連の自分が東に動こうとしている、東のへりであって、東北地方とかフィリピン海プレートとかが邪魔をしてるというか立ちはだかっている。アムールプレートは東に動きたいんだけど、こういうところでは邪魔されてる、そんな構造になっていると私は考えています。
 それをアムールプレート東縁変動帯と呼んでいますけれども、北海道・東北地方・日本海側のベルト地帯と中部・近畿・山陰とか北九州まで含んだ大陸の衝突帯ですね。それから南海トラフ。それ一連のものとして、アムールプレート東縁変動帯と考えているんですが、過去の歴史を見ても現在も、そこで地震が活発に起こります。
 東海・東南海・南海巨大地震も、この地震の起こるエネルギーのかなりの大部分はフィリピン海プレートが無理やり押し込んでくるためであろうけれども、一部分は、このアムールプレートが東に動こうとしているたけに、ここにひずみがたまるということも関係しているだろうというわけで、そうしますと、この北海道というかもっと北のサハリンですね。昔の樺太。そういうところから日本海側に地震活動が実際多いわけですけど、それが力関係としては、この南海巨大地震にまで一連のこととして関係してるだろうという見方でありまして、そういう見方は実は私は95年の1月17日の阪神淡路大震災の直後から考えていたわけで、こういうアムールプレート東縁変動帯の広い範囲で大きな地震が起こりやすくなると書いたり話したりしてましたけど、実際、この2000年の鳥取県西部地震とか、2005年の福岡県西部沖地震とか、ほとんど地震なんかないだろうと思っていたところで、M7前後の地震が起こったわけだし、さらにこっちの中越地方とか能登半島とか、岩手・宮城内陸とか、そういうところでも起こっているので、この考え方は今のところ、『作業仮説』といいますけど、仮説を立ててそれに従って考えていって、まずかったら修正しながら、大自然の謎にせまろうっていうわけなんですけど、そこの作業仮設がいいんじゃないかと思っていて、そう考えると、だから今後もこの最終的に南海トラフ沿いの巨大地震が起こるまでは、かなり広い範囲で地震活動がまだ活発に起こるだろうと考えています。
 若狭湾というのは、まさにその一角を占めているということです。
 だから、ここに書いた今世紀半ばの東海・東南海・南海巨大地震まで「アムールプレート東縁変動帯」の大地震活動期が続くだろう。
 なお、北海道・東北~関東の太平洋側と首都圏は、別のメカニズムで。地震を起こすメカニズムが違うと私は思いますし、他の人もそうお思いでしょうけど、でも別のメカニズムでここは地震活動期なんだと考えていましたが、そこでその場所で、3月11日に巨大な地震が起こった。
 ただ、地震が起こったその大きさたるや、私も含めて地震研究者の予測を超えてしまっていた。我々が如何にまだ大自然を理解してないかということが露呈してしまったわけですけれども。
 ここで、太平洋プレートと、仮にオホーツクプレートと書いてありますけど、東北地方のプレートのその境目が、もうものすごく大規模に破壊した。地震前は固着してぎゅうぎゅう押し合ってたわけですけど、バリンとそこが割れて、スルスルになってしまった。日本列島側からいうと、太平洋プレートによってタガがはめられていたのが外れたっていう感じになります。
 そのことがアムールプレート東縁変動帯の地震活動を促進するだろう。それから首都圏の地震活動も促進するのではないかと私は考えています。
 ということで、これはだから若狭湾が活動帯である、一つの解釈の説明です。
 その若狭湾を見て、若狭湾周辺を見てみるとですね、これ、だいぶ活断層マップっていう活断層の地図ですけども、かなり古い1991年の地震帯日本の活断層っていう地図から取ったんですけれども、赤いのが活断層です。よく「活断層が地震を起こす」っていうんだけど、それは正しくない。後でまた説明しますけど、でも、内陸の大地震と活断層とは密接に関係はしてる。そういう活断層がたくさんあるところですね。
 今はもっとたくさん知られているという事実は後でお見せします。
 そういう赤い活断層があるところで、過去の大地震が結構起こってるんです。

2


1662年江戸時代の初めですけど、寛文2年に大地震があって、それは京都なんかも被害があったんですけど、その震源域、さっき言った地下の地震波を出した、地下で破壊が起こった領域。それは実は若狭湾岸まで伸びていた。三方五湖とかですね、そういうところの下まで地震の震源域が伸びていた。
1891年の濃尾地震っていう明治24年、M8.0という内陸の巨大地震なんですけど、それは岐阜とか愛知とかそういうところで被害が大きかったんですが、実は福井県のほうまで震源域が伸びていました。
1927年の北丹後の地震、M7.3で、3000人近く亡くなりましたけど、そういうのが起こっていて、それから福井地震が昭和23年かな、1948年に起こっている。
 こういうふうに若狭湾周辺では、過去の大地震が知られているわけです。だけど、今の地震の起こり方に関する考え方で大事なのはですね、こういう広い目で見た時は、地震活動帯なんだけども、個々の震源域が知られているんだけれども、その間にですね、過去の大地震の震源域、過去大地震が起こったことが知られていない領域が残されているわけですね。
 そういうところが実は、今後は大地震が起こるんではないか。
 過去の大地震が知られていない場所こそが問題であって、そういう場所があるんですね。そこに活断層もあると。
 そういうところに原子力発電所が建っているわけです。
 敦賀に原子炉が2基。もんじゅというのがあって、関西電力の美浜3基、大飯に4基、高浜に4基というふうに原子炉が動いているわけです。現在はかなりが止まっているけれども、これらを再開をしようとしているわけです。
 それから、このあたりが地震活動帯だということを示しているものに、12万年前、12万年前って今地球は温暖化っていうのが問題になってますけど、実は、12万5000年くらい前もとても暖かくて、海面が今より4,5mは高かった。その時に、波打ち際に平坦な地形ができて、それが隆起したり沈降したりしなければ、今はその時に比べて海面が4,5m低下してるわけだから、だいたい4,5mのところにそれがあれば、何事も起らなかったと、大地の運動が起こらなかったということになりますが、今、ものすごい高いところにある旧汀線=昔の波打ち際です。それが、100m以上高いところにある、そういうところがですね、日本海岸で何カ所かあります。どこもかしこもではなくて、非常に目立つ箇所があるわけです。
 北海道の南西沖の奥尻島。大地震がありました。
 西津軽。これも江戸時代に何回か地震があります。
 男鹿。秋田県の。ここも地震が知られています。
 佐渡島。ここも地震が知られています。
 能登半島。これはこの間2007年にあった。
 そして越前海岸。これはこの敦賀の辺りに立ってみると、向こうにこの越前海岸が屏風のように絶壁がずーっと直線的につながっている。そこがものすごく隆起してるわけです。それはなぜかというと、この足元に海底に甲楽城(かぶらき)断層という活断層があって、そこが繰り返し活動して、越前海岸を押し上げたということで、長い目で見れば、地震が繰り返し起こってきたということです。
 すいません。最初に言ったように、今日のためにちゃんと名古屋版というスライドを用意するつもりだったんですが、それが出来なくて、これは、その関西バージョンなものですから、名古屋がこんな端っこで申し訳ないんですけれども、名古屋の濃尾平野があってですね、ちょうどその北西の季節風が吹くようなときの風上に原発があるわけです。
 もしこういうところで福島原発事故みたいな、福島原発事故はもちろん大変な事故で、10万人以上の方が今でも避難してるし、もっと多くの方がすごい被曝をしながら苦しい生活を送ってるわけだし、特に30㎞圏内なんかは、その「除染、除染」って言って、除染すれば大丈夫みたいに「みんな除染しましょう」って言ってるけど、もうその物質不滅の法則で、除染したからってこの放射性元素が消えるわけじゃないわけで、場所によっては除染なんかはしないでも、本当は避難しなくちゃいけない場所もいっぱいあるわけですけれども、そういう大変な厳しい状況ではありますけれども、まだ3月11日から15日とかですね、今ではそういうのはしょっちゅう出てるけれども、原発からの放射性物質の放出力というのは、莫大。その最大級ではなかったわけですね。
 だけど、こういうところで爆発的な事故が起こって、大量の放射性物質が放出されると、それは北西の風が吹いてれば、特に心配なのは、気象条件にすごくよるわけで、例えば真冬の大雪の時に西高東低の気圧配置がもう強くて、暴風雪警報が出てる時に大事故が起こると、もちろんこの近くは大変です。雪がいっぱい積もってて、安政東海地震の時、1854年の安政東海地震、今の暦でいうと12月23日で、この辺りは雪が、北陸ですね。具体的にどこかあんまり雪が降らないところとかは知りませんけど、広い意味での北陸地方は、大雪だった、この時は。結構揺れた。すごく揺れた。だけど大雪で難渋したっていう記録がありますけど、そういう時に原発事故が起これば、この地元は大変なことはもちろんですし、雨とか雪とか降ると、放射性物質はそれに飛ばされて流れるわけだけど、雨や雪にくっついて、より大量に落ちるわけで、それがずっと流れてきてですね、雪山から関ヶ原のところをちょうど抜けて、ここのところを抜けて、濃尾平野では広がって、吹雪とともに降ってくるというようなことになりかねないわけです。
 福島の放射性物質の流れたマップがありますけど、あれ見ても、一旦北西に向かったやつが地形で飯舘村とかそういう通りやすいところ。この地形なんていうのも、通りやすいところじゃないかと思います。
 という、この地図でちょっとその名古屋のことまで言っておくわけです。
 それで、『原発震災』ということになりかねない。
 『原発震災』というのは、私が先ほどご紹介いただきましたが1994年に、『大地動乱の時代』という本を書きまして、首都圏に的を絞って地震と震災のことを書いた本なんですけれども、だけど、過密現代都市を大地震が襲うとどんなことになるかっていうことを書いた、そのことが5か月後に神戸の震災で起こってしまった。いろいろ細かいことは書きましたけど、ほぼそのとおりのようなことが起こってしまったわけですが、その1年後に私は筑波研究学園都市から研究所から神戸大学に移動しまして、被災地で改めて震災のことを考えてみて、地元の被災者がですね、
「危ないとわかってることはあらかじめ教えてください」
地震の研究者が、神戸でも地震が起こる岩盤があるとか、過密現代都市を大地震が起こればこういう災害が出るのがわかってるのかというと、
「そんなの判ってたなら、なんで前に教えてくれなかったんだ」
というわけで、改めて被災地で考えてみて、自分の『大地動乱の時代』の中に書いてなかった震災の問題はないだろうかと思って、その本を書くときからは、原発のことはチラチラ気にはなってたんですけど、ページ数も少ないし、勉強して地震と原発の問題を勉強して確認して書くという、時間的な余裕もなかったし、ほとんど全く原発のことは書いてなかったわけです。それはまずいんじゃないかと思って、96年以降ですね、『日本の原発が地震に対して本当に大丈夫なのかどうか』ということを当たってみたら・・・。
 というのは、工学の人或いは原子力の人は「絶対大丈夫だ」って言ってるから、「大丈夫なのかな」くらいに、昔の私は多くの人と同様になんとなくそう思っていたわけです。
 だけど本当かなと思ってもう一回見てみたら、あまりにも原子力の人たちが、地震を甘く見てるというか、舐めてるということが、あまりにも酷いので、あきれ返ってですね。それで、これはあくまでも震災論の立場から、反原発とかそういうことではなくて、震災論の立場から、将来の震災は、こういう原発震災というものが起こるんじゃないかということを考えて
、それで1997年に資料にある小文を書いて、『原発震災』という言葉を初めて使ったわけです。

3


 それは、地震によって原発の第事故と大量の放射能放出が生じ、一方大地震が起こったから、通常の震災っていうのも起こっているわけで、通常の震災と放射能災害とが複合・増幅し合ってしまって、人類未体験の・・・震災って災害ですからね、社会の姿とともにいろいろ様相を変えるわけですよね。だから震災っていうのは、日本の震災の歴史を見ても、時代とともに或いは地域ごとに、或いは地震ごとに様相が違うわけですけど、今まで見たこともない、人類未体験の震災が起こるんじゃないか。破局的災害。震災の様相が一変してしまうのではないかという、そういうものです。
 それが非常に大規模に起こった場合、これは私は具体的に、東海大地震が起こった時、浜岡原発の放射能災害をイメージしたわけですけど、その時は震災地の、もう東海地震による震災っていうのは、静岡県、ほとんど全県が大変な状態になってるわけだけれども、そこへ救援に向かっていくんだけど、ところが原発震災の場合はですね、震災地の復旧が、いわゆる放射能のために不可能になって、一方その原発事故から放射線被ばくからみんな逃げなきゃいけないんだけど、その住民の放射能からの避難。それから原発の事故処理もできるだけできる限りを尽くしてやらなければいけないんだけれど、そういう事故処理なんかも地震被害があるわけですから、非常に困難を極めて、これ容易に想像つきますよね・・・。そういったものがいっぱい倒れて道をふさいでいて、或いは火災でぼうぼう燃えていて、津波で橋が落ち、道路がズタズタ。液状化で陥没なんかも生じている。
 そういう場合に、浜岡原発から静岡のほうに逃げようと思っても、浜松のほうへ逃げようと思っても、内陸を掛川のほうに逃げようと思っても、どのルートも全部閉塞されて逃げられない。漁船で海に逃げようったって、港がやられてる。船は陸に打ち上げられてると、そういう状況ですから。
 それで、その結果、地震被害で建物の下にうずまってるとか新幹線の中に閉じ込められてるとか、脱線した新幹線の中に閉じ込められてるとか、そういう命も、それから放射能から逃げようとしている命も見捨てられて、震災地は放棄されてる。更に、地震の揺れを感じなかった非常に遠くの地まで、更には未来世代まで覆い尽くして。ですから、例えば震災による死者が1万人、原発事故による急性被曝による死者が1000人。足して1万1千人だけど、そうじゃなくて、もう10万にも20万にもなるという、おびただしい・・・
 さらに晩発性。急性被曝、急性障害ではないんだけど、何十年かしてガンとか白血病とかで亡くなるという、或いは障害を生じるという、そういう・・・生命も莫大な数に上りますし、国土の何割か失うわけで、さらに地球全体を放射能で汚染すると。そういうことが起こりかねないと思っていたんだけど、まさかこんなに早く、日本の福島で・・・。
 私が原発震災で東海地震や浜岡原発でイメージした最悪ではないけれども、現実に起こってしまったということは、痛恨の極みです。
<40:50頃まで>

【その②】に続きます。
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