※この記事は、
5月30日UP 日本の暫定基準値がいかに異常か【暫定基準値を信じるか】
10月7日 全国さんま棒受網漁業協同組合:福一から半径100キロの海域を操業禁止に・・・。に関連しています。

今日もたねまきジャーナルを聞くことができました。
横浜市のストロンチウムについては、IWJの岩上さんが有料メルマガで話されていたようです。

これが、現実。

どうぞ。

20111012 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために、内容をおこしています。ご参考まで】

東京には近藤さんです。
まず東京の話から伺います。
東京の世田谷区の一部の場所で、高い放射線量が検出されたようです。
これは、世田谷区の歩道、住宅街の歩道なんですが、最大1時間あたり2.7μSvの放射線量が測定されたという発表がありました。
この値、2.7μSv、どうお感じですか?
(小出氏)んー、高いですね。普通は0.05くらいしか、東京ではないはずですから。

普通は0.05のものが・・・
(小出氏)50倍ほどですね。

50倍ほどですね。
確か、福島県飯舘村でも、2μSv以上だったかと、大体同レベルだったのではないか?と。
(小出氏)飯館はもっと高いところもありますけれども、そういう本当に嫌だなと思うくらいの空間線量ですね。

(近藤氏)新聞もテレビもそうですけれども、言える都道府県レベルでそういう数字出すでしょ?東京いくら、千葉いくらって出るじゃないですか?あれ見てみんな安心してるんですよね。
あれ、意味あるんですかね?
(小出氏)まあ、基本的な広い範囲でのどの程度の汚染かというのに、役に立つだろうと思いますが、中にはいわゆるホットスポットというようなところが必ずありますし・・・

それは、東京都にあるんですか?
(小出氏)もちろんです。そのホットスポットと呼ばれている中、或いは別にそうじゃないところでも、例えば雨水が溜まっているようなところとか、道路の側溝であるとか、そういうところは必ず高くなるはずですので、調べれば調べるだけ、空間線量の高いところが出てくると思います。

(近藤氏)そうですよね。そうすると、東京都が0.0いくらって出るのは、特定のいつも同じところで測っている数値が、いつも出てる(発表されてる)わけですよね?
(小出氏)そうです。

そうなんですか?
(近藤氏)そのことの意味、一種の安全デマみたいな話ですよね?
(小出氏)まあそうですね。本当であれば、もっと細かく測って、例えば区レベルで測る、そして町内レベルで測る、さらには、町内のどこどこの道路、どこどこの場所というように、きめ細やかに本当は測っていかなければいけません。

(近藤氏)それでね、僕もう一つ心配なのは、こういう具合に世田谷で数字が出たって言ったときに、僕らの意識って、どこかで高止まりしてるんです。それで、
「もうなんでも聞いても驚かない」
とかね、そういうある種のヤケっていうんですか、そういう気分のときに、こういう数字をポッと出されるでしょ?もっと反応が鋭かった時期があったと思うんですよね。
(小出氏)そうですよね。
私から見ると、2.5なんて聞くと、お驚きというか常に被曝ということに向き合っている人間ですので、その数字は驚き、未だに驚きですが、多分普通のみなさんが数字だけザーッと聞いてきた中で言えば、随分慣れてしまった数字なんだろうなと思います。

今回は、区民の方が放射線量が高いところがあるようだと訴えて、それで区が測定して出てきたのが、2.7μSvなんですね?
これまで東京都などが、測定した中での最高の値は、0.496μSvでした。これに比べても5倍以上の数値が、今回出たわけですよ。
だから、これ、住民の皆さんが訴えなかったら、わからなかったという、5倍以上の数字が出るということを思うと、本当に住民の方の意識が大切なんじゃないかと思うんですが?
(小出氏)そうですね。それを図らずも証明してくれたわけで、ただ、私自身まだ今2.7が出たという場所が、どういう場所なのか?ということをまだ知りませんが、例えば雨どいの下のマスのようなところとかですね、道路の側溝で特に汚泥が溜まりやすいようなところであれば、多分そういう数値が出ることは不思議でないと思います。

そうなんですか?
ということは、この場所だけではないかもしれないし、世田谷だけの問題ではないということですね?
(小出氏)そういうことです。

ホットスポットが東京にもあるんだとおっしゃいましたが、西日本にもホットスポットってあり得るんですか?
(小出氏)原理的にはあり得ると思いますが、西日本にまで飛んできた放射性物質は、いずれにしてもかなり薄まってしまっているはずですので、それのホットスポットがあったとしても、比較的見つけにくいだろうと思います。

今度は、横浜のお話に移りますが、横浜ではストロンチウムが検出されました。
これはどういう場所かといいますと、横浜市内のマンションの屋上の堆積物からです。
1㎏あたり195ベクレルです。
この数値はどうでしょう?
(小出氏)えー、今日、私はずっとマスコミの人に、この問題で追い回されました。
1㎏あたり195と始め聞いた時には、「随分高いな」と思いました。
しかし、それがマンションの屋上のいわゆる堆積物が溜まっている、多分屋上の雨水が流れていって、何か泥が溜まるようなところだということのようでしたので、「あ、それならあり得るだろうな」と思いました。
ですから、今世田谷で高いところがあったというのと、私から見ると同じような原理なんだろうなと受け止めて、それで聞いたのですが、セシウムのほうの汚染度は1㎏あたり1万いくつと、おっしゃったと思います。

いえ、もっと高い数値が出たという情報を、私は持っているんですが、セシウムは6万ベクレル以上が同じ堆積物から出たという情報も私は得たんですが。
(小出氏)じゃあむしろそれが正しいと思います。要するに何百倍、或いは千倍近いというようなセシウムがそこにあるわけで、それはやはり福島の原発から飛んできてしまって、いわゆる自然環境での濃縮ということが起こったんだと思います。

はあ・・・。
チェルノブイリでの汚染地域が4万ベクレル以上とおっしゃいませんでしたっけ?先日。
(小出氏)1平方メートルあたり、4万ベクレルを超えるようなところがあれば、日本の法律に照らして、放射線の管理区域に指定いなければいけないということです。
今の場合は、1㎏あたりという値だと思いますので、換算に手間がいりますけれども、それでも、1㎏あたり6万ベクレルもあるというのであれば、そこは放射線の管理区域にしなければならないような汚染です。
でも、どの程度広がっているのか?という問題ですね。

これ、調べなきゃいけないですよね?
(小出氏)もちろんです。

横浜での話です。
それから、これ今さんまのおいしい季節なんですけれども、サンマの漁業者で作る組合がですね、福島原発100㎞圏内での操業は禁止するというふうに決めました。
その理由が、「消費者の皆さんに安心・安全だということをはっきりさせるためだ」ということなんですが、これ、科学的な数値が伝わってきていないんですよ。
(小出氏)はい。そうですね。なにがしか判断するためのデータがあったはずだと思いますし、それを聞かせていただければ、私としても何かアドバイスができると思うのですが、今の段階ではちょっとコメントを差し控えたいと思います。

ただ、この海洋汚染でいいますとね、まず海藻に濃縮されるとおっしゃいましたし、貝もだとおっしゃっていました。魚は、回遊する~最後ですよとおっしゃったと思うんです。
その魚であるサンマが問題になるような、もう時期なんですか?
(小出氏)ちょうとサンマの季節ですから、やはりたくさん獲りたいはずなんですね。
でも、もしそれが少しでも汚染してるということがわかれば、多分全部が売れなくなってしまうという、そういう危機感が漁業者の方にあったのではないでしょうか。
福島原発の100㎞の海域を除いて獲ったと言えば、今は少しは消費者に受け入れてもらえるのかな?という、そういうことを考えたのかな?と思いますが、何よりも本当であれば、データを示していただくのがいいと、私は思います。

国もまずここのデータは、調べて開示すべきですよね。
今のところ、それは出ておりません。
それから、次々伺ってなんですけれども、今度、お米のお話もございます。福島県のお米は、今回放射性物質の検査で、規制値1㎏あたり500ベクレルという数字を政府は上げてますが、これにはどれもあたらなかったので、福島県全県のお米の出荷が可能であると、いうことになりました。
福島県知事さんは、「コメの安全性が確認された」というふうに安全宣言を出されたんです。
これについてどんなご感想でしょう?
(小出氏)間違えています。
放射能の安全などというものはありません。安全宣言を出すなんていうことはやってはいけないのです。
仮に1㎏あたり500ベクレルを下回っていたとしても、もちろん危険はあるのです。499かもしれないし、400かもしれないし、100かもしれないし、10かもしれない。それでも、安全なのではないのです。
どこまで比較の問題で、どこまで危険があるかということであって、国が決めた暫定基準を下回っているから、安全宣言を出すなどということは、科学の基準に従えば、まったく間違えていると思います。

規制値500ベクレルとの規格ということは、みんな気にするんですけど、もともと3月11日以前は、どれだけだったか?ということがいつも抜けて話されていると思うんですね?
(小出氏)そうですね。

お米って普通どれくらいでしたっけ?
(小出氏)1㎏あたり1ベクレルあるかないかです

はぁ・・・・。
500ベクレルとしただけで、既に500倍以上のものを許容しろというのが、政府の見解なわけですね
(小出氏)そうですね。
それより下であれば、もう何にもデータを示す必要もない。あとはお前ら勝手にしろというふうに、国が言っているわけですね。

うーん。
それでですね、チェルノブイリの原発事故による放射能の影響を調べている、ベラルーシの専門家が来日しまして、日本記者クラブで記者会見したのですが、その時にこんなことを言っておられます。
日本政府が設定した食品の暫定規制値は、高すぎる。日本の数値は驚きでまったく理解できない
とおっしゃったようです。
これは、小出さんの意見と合致するものなんですかね?
(小出氏)ベラルーシの基準は、日本に比べて遥かに厳しいですから、そういう指摘は正当だと私は・・・

すいません、ベラルーシのほうが、チェルノブイリの近いところのほうが、日本よりずっと厳しい規制値を持ってるんですか
(小出氏)そうです。

はぁ・・・・。
(小出氏)ただし、どこまで規制値を決めようと、危険はあるのです。
ベラルーシの規制値が安全だというわけではありません。問題はどこまでを我慢して受け入れざるを得ないか?ということですし、私としては、何よりも大切なのは、どの食べ物がどれだけ汚れているか?ということを正確に知らせることだと思っています。
ベラルーシの基準が低いということは、もちろん賛成ですけれども、低い基準値を下回っているから安全だというのなら、またそれも間違えていますので、何よりも正確に情報を知らせるということに、力を注いでほしいです。

食品については、具体的な数値が出されないまま、さまざまなことが進んでいるように見えます。
(小出氏)そうです。

どうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

【関連記事】
東京・世田谷区で1時間あたりの放射線量が2.7マイクロシーベルト超える高い数値を測定
FNN (10/12 17:34)
東京・世田谷区で、1時間あたりの放射線量が2.7マイクロシーベルト(μSv)を超える、高い数値が測定されていたことがわかった。
世田谷区によると、10月6日、世田谷区弦巻の住宅街の歩道で放射線量を測定したところ、最も高いところで、1時間あたり2.707マイクロシーベルトを観測したという。
これまで文部科学省が福島第1原発の事故後に測定した都内の空間線量率で、最も高い値は、3月15日の1時間あたり0.496マイクロシーベルトだった。
世田谷区は、すでに線量を下げる対策を行っているという。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00209374.html

横浜でストロンチウム検出 100キロ圏外では初
朝日新聞社 2011年10月12日3時32分
 横浜市港北区のマンション屋上の堆積(たいせき)物から、195ベクレル(1キロあたり)のストロンチウムを、民間の分析機関が検出した。東京電力福島第一原発事故で放出されたとみられ、結果の報告を受けた横浜市は、再検査を始めた。
 検出されたのはストロンチウム90(半減期約30年)。文部科学省の調査では福島県内や宮城県南部など福島第一原発から100キロ圏内で検出されているが、約250キロ離れた横浜市内では初めて
 場所は築7年の5階建てマンション屋上。7月、溝にたまった堆積物を住民が採取し、横浜市鶴見区の分析機関「同位体研究所」で測定した。放射性物質が蓄積しやすい条件とみられるため単純に比較できないが、4~5月に福島市内の土壌から検出された77ベクレルと比べても高い値だ。
 同じ堆積物からは6万3434ベクレル(1キロあたり)のセシウムも検出。私有地であることを理由に公表していないが、市衛生研究所でのセシウムの再検査でも、同じ堆積物から10万5600ベクレルが検出された。
http://www.asahi.com/national/update/1012/TKY201110110626.html

福島のコメ、全域で出荷可能に 県知事が安全宣言 
2011/10/12 22:20 【共同通信】
 福島県は12日、県内48市町村でことし作付けされた一般米の放射性物質の本調査を終え、1174地点全ての検体で放射性セシウムの量が国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を下回ったと発表した。この日に結果が出た二本松市と三春町を含め、48市町村の全域で出荷可能となった。
 佐藤雄平知事は記者会見し「コメの安全性が確認され安堵している。農家も自信を持って農産物を作ってほしい。私がトップセールスをして、首都圏を中心に、安全性とおいしさを強調したい」と安全宣言した。
 県内は59市町村あるが、残りの11市町村は第1原発周辺に位置していることなどから作付けしていない。
http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011101201000403.html

【追記】
日本の規制値「理解できない」=ベラルーシの放射能専門家
時事通信(2011/10/12-19:18)
 旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故による放射能の影響を調べているベラルーシの専門家ウラジーミル・バベンコ氏が12日、日本記者クラブ(東京都千代田区)で記者会見した。東京電力福島第1原発事故を受け、日本政府が設定した食品の暫定規制値が高過ぎるなどと指摘し、「日本の数値は驚きで、全く理解できない」と述べた
 ベラルーシはウクライナの北隣に位置し、チェルノブイリ事故後、元原子力研究者らが「ベルラド放射能安全研究所」を設立。住民の被ばく量検査や放射能対策指導などをしており、バベンコ氏は副所長を務めている。
 バベンコ氏は、ベラルーシでは食品の基準値を細かく分類していることや、飲料水の放射性セシウムの基準値が1リットル当たり10ベクレル(日本は同200ベクレル)であることなどを紹介。「日本でも現実の生活に即した新しい基準値を設けられるはずだ」と語った。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011101200783

失礼します。
にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ
にほんブログ村

にほんブログ村 環境ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村