※この記事は、
11月4日 日本原子力研究開発機構:もんじゅのストレステストに有識者検討委員会を設置へ
10月30日 日本原子力研究開発機構理事長:もんじゅ「発電の実用化とは別の研究開発に軸足を移す方針」を明言・・・
10月14日 文科副大臣:もんじゅを視察「(安全検証の委員会組織について)安全評価もあるが、年内に初会合を」
7月23日 小出氏講演:「原爆・原発と憲法9条」@堅田9条の会【その①】などに関連しています。

だいぶ時間が経ってしまっていますが、内容を起こしました。
もんじゅについては、まさに夢の計画ですね・・・。

20111121 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

今、話に出ておりました政策仕訳で、この存続或いは廃止ということも含めて抜本的な見直しが提言されてるというもんじゅについてです。
これ、もんじゅっていうのは、そもそも『夢の原子炉』と呼ばれてきたんだそうですけど、何を夢見たはったんですか?
(小出氏)皆さんは、「原子力というと化石燃料が無くなってしまうので、未来のエネルギー源だ」というふうに聞いてきたんだろうと思います。

石炭も石油もそのうち底をつくし、日本はエネルギーが無い国だから、だから原子力だと聞かされてきました。
(小出氏)はい。あの、私も実はそう聞かされて、それを信じて原子力の場に足を踏み込んだのですけれども・・・

それが40年前ね?
(小出氏)そうです。まあ45年くらい前ですけれども、ただ実際には原子力の燃料であるウランというのは、大変貧弱な資源で、すぐになくなってしまうものだったのです。
それで、原子力を推進する人たちは、
「ウランだけではどうせダメなので、プルトニウムという物質を作り出して、それを原子力の燃料にする以外に無い」
というふうに考えつきました。
で、ただし、プルトニウムという物質は、地球上には全くありませんので、高速増殖炉、いわゆるもんじゅというもの、大型のものをたくさん作って、プルトニウムを作り出して原子力をなんとかエネルギー源にしたいと思ったのです。
そのためには、どうしてももんじゅのような形の原子力が要るというふうに、もう1940年代からみんなが気が付いていて、その開発に着手したのですけれども、結局できないまま、今日まで来てしまったという・・・。

40年経って成果はない。
お金は一兆円掛けてる・・・。
なんか、稼働してから17年間で動いた日がたった百数十日間って、17年間動かしたけど、1年分も動けてないっていうんですね・・・
(小出氏)あの、1kw/hの発電もしておりません

え?え!?1キロワット毎時?!
(小出氏)はい。何の発電もしないまま、今日まで来てしまいました。

1兆円掛けて?!
40年経って!?
それが『もんじゅ』ですのん?
あの、文殊菩薩のもんじゅなんですよね?もともとネーミングって。
(小出氏)はい。もともと永平寺の貫首という方がですね、原子力にやはり、まぁ私と同じように夢を抱かれたんだと思いますが、文殊菩薩の名前を掛けたのですね。
「今では反省された」というふうにおっしゃっているふうに聞きましたけれども

あらまぁ・・・。
だって、知恵をね、司りはる菩薩さんでしょ?
(小出氏)そうです。

それが1キロワットも毎時に作れない、全然作れないで40年来てしまった。
はぁーーーー。
その上、事故もすぐに起こしたんですよね?
(小出氏)はい。まぁ、えー、今、水野さん、『40年かけて』とおっしゃったけど、動き始めたのは1994年なのです。

そうか、17年間ですね。
(小出氏)それで95年の12月にですね、「いざ発電をしようか」と思って、少し出力を上げようとしたとたんに、事故を起こしました。
それで結局何の発電もできないまま、止まってしまいまして、14年以上を止まったままきたのですが。

止まったままだったんだけど、止まってる時にも、停止していても維持費が年間二百数十億円かかると、そんなにかかるんですか?止まってても?
(平野解説員)これ、先生、なんでこんな巨額のお金がかかるんですか?止まってて、維持のために。
(小出氏)えっと、もんじゅというか、高速増殖炉という原子炉は、原子炉を冷却するための冷却材として、水が使えないのです。
宿命、物理学的な宿命があって、もんじゅの場合はナトリウムという物質をつかってるのですが、ナトリウムは70℃よりもっと冷たくなってしまうと、個体になってしまうのです。そうすると、ポンプで流すこともできませんし、冷やすこともできないし、個体になってしまうと体積が変わってしまいますので、原子炉の構造自身が壊れてしまうということになりますので、四六時中暖め続けなければいけないのです。
そのために、もんじゅは発電のための原子炉なんですけど、自分では発電できませんし、暖めるためには電熱器がいるということで、膨大な電気を使いながら、ただただナトリウムを温めるという仕事をずっとしてきました。

電気作らず、電気使い続けてきたんですね。
(小出氏)そうです。

はぁ・・・。
そうして今に至って、やっと去年運転再開したんでしたっけ?
(小出氏)そうです。でも、皆さん考えていただきたいのですが、家庭で14年間も使わないまま置いておいた電気製品を、もう一度使おうという気が起きるでしょうか?

いや、それは怖いですよ・・・。
(小出氏)はい。普通は起きないと思うのですが、日本の国は、国というか、まぁ、文部科学省なんでしょうか。
なんとしても、もんじゅを動かすと言って、やろうとしたんですね。やろうとした途端、また事故を起こしまして、また止まってしまったというのが現在です。

今回の政策仕訳で、やはりお金の話ばかりが出てきてますけど、このもんじゅ、高速増殖炉というものの危険性っていうのは、どうなんでしょ?
(小出氏)もんじゅという原子炉は、もともと燃料がプルトニウムという物質なんですね。
プルトニウムという物質は、人類が遭遇したうちで最悪の毒物と言われるほど危険な毒物でして、100万分の1グラムを吸い込んだら、人間1人が肺がんで死ぬという、そのくらいの毒物なんです。

100万分の1グラムを吸い込むだけで、死んでしまうくらいの毒物・・・。
(小出氏)そうです。それを何十トンも原子炉の中に入れて動かすというのが、もんじゅという原子炉で、何と表現していいかわからないほど巨大な危険を抱えたものです。

(平野解説員)先生、これ、外国ではもう見送られているっていうか、手をつけてはならない技術だとされているというふうに聞いてるんですけど・・・。
(小出氏)もともと原子力を一番初めにやりだしたのは、米国なわけですけれども、世界で一番初めに電気を発電した原子炉というのは、実は高速増殖炉なんです。
EBR-IIという原子炉で1954年から動いたのですが、すぐ発電はしました。ただ、すぐに事故を起こして止まってしまいまして、それ以降、米国はなんとか高速増殖炉を動かしたいとして、たくさんの原子炉を作ったのですが、全て事故を起こしてしまって停止してしまって、米国は高速増殖炉計画から撤退しました。
イギリス・フランス・ロシアが、また追随してやろうとしてきてですね、1番頑張ったのがフランスだったのです。出力が120万キロワットというような巨大な高速増殖炉、それは、『スーパーフェニックス』というんですね。フェニックスというのは不死鳥ですけれども、『超不死鳥』というような原子炉まで作ってみたのですけれども、ほとんど動かないまま、それも潰れてしまうということになって、今現在は、もうほとんどすべての高速増殖炉は潰れてしまって動いていません。
今、中国がまたやろうとかですね、インドが全く別の高速増殖炉をやろうという話もありますけれども、もう基本的にはできないと思っていただくのが、一番いいと思います。

へぇ・・・。
(平野解説員)格別日本がもんじゅにしがみついている背景には、やっぱり既得権益っていうんですかね、原子力を推進しようとする人たちの利権構造の中で、もうずっと残ってるというだけのことなんですよね?
(小出氏)はい。多分それは、平野さんおっしゃるようにものすごい強力な動機だと思いますが、もう一つの動機というのは、高速増殖炉という原子炉を、もし、少しでも動かすことができると、エネルギー源になるかどうかは別として、超優秀な核兵器材料が作れるという、そういう性質を持っています。

はぁ・・・?
核兵器の材料になる?
(平野解説員)ですから、その自民党政権のいわゆる国家主義的な人たちが、やっぱ支持してた政策ではあるんですよね。長年。そういう意味では。
(小出氏)そうです。もちろんです。一番初めから、それを狙ってやろうとしてきたというものです

核のごみの、ゆうたら再利用でしょ?
リサイクルできひんっていうことになったら、もうほんまに行き詰っちゃいますやん?
(小出氏)はい。そうです。それをなんとかしたいと思ってきたのだと思いますが、要するに
『高速増殖炉さえ動けばなんとかなる』
ということを夢見てきたんだろうと思います。

はぁ・・・。
まだ夢見続けますかね?
中川文科大臣は、
「これまでの形で継続するのではなく、中身を絞り込んでいきたい。ここで止めたら1兆円の投資が無駄になる可能性もある」
と、発言していらっしゃるようです。
(小出氏)これから何兆円も損をするよりは、私はいいと思いますけれども・・・。

そして、やっぱ危険性ということについて、もっと真剣に考えなくちゃいけないですね。お金の問題だけじゃないですもんね。
(小出氏)はい。

ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

【参考記事】

提言型政策仕分け:スタート もんじゅ「抜本見直し」
毎日新聞 2011年11月20日 21時44分(最終更新 11月21日 0時26分)
 政府の行政刷新会議(議長・野田佳彦首相)は20日、重要政策の必要性を議論する「提言型政策仕分け」を始めた。初日の原子力・エネルギー分野では、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について「存続の是非を含め、従来計画を抜本的に見直すべきだ」と提言原発周辺の自治体に国が配分している「電源立地地域対策交付金」も、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、安全対策に振り向けやすくする仕組み作りを求めた
 もんじゅについては、原子力分野の仕分け人7人全員が、「抜本的見直し」と評価。来年夏以降の運転再開を前提に、文部科学省が12年度予算の概算要求に盛り込んだ試運転費用22億円に対し「計画そのものを見直すべきだ」として見送りを提言した中川正春文科相は仕分け終了後、「見送るのが正しいかなと思っている。現場にどんな影響が出るか精査したい」と述べ、要求取り下げを検討する考えを明らかにした
 発電所立地対策などのための「エネルギー対策特別会計」をめぐっては、再生可能エネルギー普及や安全対策にかかわる政策、事業が、府省間で重複しているなどの縦割り批判が相次いだ。細野豪志環境相は「(特会から)卒業した方がいい」、枝野幸男経済産業相も「従来の予算配分をゼロベースで見直すべきだ」と指摘。提言は、存廃を含めた抜本的な見直しに踏み出すよう求めた
 この日は「原子力・エネルギー」のほか、「農業」「外交」も議論。行政刷新会議は提言を予算や政策に反映させることを目指す。ただ、提言に法的拘束力がないため、各閣僚がどこまで提言を尊重するかが課題になる。蓮舫行政刷新担当相は同日の仕分けで、枝野、細野、中川氏ら原子力の関係閣僚による協議の場を設け、提言実現の担保にしたい考えを示した。
 仕分けは東京・池袋の会場で23日まで、社会保障など10分野21項目の政策を対象に実施される。【光田宗義、中島和哉】

行政刷新会議「提言型政策仕分け」の評価者(仕分け人)は次の通り。
 【衆院議員】仙谷由人▽吉良州司▽階猛▽玉木雄一郎▽辻元清美▽寺田学
 【参院議員】大塚耕平▽亀井亜紀子▽藤本祐司
 【民間有識者】赤井伸郎(大阪大大学院教授)▽秋池玲子(ボストンコンサルティンググループ パートナー&マネージング・ディレクター)▽井伊雅子(一橋大大学院教授)▽石田芳弘(前愛知県犬山市長)▽市川真一(クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジスト)▽岩瀬大輔(ライフネット生命保険副社長)▽太田康広(慶応大大学院教授)▽鬼木甫(情報経済研究所所長)▽梶川融(太陽ASG監査法人総括代表社員)▽川島博之(東大大学院准教授)▽河野龍太郎(BNPパリバ証券経済調査本部長)▽伊永隆史(首都大学東京教授)▽昆吉則(月刊「農業経営者」編集長)▽佐藤主光(一橋大大学院教授)▽鈴木亘(学習院大教授)▽高橋洋(富士通総研経済研究所主任研究員)▽土居丈朗(慶応大教授)▽十市勉(日本エネルギー経済研究所顧問)▽富田俊基(中央大教授)▽盛田清秀(日大教授)▽山口誠史(国際協力NGOセンター事務局長)▽山田肇(東洋大教授)▽山本美香(ジャーナリスト)▽吉田あつし(筑波大大学院教授)▽渡辺龍也(東京経済大教授)
 【副大臣・政務官】中塚一宏(副内閣相)▽園田康博(内閣府政務官)=敬称略
【ことば】提言型政策仕分け 
 行政の無駄を洗い出すため、政策や事業の必要性を公開の場で議論する仕組み。主に個別事業の必要性を検討した従来の「事業仕分け」と異なり、政策や制度をどう改革すべきかについて提言することを目指す。与党国会議員、行政刷新担当の政務三役、民間有識者による「仕分け人」が、各府省と議論した上でそれぞれ判定結果を報告し、国会議員の仕分け人が提言を取りまとめる。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111121k0000m010096000c.html


<もんじゅ>廃炉含め検討…細野原発事故相「来年判断」
毎日新聞 11月26日(土)21時8分配信
 細野豪志原発事故担当相は26日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について「一つの曲がり角に来ている。何らかの判断を来年はしなければならない」と述べ、内閣府の原子力委員会が来夏をめどに進めている原子力政策大綱の改定作業で、廃炉を含めた抜本的な見直しが必要との考えを示した。視察先の福井県で記者団に語った。
 細野氏は視察で、95年のナトリウム漏れ火災や昨年の原子炉内への燃料交換装置落下などの事故現場の復旧状況を確認した。
 その後、記者団に「(もんじゅは)1960年代に計画され、かなりの年月がたっている。設備も若干古いところがあり、さまざまなトラブルがあって(実用化の目標時期が)延びてきた」と指摘。「廃炉も含めて考えるのか」との問いに「そういうことも含めて検討していくべきだ」と明言した。
 さらに「前回(05年)の改定の時は、従来の路線を継続したが、今度は問題の先延ばしは許されない」と述べ、大綱見直しに合わせ、もんじゅの存廃を判断する意向を明らかにした。
 もんじゅを巡っては、行政刷新会議(議長・野田佳彦首相)が提言型政策仕分けで「存続の是非を含め抜本的に見直すべきだ」と提言している。原子力委員会を所管する細野氏が、提言受け入れの姿勢を明確にしたことで、もんじゅを中心とした核燃料サイクル政策が大きく見直される可能性が高まった。【笈田直樹】

 ◇もんじゅとは
 商業用原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを燃料にする国内唯一の高速増殖原型炉。発電の過程で消費した以上の燃料を取り出して使うため「夢の原子炉」とも呼ばれる。放射性廃棄物が低減されるとして、国の核燃料サイクル政策の中核に位置付けられてきた。冷却に使うナトリウムは空気や水に触れると激しく反応するため扱いが難しく、1995年に火災事故を起こした。国は2025年ごろに実証炉、50年までに実用炉を開発する計画を掲げている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111126-00000071-mai-pol

失礼します。
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