どうぞ・・・。

20111128 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

まず、大阪の新しい市長になった橋下さんは、脱原発という姿勢を選挙前に掲げていらしたと思うんですが、そうした動きについては、小出さんは、どうご覧になってますか?
(小出氏)私は、ずーっとこの番組でも聞いていただきましたけど、政治が大嫌いですので、政治に対してコメントはあまりしたくありません。
ただし、今この番組を聞き始めたら、自民党は早速寝返ったというようなことを聞いているので・・・

大阪都構想に関してはね・・・。はい。
(小出氏)まぁいかにも政治の世界らしいと思いましたし、ガンジーがですね、『7つの社会的罪』という言葉を残していまして、その筆頭は、『理念なき政治』なんですね。
本当にその通りだと思いました。
橋下さんはむしろ理念はあるのかもしれませんが、橋下さんの理念は『強くなる』ということだと私には見えます。
私はそんなことはまっぴらですので、お断りしたいと思います。
ただ脱原発ということであれば、歓迎ですので、しっかりやってもらいたいというのが私の希望です。

はい。
そしてですね、小出先生が事故直後からずっとおっしゃっていたことの一つ。この福島の原発で、大気中にばら撒かれた放射性物質は、もう全国を汚染しているんだということ。
今、ようやくですね、文科省の調査結果が、それを裏付けるということになりました。
沖縄でもセシウムが観測されているわけですが、大阪市の数字を見ますと、1平方メートル当たり、18.907ベクレルのセシウムだというんですね。
これは3月11日以前の数字と比べると、どういう意味を持つ数字なんでしょうか?
(小出氏)えー、人間は放射性物質というのを自分で作って地球環境にばら撒いてきたという歴史を、これまで歩んできたわけですね。
それで、一番の犯罪は、核実験・・・、広島・長崎の原爆も含めて、大気中で原爆を爆発させたということにあるわけで、北半球の温帯地方、日本も含むわけですけれども、1平方メートル当たり約5000ベクレルという、セシウムをばら撒きました。
大変な量をもうすでに1950年代から60年代にかけてばら撒いたのですね。
その後で、例えばチェルノブイリ原発というのが事故を起こしまして、また、大量の放射性物質を大気中にばら撒きました。その時にばら撒かれた放射能は、ヨーロッパ、或いはソ連というところに関しては、過去の大気圏内核実験とほぼ同じ、多い場所もあるし少ない場所もあったのですが、日本というチェルノブイリから、地球の裏側のような場所では、1平方メートル当たり、約100ベクレルでした。
今回、福島を中心に何十万ベクレルというような汚染がすでに生じているわけですが、関西はありがたいことに、約20ベクレルで済んでいると、そういうことです。 
ただし、汚染を免れたわけではありませんし、地球上どこでも、また福島第一原発の放射性物質で汚れてしまったということになりました。

今ようやくそれが・・・ね?
こんなに時間かかって発表されたわけですが。
(小出氏)そうですね。

もうひとつ、セシウムっていったい誰のものなのか?という質問をさせていただきます。
へんてこな質問だと思うんですけど、私も。
なんでかと言いますと、福島第一原発から45㎞離れたゴルフ場がありまして、事故の翌日から営業を停止してるんだそうです。東電に、
『この土壌の汚染があるので、営業できないから、汚染の除去をしてくれ、除染してくれ』
と仮処分を東京地裁に8月に求めたんです。
そうしたらですね、東電側から出てきた主張が、こんな主張でございました。
『原発から飛び散った放射性物質は、東電の所有物ではない。』
つまり東電の持ち物ではないってことですね。
『東電のものではない。したがって、東電は、除染に責任を持たない』
と、こういうふうに東電側が主張したということなんです。
「放射性物質飛んだのは、東電のものやないさかい、除染の責任はない。」
この論理、科学者として小出先生、いかがでしょう?
(小出氏)えー、もうなんとも言葉もありませんが、セシウムを含めて、核分裂生成物というのは、東電福島第一原発の原子炉の中にあったウラン、もちろん東電の所有物ですけれども、それが姿を変えて核分裂生成物という物質になりました。
もちろん東電の所有物ですし・・・

あー、そうか。形が変わっただけですね?
(小出氏)もともと、そうです。もともと、発電所の原子炉の中にあるべきものであったわけです。それを勝手に東電が自分の所有物をばら撒いたわけであって、それがどこに行こうと、東電の所有物に変わりがあるはずがないと私は思います。
東電は、何かそれを法律用語で『無主物』だと、今度主張しはじめたようですけれども・・・

つまり、『主が無いもの』と書きまして、『無主物』、価値の無いモノだと。誰のものというようなふうに言えるようなものではないんだと。
(小出氏)『価値が無い』どころではないんですね。それは猛烈な毒物なのであって、それを東電が勝手に作った、自分の所有物として作ったわけです。それをばら撒いてしまったら、自分は知らないというのはですね、ほんっとにもうなんとも言いようのない会社ですね。この会社は。

平野さん、どうですか?
(平野解説員)先生、あの、今後東京地裁の決定の中身もちょっとおかしいなと思う・・・

決定が10月の末に出されました。
(平野解説員)そうですね。それ、東電に対して除染を求める権利を認めてるんですよね。これは、いいとしてもですね、除染は国が自治体でやると。東電への除染を求める請求は退けてるんですね。これは非常になんか、矛盾してる・・・。

一言でいったら、
『東電に「除染してくれ」とゴルフ場が言う権利は認めるけど、「だからといって、東電が除染しなくていいよ」』と。
(平野解説員)『除染しなくていいよ』と。これは有り得ないですね。
(小出氏)有り得ないと思います。
東京電力のものなんですから、東京電力が片づけるというのが当たり前の判断だと思いますけれども、何かいきなり行政に責任を転嫁するということであって、裁判官も相当おかしいなと、私は思います。

(平野解説員)被災地の光景を見てると、本当に自治体の人々とか住民の人たちが除染で苦労してる時に、東電の人たちの姿・形も見えないというのは、ずっとおかしいなと思ってたんですけどね、やっぱりこういう法律的な裏付けがあったら、東電はやりませんよね。
(小出氏)はい。おっしゃるとおりです。

これね、今回のゴルフ場の問題も大きいともちろん思うんですが、もし・・・出ていってしまったセシウムは東電の所有物じゃないから、除染の責任は無くていいんだということになれば、他の場所、他の物、農作物もそうですし、海産物もそうですし、水もすべてそうですけど、全てに対して、「だってセシウムは東電のものじゃないんだから」って言われたら、これ、偉いことにつながっていきませんか?
(平野解説員)逆の意味で、じゃあ東電は賠償責任はない、ということにつながりかねないですよね。
(小出氏)と、言ってるわけですね。
賠償責任というか、除染でもなんでも行政がやらなければいけないということを、裁判所が言い出してるわけですね。

うーん。これは皆さんなかなか、焦点が当たっていなかったできごとかもしれませんけど、非常に意味が大きいものではないかと思います。
(平野解説員)これから、だけど同種の請求がすごく多くなるような気がしますね。
(小出氏)はい。

そうですよね。
司法がどう判断するのか?って本当に大きな大きな課題がございます。
ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

【参考記事】
七つの社会的罪 (Seven Social Sins)
1.理念なき政治 Politics without Principles
2.労働なき富 Wealth without Work
3.良心なき快楽 Pleasure without Conscience
4.人格なき学識 Knowledge without Character
5.道徳なき商業 Commerce without Morality
6.人間性なき科学 Science without Humanity
7.献身なき信仰 Worship without Sacrifice
http://www.kanshin.com/keyword/1232137

社説:大阪ダブル選挙 既成政党圧した橋下流
毎日新聞 2011年11月28日 2時32分
 大都市制度の在り方などをめぐって争われた大阪ダブル選挙は、大阪市長に橋下徹氏、大阪府知事に松井一郎氏が当選した。橋下氏が代表を務める「大阪維新の会」が両ポストを占め、有権者は既成政党にノーを突き付けた形となった。既成政党はこの結果を深刻に受け止めなければならない。
 市長選では「大阪都構想」を訴える橋下氏に対し、それに反発する民主党、自民党が府連レベルで平松邦夫氏を支援し、共産党も出馬を取りやめて支援に回った。府知事選でも大阪維新の会と既成政党の対決となった。
 大阪都構想は、大阪市と堺市の両政令指定都市を特別自治区に再編し、広域行政は都に一本化して効率化を図り、住民サービスは基礎自治体が行うというものだ。
 毎日新聞の事前の世論調査では、大阪都構想について、市長選では賛成派が42%だったのに対し、反対派は28%にとどまった。知事選では賛成派が51%で、反対派のほぼ2倍に上った。住民の改革への期待が大きいことは明らかだ。
 背景には、住民の閉塞(へいそく)感がある。大阪は経済の地盤沈下が進み、失業率も高い。景気対策や雇用対策をはじめ、福祉や教育の充実などを望む声が強く、現状を打破してほしいという有権者の思いが選挙結果に反映された。
 橋下氏は都市の仕組みを変えることで二重行政をなくし、住民の要求に応えるという公約を掲げたが、既成政党はこれに対抗できる選択肢を示すことができなかった。
 ただ、大阪都構想の方向性は支持されたとはいえ、具体的な制度設計はこれからだ。特別自治区間の財政格差や区議会の設置などによる行政コストの増大といったマイナス面も指摘されている。特別自治区の区割りも大きな論議を呼ぶだろう。住民の生活にどのような影響が出るのか丁寧に説明し、不安を取り除いていく作業が欠かせない。
 実現には大きなハードルも待ち受けている。大阪、堺両市議会では既成政党が過半数を占めており、どう協力を取り付けていくのかが課題となる。
 地方自治法など関連法の改正も必要となる。橋下氏は既成政党が協力しないのなら、大阪維新の会の国政への進出も示唆している。そうなれば、次期衆院選の台風の目となる可能性もある。
 政令市と都道府県の二重行政は、大阪だけの問題ではない。首相の諮問機関である地方制度調査会でも本格的に検討される予定だが、大阪がモデルケースとして先行する形となる。国レベルの議論も加速させるべきだ。
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20111128k0000m070123000c.html


文科省の積算放射性下降物については、以下のブログでまとめてくださっていました。
健康日記あるいは福島第一原発放射能被曝対応の日々より。
http://vegha.seesaa.net/article/237125336.html


ゴルフ場除染などを求めた仮処分申し立てを却下
(2011年11月14日21時00分 読売新聞)
 東京電力福島第一原発事故による放射性物質の拡散で休業を余儀なくされているとして、福島県二本松市でゴルフ場を経営する「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」など2社が、東電に放射性物質の除去などを求めた仮処分申し立てについて、東京地裁が却下したことがわかった
 決定は10月31日付。福島政幸裁判長は「除染の手段や時期は国などの調整のもとで慎重に検討されるべき」とした
 同社側は休業中の人件費などの仮払いも求めたが、決定では「現状でゴルフ場の運営が不可能とは認められない」と退けた。同社側は14日、決定を不服として東京高裁に即時抗告した。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20111114-OYT1T00893.htm


福島ゴルフ場の仮処分申請却下=「営業可能」と賠償認めず-東京地裁
2011/11/14-20:08 時事通信
 東京電力福島第1原発事故でゴルフコースが放射性物質に汚染され、営業できなくなったとして、福島県二本松市のゴルフ場「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部岩代コース」の運営会社など2社が、東電に放射性物質の除去と損害賠償の仮払いを求めた仮処分申請について、東京地裁(福島政幸裁判長)は14日までに、申し立てを却下する決定をした。2社は同日、東京高裁に即時抗告した。
 決定で福島裁判長は、ゴルフ場の土壌や芝が原発事故で汚染されたことは認めたが、「除染方法や廃棄物処理の在り方が確立していない」として、東電に除去を命じることはできないとした
 さらに、ゴルフ場の地上1メートル地点の放射線量が、文部科学省が子供の屋外活動を制限するよう通知した毎時3.8マイクロシーベルを下回ることから、「営業に支障はない」と判断し、賠償請求も退けた
http://www.jiji.co.jp/jc/eqa?g=eqa&k=2011111400849
(リンク切れ)

失礼します。
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