※この記事は、11月13日 【動画・内容起こし】木村真三氏+河田昌東氏の講演会「放射能汚染時代を生き抜くために~チェルノブイリから福島へ~」【その③】の続きです。
9月18日 WHO:原発の人体影響を担当した放射線健康局を09年に廃止していた【WHOとIAEAの力関係】@毎日新聞に関連しています。

<30:00頃~>【質疑応答】後半です。
(木村氏) 
 どんどんやりましょうか。
 ストロンチウム、ベータ放出核種なんですが、これは測定が難しい。もちろん化学分離するのが非常に難しい。僕はチェルノブイリの土壌を、実は化学分離してやったことがありますが、やはり、その調整から測定まで2週間近くかかるんです。だからそれを、しかも精度よくやるためには、2週間くらいかかってしまったんですが、これをどんどん、実は福島県も測っていると言ってるけれども、測定レベル、その水準がどこまでなのか?っていうのは、すごく懐疑的です。これは放射化学をやっている専門家の先生たちも、
「かなり難しい」
と言ってますので、化学分離ができない、しにくいんですが、それを含めて??に言いますと、驚くほどのレベルではない、非常に低いレベルというふうには見てます。
 ただ、これもできれば事故1年経つ前にある程度のものを自分でも実験してみて、データを出してみたいと思います。そうじゃないと、僕も何もコメントが言えないと思っています。
 あとは「市民科学者養成講座」の話なんですが、これは河田先生のところでもやられてるみたいですね?
(河田氏)東海の時も大沼さんが自身でやられてますので・・・
(木村氏)これは嬉しい、すごく嬉しいです。
(河田氏)これからどんどんね、周りの人たちのレベルを上げていって、そのことが自分たちの安全を守るということになると思います。

(木村氏)そうなんですよ。僕も全く同じ考えで、できたら人材交流で講師を途中で入れ替えて、僕と先生が入れ替わるとかですね、そういうことでできればお互いにね、福島と東海地方を交流していくということで、これが福島の方々の声というものを伝えていく、もちろん僕も河田先生もずっと入っていますから、そこの声も当然聞いていますから、そういう声を伝えていく。
 なかなかね、福島県の方々に「交流しよう。人材交流、人事交流しましょう」とか言っても、彼ら口が重いので、なかなか口を割りません。なので、僕らがかえって代弁していく方がいいのかなと思っています。
 あとは、「避難の目安」
 これも確かに、避難したくないという人と、したいけどできないという人、確かに分けてほしいと、これはそう思います。
 ただ、分け・・・、そういう人、1人1人に避難できるというような背中を押してあげるようなことが出来るように、それは地方自治体がやるべきなのか、国レベルでやるべきなのか、これも考えていかないといけないと思うんです。
 っていうのは、国というのは実はすごく考えています。考えているんだけど、ナリが大きいので動けない。それを集約させて徹底するまで時間がかかってしまう。だからこそ、地方自治体が「えいやー」で決めてしまうっていうのは、非常にいいと思います。
 ただ、福島県がやってる場合、また福島県内での地方自治体、組長さんの、組長さんっていうのは市長さんとか町長さんですが、その人たちの考え方によって随分差があるんです。それによって、例えば原子力推進側にいってる方々もいらっしゃいまして、そこの地域の方々というのは、大変苦労なさっています。
 そういうことを含めれば、できれば国がやってほしい。
 しかも、これはどこの省庁が横断的にやってしまって、「えいやー」で出してしまおう。「行きたい人はこの指とまれ」でいいと思うんです。そういう形をして、ただそこまでしたら職の補償までできるか?っていういろんな問題もあるので、それはね、旧ソ連であれば大丈夫なんですが、これは日本の社会、資本主義の世の中でそこまで全てケアできるか?というところで、非常に問題になっている。
 しかも、「じゃあお父さんだけ残って」って言って、それが離婚問題に発展したりとかですね、様々な問題になってくるんですよ。実際にやっぱりいろいろ聞かれます。
 私事でも、やはり家族との差が、格差が出てきまして、かなり危ない状況であります。
<会場苦笑>
 このフォローが本当に怖いです。本当にどうしようかと思うんですが、でも待ってる方々、山ほどいるんですよ。ここに居る皆さん、来たいときに来ていただいたのと一緒で、その方々のことを考えると、やっぱりこうやって来ちゃうというので、
「今、もうちょっと我慢して。本当になんとかするから。」
というふうに、実は手を合わせて、家族に拝んでます。
<会場笑い>
(河田氏)次に、ちょっと・・・、何というか・・・言いにくいんですけれども、福島大学の、副学長の・・・
(木村氏)福島医科大・・・
(河田氏)「医科大のですね、山下教授がですね、あちこちで『100mSvでも大丈夫』と言っているようですが、本当でしょうか?それは信用していいでしょうか?」
という質問が来ていますが、どうでしょうか?
(木村氏)これは、
「実際100mSv大丈夫だと、私じゃなくて『国が言え』と言ってます」
と、実は言ってるところがあるんですね。記録が残ってるんですねー。
「お上が言ってることに従うのが、国民の義務だ」
というふうに言ってるんです。
 っていうことは、山下さん自身は、実は『100mSv危ない』って言ってる人だったんですよ。だから、彼はバカじゃないです。判ってると思います。ただ、何のために・・・国に全てをささげる必要があるのか?
 それが、「国なんか関係ないよ。あるのは市民の命だよ」というところに立つかの、立ち位置の違いだと、僕は思っています。
質疑風景2

(河田氏)あと、じゃあ、ついでに申しますと、もちろん100mSvで安全だということはないわけです。
 なぜそうやって100mSvという話が出てくるかというと、どうしてもやっぱり広島・長崎の外部被曝を中心とした線量評価からきてると思うんですね。内部被曝というのは非常に軽視されてるわけです。ICRPとかにですね。同じシーベルトを受けても、どれだけのガンが発生するのか?とかというのも、専門家によってマチマチですよね。10倍以上違うということがあるんです。
 それから、もう一つですね、内部被曝、身体の中のセシウムの量をシーベルトで表すと、ものすごい小っちゃくなるんですね。数千ベクレルあっても、何マイクロシーベルトになっちゃうわけですね。そういうことがあって、私自身は内部被曝問題をいう時には、シーベルトだけで議論するのは良くないんじゃないかと思っています。
 何故こういうふうになったかといいますと、実はこれ、歴史的な背景があるわけです。内部被曝を過小評価する・・・。
 ご承知の方も居るかもしれませんけれども、1959年にIAEA=国際原子力機関、つまり原子力を使えるように勧める機関と、WHO、国連の世界保健機構とが契約を結びました。
『放射能に関わる病気に関しては、双方の合意が無ければ、勝手に発表してはいけない』
という契約を結んだわけです。
 なぜそうなったかは、まだ判らないんですけれども、その結果、チェルノブイリの事故の後の被曝評価の国際会議があるたびに、その問題が出てくるんですけれども、全部IAEAのいちゃもんというか、ストップがかかって、正確な発表が出来ない、評価の議論ができないということが、ずっとあるわけです。
 これ、非常に難しい、政治的な問題でもあるので、簡単にはいかないと思うんですけども、内部被曝の評価というのは、チェルノブイリで散々出てきたわけですから、今、我々が内部被曝をきちっと評価しなければ、またチェルノブイリの二の舞になってしまうと、僕は思うんですね。
 だから、何とかしてチェルノブイリにおける内部被曝を出発点にして、それ以上の被曝が起こらないというふうにするのが、我々の仕事じゃないかなと思います。
(木村氏)僕も全く同感で、今、『福島県立医大を中心として3500億円の予算をつけて、これから30年間見ていきます』というようなお話をされていますが、それはきちんと追跡調査をすることによって、異常が出たら対応するということなんですが、それは、受け手、『待ち』の構えなんです。
 そうじゃなくて、不幸にして25年前に事故があった、その地域のデータをきちんと解析することによって、『待ち』じゃなくて、こっちから『攻め』の体制で対応する、これが進んだ予防医学の仕方ではないか、立ち位置ではないかと、私自身は思っています。
 だから、今回でも文科省の政務三役、今度の15日に内閣府の官房から呼ばれたので、そちらでも言おうと思ってるのですが、きちんとしたデータ、しかも金で買ったようなデータですね、ただデータだけを持ってきて、そのデータだけを見ていくんではなくて、私はやっぱり聞き取り調査。現場で聞き取りをしながら、きちんと評価をしていく。しかもさらに、外部被曝調査を合わせまして、実は岡野先生の測定器を持って、実は今回から行くようになりました。データを採ってきてます。
 これは、件数は少ないんですが、ただ得られるデータの価値というのは、ただの紙切れよりかは遥かに高いですよ。これを100人集めれば、数学的な計算式でいえば、かなり有意なものが出せるというのが、実は理論物理学の私の師匠である原子核理論をやってる先生なんですが、その先生が答えを出してくれました。
 そういうことで、100人とは言わず、できたら1000人くらい頑張ればやっていける、それくらいできれば、もしかしたら『攻め』の姿勢でもっともっと内部被曝の低減化というか、影響が出そうな人を先にスクリーニングできるんじゃないかというふうに考えております。
(河田氏)これはですね、「木村さんにお願い」って書いてあるんですけど、「妹さんが福島に居て、もうじき赤ちゃんが生まれる。それで内部被曝の測定を二本松で行うというようなので、是非福島に来て、お話していただけませんか?」というご注文ですけども?
(木村氏)はいはい。実は福島も何度かやってるんです。福島市内には今度23日に子供さん対象の勉強会、教育をやる予定で、小学校3年生以上の方々を集めて、『キュリー学園初等科』という名前を付けまして・・・
<会場笑い>
(河田氏)日にちは判ってますか?
(木村氏)23日の午後1時から3時まで。大体お母さんの買い物の時間が3時なので、3時がタイムリミットなんですね。それは実地を合わせて、線量計20台くらい集めて、「一緒に測っていこうよ」っていうような形で、放射線を知るということをやります。
(河田氏)福島にお知り合いの方がいらしたら、是非知らせてあげてください。
(木村氏)あ、これはプロジェクト福島さん、今度NPOを建てようとされてるんですが、プロジェクト福島さんが主催者で、ホームページ上で多分出てると思います。見てください。
(河田氏)それから、「除染した表土とか汚染したものを隔離して保管する必要があると思うんですけども、その最終的な処分はどうしたらいいでしょうか?」という質問です。
(木村氏)それは、国に対しても全部同じことを言ってるんですが、間違いなく『第一原発』でしょ?あの敷地ですよね。
<会場笑い>
 あんなもの、仮処分する必要ないです。そこにバンバン入れてください。ただ、一番気になるのは、これちょっと脱線しながら話してもいいですか?
 チェルノブイリの汚染地域、ナロジチ地区の皆さんは、彼らは『森の民』なんです。森に依存した生活をしてるんです。ところが、日本というのは、森にはそれほど依存はしてません。だから、これほどの内部被曝は出ないかもしれないと、実は考えています。
 ところが、日本人の一番は、『海の民』なんです
 ・・・海洋汚染がどのくらいか。
 これ、漏れ続けてるわけですから。しかも、これは核燃料物質まで漏れてるんですよね。
 僕は・・・勘ですよ?あくまでも勘ですけれども、大気中に放出されたのは、チェルノブイリの10分の1程度だといっていますが、僕は海洋分を入れたら、実はチェルノブイリの半分くらいのレベルの事故だと思っています。
 ということで、『海の民』の我々の海洋汚染っていうのは、これから出てくるんじゃないかっていうので、やっぱり海のもの。ただ怖がるんじゃなくて、今僕の友達も含めて、食品測定器、ベルトコンベア式の。それを開発してる友達もいますので、そういうところで水際作戦をやれば、食の安全を確保できると思うし、大好きなお魚が食べられると思ってるんですけど、そういうところを含めて考えています。
(河田氏)あと、これ木村さんにですね。「チェルノブイリのデータを取ってらっしゃるようですけれども、自然界にばら撒かれた物質が、どこへどのように移動してるのか?森とか川とか土壌とか地下水とか野生動物とか。どうなってるんでしょうか?」ということなんですけど。
(木村氏)これは、私自身よりも現地の研究者の方が、遥かに彼らは事細かく調べています。河田先生のところと、私のところと、やっぱり共同の共通研究者である????・リロさん、リロさんは詳しいデータを持ってまして、彼らの実は協力のもとにデータを出して、さらに彼らのデータの信頼性がどのくらいかということで、我々は何点かとってそれと比較をしていくということを進めていた矢先に、実は事故が起こっちゃって、そっちのほうの分析が今ちょっと滞ってるんです。
 というところもありますが、何とか早めにやっていきたいと考えております。
(河田氏)それから、「汚染の基準」ですね。私も先ほどお見せしたんですが、「ウクライナの基準と暫定基準、これが違いすぎる、どうなんだ?」ということですけど。
(木村氏)あー、そうですね。彼らもすごい試行錯誤してて、事故直後には、実は日本の基準値のレベルの比ではなくて、『2000ベクレル以下は食べていい』というような基準値を出してたんですよ。それを事故後10年間の間に何回も何回も改めて、最終的にAN97といいう形、もう一つ、もう一段階、最近2003年くらいから入れましたね。
 そういうふうにして基準値を改定していってます。
 だから、日本がやっていることっていうのは、
「もともとそれが判ってるんだったら、最初からやりなさい。なんでそれをやらなかったのか?」
っていうところは、はっきり問題として言っております。
 それは実際に食べる量、例えば、日本人はご飯が主食ですから、ご飯をたくさん食べるんだったら、その分だけ被曝線量の低い、ベクレル数の低いモノを食べましょうとか、蓄積する量を考えて、1年間で1mSvにならないように基準値を決めているというふうになっています。
 日本もそうやってやるべきというふうには聞いております。
(河田氏)今の暫定基準値にはICRPの勧告をベースにしているので、これはさっき言ったように、内部被曝の評価が非常に低いということから出発してる。
 チェルノブイリの経験から、このままいけば内部被曝の影響が大きいということが判ってるわけですから、チェルノブイリをベースにして、そこから我々は出発する。そうすることで、我々は内部被曝の被害を減らすことができるんじゃないかというふうに思いますので、早急にこの暫定基準というものは、変えていただきたいというふうに思います。
(木村氏)僕から一ついいですか?これ非常にいい話だったんで。
「除染活動のボランティアに応募したいと考えています。被曝を防ぐための注意点を教えてください」ということなんですが。
 被曝の前にもう一つ。
 信頼のおける方の除染方法というのが、やっぱりあるんです。
 世に言う「機械を使わないとどうしようもない」とか「特殊な機械を使わないといけない」とかいうのではなくて、きちんとやり方っていうのがあって、そういうことを理解してる方のところに行かなければ、『ただやみくもにボランティア』というのが出てきます。そこの問題をきちんと考えて。
 例えば、こちらであったら、今これを開催されている方々、河田先生を含めて相談をすれば、適切なアドバイスを受けていただけると思います。
 放射線防護については、基本的には粉塵が舞い上がって、それを吸入しない程度。だから、今だったら花粉症のマスクで十分。後は手袋をきちんとやる。手袋をしてもどうせ汚れるんだから、きちんと洗う。家に帰ったら、即、頭からつま先まで、全身綺麗にシャワーを浴びるということで、十分に対応できます。それほど恐れることはありません。
(河田氏)と、私も思います。
(木村氏)ありがとうございます。非常に嬉しい。
(河田氏)それからですね、「今のNPO等の調べた調査と国の発表があまりにも違いすぎる。どう考えたらいいんですか?」という質問。
(木村氏)チェルノブイリの?
(河田氏)汚染地域の被曝線量の評価ですね。
(木村氏)はいはい。うーんと、これは正直言って、そのまとめてるところが、僕、その、なぜSPEEDIが使われなかったかも含めてちょっとお話したいんですが、実は、これは『市民がパニックにならないため』というのが、まず一つだったんですが、これは、市民がパニックにはならないんです。
 っていうのは、命が懸った時に必死になったときに、皆我先にというよりは、以外にここで日本の真面目さ・日本人の国民性というのが出てしまって、きちんと言ったことは従うんですね。だから、パニックにはなりにくいんです。
 それよりも、パニックになったのは『官邸』です。『首相官邸』です。
<会場笑い>
 彼らが・・・(河田氏に)本当なんですよ。
 彼らがパニックになったからこそ、こんなバカなことになってしまったんだと思ってます。
 官僚自身は、そこまでの決定権がありません。だから、彼らも指示が出ない限り、指示が出ないんだけど、自分たちで想像出来うる限りのことをしようとしたんですが、彼らも指示がとんちんかんなことが出てしまったときに、それに対して「NO」と言えなかった。これが、官僚の、役人の悲しさで、「NO」と言ったら本当にやめなくちゃいけなくなりますから、これも辛いとこなんですが、そういうところが含まれてるんだと思います。
(河田氏)ちょっと引き続きこういう質問が来てます。「お二人に」ときてます。
「なぜそんなに頑張れるんですか?」
<一同笑い>
 なぜですか?
(木村氏)これは、放射線衛生学でずっと飯を食ってきた、言葉は汚いですが、そういう人間で、国民の税金を使って研究をさせてもらってるわけじゃないですか。それをこういうときになぜ還元できないのか?と。このために僕は研究してきたわけなんですよね。
 だから、これをきちんとやらなくて、「論文が大切だ」とか、ワケわからんことを言ってる人たちが一杯居るんですよ。
「論文の前に人の命考えろよ!」
と、僕はよく言うんですが、そういうところっていうのが、まず研究者の大きな間違いじゃないかと僕は考えています
が、先生はどうでしょうか?
(河田氏)そうですね。やっぱ二つ思いつくんですね。
 一つは、放射能っていうのはなかなか目に見えない。感覚できない。しかし、実際に取り扱った経験があれば、非常に判りやすいんですね。どれくらい怖いか、どれくらい被曝するか、わかりやすいんですね。
 これは、さっきの測定器で測るだけでも・・・

(木村氏)全然違いますね。
(河田氏)違いますね。数字で例えば「0.5マイクロシーベルト」って聞いても、これは数字ではそうなんですけど、これは測定器で実際にはかると、ピピピっとなりますよね。随分感覚的に違うんです。
 これも余談ですが、慣れてくると「これは大体0.8かな?」って耳カウンタなんていうんですけど、それが可能になります。そうすることで危険度、教科書に書いてある危険度と、実際の自分の感覚とが近くなるんですね。
 私はもともと遺伝子の研究者だったんですけど、今と違って、昔は遺伝子の研究は放射能を扱うしかなかったんです。日々放射能を扱う。そういう中で放射能が身近になったということが、一つあります。
 二つ目は、これはちょっと恥ずかしくて言いにくいんですけども、サイエンスっていうのは、個人的な価値を求める学問だと思ってるんです。つまり、『万人のために役に立つ学問でなければならない』ということです。
 最近の傾向として、特許なんかを通じて、非常に特定の企業とか特定の集団に研究の成果が流れてしまうということがあるんですね。
「それはけしからん」
というふうに昔から思っているので、そういう、対抗心もあるわけです。
 以上です。
<会場、拍手>
(木村氏)僕も追加で一つ。
 やっぱり『業績至上主義』、業績でしか判断できないように研究者を作ってしまった人たちが居るんですよね。
 それで論文を書かないと出世ができない。
 僕は出世が欲しいと思わなかったから、実は獨協医科大にも
「助手にしてください」
って言ったら、
「バカか?」
と叱られたので・・・、っていうのがあったんですよ。
 本当はそういうところじゃなくて、自由に研究というか調査をして、それをいち早く皆さんに公開していくというのが一番大切だと思っています。
 それは趣味でやるものではない。ある部分で使命を持つべきではないか?
 それはいろんな部分の、理論物理学者だとしても、それは何かしらの貢献義務は必ず出てきます。そういうような、数学者でもそうです。そういうところを含めて、何かしら貢献ができるようなことをやはり考える。研究者である前に、人間としての真っ当な考え方じゃないかなと、僕は思っております。
 だから、そういう意味では河田先生と僕は、非常に感覚が似てますよね。
 もうびっくりしちゃった<笑>
(河田氏)あとですね、「福島から遠くに避難する人が、今非国民扱いになっている。それについて納得がいかないけれども、こういう現状をどうしたらいいでしょうか?」っていうご質問です。
(木村氏)これは僕、得意ですね。
(河田氏)どうぞ。
<会場笑い>
(木村氏)これ、これね、福島では、『避難する』って言わないんです。『逃げる』っていうんです。
 だから、『逃げる』という言葉を使ってしまうと、『逃げにくくなる』んですよ。
それも、彼らは福島県民に対して言わないといけない。それを使うべきだと思ってもならないと思うんです。
 ただ、それは『避難ができる余力のある方々』が多いわけですね。
 『余力が無い方々』についてはどうするか?
 これこそ、国民の皆様の支援が必要になってくるんじゃないかと僕は思ってます。
 それは受け入れ先にしても、金銭的な支援にしても、やはりそういうところで広く門戸を開いてあげないといけないんじゃないかと思ってます。
 だから、避難できる・できないっていうこと、これは、
「できれば、行きたい人は行ってください。」
 これは僕の望みです。
 よろしいでしょうか。
(河田氏)あとは、東京都内にお孫さんがいらっしゃる、お母さんかな。「野菜も魚も怖くて食べられない。いつも名古屋から送っている。そういう問題について、どうしたらいいでしょうか?」
(木村氏)これ、ちょうど言いたくて忘れてた。ド忘れしてたんですけど、実は、3月30日の時点で、実は広島まで放射能雲が到達してます。4月13日では、長崎県まで到達してます。集まったその塵の量を、これはちょっとあれなんですが、キログラムあたりに換算した時の汚染レベルというのは、実は飯舘村クラスなんですよ。そのくらいの汚染が、実は広く、薄く汚染をしてるんです。
 実は、この名古屋だって同じことなんです。
 北海道だって一緒なんです。
 3日後には、実は対岸の西海岸、アメリカの西海岸まで放射能が到達しております。
 そういうことを考えた場合、これは『他人事ではない』わけです。
 かといって、これを心配するかというと、雨もふってなければ、ただ風が通過して行ってるだけです。
 たまたま東京なんかで雨が降ったりして、ホットスポット的な部分が出てきましたが、ホットスポットエリアができましたが、距離を置くごとにそれほど大きくはない、ただし、森林汚染は、意外に馬鹿にならないくらいあるんじゃないかと考えてますので、だから、五山の送り火にしても、あの岐阜県の花火の問題にしても、あれを議論する前に、
「実は汚染されてきたんだ。自分たちは少なくとも放射能雲が通過しているときに、自分たちは生きてたんだ。存在してたんだ」
ということを認識してください。
 そういう意味では、東京にいようが名古屋にいようが、食べ物をそれほど気にする必要はないです。
 ただ、その中に確率論的に言えばゼロではないというふうに言うしかないんですが、今は汚染の高いものが入るかもしれないけども、それが影響が出てくるかどうかっていうのは、やはり水際作戦をとるしかないでしょうね。
 というふうに思います。
(河田氏)次も似たような質問です。「セシウムは問題になってますけど、プルトニウムも問題ではないんですか?なぜ問題にならないんですか?」というご質問。
(木村氏)プルトニウム自身は飛んでます。確かに50㎞先でも確かに飛んでると。僕が調べたデータでどんなに調べても出てこなかったっていうのは、実は3月15日の爆発直後に僕は入ってますから、3月15日から調査してるということで、メルトダウンに至る前に調査をしちゃったということで、出てこなかったんですよ。
 ただし、その検出の中に、プルトニウムと非常に近い、メルトダウンでしか出てこない???、融解温度、揮発性温度が3000℃くらいのもの。そういうものが出てきてたんで、それは確かに「もしかしたら?」という懸念はありました。ただそれが確証できるほどのことではなかったんですが、ただ非常に薄いです。チェルノブイリと違って、大爆発を起こしたんじゃないので、プルトニウムについては、多分問題ないでしょうと思います。
(河田氏)さっきも話しましたけど、出てる量がとにかく少ないんですね。「出てないか?」っていえば出てる。
 大熊町の土壌調査なんかですと、やっぱり数ベクレルでております。
 30㎞、40㎞にもなれば、実際上問題になるレベルではないと私も考えております。
 それから、次はですね、「どうも日本は25年前のチェルノブイリ事故が結局教訓として生きてない。日本人にとって、何が足りなかったんですか?」というご質問。どうお考えですか?
(木村氏)答えていいですか?答えたいな~。
<会場笑い>
 これ、教訓。
 『チェルノブイリのような事故は、日本では起きない』と原子力安全神話を作ってきた国や官僚たち、それを支援するような関係者の方々。これが大きな間違いだったと思います。
 これは、『科学は万能ではない』と先ほどから河田先生と私、言ってますよね。
 だから、『起きるかもしれない』という研究をきちんとやっていけば、チェルノブイリの教訓というのはできたはずです。
 もちろん、いつでも聞いてもらえるような体制を私もとってましたが、反応してくれませんでした。もちろん第一人者の京大の今中さんでさえ、お呼びがかからないというようなことですから、彼らにそんな知恵はなかった、思いつこうともしてなかったんじゃないかと思います。
 で、ようやく今行ってますよね。
 行って、たった一回行って、専門家面してきますから、これ、絶対みておいてください。もうあたかも全てを見てきたかのように言いますから。
<会場笑い>
 そんなんだったら、河田先生にしても僕にしても、何十回も行って。僕でいったら15回行ってる。15回も通う必要ありません。1回で済むなら。
 というのが、僕らの答えでしょうかね。
(河田氏)そうですね。よくそういう人が居るんです。
 1回行って、なんか「わかった」っておっしゃる科学者、『観光学者』っていうんですかね。
<一同笑い>
(木村氏)だけど本当に一つの提案で、その国が言ってるのがすべてかというと、彼ら結構ね、そのレベルでいったら、雑なところも結構あるので、「ほんまかいな?」というのがかなり含まれてますよね。だからそれをきちんと精査するのが、我々のきちんとした学者としての立ち位置じゃないかなと思ってます。
(河田氏)あとですね、「除染が大事だというふうに言うんだけども、『限定的』じゃないかと思うがどうでしょうか?」
(木村氏)そうです。限定的です。
 ただ、限定的でも、やらないと進まないです。

(河田氏)そうですね。
(木村氏)だから、やって少しでも下げていく。これが安全・安心につなげていくんじゃないかと思ってます。
 だから、諦めてはいけないけれども、国が言うような、神話のような話はありません。
(河田氏)できません。
(木村氏)できません。
 宇宙戦艦ヤマトでイスカンダルまで行かないとできないくらいです。
<会場笑い>
 いや、これ本当なんですよ?
 ニードルさんに言われたんです。
「お前ら日本人は、放射能除去装置を作ったのか?」
日本の食品の基準値を見せた時に言われたんです。
「え?どうして?」
って聞いたら、
「これ、じゃないと、当然我々は怖くて食べられない」
と。これが現実なんですよ。
 我々にそんなことはできません。
(河田氏)<うなづいて>そうですね。
(木村氏)じゃ、最後。「今後私たちの心電図、子供たちの心電図の調査をする予定はありますか?」というご質問。
 心電図ですか。
 うーんとね、これはある程度、内部被曝が進んでいるような地域、これは福島ではホールボディーカウンタで線量がある程度高い人については、実施しようかと考えています。
 「ウクライナでの血管心臓組織、細胞レベルの病原はみられたことありますか?」とありますが、あります。
 一応当然それも、懐疑的に見てます。懐疑的に見ながら、それが真実かどうかっていうのを私自身が判断している。彼らが言ってることを鵜呑みにはしない。これはあくまでも研究者としての立ち位置だと考えてます。
(河田氏)まぁちょうどいい時間になりました。本当に今日は長時間ありがとうございました。
(木村氏)とんでもありません。
<会場拍手>
 皆さん、こうやって、このオーディエンスの方々が、非常に一生懸命なのが伝わってきたので、僕は来た甲斐が本当にありました。
 この場を借りて、本当に皆さん、どうもありがとうございました。皆さんの気持ちというのは伝わりましたので、是非ともまたやりたいと思います。
 今後ともご支援よろしくお願いします。
<再び拍手>

<②終了>

【その⑤】に続きます。
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