※この記事は、11月21日 【内容起こし】 百人百話 第11話 志田守さん【その①】に関連しています。

11月22日 百人百話 第十二話 渡部幸子さん
http://www.ustream.tv/recorded/18679279 (42:58)

【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
2011年8月24日収録
Q.お名前は?
 渡部幸子、いわき市に住んでいます。
 福島県民です。
Q.今回、小田原に引っ越されたきっかけは?
 やっぱり子供が居るので、6歳と3歳の子供が居るので、気兼ねなく外で遊ばせられるのかなと思って、応募させていただきました。
Q.小田原にいらして、どうですか?
 今回ここの中学校にきてるので、中だけっていう形になったんですけど、子供さんとか昨日たくさんいらしてものすごい楽しそうなんですよ。子供は場所関係なくて、お友達と遊べればすごくさっぱりしてていいなと思って。はい。
Q.福島県にいらっしゃった時は気を使うことが多かったですか?
 そうですね。私の住んでるところって、小名浜に近いところで、多分いわき市の中でも低い方なんですよ。線量が低くて、周りの人は、やっぱり
「まぁ低いからね~。高いところに比べて。」
 でもやっぱり小っちゃい子って、土いじったりするんですよ。だからやっぱり小っちゃい子、幼稚園とか居るお母さん方は気を付けてますね。

Q.福島県に留まっている人は、どんな葛藤・悩みがあるのか?
 私のところは結局線量が低いから、福島市とかあちらの中通りの1マイクロを超えてるようなところに比べると、でも、避難までいかないっていう考えが一つあるのと、それでもやっぱり危険だと思う人は避難するんですけど、避難しない人は、やっぱり家一戸建て持ってて、二重のそんな生活はできない金銭的な面と、それからあと旦那様が働いていて離れられない、バラバラになるのは嫌だというのと、それからあとは、親が一緒だったりとか、あとお母さんが働いてたりとかで、避難したくてもできないみたいな人ですね。
Q.ご自身はどうですか?
 やっぱり夫と離れて、今は大体外で0.2マイクロシーベルト/時くらいなんですね。
 その線量と家族がバラバラになってする生活や金銭的な大変な思いをするのとを比べた時に、気を付けながら生活できるレベルだなと思って、バラバラになるのにも、今の生活では大丈夫だっていうふうに判断しています。
Q.その数値はどうやって測ったのですか?
 それが市とかで測ってる数値、小名浜とかあの辺りの数値をみたりするのもあるし、実際に持ってる方に、家を一回測ってもらったことがあって、芝生の上で0.28あって、家の中では0.12から0.2くらいだったんですね。
 だから、きれいに掃除したりしていけば、まぁ大丈夫かなっていう・・・。
Q.掃除は家の内外など、どこをどうやって?
 まずやっぱり、家はよく言われる拭き掃除をしたりとか。厳密にはできないですよ。たまにやるくらいで。
 あとは、洗えるものは洗う。洗えるものは洗ったりして、シーツなんかも洗ったりして。
 外は、タイル、アプローチがあって、そこはデッキブラシで洗い流してっていうくらいです。
 高圧洗浄機も持ってないので、本当に、本当になんか気休め程度ですね。
 線量計も持ってないので、それでどれくらい減ったのかもわからない。
Q.雨樋は?
 うちの雨どいは地面、下まで通過してて、だからそこは心配してないです。雨水がこうなるところはないかな。
Q.線量・数値・除染などの知識はどうやって得た?
 やっぱりいわきに来られた先生方の講演会と、それからやっぱりネットですね。
 最初に爆発する15日に避難しようとしたんですけど、その時から私の兄が居まして、兄は全然違うとこにすんでるんですけど、結構理系なんですね。原子力とかでは全然ないんですけど、理系に強くってパソコンなんかもよくやってるので、
「どうなの。どうなの。どのくらいの放射線量だったら放射線管理区域だからとか、法律で3か月で1.3ミリシーベルト超えたらダメとか、っていうふうに決まってるとか、そういうのを全部情報くれたんですよ。
 だから、多分他の人よりはそういう知識があったと思うんです。
 それで4月に帰った時に自分の家のパソコンでいろいろ調べたんです。
Q.どんな状況で地震を体験し、どんな形で原発事故を知ったのか?
 えっとまず、地震は自宅で下の2歳になる娘と一緒に居た時だったので、家の下は結構つよい岩盤なのかな?家も割と新しい家なので、揺れたけど、すごく揺れたけど、被害は特になかったんですね。それで、上の子は幼稚園に行ってて、幼稚園でそこで預かってもらって、1日。預かってもらって、その次の日に、何号機でしたっけ?爆発したの。3号機でしたっけ?1号機か。1号機が爆発したんですよね。
 その時はまだ確か、そんなに避難区域が10㎞、20㎞って限定されてたので、住んでるところが50㎞、60㎞くらいのところなので、まだそんなに自分の身には迫ってなかったんですけど、その次に3号機が爆発して、14日の夜に「もう親戚の家に避難しようか」っていうふうに、周りから言われていたので、迷ってたんですけど。
 そしたら、??とかは「水素爆発だからまだ大丈夫じゃないか」って言ってたし、自分自身もガソリンがどうなるか判らない中で、地震で地面もわからないところで、子供を連れて行くのはちょっと不安だったので、もうちょっと様子を見ようと思ったんですけど、その次の15日の朝に、茨城のほうで国に通達しなきゃいけないレベルの線量をキャッチしたっていうニュースでチラッとやったときに、
「あれ?」
って思ったんですよ。確か2号機が爆発して、4号機も火災が起きてっていう状況だったと思うんですけど、それで
「ちょっとやばいかな」
みたいな感じになって、「11時から菅さんがメッセージを流します」みたいなときに、
「流れたらおしまいだな」
と思ったんですよ。
「テレビでやる前に逃げないと」
っていうふうには思っていたので、もうこれはメッセージをやるってことは、良くない知らせだと思って、もう逃げようって、荷物はまとめてたんで、それで夫の方のお父さんの家の方心配だったんですけど、
「もう行こう」
って引きずってじゃないですけど言って、それで15日のお昼から猪苗代のほうに。
Q.どんな手段、メディアで情報を知ったのか?
 あの時は、テレビなんですけど、今思えばなんでパソコンつけてなかった、電気は大丈夫だったから、なんでパソコンで情報をもっと取らなかったんだろうって自分で不思議なんですけど、あの時はもう地震のほうで、水が出ないことで子供の世話とかで精一杯で、テレビずっとつけっぱなし、テレビからでしたね。情報は。
 だからその『茨城でどうの』っていう話も、友達に聞いても見てないから、
「え?そうなの?わかんない」
っていうふうに言われて、私の聞き間違いだったのかな?とか、すごいそれはちょっと不安に思いました。
Q.政府、メディアの情報が、実際の状況より遅いと感じるのはどうして?
 どうしてですかね?
 大体多分、先入観っていうか、そういうのだと思うんですけど、大体国っていうのは、事が起きてから多分いうだろうって。多分先に先には言わないだろうって。
 言ったときにはもう遅いし、言ったときに皆動いたら、渋滞に巻き込まれちゃうから、言う前に何か情報を察知していかなきゃいけないって。
 それからあと、結構デマって言われてますけど、ネットでチェーンメールみたいに『原発爆発するから逃げろ』みたいな。
 猪苗代に行ってからは、パソコンが無いので「じゃあどうやって情報を?」って思ったときに、ツイッターをそこから始めて、ツイッターはすごかったです。良くも悪くも。情報が。
『直ちに影響はありません』
でしたっけ?多分あの言葉だったと思います。
「大丈夫。50㎞の距離なら大丈夫」
って自分が思ったのは、多分『直ちに影響はない』っていうことで、50㎞の範囲ならまだ大丈夫かなって、多分自分で納得したんだと思います。
Q.すぐ避難しなかったことで、今、後悔はありませんか?
 ただ、後でいわき市の数値を見た時に、14日の深夜に上がってるんですよ。20くらいまで。あれを見た時に、14日の夜に迷ってたから、14日に逃げとけば良かったかなっていうふうには、今思ってるけど・・・。
Q.枝野さんに怒りはありませんか?
 それは、ありますよ。
 うーん、あの、そうですね、やっぱりちょっと時が、自分でも感覚がマヒして、怒りとか通り越して・・・、と思うんですよ。だから、
『ただちに影響はありません』
っていのが、どうなんだろう?自分の中でも、もうそこは自分の反省ですね。人に向けて怒りももちろんありますけど、もっと自分が早く決断すべきだったというか、そういうのがありますね。
『ただちに影響はありません』
っていう言葉も、すごく不愉快ですけれども、やっぱりSPEEDIを後から出した、あのことに一番怒りを感じています。
 あれがあれば、例えば風向きを見て、いわき市はいつ風向きで来たとか、今はどっちに向いてるとか、詳しい数値がわからなくても、それによって行けたと思うんですよ。行く方向もあったと思うんですよ。
Q.逃げる方向?
 逃げる方向。
 それが、SPEEDIが後から出されても、結局風向きの方向に逃げた友達も居るんですね。福島市の方向に行ってた時に逃げた友達もいるし。とにかくいわきっていうのは、あの時南の方で、結局浜っていうことで、原発の存在がやっぱり近いんですね。だから小さい子供が居る人でみんな逃げられる人は、もう居なくなってましたね。あの時。
 だから皆、どこか伝手をたどって逃げたし、会社なんかでもバス出して、15日にはバス出して避難させてたので、それがちょっと風下の方向とかっていうのは、非常に憤りを感じますね。
Q.政府・東電・メディアの対応について、どう思われますか?
 えーっと、まぁ本当に怒りしかないんですよね。
 政府ももう何やってるんだ!?って、あの1週間、爆発があってからの1週間っていうのは、本当に遅いし何やってるんだろう!って、すーっごくイライラしてましたし、東電に至っては、あの社長さんとか、半分でしたっけ?自分の給料じゃなくて、役員報酬を半分とかで、半分でも何千万とかもらってるのを聞いて、「冗談じゃない!」っていうふうに、すごく憤りを感じてましたね。
 自分たちの身を守るその姿勢に・・・。
 ただ、東電に旦那さんが務めてるお友達も近くに、やっぱりいわき市にも多いので、じゃあ、その社員のその奥さんを責めるか?っていうと、それはやっぱり全然そういうのではなくて、やっぱり経営陣、その動かしてきた人たちに、お金とか動いてるような人たちに対しての怒りはすごくありましたね。
Q.友人の東電社員の家族について。
 原発についてはやっぱりちょっとっていう。
 なんか「嫌だよね」っていうふうには言うけれども、その人たちは原子力関係のお仕事ではないので、全く違うんですけど、そこまで突っ込んだ話はしないんですけど、だからといって東電を守るとかそういった発言もないし、ほんと普通の、私たちと変わらないですね。
Q.猪苗代での避難生活について。
 猪苗代なんですけど、避難した当時は今でこそ当たり前になってますけど、線量がいくらとかは全然わからなくて、
「ここまでくれば、まぁ大丈夫なのかな?」
っていう80㎞なんです。80㎞で大丈夫かな?っていう感じでいたので、ただやっぱり心配で、
「もしかして来てるかもしれない。雨も降ったし」
と思って、子供たちは外に出さなかったし、たまに気晴らしで買い物連れて行くときには、マスクさせて帽子かぶらせて、かなり厳重にしてたんですけど、お店に行くと皆誰もそんなことしてなくて、すごく
「あれ?」
って、ちょっと世界が違うんですよ。ギャップを感じましたね。
Q.3.11以前、原発についての知識はありましたか?
 いや、新聞で事故があったというのを見る、見だしは見るんですけど、「怖いな」っていうくらいで、プルサーマルとかも見てたはずなのに「プルサーマルって何かな?」っていう。何を受け入れる、受け入れないとか、全然読む知識が無かったですね。
Q.自宅へ戻ることへの葛藤。
 猪苗代には15日の夜について、4月の3日まで居た。お昼に出たんですけれども、まず実家に戻る決意をしたのは、子供が小学校に入学するので、入学式があったので戻りました。
 その兄からの情報で、0.6マイクロシーベルト/時を切れば、放射線管理区域と言われるものからは外れるので、自分のなかでそれを目安として、多分4月の決まったころは、0.5とかだったんですよ。平も。測定が。
 それと、あとはやっぱり入学式が決まったからというのもやはりあったんですけど、やっぱりその二つですね。
 そっちがあって、入学式があるから帰るけれども、線量を見たら0.6切ってるから、もっと離れてるから、平は、住んでるところは。きっとそれよりも低いんじゃないかっていうふうに判断して、帰ってきました。
Q.避難先はどうでしたか?
 それが、本当に申し訳ないんですけど、すごく良くしてくださる、多分会津若松の人の気質だと思うんですけど、すごくあったかい、田舎の人の温かさがあって、逆に子供が居ても嫌がらないし、すごく良くしてくださって、申し訳ないくらいでした。
 ほかの友達が避難所で親戚の家に居づらくなったっていう話も聞きましたけれども、うちはそういうことは無かったです。贅沢だったと思ってます。
Q.県内の周りの人はどう感じている?
 私自身は線量を見ながら、どうしても夫と離れて避難するほどのところではないのかなっていう判断をしているのと、周りは例えば親世代が、特に福島市に居る実家の親なんかは、もう歳だから、70過ぎとかそのくらいなんですけど、そこまでの避難とかは考えてないし、もちろんいわきに住む夫の両親も
「もうここは大丈夫だから」
っていう感じで。
 あと、同じように小さな子を持つお母さんたちが、不安だけど「線量低いから大丈夫かな?」っていうのと、あとは「本当にもう大丈夫」っていう人、「昔のほうがもっと高かった」っていう。あのあれですね、「核実験の頃の方が多い」っていう話をする人も居るし、「そんなに気にしない」っていう人もいる。気にしてる人の方が結構少ないのかもしれないけれども、ただ言わないだけかもしれないし、それは判らない。
 意外と話してみると、小学校の入学、入った時は、誰も入学式の時に
「放射能がさー」
とか
「ここの校庭の数値がさー」
っていう話は誰もしなかったんです。
 あと、学校の先生とかも、そんな言わなかったです。
「大震災で大変だったけれども」
っていう感じで話をしていて、1人で「きっと今後のこととか話してくれるんだろうな」って思ってたら話さないから、
「私だけ一人で気にしてるのかな」
って思ってたんですけど、後で仲良くなったりすると、ちょっと話してみたりすると、
「牛乳ってどうしてる?」
ってやっぱり気にしてるんですよ。
 あとは、やっぱり専門家のこれがものすごく「ここは危険なのに何で避難しないんだ?」っていうくらい目に見えたり感じたるすることができればいいんですけど、専門家の中でも100mSv以下は意見がすごく分かれてて、専門家が分かれてるのと、私たちが判断しづらい、本当に人それぞれの考え方になっちゃって、福島市のような1マイクロSvを超えるところでも普通に日常生活を送ってるわけで、だからそれが見た目が普通だから、異常な世界だとは感じにくいのもありますよね。それがもうすごくめちゃめちゃな世界だったら「ちょっとここ危ないから逃げようよ」って思うけれども、何もなくて緑が豊かでセミも鳴いてて、その中で
「何マイクロだ、子供居たら危険だよ。将来にこうなるよ」
って言われても、片方では
「100mSv以下なら大丈夫です。これくらいなら大丈夫です」
って言ってるので、判断がつかないですよね。本当に。
Q.今、感じていること。
 まず、怒りの面で言えば、SPEEDIとか国と東電に対する怒りで、後だし後だしで『メルトダウン』って今更言われても、メディア誰も騒がないですよ。本当に。『メルトダウン』
 本当にその時その時で後だしっていうのとか、国の遅い対応。現場に来ない。っていうか、
「現地に来て見て!」
って皆本当に言ってますよ。
「本当に国の人が福島に来て、福島に対策本部とか国会とかやりなよ」
みたいに言ってます。
Q.メディア・ネットなどについて
 メディアもなんか、これはネットでみた噂なんですけど、メディアはみんな退避しちゃったとか、原発が爆発した時。
 逆に「メディアが最初に退避しちゃったの?」みたいな感じだし、テレビもやっぱり、これもネットの情報ですけど、規制が張られて本当のことを言わないとか見てますから、テレビとかこういう人が編集したりすると思うんですけど、その編集の仕方一つで・・・。
 あの、でも多分普通のニュースでもそうですけど、たくさんやった中で切り取って流すと、また受け手が違う印象を受けたりする。別にその場面だけじゃなくて。
 テレビにはそういう危うさもあると思います。言いたいことと違うとこだけ切り取られたっていう、そういうところで本当のことを知りたいのに、本当のことを話してるのかな?っていう、そういうところへの怒りがあるっていうのと、あとは大体ネットから情報を得るんですけれども、それも膨大過ぎて、いろんな教授とかいろんな先生の話とかいろんな人の意見が氾濫しすぎてて、デマとかもありますし、どれが本当でどれがそうじゃないのか、情報を精査するのが、すごく何でもなく生きてきた自分にとっては、すごく大変なんですね。
 情報っていうのはどういうふうに精査していったらいいんですかね?
 これが本当に、例えば私が岩上さんが言ってるようなことが正しいって思いこんでたのが、もしかして違ったりすることがあるかもしれない。
 それが『正しい』っていう情報が、この教授が言ってたから『正しい』って自分で判断するの、どこで判断すればいいんですかね?
 それから、あともう一つなんですけれども、一番やっぱり信じたいのは、「こうだからこうかもしれない」っていう噂とか想像じゃなくて、一番科学的なデータから考えたいんですよ。
 だから、例えば
「今ここにまだ放射性物質がどんどん出ているよ、まだ降りてきてるよ」
っていうふうにいう話と、でも講演の先生方がが言う、
「もうほとんどないから大丈夫だよ。空気中には」
っていう人といて、じゃあどっちがどうなんだ?ってなったとき、データを見るしかないんですけれども、そのデータっていうのが、例えば文部科学省の放射性降下物だったり、ダストサンプリングだったりするのが書いてあるんですけど、専門家じゃないから見ても

「ダストサンプリングって、多分塵とか埃なんだろうな、不検出だから無いんだな」
っていうそのくらいのレベルでしかホームページから読み取れなくて、もっと詳しいこと聞きたいのに、誰に聞いたらいいかわからない。
 あるの?ないの?
 このデータはどれみたらわかるの?
っていうのをもうちょっと知りたいんですね。
 ホームページなんか見ない人は全然わからないし、そういうのがある、そういうデータがホームページに載ってることさえも判らない人って結構多いと思うんですよ。
 だから、新聞でも、どこどこの線量をモニタリングカーで測って地図で載せるんですけど、何月何日までの積算、1年間は、何ミリシーベルトって出すんだけど、それについてのコメントが何もないから、
「だからどうしたらいいの?」
っていう、この数字はどういう意味を持ってるのか?っていう、そこまでやってくれないと、とてもじゃないけど一般人には判りにくい。そこで
「1ミリシーベルト積算で大丈夫なの?」
みたいになっちゃうし、判断つかないからもっと科学的データを、土壌のベクレルとかもそうですけど、そこの数値を判りやすく解説をまじえた上で提示して、そこから判断したい気持ちは、すごくあるのと、あと、昨日ちょっと武田先生の講演の時に、なんか言ってましたけど、
「福島県はもう捨てちゃったほうがいいって言ってる人もいるけど、どうか?って、そういうふうに言ってる人も居るよ?」
っていう話で、武田先生が
「除染すれば福島は綺麗に戻ります」
って言われたときに、すごく嬉しかったんですけど、縁もゆかりもない人から見ると、ネットで勝手に好き勝手なこと言って、
『福島県はもう全部廃棄物の処理のところにしちゃって、みんな住民を外に出したり』
っていうそういうふうなことを、いろいろ判った上で言ってるのか、福島県の人がどう思ってるのか、とかもう少し気持ちに寄り添っていかないとダメですよね。
『皆が他人事』じゃなくて、しかも福島県だけじゃないじゃないですか。
 風下で行ったところとか、関東の方なんかもそうですけど、なんで皆、県単位でいうのかな?っていうのは。
 そういうところでもう少し、例えば
「福島県危ないから、皆避難しよう。避難しない人はおかしい。なんで子供を命に代えても守るべきなんじゃないのか?お金なんて後でもいい」
とか、なんか責め立てるようなことを言うけれど、もうちょっと、自分だったら?そういうふうになったとき、自分だったら逃げられるか?とか、もうちょっと自分に置き換えて考えてほしい。
 あと、『自分の意見を押し付けない』
っていうか。
 多分、急に避難所とかに来てマイク向けられたとか、避難所はわからないですけど、ちょっと街中でマイク向けられて、「ちょっといいですか」って言われたら、みんなこうなっちゃいません?「はいはい!しゃべりたいです」っていう人、そんなに居ないと思うんです。
 でも訴えたいことはあるから、例えばブログだったりツイッターだったりでつぶやくんですけど、つぶやいても別に誰が見てるわけでもないから、ちょっと虚しくなったりして、どこにこういう怒りをぶつけたらいいのかなって多分皆思ってる。
 私はたまたまこういう機会をいただいたから、自分の心のうちを話してますけど、皆不安抱えてて、どういうふうにしたらいいのかわからないけど、
「じゃあみんなで国会議事堂に行きましょうよ」
って言われたら、
「そこまでちょっとするのは・・・」
っていうのはありますよね。
Q.情報と地域性について。
 なんだろう、多分、こういうふうにやってる人を色眼鏡で見てしまうっていう、変賢者ないんですけど、
「ちょっとなんかすごくない?」
っていうところはあると思います。
 やっぱりちょっとこう、今までは、今やってる原発のデモとかは「やれ、やれ」と思うんですけど、今までは
「でも、デモすごいな」
みたいな、「参加しようよ」なんて絶対友達を誘えない、誘ったりすることもなかったんですけど、「デモ行かない?」って言われてたら、ちょっと付き合い・・・、ちょっと引く、引くっていう感じ?はありますよね。
 いわきでも4月だか、一回あったんですよね。そこによほど参加しようかと思ったんですけど、歩こうかなって思ったんですけど、ちょっとあの時平まで行くのも嫌だったっていう、小っちゃい子供が居るから参加できないっていうのもあって、その時は参加しなかった。迷っていた末に、子供を連れてはいけないので参加しなかったんですけど、ただアレ自体に自分なりのフィルタは全然かかってなくて、だからもう自分の問題ですよね。色眼鏡で見てしまうかどうか。相手を知らないで「原発反対」ってやってる人とか、原発に限らず何かデモやってる人たちは怖いかなっていうような、そういうフィルタは無かったですね。
 あと、もう一点は、結局情報をネットで得るという、すごく得るということは、岩上さんの事務所の方はみんなもうそういうことには長けてるとは思うんですけれども、そこまではやらないというか、そういうこともあると思うんです。
 『情報弱者』っていうんですかね。
 自分から取りにいかない、情報を。
 取りにどうしていかないか?っていうと、そういう情報があることもわからないから、ネットみなきゃわからないことって、いっぱいあると思うんですよ。だから、もう情報は広報誌だったり新聞だったりテレビだったりミニコミ誌だったり、活字の媒体の情報だと信用したりとか、そういうことも多いので、特に親世代、お年寄りっていうか、の世代は、ネットとかやらない人たくさんですから、福島の人。
 そういうことで、
「新聞とテレビが言ってるから、大丈夫。暫定基準値以下だったら大丈夫でしょ。」
みたいな、そういうのとかも、ネットを見てれば、
「これって、暫定基準値以下でも危険じゃないの?」
って思ったりするけど、それを見てなかったら判らないし、だから、情報をそこまで得てないっていう、テレビと新聞の情報だけで、安心、少し安心してる。
 あと噂の方が、山下先生がアドバイザーとしていろいろ講演回ってましたし、今は
「大丈夫じゃないんじゃないの?」
って思い始めたけど、最初はあれでみんな「大丈夫かな」って思ってた人も、ちょっと安心してる人もいたので、そういうところも外からと福島県の中に居る人で違うと思うんですよね。
 まぁ、私もこういう機会があったので、話してたんですけど、行動する人は自分たちで立ち上げて、ネットワークを立ち上げてドンドンやりますけど、一般の人はどうしていいか判らない。本当に内側だけで「こうだよね。ああだよね」っていろんな情報を持ち寄って、それぞれの判断でやってるって感じですかね。
 もう少し、こう・・・今日お話ししてみて、
「あー、外から見たらそうなんだ」
っていうのが判りました。
Q.他に要望は?
 なんだろう?
 もっと、さっきも言いましたけど、科学的なデータを示して言ってほしい。
「ここは今、この数値が出てるから降ってないよ」
とか、
「土壌はこのくらいだから、それほどでもないよ」
とかっていう目安とデータを示してほしいですよね。うん。
 判断の材料をもっと科学的にほしいです。
 食品もそうだし、土壌も近いところしか測ってないとか、大げさに言えば、自分の家を測ってほしい。自分の家の土壌、何ベクレルか、皆まわりの人は畑やって普通に食べてますから、
「まぁ大丈夫だろう」
って食べてますから、結局そこでおすそ分けの文化があるから、お嫁さん世代と、せっかく作ったのに、「セシウム入ってるから要らないです」って言うのもすごく申し訳ないし、「もう本当にせっかく作ったものを」っていう気持ちもあるから、まぁ食べさせないんですけど、すいませんって言って食べさせないですけど、そういうお年寄りの楽しみもあるわけですよ。ただ生きていればいいっていうわけじゃなくて、野菜を作るのが生きがいとかあるわけですよ。
 そういうことを奪ってまで長生きしたいか、お年寄りとかが?っていうと、また違うと思うし、でも子供には食べさせたくない。
「じゃあこの土地は何ベクレルあって、そこで作ったものは何ベクレルのものが出たよ」
っていう、きちんとした科学的データが出れば、「ゼロなら食べます」みたいな感じですかね。
 で、ちょっとでも入ってたら子供には食べさせない。
 大人はちょっと入ってたとしても。
 だから結局私たちは、自分に力がないと思ってる。資金もないですし、こうやって声をあげることも、ちょっとはばかられるような感じがあるので、ただ、例えば市議会議員だっていいわけじゃないですか、いわきの場合は。市議会議員の人が頑張ってらっしゃったり、講演会の先生も招いてやってくださったりしてるんですね。そういう人たちを応援しながら、やっぱついていくっていう形になっちゃうんですかね。
 自分で名乗りはなかなか・・・。あげてる人も居るんですよ。でも私自身はどうか?って言ったら、やっぱり「名乗りを上げて率先してやれ」って言われたら、ちょっとできないかなっていう、そういう消極的なところもあるので、なかなかこう、そういう学校教育からですね、「はい!」って言って手を挙げて発言するっていうような感じで育ってきてるわけでもない、性格的にも、他の人が手を挙げて発言してるのを聞いているようなタイプなので、そういうふうななかなか一歩が難しいですね・・・。
Q.食品の暫定基準値について
 例えば、ゼロのもの以外は子供にあげたくないというのが私の気持ちにあって、親の気持ちであって、国が暫定基準値を500とか300とか400でしたっけ、を決めてるところで、
「もう基準値以下だから食べたって大丈夫でしょ、少々くらい」
っていうのがあるので、そこがこう、強く言えない、自分の中で。
「子供には食べさせたくない。大丈夫だとは思うんだけど、食べさせたくない」
っていう、そこですね。
Q.避難、移住を考えるとき足かせとなるものは?
 まず、経済的なことと、それからやっぱり家族がバラバラになる。近かった親とかが福島に居ると。
 それからあと、子供、学校。
 子供に関しては、移っちゃえば何とかなるのかなっていうところはあるんですけど、ただ、やっぱり友達と一緒じゃないとっていう年頃になってきてるから、子供の心も考えなきゃいけない。
「もう行くよ」
って言ったら、心が壊れちゃう。
 だから、子供のことも考える。
 その3点ですかね。
Q.福島にとどまり暮らすには、何が必要とお考えですか?
 やっぱり行政とか、今ストレスなのは、もちろん放射能もそうですけど、行政の動きが遅いとか、例えばいわき市だと小中学校の校庭を0.3マイクロ以上なら表土を削るっていうふうに、市独自で判断をしたんですけれども、0.3以下のところはたくさんあって、0.3以上のところって多分上の方なんですけど、市の。
 その基準はどういう基準なんだ?っていう・・・
Q.高すぎる?
 そうです。
 もう1ミリシーベルト以下で計算すべきなんじゃないか?っていうことを思うし、やっぱりそうですよね。行政は本当に子供のことを考えて、パッパッパッと動いてるか?
 割といわき市は安全宣言を早めに出して、相当風評被害でモノが入ってこなかった市なので、市長さんが
「安全になりました」
っていう宣言を出してやってるので、みんな、
「安全ではないでしょ」
っていうふうな思いは市民は抱えてるわけですよ。
 だから、そういうところで行政とか、あと学校の先生たちも多分板挟みになってると思うんですよ。混乱してると思うんですね。やんなきゃいけないことは、カリキュラムはあるし、でも放射能もあるしで、でも、「低いからそんな気にしなくても」っていうのが個人個人であると思うので、そこのところのストレスですかね。
 行政とか学校の先生だったりとか・・・。
 もっと危機感を感じてくださいって。
 子供のために一番最善の安全のほうを見て、学校給食をすぐに測定機械をそろえるとか、してくださいませんか?っていうところのストレスの方があります。うん。はい。
【以上】

失礼します。
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