今日もたねまきジャーナルを聞くことができました。
本日は質問が多岐にわたっていました。

どうぞ。

20111026 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章



【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで。】

東京には近藤さんがいます。
小出先生、今日は、皆さんからいただいた小出先生への質問をお願いしていくといことにさせていただくんですけれども、まずは、茨城県の方からいただいたんですけれども、
「日本では、今日10月26日が原子力の日となっているそうですね。京都大学原子炉実験所では、毎年26日は、何か特別にイベントなどやってきたんでしょうか。今日はどうですか?」
というふうに質問がきているんですが。
(小出氏)何もやってきませんでしたし、今日も何もありませんでした。

あ、そうなんですか。
そもそもなんで10月26日というのが、原子力の日になってるんですか。
(小出氏)日本で動力試験炉という実験的な原子炉が日本で動いた日が、1957年だか8年だったと思います。10月の今日だったんです。それに合わせて、原子力の日になりました。

(近藤氏)先生、なんですか。国連の専門機関の運営???機関ありますよね。これに加盟が決定した日でもあるというような、なんかモノにはそういうふうに書いてましたね。
(小出氏)そうですか。そうなのかもしれません。いわゆる私たちがJPBRという原子炉が動いた日が、10月26日ですし、多分それに合わせて、IAEAに加盟したのかもしれません。

(近藤氏)先生のお立場から言うと、むしろ忌むべき日ですね。
(小出氏)<笑>私から見るとそうです。
(近藤氏)ということですよね。
茨城県の方というのは、そうすると、東海村の関係で詳しいんでしょうね。
(小出氏)と、思います。東海村にある原子炉が初めて動いた日です。

小出先生、特別に何もしてこなかったというのは、何か理由があるんですか?
(小出氏)はい。えーっと、私のところの職場、京都大学原子炉実験所は、もともと大学の研究所でFundamentalな学問をする場所ですので、原子力発電を推進するという、そういうことを目的にしていませんので、今日を特別取り上げないということだと思います。

わかりました。
次なんですけれども、今度は大阪府豊中市の方なんですけれども、
「最近日本のあちこちで放射性物質が見つかったり、数値が高いニュースを聞いたりしますが、日本中でこういった放射能、放射性物質の検査をしたとしたら、高い数値の地域というのは、結構出てきますか?今出てきてるとこ以外にも、(この方は豊中の方なので、大阪のことで心配なされてると思うんですけれども)そういったことはあるんでしょうか?」
(小出氏)福島原発の事故による汚染という意味であれば、関西は随分少ないと思っていただいて結構です。ただし、ホットスポットというものができる可能性は、どこにでもありまして、例えば雨どいの下の泥が溜まってるような場所とかですね、そういう場所に関しては、関西でもひょっとしたらそれなりの濃度のところがあるかもしれません。

そうなんですか。
(小出氏)はい。でも関西はかなり限定的だと思います。関東、或いは東北ではですね、地域全体がホットスポットのように汚れているところがありますし、その中で、また雨水が集まってしまうようなところに、かなり濃度の高いモノが出てきてしまうということが、時々あるわけです。

はい。関西でも、これ例えば調査してくださいと言ったら、してくれるものなんですか?
(小出氏)えー、それは、行政の力量によると思いますが、なかなか難しいだろうと思います。

それは、どうしてですか?
(小出氏)放射能を測定するということは、それなりに事実がいることなのであった、最近皆さん、簡易型の測定器を買われて、あちこち測ってる方もおられるようですけれども、あまり正しい測定ができているというふうには思わないでいただきたいと思います。

はい。わかりました。
というと、同じような質問で、一関の方なんですけれども、
「一関市に住んでいるんですけれども、某有名教授が、『一関市は年間70mSvに達する』というふうにブログに書いていました。恐らく空間線量とかそういったことだと思うのですが、この可能性はあるんでしょうか?」
という質問なんです。
(小出氏)一関は、風向きが悪かったというかですね、福島第一原発から流れてきた放射能が北に流れた時に、風下にちょうど巻き込まれてしまいまして、いわゆるホットスポットというところに当たっていると、私は思います。
ですから、地域がそれなりの汚染を受けていると思いますけれども、1年間に70mSvになるという、それほど高い汚染ではないと私は思います。

そうですか。そうしますと、やっぱり同じように専門家の方に頼んで測っていって、具体的に判っていくという状況にならないといけないですね、。
(小出氏)そうですね。一関市内でも多分高いところもあるし、低いところもあると思いますし、また、先ほどから聞いていただいているように、雨が溜まるようなところは、それなりに高いところがあるように思いますので、やはり行政に測定してもらって、皆さん注意をするということは、やったほうがいいと思います。

はい。
そして、次なんですけれども、所沢市の方からいただきました。
「私の住んでいるところは、狭山茶の産地です。(お茶ですね。)国の検査で、放射性物質が検出されまして、全銘柄の検査が行われました。私がいつも飲んでいるお茶は、セシウム134が110ベクレル、セシウム137が130ベクレルということでした。1日飲む量は、湯呑みで4,5杯くらいです。規制値は超えていないということですが、このまま飲み続けて大丈夫でしょうか?」
という質問なんです。
(小出氏)はい。えー、私はこの番組でも何度か皆さんにお願いしたのですが、放射能に関しては、「大丈夫」という言葉を使わないでください。放射能に被曝をするということは、どんなに微量であってもそれなりの危険があります。ですから、「大丈夫」ということは有り得ない。「どこまで我慢ができるか?」ということで、おひとりおひとりが判断していただくしかありません。
お茶は、どれも汚れています。もちろん狭山茶も汚れていますし、他の神奈川県で汚れたものが見つかったこともありますし、静岡のものももちろん汚れていますし、1㎏あたり100、200というのは、もう諦めるしかないと、私は思います。

そうですか。
その大丈夫という認識でいてはいけないと。
(小出氏)はい。それなりの危険はあるけれども、お茶というのはやはり日本人にとっては、それを断つということは、なかなか難しいでしょうから、ある程度我慢をしながら飲むということしか、できないんじゃないかと思います。

はい。一方この方は、
「牛乳も同じように微量の放射性物質が検出されたという地域のものを毎日飲んでいますが、これも同じくどうでしょうか?」
ということで質問されていますが。
(小出氏)ですから、大丈夫ということはありませんけれども、牛乳というのもそれなりに、必要な栄養源だと私は思いますので、なるべく子供にはですね、汚染の少なそうなものを選んでいただきたいと思いますけれども、大人の人が飲むというの限りは、もう諦めるしかないと思います。

でも、実際に我々が買う手元に来ている、この牛乳にどれだけあるのかというのは、わからないですよね。
(小出氏)そうです。本当であれば、東電が牛乳も含めたすべての食べ物がどれだけ汚れているかということを測定して調べるべきだと思うのですけれども、残念ながら東電は全くそんなことをやろうとしませんし、政府のほうも、ある基準以下なら全て野放しにしてしまうというような、そういう政府ですので、今現在は、私たち消費者というものが正確な情報をえることができないという状態にされてしまっています。
ですから、注意できるとすれば、なるべく産地を見ながら子供には、東北地方、或いは関東から出ているものは与えないようにして、できれば、九州とかそういうところのものを与えるというほうが、私はいいと思います。

はい。
海外に行って、チェルノブイリの事故の影響があったところは、やはり食品に表示がされてたりするところもあるというふうに聞くんですけれども、そういう状態にはまだ行ってないですよね。
(小出氏)この日本という国は、困った国だなと私は改めて思うようになりましたが、今回の事故を起こした東電にしても、政府にしても、本来はそうする責任が私はあると思いますが、前年ながら、やらないという態度を貫いているんですね。彼らは。

(近藤氏)先生、それは結果、よろしくないという、非常に行政に影響があるからという考え方なんですかね。
(小出氏)多分そうなんだろうと私は思いますが、はっきりとそういうふうにも彼らはいいませんので、推測の域を出ません。

はい。次なんですけれども、愛知県の方からいただきました。
「これから、冬になって、福島県などでは、雪が降ると思うんですけれども、テレビでこの雪というのが、土壌から出る放射性物質を遮断するので、雪が積もれば、現在土の中から出ている放射線が遮断されて安全というふうに聞きました。これは本当ですか?」
ということなんですが。
(小出氏)はい。原理的には本当です。ですから、積雪が何メートルにもなるという地域であれば、かなり放射線が遮られる、私たち『遮蔽』と呼んでいるのですが、遮蔽されると思っていただいてかまいませんが、普通の生活の場では、雪が何㎝積もるとか、せいぜい10㎝とかですね、そういうところが多いのではないかと思いますので、もし、その程度の深さであれば、あまり効果的ではありません。

10㎝くらいだと効果はないと。何mも積もらないといけないと。
それと、この方もう一つ、
「雪自体も子供が遊んで食べたりしても、大丈夫だっていうふうに認識してる」そうなんですが、そのあたりはどうなんですか?
(小出氏)空気中に放射性物質が漂っているようなとき、例えば今回事故の時の3月初めの時に降った雪であれば、それは食べてはいけません。放射性物質が空気中に無いとき、多分今はほとんどないと思いますので、そういうときに降った雪は良いと思います。
ただし、地面に積もってしまった雪は、地面が今汚れていますので、もちろん雪のほうにも汚れが移ってくるはずですから、できればあまり触らないほうがいいと、私は思います。

春になって解けたら戻りますよね?
(小出氏)はい。雪解け水の中には、放射性物質が含まれてくるだろうと、私は思います。

あと、もう一つなんですけど、東京の品川区の方から。
「アメリカの原子力専門家のガンダーセンさんという方の最近のビデオの中で、東京の放射性降下物や放射性のゴミのなかのセシウムが、再揮発、(これはアルコールが揮発するとかの揮発という言葉を書いてらっしゃるんですけども)そうなっているという情報があるというふうに書いてあるんですけど、こういった再揮発ということはどういった場合に発生するんでしょうか。実際にそういうことはあるんでしょうか?また、このガンダーセンという方は、その再揮発したものが、別の場所に新たにホットスポットを作る危険性があるというふうに言ってるということなんですが、これは本当でしょうか?」
ということなんですが、この『再揮発』というのはどういうことなんでしょうか?
(小出氏)えー、『再揮発』という言葉は、私は使ったことがありません。むしろ、『再浮遊』という言葉はですね、私たちの中ではごく普通に使われている言葉で・・・。

浮かぶ・遊ぶという浮遊ですか?
(小出氏)一度地面に降り積もったものが、例えば風で舞い上がってくるとか、そういうのは、ごくごくあることです。
ですから、今空から降ってきたセシウムが、地面を汚している、つまり土を汚しているわけですけれども、細かい土などは、風が吹くとまた舞い上がってきてしまうので、その場所に降り積もったりする、そういうことはあると思います。
ただ、『揮発』というような意味では、これから冬になりますので、揮発はむしろ減ると思いますので、あまり重要な効果とは私は思います。

はい。そうですか。わかりました。
ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

失礼します。
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