今夜もたねまきジャーナルを聞くことができました。
日課ですね・・・。

どうぞ。

20111107 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

まずですね、福島第一原発2号機で、先週再臨界の可能性があると東電が発表いたしました。
その時に小出先生がおっしゃったのは、
「それは非常に考えにくい。間違いではないか」
とおっしゃったら、後日その通り「再臨界ではなかった」という話になりました。
そこでなんですが、リスナーからご指摘くださいました。
『今回のキセノン検出に絡んで、「臨界」の判定の基準を見直し、再検討するんだそうですね。』
そんな話が出てきてるんですね?実は。
(小出氏)知りません。そうですか。

あ、そうなんですよ。
だから今回再臨界しているのか・していないのか、という話になったわけですけれども、これのある種混乱が起こった原因は、臨界の判定基準にあるということになてきたんだそうです。
それで、この判定基準を変えましょうという話になってるんですよね?
(小出氏)それはどこでなってるんですか?

<苦笑>これが不思議な話ですけれども、結局だから、東電ですよね。
(解説員)東電ですよね。東電が判定基準について経産省に報告というようなことを言ってますね。見直しを含めて。そんな東電に見直せるような権限もありませんよね。
(小出氏)そんな基準はもともとありません。

(解説員)ありませんね。

じゃあね。リスナーのご質問。
『もともと専門家の中ではどういうのを「臨界」と呼ばれてるんですか?国や東電は以前にも「冷温停止」という言葉の定義も都合のいいように勝手に変えてしまったように思います。定義や基準をいとも簡単に変えられるのは賛成できません』
と、おっしゃってるんですが、小出先生のご意見いかがでしょう。
(小出氏)「臨界」というのは、物理学的に明確な定義があります。
「核分裂の連鎖反応が続く」という、それが臨界です。
今回の場合は、崩れてしまった燃料で核分裂の連鎖反応がもし続いているとすれば臨界、或いは再臨界と呼びますし、そうではない全く別の物理現象である「自発核分裂」、それはもう避けようがなくもともとから続いてるのですが、それを検出したのかという、どちらかの可能性しかありません。
それは、検出したキセノンの量で正確にそれが測定できて、そしてその物理現象というか、その例えば検出した場所の体積であるとか、それが格納容器というような巨大な容器なんですけれども、そのうちのごく一部だけにそのキセノンが溜まっているという可能性もあるわけですし、そういうプロセスの過程に信頼性が起きるのであれば、臨界状態が起きているのか、自発核分裂なのかということは判定できます。

判定できるんですか?
(小出氏)はい。

あの、多分、私素人なりに情報を読むと、キセノンの濃度でどれだけ出たら臨界だという、その基準を変えようという話なんだと思うんです。
小出氏)それは、今ちょっと聞いていただきましたけれども、キセノンを検出したと言っている測定点があるのですね。測定点がどういう場所であって、臨界という物理現象がどこで起きていると考えるか、或いは自発核分裂がどこで起きていると考えるかによって、濃度が違ってきてしまうわけで、判定はもちろん変わらなければいけないと思います。
ただ、どこまで正確に物理的なプロセスを評価できるかというか、今現在の状態を判断できるか?ということなのですが、前からお伝えしてきましたように、今現在溶けた炉心がどこにあるかすらわからない、そういう状態なんですね。
ですから、なかなか判断すること自身が難しとは思いますが、臨界が起きている状態と、自発核分裂だけだという状態では、生成してくるキセノンの量は相当私は違うと思いますので、どちらかだということは、比較的容易に判断できるはずだと思います。

私の感想としては、これからキセノンが出てきても、一定の量の基準を上げるというか変えてしまうと、これまで発表されてきたことも発表されないなんてことになったら困るなと思うんですけれども。
(小出氏)そうですね。あらゆるデータは公表しなければいけないわけですから、キセノンの濃度がどれだけだということは、ずっとこれからも公表してもらわなければいけませんし、その変化を見ながら、それが自発核分裂なのか臨界なのかを、またそれによって判断できる状況が出てくると思います。

はい。
そして、細野原発担当大臣は、
「このような状況でも、やはり原子炉の冷温停止状態を年内に達成という方針を変える必要はない」
とおっしゃっております。
(小出氏)はい。

これはどうですか?
(小出氏)愚かなことです。

はい。
福島県では、福島の皆さん、調査団を組んでチェルノブイリを視察・調査なさったようなんですね。
その時に、あちらの専門家の皆さんとの意見交換したら、やはり
『除染がいかに難しいか。実際上除染しても、なかなか元に戻らないことが多いのか』
ということを言われて、非常に落胆というか、ショックを受けていらっしゃるという話が出てきました。
例えば、「農地の表土、表の表面の土を剥ぐような除染はやってはいけない」というような話が、あちらから出たようで。
これは小出先生が前からおっしゃっていたことなんですよ。
(小出氏)はい。お伝えした通りです。

私なんかは、
「あ、そうや。小出先生が前から言うたはったことやんか」
と思うけれども、福島の調査団の方からしたら、初めて、恐らく初めてチェルノブイリに行って、お分かりになったことも多かったようなんですね。
つまり福島の一番今当面苦しんでいらっしゃる皆さんが、事実を未だにご存じじゃないという状況が続いているように思うのですが。
(小出氏)もちろん日本では「原子力発電所の事故なんか絶対起こらない」と国が言ってきたわけですし、ほとんどの日本人はその国の言い分を信じていたわけですし、農地がこんなふうに汚染されるということは思いもよらなかったことだと思います。
ただ実際には、チェルノブイリの時にももう既に事故は起きているわけですし、農地が汚染されたときにどれだけ回復が困難かということは、もう実は歴史的に判ってきたことなんですね。
それを私は大変お気の毒だとは思うけれども、回復はできないのです。
ですから、福島の方もやはりそれを知らなければいけないと思いますし、むしろ国がちゃんとそれを説明しなければいけなかったと思うのですが、未だに何か「除染をすれば戻れる」というような宣伝を、国自身が流している国なのですね。ここは。

平野さん、やはりチェルノブイリの場合は、原発のすぐ近くにこうした田園風景が続くなんてことではないんだそうですね。生活空間はもっと遠くに設置されていたんですね。
(解説員)森林とか非常に広大な面積ですけれども、先生、今おっしゃった日本の政府が例えば、総理大臣が二回も、伊達市と福島市に行って、除染の現場を見て「効果が上がってるな」ということをパフォーマンス的にね、国民に知らせるというようなシーンをわざわざ演出したのは、非常にそういう意味では犯罪的ですよね。
(小出氏)そう思います。

真実を国がちゃんと告げなければいけないんですが、その様子は全く見えませんですね。
(小出氏)はい。もちろん私も辛いですけれども、やはり告げなければいけないと思います。

はい。ある意味福島のほうが原発により近いところに生活圏がありますよね。チェルノブイリよりも。
(小出氏)そうです。

(解説員)人口は集積してますのでね。チェルノブイリとは全然違いますよね。

そういう意味では、より生活を戻すのは厳しいと考えなければいけないんですかね。
(小出氏)あの、事実はそれを示しています。

はい。ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

【参考記事】
東電、臨界の判定基準見直し 報告修正、キセノン検出で
2011/11/06 22:55 【共同通信】
 東京電力は6日、福島第1原発の「臨界判定基準」の見直しを含め再検討することを明らかにした。核分裂が連鎖的に続く臨界の判定基準は、10月に経済産業省原子力安全・保安院に報告したばかりだが、2号機の放射性キセノン検出で混乱を招いたことを受けて修正を迫られたとみられる
 東電はキセノン検出で2日に「臨界の可能性がある」と発表したが、3日に「自発核分裂であり、臨界は起きなかった」と一転して臨界を否定した。現在の臨界判定基準は「自発核分裂」に一切触れていない。
http://www.47news.jp/CN/201111/CN2011110601000583.html


石棺4号機の現状を視察 チェルノブイリ原発福島調査団
福島民報 2011年11月 5日
 【ウクライナ・チェルノブイリで渡部純記者】ウクライナを訪問中の福島調査団は4日午前(日本時間同日午後)、チェルノブイリ原発を訪れ、1986年の事故後の現状を視察した。
 調査団31人のうち、団長の清水修二福島大理事・副学長、遠藤雄幸川内村長ら14人が現地入りし、事故を起こした4号機をコンクリートで固め、放射性物質の拡散を封じた「石棺」などへの理解を深めた。
 同行した在ウクライナ大使館の中野洋美参事官はウクライナの多くの住民から「福島の人たちの思いが分かるのは同じ原発事故を経験した自分たちだけ。励ましの言葉を送ってほしい」と頼まれたことを伝えた。
 他の団員17人は5日に視察する。
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2011/11/post_2342.html

福島調査団、チェルノブイリ博物館を視察
(2011年11月7日 福島民友ニュース)
 【ウクライナ・キエフから菅野篤司記者】福島大の清水修二副学長を団長とする「ベラルーシ・ウクライナ福島調査団」は現地時間の5日、キエフのチェルノブイリ博物館を訪れ、事故当時の旧ソ連の情報公開などを調査した。
 博物館の入り口近くには、東京電力福島第1原発事故後、被災した本県へのメッセージを示すオブジェが設けられている。
 キエフのクリの木が日本のサクラの木に向けて発した手紙の形式をとり「世界中が悲しみに暮れ、傷が癒やされるように祈りを捧げている。諦めないで」と語り掛け、同国の原発事故への関心の高さを示した。
 博物館ではアンナ・コロレフスカ副館長が展示物を説明。チェルノブイリ原発事故当時の新聞や後の情報公開で得た公文書などの展示を示しながら「旧ソ連は事故の情報を隠していた。原発事故では国民に正確な情報を知らせることが大事。それがチェルノブイリの教訓の一つです」と訴えた。
http://www.minyu-net.com/news/news/1107/news9.html

失礼します。
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