※この記事は、
10月26日 日本原子力発電:東海第2の圧力容器水漏れ事故発生【総量22.4トン、400ベクレル】
10月21日 小宮山厚労相:食品の暫定基準値「新基準値は厳しくなる」10月中に正式見解を答申へ
10月7日 政府:原子力安全委からのヨウ素剤服用助言、「対策本部に届かなかった」と答弁書を決定に関連しています。

今日もたねまきジャーナルを聞くことができました。
食品安全委員会、とんだ暴挙です。外部・内部被曝合わせて一生涯100mSv・・・。
信じられない・・・。

どうぞ。

20111027 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

今日は毎日新聞論説員の近藤しんじさんと一緒にお伺いしていまいります。
では、早速ですが、こちらから参ります。
内閣府の食品安全委員会が、食品、食べ物から受ける被曝の量で健康に影響が出るのは、一生涯の累積線量、積み重なった線量で、おおよそ100mSv以上が目安との最終結果をまとめて、今日厚生労働省に答申をしております。
この数字には、外部被曝、つまり食べ物以外の被曝の外側から受ける放射線は入っていないんですけれども、この数字、小出先生、どう思われますか?
(小出氏)不思議ですね。どうしてそういう結論が出てきたのか、私にはさっぱりわかりません。
もともと、人間が被曝をしてどういう影響が出るかというのは、広島・長崎の原爆被爆者の方々が、一番大量のデータを提供してくださってきました。その人たちの被爆の在り方というのは、むしろ外部被爆という形で、原爆が爆発したときに、外からの放射線で被爆したというのが、主要な被爆源になっているのですが、それをずっと長い間調べてきたところ、もともとはどんな被害が出るかわからなかったのですが、1シーベルトも浴びていると、なんかおかしい、被害も出く来る、500mSvでも被害が出てる、400でも300でも出ている、100でもやはり被害が出ていると言ってて、どんどん低い被曝量でも、ガンとの相関が見えてくるようになってきたという歴史をたどりました。
既にですから、外部被曝だけで、100mSv被曝すれば、ガンなどの影響は出るということは、もう歴然と判っているわけですし、これから、もっと低い被曝量でも、当然そういう影響が見えてくるだろうというのが、現在の学問の到達点なわけです。
ですから、内部被曝だけで、100mSvというのは、いったいどうやってそういう数字を出してくるのか、私には理解ができません。

これ、食品安全委員会のワーキンググループは、今年の7月に、外部被曝と内部被曝を合わせて、生涯で100mSvとしていたんですけれども、内部被曝だけで100mSvということになったということは、かなり甘くなったということなんですよね?
(小出氏)そうです。はい。

今回の答申では、食品安全委員会は、体の外から放射線を受ける可能性は、著しく高まらないと仮定をしているんですけども、今、福島の原発事故が起きてセシウムが大問題になっているのに、この仮定はおかしいですよね?
(小出氏)おかしいですね。福島の人たちは、今1年間に20mSv被曝をしてしまう、外部被曝ですけれども、そういうところは強制避難をさせられていますが、「19.9mSvで済むなら、もうそこに住んでもいい」と言われているわけですから、もう1年のうちに、20mSv近く被曝をしてしまう人たちが、実際に居るのですね。
そういう人たちをどうやって考えているのですか?私にはよくわかりません。

小出先生、すごい難しい質問をしてしまうかもしれませんが、今回食べ物から受ける被曝量で、一生涯の累積線量でおよそ100mSv以上というふうに、食品安全委員会は出したんですが、小出先生としては、食べ物から受ける被曝の量というのは、一生涯でどれくらいで抑えるべきだと思われますか?
(小出氏)えー、被曝というのはどんなに少ない被曝でも危険があると思わなければいけませんので、どこまでなら安全とか、どこまでなら大丈夫というような言い方は、まずは私はしたくありません。
ただし、社会的にどこかで線を引かなければいけないというのは、やはりあるだろうと思います。
それで、これまで日本という国では、1年間に1mSv以上の被曝を許さないというのが、法律だったのです。それは、外部被曝も内部被曝も合わせて、1年間に1mSvです。
ですから、100歳まで生きたとしても、MAXで100mSvですね。
それが100歳まで生きるという人は、まずいないわけですから、本当ならば、70mSv、80mSv。全部合わせてもですね。それ以下にするというのが、日本の法律であったはずなんですね。
それが、なんかいきなり食品安全委員会は、内部被曝だけで100ミリまではいいということを言い出しているわけですから、まともな考え方ではないと、私は思います。

(近藤氏)今回、生涯で100mSvという基準、これまで年間というのが多かったと思うんですけれども、生涯ですと、どの時期で浴びるかで影響が変わってくるかと思うんですが、そのあたりはいかがでしょうか?
(小出氏)そうですね。ですから、例えば食品安全委員会の言い分をですね、そのまま入れてしまうなら、今年100mSv浴びても、来年以降、食べ物からゼロにすればそれでいいということになってしまうわけですね。

うーーーん!そうですね。
(小出氏)実に身勝手な運用にされてしまうはずですし、今さえ乗り切ればいいというふうに思ってるのかもしれませんが、また次に事故が起きた時、いったいそれ以降の被曝はどうするのか?と私は心配になります。

子供さんが居るというところが、やっぱり心配ですよね。
(小出氏)はい。お子さんを持ってる人たちは、益々心配になってしまうと思います。

うーん。
いや、決め方自体にやっぱり問題があるんですね。
そしたら、次なんですけれども、こんなニュースも入ってまして、甲状腺の被曝を抑えるためのヨウ素剤という薬についてですが、福島原発の事故が起きた次の日に、原子力安全委員会が
「被曝している住民の方々に飲ませたほうがいい」
と政府に助言したのに、政府はそんな助言知らんということで、自治体に指示を出さないで、結果的にヨウ素剤を飲むことができなかったというお粗末な出来事があったということがわかりました。
安全委員会は電話してFAXで送ったと言っているわけなんですが、政府の対策本部は、
「紙は確認できていいない」
というようなことを言っているということなんですが、小出先生はこれを聞いて何を想われますか?
(小出氏)全く政府の体をなしてないですね。こういう時にこそ安全委員会というものが、ちゃんと指示を出して、政府が動かなければいけないのに、安全委員会の指示も何も、受けたかどうかもわからないということを言っているわけですから、事故対応が全くなされなかったということを、政府自らが認めているわけですね。
ちょっと驚き、そして呆れるという事態だと思います。

これ、やっぱり被曝をしてるかもしれないという住民の方にとったら、このタイミングでヨウ素剤を飲んでおくということは、かなり大切なことなんですよね。
(小出氏)そうです。必要だったのです。それで、事故が起きて以降、SPEEDIという計算プログラムを出して、時々刻々、どちらに放射能が流れて、どれだけ被曝をするかということを、多分SPEEDIの開発担当者たちは、不眠不休でやっていたはずですし、それを受けて本当は事故対応をしなければいけない。ヨウ素剤を配布しなければいけなかったのです。本当であれば。
それがでも、一切生きなかった。
安全委員会の指示も何も、「どうなっていたのかすらわからない」という、そういうまま事故が進行してしまったと、政府が言っているのですね。
これもまた、驚き呆れることだと思います。

これで、本当にヨウ素剤飲めなかった人たちからすれば、
「あと何年か後に体に何か影響が出てくるんじゃないか?」
と心配した生活をずっと続けなければいけないってことになるんですものね。
(小出氏)そうですね。子供たちがヨード剤を処方されないまま、甲状腺に被曝をしてしまったということですから、これから甲状腺ガン等の発生等を注意深く見守らなければいけないと思います。

それから、もう一つなんですが、今度は福島第一原発の建屋の中に放射性汚染水がありますけれども、これが流れ出すのを防ぐために、建屋を取り囲むように地下にコンクリートの壁を作るという計画がありますけれども、これを東電は、
「取り囲むのをやめて、海側に一枚だけコンクリートの壁を作る」
というふうに決めました。
「土地が海側に向けて傾いてる、傾斜してるので、水は海側に向けて流れるんだから、そこだけ作っておけば、それを食い止められると考えた」
ということなんですが、先生、これだけで本当に充分な効果はあるんですか?
(小出氏)それは、皆さん考えてみてください。山の方から海のほうに水が流れているんですね。海側にどれだけ長い堤防を、地下の遮水壁を作るのか知りませんが、上から流れてくれば、どうせいずれ溢れてしまうというか、横方向にも流れていってしまいますから、そんなことで防げる道理がありません。
私は、溶融している炉心がですね、地下にめり込んでいるかもしれないので、それがまずは地下水と接触しないように、壁を作らなければいけないというのが、私の提案なのであって、接触してしまってもいいから、それが海へ出ないなんて、そんな論理はないと思います。

また、一方にしか壁を作らないということは、やっぱり山側にも水漏れるといは漏れますよね?
(小出氏)漏れてしまいますよね。それはごくごく当たり前のことだと思います。

(近藤氏)地下のコンクリート壁で埋めるというのは、発表を取りやめたり、なんか本当に対応が気になるんですけれども、これはなんか予算の問題なんですか、それとも技術的な問題なんですかね?
(小出氏)技術的には、ただ地下に壁を作ればいいだけですから、できないことは無いと思うんですが、私が心配してるのは、それをやるときの被曝というのが、かなり大変になるかもしれないと、私は危惧してきました。
それはやはり、東電としても作業員の人を確保するという意味で、大変かなと今でも思わないでもありませんが、でもやはりこの仕事はやらなければいけないと、私は思いますので、ずっと前からやってほしいと言ってきたわけですが、残念ながら、東電にしても政府にしても、一貫した方針がないように私には見えます。

それからですね、もう一問おねがいします。
昨日、東海第二原発の原子炉圧力容器の底の部分から、容器の中の水、22.4トンが漏れたと発表されてるんですが、原子炉圧力容器の下の部分、制御棒を出し入れする駆動装置から水が漏れたということなんですけれども、これは原発の事故としては起きやすいことなんでしょうか?
(小出氏)えー、はい。沸騰水型と言っている、福島原発もそうですし、東海第二原発もそうなんですが、その形の原発は、圧力容器の底にパイプが突き通っていて、それを通して、制御棒駆動機工を出し入れしています。
そこの部分、大変複雑な構造になっていて、定期検査の時に、それを出し入れしたり調整したりしているのですが、何がしかの操作の間違いをすれば、水はもちろん下に落ちてくるわけですから、ありうる、よくありうる事故だと思いますし、今回それが起きてしまったということだと思います。


54(広瀬隆氏資料より)
うーん。
そうなんですか。
でも、放射性物質が入ってる水だから、本来漏れちゃいけませんよね。
(小出氏)漏れてはいけませんし、作業員の方が、そんなことになると被曝するということになりますので、あってはならない事故なわけですが、やはり人間はミスをするわけですし、大変難しい構造の装置なので、こういこともあり得るということは、覚悟しておかなければいけないと思います。

はぁ・・・。
わかりました。先生、どうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】


【参考記事】
ヨウ素剤服用、政府の指示に遅れ 900人、助言届かず
2011/10/26 12:28 【共同通信】
 福島第1原発事故で、原子力安全委員会が住民の甲状腺被ばくを低減する安定ヨウ素剤の服用基準を3月13日に政府の原子力災害対策本部に示したが、同本部から自治体への指示は3日後の同16日に遅れた可能性があることが26日、分かった。
 この基準で服用が必要だった住民は少なくとも900人に上るが、政府は服用の有無について把握していない。3月12~15日に原子炉建屋の爆発などが相次いで起きており、13日に自治体に指示していれば、被ばくを抑えられた可能性がある。
 一方、対策本部の経済産業省原子力安全・保安院は、13日に安全委から基準は示されていないと反論している。
http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011102601000441.html

食品安全委員会HPより
※ 放射性物質の食品健康影響評価については、7月26日の第9回「放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ」において、評価書案がとりまとめられ、同日の食品安全委員会へ報告されました。その後、パブリックコメント(7月29日~8月27日)を経て、本日(10月27日)の食品安全委員会において評価書を確定し、厚生労働省へ評価結果を通知しました。
「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価」[PDF:1,433KB]
「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価」の概要[PDF]
「放射性物質を含む食品による健康影響に関するQ&A」[PDF]
食品中に含まれる放射性物質に係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)についての御意見・情報の募集結果[PDF:1,598KB]
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka.html

・・・失礼します。
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【追記】
食品安全委:生涯被ばく「100ミリシーベルトで影響」
毎日新聞 2011年10月27日 21時35分
 放射性物質の食品健康影響を評価していた内閣府の食品安全委員会は27日、健康に影響を及ぼす被ばく線量について、食品からの被ばくで「生涯累積でおおよそ100ミリシーベルト以上」とする評価書をまとめ、小宮山洋子厚生労働相に答申した。当初は「100ミリシーベルト」を外部、内部被ばくの合計線量としていたが、「説明不足だった」と食品摂取による内部被ばくに限定した。厚労省は答申を受け、現行の暫定規制値の見直しに入り、規制値を引き下げて厳しくする見通し。
 食品安全委は4月以降、広島や長崎の被爆者のがん発生率データなど約3000の文献を検討。7月に「生涯100ミリシーベルト」の評価案を公表し、広く意見を求めた。3089通の意見が寄せられ、「規制値が厳しくなるので良い」「厳しすぎて農産物の生産に影響が出る」など賛否が分かれたが、「修正を必要とする意見は確認できなかった」とした。
 外部被ばくを考慮しないことについて、会見した小泉直子委員長は「著しく外部被ばくが増大しないことを前提にした」としながらも、「外部被ばくが非常に高いケースには適用できない。外部被ばくは、しかるべき機関が策を講ずる問題だ」とした。100ミリシーベルト未満の健康影響については「言及することは困難」とした。
 また小児に関して、甲状腺がんなどのデータから「感受性が成人より高い可能性がある」とし、配慮が必要であるとの考えを示した。
 「生涯100ミリシーベルト」は一生を80年として単純計算すると年1.25ミリシーベルトとなり、現行の暫定規制値の根拠である被ばく限度(放射性セシウムで年5ミリシーベルト)を大幅に下回る。すでに小宮山厚労相は21日、新たな規制値は「厳しくなると思う」との見通しを示している。【小島正美】
http://mainichi.jp/select/today/news/20111028k0000m040073000c.html?inb=fa