※この記事は、
10月12日 小出氏:世田谷区の2.7μSv、横浜市のストロンチウム195Bq、お米とサンマとベラルーシの基準@たねまき
10月13日 小出氏:世田谷の高線量の原因【日本政府とラジウム】、酸化チタンと白色塗料、マンションの最上階住民の被曝は?@たねまきに関連しています。

今日もたねまきジャーナルを聞くことができました。
是非お聞きになってみてください。関連記事は、下に載せてさせていただいております。

どうぞ。

20111018 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで。】
昨日はいろいろと、小出先生の過去といいますか、個人的なことまで伺わせていただきまして、どうもありがとうございました。

(小出氏)あのー、とっても苦しかったです。<笑>

<笑>苦しかったですか。
でも、多くのリスナーの方々から、小出さんの生き方というものについて、改めて考えた、そして感銘を受けたというようなお声もいただきましたので、お伝えします。
(小出氏)ありがとうございます。

今日はですね、まずいつものように教えていただきたいことがいろいろとございます。
東京の小学校で高い放射線量が検出されました。これは足立区のことです。先日、世田谷区の騒ぎがありました、あれとは事情が違って、本当に原発事故の影響のようなんですね。
今回は小学校のプールの機械室の雨どいの下、ここを地上5㎝のところで調べましたところ、1時間あたり出てきたのが、3.99マイクロシーベルトです。
この値をどうご覧になりますか?
(小出氏)はい。まず、皆さんに謝らせていただきたいのですが、私先週その世田谷のことを聞いた時に、「これは福島から飛んできた放射能のホットスポットだ」というふうにお答えして、それが実は違っていたということだったのですね。それで、実際にはラジウムだったということで、後から「ああなるほど。それも在りうるな」と、私は思ったのですが、少なくとも私がお答えしたことは、間違えたことをお伝えしていましたので、そのことにまずお詫びをしたいと思います。

あの時は本当に情報が限られておりましたし、私も本当にわずかな情報しか小出先生に、それもいきなりお伝えするというようなことしかできておりませんでした。実態としては、あのとき、「えーっ」ということで皆さん思われて、その後真実がわかってきたわけなんですが、今回は、どうですかね?
(小出氏)はい。今回もそうですけど、私は大変限られた情報の中でみなさんにお答えをなるべくしようと思って、正確にお答えしたいと思っていますが、時に間違えてしまうということはありますので、あらかじめそういうことがあるということも、ご承知おきいただければありがたいと思います。

はい。もとになる情報が非常に少ないということを、どうか皆さんご承知おきくださいませ。
(小出氏)今回、水野さんから聞かせていただいた限りにおいては、雨どいの下の汚染が集まるようなところであって、私がずっと危惧してきた、いわゆるホットスポットというものにあたると思いますので、恐らく今回のものは福島からのものだと私は思います。

これ、積算しますと年間で21ミリシーベルトほどになりそうです。つまり、1年間に20ミリシーベルトという一つの目安も超えてしまいそうなんですね。
(小出氏)そうですね。ただ雨どいの下のところに、人がずーっと1日中居るとか、そこに抱き着いているということはないと思いますので、それをただちに1年間に計算しなおすということは、あまり正しくはないと思いますが、ただ子供たちがそういう場所で何か、どろを集めて遊んでしまうとか、そういうことになれば、やはり危険を伴いますので、そういう場所は汚れているものをどけるという作業は、必ずやらなければいけないと思います。

除染するとなると、こういう局所的な除染を東京でもいろんなとこでやらなきゃいけないとなると、まずどこを除染しなければいけないか調べなきゃいけないでしょう?
(小出氏)そうです。まずでも、限られてますので、学校であるとか幼稚園の雨水が集まるところであるとか、何かチリが吹き黙ってしまうところであるとか、そういうところを集中的に調査をして、そこにもし、汚染があればどけるということをやるべきだと思います。

(解説員)先生、これ、今回ですね、足立区、これを機会に800の小中学校とか幼稚園とか、公共施設を調査するといって、経費が億単位になると伝えられてるんですけど、これは、決して足立区だけの話じゃなくて、たまたま東京の北のほうですけど、横浜も出てるわけですから、関東全域は同じような調査というのは、個別にやっぱりやっていかなければならないんじゃないですか?行政が主導して。
(小出氏)私はそうだと思いますし、今すぐにやる力を持っているのは、一般の市民の方々ではありませんので、行政がやらなければいけないと思いますが、何よりもこの責任は東電にあるのですから、費用が必要だというなら、東電に払わせるべきだと思います。
(解説員)そうですね。

莫大な費用がここでも必要なわけですよね。
(小出氏)そうです。

その東電と政府はですね、工程表の改訂版を出しました。
冷温停止が、年内に達成されると、明記をしたわけです。はい。
先生が思わず笑われるほど、今までもナンセンスであるとおっしゃってましたよね。
(小出氏)はい。冷温停止という私たちが使ってきた専門用語というものの概念があるのですが、もう何度も聞いていただきましたが、原子炉圧力容器というものが、形があって、その中に水が溜まって、その水に炉心が浸かっているという、そういう状態で水の温度を100度以下にする。つまり沸騰はしないで、水の状態で原子炉を冷やせるということを『冷温停止』という言葉で、私たちは呼んできました。
今現在、もう圧力容器というもののそこが抜けてしまって、圧力容器の中に水がためることもできないという状態になっているわけですし、炉心そのものが圧力容器の外から下に落ちてしまっていると言っているわけなのですから、冷温停止などと専門用語そのものを使うことが、もともとナンセンスです。

しかしながら、その「冷温停止が年内にできるんだ」という言い方を、またしていてですね、更にこういう情報も出しております。
「放射性物質が新たに発電所の外に放出されないというのが冷温停止の条件の一つであって」・・・
(小出氏)加えたんですね。それを。

加えたんですね。ね?
それで、「放射性物質の量でいいますと、原発の敷地の境界のところで、1時間あたり1億ベクレルである。これは9月に比べても半分に減っているんだ」
と言ってるんですよ。
で、「半分に減った」ってそこだけ聞くと、減ったような気がするんですね。
これはどういう値でしょう?
(小出氏)うん、まあ、私は京都大学原子炉実験所にずっと働いて、放射能を外にださないようにずっとやってきた人間ですけれども、私からみれば、京大原子炉実験所は1964年から原子炉が動き始めて、今もまだ動いてます。ですから、約48年でしょうか、動いている。これから後何年か動いているかもしれませんけれども、その全期間を積算しても、1億ベクレルもの放射性物質を敷地の外に出すことはできません。

48年かかっても1億ベクレルは出ない!?
(小出氏)はい。

えーーー!!
それが1時間あたり、今1億ベクレルなんですよ?
(小出氏)はい。

で、事故直後の800万分の1に下がったという発表なんですよ。
これも800万分の1っていうと、ものすっごい小さくなったというイメージなんです。
(小出氏)逆に言うと、事故直後はもう滅茶苦茶すごかったという、そういう意味です。

800万倍出てたってことですもんね。
(解説員)これ、もう本当に政治的な発表ですよね。政治的な意図があると思われて、何かしかし、逆に先生がおっしゃる、その事故当時の操作みたいなものが、浮かび上がりますよね。

小出先生の話を伺うから、私はそう発想できるんですけど、政府の発表だけだと、「なんやもう、ゼロに限りなく近くになっているんじゃないか?」というイメージだけでね、思ってしまうんですね。
そこが・・・。
(小出氏)でも、随分7か月以上経ってですね、皆さん、東電で作業してる皆さんが被曝をしながら、ここまで持ちこたえてくれている、ようやくにして、大量の放射性物質が空気中に出ていくという事態を防いでくれながら、ここまで来ているわけですから、そのことは評価してあげなければいけないと思いますし、ありがたいと思いますし、彼らの努力がこれからも実を結んで、再度大量の放射能が外に出てくるというようなことにならなければいいなと、私は願っています。

本当に作業員の方々には、感謝をするしかないですが、これ、3月11日以前の値でいうと、どれくらいだったんですか?それは。
(小出氏)今はちょっとわかりませんが、ほとんど数字にならないような量だったんです。通常の運転中は。

そうなんですか・・・。
あの、そうした中で野田総理はですね、原発をさらに増やすかどうかについて、
「個々に判断する」
というふうに言い始めました。
つまり、もうできてしまってあとは、もう少しで使えるものだったら、動かすという意味なのではないかと思います。
これ、いかがですか?
(小出氏)はい。すいません。私はずっと前から政治が嫌いだと言ってきましたけれども、益々嫌いになります。

(解説員)今回島根3号機というのが、どうも念頭に置いてるみたいなんですけど。これは、先生は格別島根3号機ということについては、反対運動か何かに関わったことは?
(小出氏)具体的には、かかわったことはありませんが、私は人形峠という日本のウラン鉱山・・・

(解説員)岡山の県境のとこですね。
(小出氏)そうです。汚染のところに度々行ってですね、反対の住民の皆さんと一緒にやっていた時期があったのですが、島根はその隣の県でして、島根県の皆さんとも何度も交流をしたことがあります。
そして、現地の人々は、島根の原発が建ってるところに活断層があるといって、ずっと主張してきたんですが、中国電力と国がそれを無視してきたのですね。
ところが、ある段階で、トレンチという地下に穴を掘ってみたところ、ちゃんと活断層があったということが、もう目で見えてしまうようなことになりまして、中国電力や国の言っていたことが、誤りだったということがわかったことがありました。
そういう意味で言えば、今まで福島もそうですけれども、
「原子力発電所は安全だ、安全だ」
と、国も電力会社も言ってきたわけですけれども、そういうことが次々と崩れていくということの一つ、事実として示したという貴重な場所だったと思います。

はい。ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

【参考記事】
20111017 [1/2]たね蒔き「反骨の人シリーズ 原子力学者小出裕章さん」


20111017 [2/2]たね蒔き「反骨の人シリーズ 原子力学者小出裕章さん」



東京都足立区で3.99マイクロシーベルト=小学校プール機械室の雨どい下
時事通信(2011/10/18-00:16)
 東京都足立区は17日、区立東渕江小学校のプール機械室の雨どいの下で、毎時3.99マイクロシーベルトの高い空間放射線量を測定したと発表した。文部科学省の積算方法を単純に当てはめると、年間の被ばく量は約21ミリシーベルトとなり、避難の目安となる20ミリシーベルトをやや上回るが、区は「汚染は局所的で、児童の健康への影響はないだろう」(危機管理室)とみている。区は、立ち入りができないよう周辺に仮囲いを実施済みで、今後、土壌を除去する方針。
 区民から寄せられた情報を基に、区は同日、同小や公園など5カ所を測定。その結果、同小の地上5センチの雨どい下から毎時3.99マイクロシーベルトの放射線量を検出した。ただ、地上50センチは同0.41マイクロシーベルト、地上1メートルは同0.24マイクロシーベルトだった。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011101800005


汚染土壌を除去=高放射線量検出の東京都足立区
時事通信(2011/10/18-19:07)
 東京都足立区は18日、毎時3.99マイクロシーベルトの放射線量を検出した区立東渕江小学校のプール機械室の雨どい下の土壌を除去した。除去後に地上5センチで空間放射線量を測定したところ、同0.15マイクロシーベルトに下がったことから、設置していた仮囲いを撤去した。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011101800777

ホットスポット対策、政府が指針作成へ
(2011年10月18日19時30分 読売新聞)
 東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で千葉県船橋市や東京都足立区などで局地的に放射線量が高い「ホットスポット」が確認されたことを受け、中川文部科学相は18日の閣議後の記者会見で、放射線量の測定方法や除染などに関するガイドライン(指針)を作成する方針を表明した。
 中川氏は除染が困難な場合は、専門家をホットスポットに派遣するなどの直接的な支援を行うことも明らかにした。政府は関係自治体との連携を強化するため、週明けにも測定結果の連絡を受ける窓口を文科省に設置する構えだ。自治体に対する財政支援も行う。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111018-OYT1T00963.htm

原発新増設「個々に判断」=野田首相
時事通信(2011/10/17-14:00)
 野田佳彦首相は17日午後、首相官邸で内閣記者会のインタビューに応じ、原発の新増設について「進捗(しんちょく)状況が違うので、案件ごとに個々に判断していく」と表明した。
 環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加問題について「特定の結論ありきではなく、幅広に議論していきたい。なるべく早い時期に結論を出したい」と強調。沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題に関しては、「いつまでと確定はできないが、結論はなるべく早い段階に得たい」と述べた。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011101700335

福島第1原発:改定工程表 冷温停止の判断あいまいなまま
毎日新聞 2011年10月17日 21時02分(最終更新 10月18日 0時13分)
 東京電力福島第1原発事故について、政府と東電は17日に発表した改定工程表で、原子炉の「冷温停止状態」の達成時期を年内に前倒しする方針を盛り込んだ。しかし、原子炉の圧力容器底部の温度だけで「冷温停止」を判断できるかはあいまいなまま。放射性物質の放出量評価についても「暫定値」だけで、「達成」を明言するにはより精度の高いデータが求められる。さらに、収束の最終目標である避難区域解除についても方向性を示せず、「冷温停止」後の展望も示せなかった。
 政府の国会答弁によると、第1原発の「冷温停止状態」の定義は主に
(1)圧力容器底部温度が100度未満
(2)原子炉からの放射性物質の管理・抑制
(3)放射性汚染水を原子炉の冷却水に再利用する「循環注水冷却システム」の安定運転の維持--の3点だ。
 圧力容器底部の温度は今月1日以降、炉心溶融した1~3号機のすべてで100度未満を維持し、これが「年内前倒し」の根拠となった。ただ、溶融燃料が圧力容器から格納容器へ落ちているとみられ、圧力容器底部の温度だけで炉心内の状況を判断するのは困難だ。
 東電が17日に発表した原子炉安定化の実施計画によると、格納容器に落ちた溶融燃料は最高で150度程度と推定している。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「上部からの注水で十分冷却できており問題ない」と説明したが、経済産業省原子力安全・保安院の山形浩史統括管理官は「これからその妥当性を検討する」と述べるにとどめた。
 改定工程表で示された各号機の放射性物質の放出量は、
▽1号機毎時約0.4億ベクレル
▽2号機同約0.1億ベクレル
▽3号機同約0.4億ベクレル--で、事故直後(3月15日時点)の約800万分の1に相当する同約1億ベクレルになったとしている。しかし、測定が遅れている3号機の放出量について、保安院は「暫定値に過ぎない」としており、年内までに再測定したうえで、敷地境界の年間被ばく線量が法令基準(年1ミリシーベルト未満)を達成しているか判断する方針だ。
 冷温停止達成後の避難区域の解除について、内閣府の園田康博政務官は会見で「工程表の進捗(しんちょく)状況次第で、徐々に検討が始まるのではないか」と述べた。しかし「検討」の具体的時期などについては明言を避けた。【比嘉洋、中西拓司】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111018k0000m040074000c.html


福島第1原発:改定工程表 地下ダム工事、今月末に着手へ
毎日新聞 2011年10月17日 21時04分
 東京電力福島第1原発事故で、政府と東電は17日、収束のスケジュールを示した工程表の改定版を発表した。放射性汚染水の地下水への流出を防ぐ遮水壁(地下ダム)工事について、今月末に着手することも初めて盛り込んだ。また、原子炉の「冷温停止状態」を目指す「ステップ2」について、「来年1月中旬まで」としていた達成時期を年内に前倒しすることも明記した。
 改定工程表で、政府と東電は3~13日の1~3号機からの放射性物質の放出量は毎時約1億ベクレル(先月1~17日は同2億ベクレル)と推計。原発敷地境界での年間被ばく線量は法令基準以下となる最大約0.2ミリシーベルトと推定した。また、別の目安となる圧力容器底部の温度は今月1日以降、1~3号機とも100度未満を維持している。
 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は、会見で「原子炉の温度が100度未満になった結果、放射性物質を含む蒸気の発生を抑制できた」と放出量低減の理由を説明。一方、内閣府の園田康博政務官は「放出量は暫定値。年内までに確定値を出すとともに、冷温停止状態に持ち込みたい」と述べた。
 遮水壁について、費用は1000億円に上るとの東電内部の試算もあったが、相沢善吾副社長は会見で「契約の関係もあり、コメントは控える」と明言を避けた。【中西拓司、比嘉洋】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111018k0000m040076000c.html

失礼します。
にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ
にほんブログ村

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 環境ブログへ
にほんブログ村