※この記事は、
12月2日【追記あり】東電:海底土からセシウム134・137計160万ベクレル検出、東電事故調査の中間報告書・・・
12月3日4日 東電:16日に『冷温停止』宣言も約45トンの汚染水漏れ【ベータ線放射性核種が10万~100万Bq/cm3!?】に関連しています。

20111205 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

まず、先週金曜日、東電が福島第一原発事故に関して中間報告書を出しました。これはいろんなこと書いてますけど、書いてないこともあったかと思いますが、どう小出先生は評価なさっていますか?
(小出氏)すいません。私、その中間報告書自体をまだ読んでいないのです。マスコミで報道されてることだけは読みましたけれども、「もういい加減にしてほしい」というくらいにしか思いませんでした。

これまでと主張は変わってないですよね?
(小出氏)はい。『とにかく事故をどうやって小さく見せるか。どうやって収束に向かっているか』ということだけ、言いたいのかな?と私は受け止めました。

はい。『あくまで事故は地震ではなく、津波が想定外に大きかったから』というのが柱になってるかと思います。
(小出氏)そうですね。

そしてですね、今度は海の汚染について伺いたいと思うんですが、高濃度の放射能に汚染された水を処理する施設から、水が45トン漏れているのが見つかったと東電が発表いたしました。
小出先生は、このたね蒔きジャーナルでずーーーっと前から、
「汚染された水は、海に大量に漏れているはずだ。だから少しでも早く遮断する壁を地中につくらなきゃ」
と、おっしゃってきておりましたよね。
(小出氏)はい。えーっといや、むしろそう・・・、それも言いましたけど、むしろそれより前にですね、
「コンクリートの構造物の中に汚染水が溜まっているわけですから、必ず漏れる」
と私は言いましたし、
「それはコンクリートの構造物でないようなところに移す以外に無い」
と言いまして、私はタンカーに移してくれと言ったのです。

そうです!
「もともとのこの汚染水は、コンクリートで遮断できるようなものではなくて、もうよそに移すしかないんだ、だからタンカーを・・・」
ということを・・・
(小出氏)そうです。もう3月から言っています。

3月からおっしゃっていて、政治家にもこの言葉を何度となく直接ぶつけていただき、たね蒔きジャーナルを通して。しかしながら、タンカーは走らず、そして汚染水はコンクリートの作った中にずっと押しこめられて、そしてやっぱりひび割れができて・・・
(小出氏)たまたま今度は見えたんですね。

そこから出てるのが、たまたま見えたから、東電も発表したわけですかね?
(小出氏)そうです。コンクリートの構造物はほとんど地下に埋まってますので、見えないまま東電が知らん顔をしてきたというだけのことなのであって、
「何を今更?」
と私は思います。

だって、「今まで気づかないか?」って思いますよね。
(小出氏)そうです。

「見えなかった」ということですよね。「見なかった」といいますか・・・
(小出氏)45トンと言いますけれども、10万トンを超えるような汚染水がコンクリートの構造物、地下のピットとかトレンチとかいうところにずーっと溜まり続けて、もう何か月も経ってきたわけですから、もう一体どれだけが漏れてしまったのかと、私は思います。

これ、総量が推定ですけれど、最大で220トン?220トンという可能性もあるというんです?
(小出氏)それは、現在循環式の処理をしてる、その場所から何トン漏れたかということですね。

もっと多い可能性があるということですか?
(小出氏)もちろん。

(平野解説員)他の亀裂部分からも?
(小出氏)そうです。10万トン溜まってる亀裂部分から、もう山ほどじゃんじゃん漏れてきたんです。

(平野解説員)だから、その辺のことを言わないから、漁業関係者のほうからも、不安の声が出て、しかも、国際的にもこれは大きな非難をされてもおかしくない事態になってますよね?今。
(小出氏)そう思います。

これ、アメリカの西海岸にさえ行くかもしれないんでしょ。もう行きつつあるんでしょうが・・・。
(小出氏)はい。震災瓦礫そのものがハワイにいつ届くというような話をしてるわけですし、海に汚染したものは、必ず届きます。どこにでも。

この汚染された水、漏れている水のセシウムの濃度が、1リットル当たり4万5000ベクレル、これは法律で定める基準のおよそ300倍というんですね。
これって、どう考えたらいいですか?
(小出氏)それはセシウムを浄化する装置を通った後に、なおそうだということなんですが、要するにそれを通る前は猛烈な汚染濃度のセシウムなんですね。

淡水化の装置から出ていて、300倍なんですよね?
(小出氏)そうです。そのセシウムを浄化する装置、多分ゼオライトを通したと思うんですが、例えばストロンチウムという放射性物質はゼオライトにはつきませんので・・・

ええーっ!
(小出氏)もう濃いままそこを通り抜けて、それがその場から漏れたということだと思います。

ストロンチウムについてはですね、推定で1リットル当たり、1億ベクレル・・・。
1リットル当たり1億ベクレル前後と見られてまして、これは基準の100万倍だというんですね?
これが海に流れるということはどういうことを意味するんですか?
(小出氏)要するにそれだけの汚染物が海へ流れてしまったということですし、今聞いていただいたように、これまでそのままどんどん浄化装置は通ろうが、トレンチ・ピットから漏れ続けてきたということです。そういう濃度のものが。

少なくともストロンチウムの濃度を薄めていくっていうのは、できないんですか?
(小出氏)薄めれば量が増えるだけですから、余計漏れてしまいますので、本当は捕まえる以外に無いのですけれども、捕まえる力も今はありませんし、一番早くできることは、タンカーならタンカーに移すことだったと私は思います。

なるほど。
(平野解説員)小出先生、ストロンチウムは前もお伺いしましたけども、比重が重いんですよね?海底に沈んで海藻とかそういうのに吸収されやすいんじゃないですか?
(小出氏)はい。そうですね。うーん。セシウムとはちょっと、セシウムはものすごい水に溶けやすいんですけれども、セシウムに比べればストロンチウムは水に溶けにくいので、海底などに溜まりやすいと思います。

それはどういうことを引き起こす恐れがあるんですか?
(小出氏)もちろんどんな放射能も危険なわけですし、セシウムのように水に溶けやすいのは広範囲に汚染が広がると思いますし、ストロンチウムに水に比較的溶けにくいものは、近傍の土に汚染が溜まる、或いは近傍の食べ物を、食べ物と言ったら失礼だけど、生き物を汚すということですね。

うーん。海底だったら、あんまり私たちに関係しにくいなんてことは・・・ないんですか?
(小出氏)海底には魚も、ヒラメなんていうのは海底に生きているわけですし、貝類も海底に生きてるわけですし、そういうものに濃縮してくると思います。

しかしながら、今回放射線を研究してらっしゃる先生方の一部で、新しい案が提案されているんだそうで、これは放射能の汚染された土を除染、これからどんどん進めて、削り取った後どこに持っていくか、最終目的地は未だ見つかってませんけれども、
『持っていくとこないから、海へ捨てよう、特に海の底、深海に投棄しよう』
という提案がなされたんだそうです。
流石に『そのままでではなく、容器に入れてはどうか?』という話らしいんですね。その条件は
『海水で腐食しないで、そして高い水圧にも耐えられる容器に汚染された土を入れて、日本近海の水深2000m以下に沈めるのがいいんじゃないか』
と提案をなさった先生方がいらっしゃるそうです。
小出先生、いかがでしょうか?ご意見は。
(小出氏)なんか、まるで漫画でも読んでるような気分ですね。
その方たちは一体この日本という国の責任をどういうふうに思ってるんだろうかな?と私は思います。
自分たちがやってきたこと、電気がほしいといってやってきたツケが今あるわけで、そのツケを海に落としてしまうというようなやり方は、私は想像すらできません。
私が提案してよければ、もしそんなことをするなら、腐食しない容器に入れて、東電の社内に積み上げてほしいと思いますし、国会議事堂に積み上げるべきだと思います。

うーん。
この研究者の方はこうもおっしゃってるんですね。
『汚染された土をそのまま海に捨てたとしても、既に原発事故で海に放出された放射能の5%程度である。だから海の汚染がこの捨て方で著しく増えるわけではないんだ』
という・・・ご意見だそうです。
(小出氏)はい。それは今現在、福島県を中心として汚染している放射性物質、地上の表面を汚染しているわけで、それを剥ぎ取って海へ捨てたとしても5%だと言ってるわけですね。
つまりもう『既に20倍ものものを海へ流した』と言ってるわけで・・・。
そんなことを胸を張って言えるようなことではないし、まずは謝らなければいけない。その上にまた『汚染を捨てても構わない』なんていうことが、どうして言えるのか?私には不思議で仕方がありません。

(平野解説員)先生、そもそも海洋投棄っていうのは、国際条約で禁止されてるんですね。ロンドン条約で。70年代80年代もそういう論議がありましたけど、これはもうできないとなってるはずなんですよね?
(小出氏)そうです、おっしゃる通りです。今、平野さん正しくおしゃってくださったけど、ロンドン条約という国際条約で、放射性物質が海に捨ててはいけないということになってますので、実際上はできる道理がありません。

それでも捨てたいと思う学者がいらっしゃるようなくらい、他に考え付かないっていうことですかね?
(小出氏)よほど無知な学者だと言っていいと思います。

はい。とうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございます。
【以上】


【関連記事】
除染で出た汚染土、海へ投棄案 研究者が提唱
朝日新聞社 2011年12月5日9時27分
 東京電力福島第一原発の事故で放射能に汚染された土を海に捨てる案が、一部の研究者の間で浮上している。除染のために削り取った土の保管・処分場所を確保することが難しいからだ。世論や国際社会の反発は必至だが、現実的な対応策の一つとして政府への提言を目指す

 除染は、被曝(ひばく)線量が年1ミリシーベルト以上の地域は国の責任で行う。土壌を削り取り、各市町村の仮置き場に保管した後、福島県内につくる中間貯蔵施設に運ぶ方針だ。県内だけで1500万~3100万立方メートルの汚染土が出る見込み。最終処分の方法が決まらなければ恒久的に置かれることになりかねず、用地確保の見通しは立っていない。

 こうした現状を踏まえ、文部科学省の土壌汚染マップ作成に携わった大阪大核物理研究センターの谷畑勇夫教授、中井浩二・元東京理科大教授らのグループが3日、大阪大で開かれた研究会で、深海への処分を提案した。海水で腐食せず高い水圧に耐えられる容器に汚染土を入れ、日本近海の水深2千メートル以下に沈める方法が最適とした。
http://www.asahi.com/national/update/1204/TKY201112040327.html

失礼します。
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