※この記事は、
9月30日 文科省:飯舘村・浪江町・南相馬市でプルトニウム検出
9月30日 避難準備区域解除の一方、飯舘村・双葉町・浪江町、白河市からストロンチウム検出に関連しています。

この国のやろうとしていること、どうしたら止められるでしょう。

どうぞ。

20111003 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】


まず、文部科学省の調べで分かったことから伺いたいと思います。
放射性物質プルトニウムという物質が、福島第一原発から45㎞も離れた地点で検出されたということで、これは今回の事故によるプルトニウムが原発の敷地内ではない、敷地外で検出された初めての例だというふうに伝えられております。
ただ、小出先生、たねまきジャーナルでは、6月6日にこのプルトニウムの敷地の外での検出というのを指摘していたんよね。覚えておいでですか?
(小出氏)はい。

これは、小出先生がお出しになった本を、私の手元にありますが、『知りたくないけれども知っておかねばならない原発の真実』、この中にちゃんと記されております。
6月6日にプルトニウムについて、たねまきジャーナルが質問しているんですね。
ところが、あの時確か、国側は、
「これは、以前からの核実験で出たプルトニウムだから、今回の事故とは関係がない」
と言っていたんじゃなかったでしたっけ?
(小出氏)はい。その当時はそうでした。

そうでしたよね?
それが4カ月もして、こんな発表が、今出てきたわけですよ。
これ、どういうことだと思われます?
(小出氏)プルトニウムの分析というのは、大変難しくて、国の方でも悩んでいたということかもしれませんけれども、今回のような大規模な放射能放出が起きてしまえば、出てきた放射性物質が全地球を汚染するということは、むしろ当たり前のことなのです。
今回、国が初めて敷地外でプルトニウムを検出した、45㎞も離れたところで検出したと認めたわけですけれども、言ってみれば、そんなことでは済まないので、もう全地球に福島原発事故で放出されたプルトニウムがばらまかれているということでもあるのです。
量が多いか少ないかという、ただそれだけのことです。
ようやくにして、それがはっきりと検出できたということです。

ということは、今回文部科学省が調べましたのは、80㎞圏内です。そこの100か所の土壌を採取、6月から7月にした分析なんですね。
ということは、これ、80㎞ぎりぎりのところでもですね、ストロンチウムも出ているんですね。
(小出氏)そうでしょうね。

となると、これ、80㎞よりもっと先、100㎞とか200㎞とか
(小出氏)もちろんです。

この西日本もですか?
(小出氏)もちろんです。

も、プルトニウムがあるはずですか?
(小出氏)当然です。

当然ですか!?
そのことの危険性について、私たちはどう考えたらいいんですか?
(小出氏)必ず危険があるのです。プルトニウムというのは、人類が遭遇した最強の毒物といわれるほど、危険度の高い放射性核種ですし、ストロンチウムという放射性核種も、かなり危険度の高い放射性物質に属するものです。
そういうものが、全地球を汚染してしまったということなのです。
ただし、汚染の程度でいうと、現在のストロンチウム、或いはプルトニウムがの汚染の度合いに比べて、セシウムという核種の汚染の度合いが桁違いに高いので、私たちがどれだけ被曝をするかということを考えるときには、何よりもやはり、セシウムを私は注目してほしいと思います。
ストロンチウムが安全だとか、プルトニウムが安全だとか、もう無視していいとか、私は言っているわけではありません。
でも、今現在、そしてこれからどういう放射性物質に注意をしなければいけないのか?といえば、やはりセシウムだと私は思います

そうなんですね。
(近藤氏)先生、文部科学省は、除染対策はセシウムに着目しているのが適切というようなコメントも出しているんですけどね、ちょっと考えると、ストロンチウムとかプルトニウムというのは、比重がセシウムとはちょっと違って重たいと。海の汚染が非常に気になるんですね。
先生がおっしゃっていた海草類に、このへんが溜まっているというふうにおっしゃってたんですけれども。
(小出氏)多分そうだろうと思います。セシウムというのは、揮発性が高いので、空気中に大量に飛び出してきて、今地面を汚しているんですが、ストロンチウムは多分、むしろセシウムと同じ程度に海を汚してると私は思います。
ですから、海の汚染に関しては、セシウムだけではなくてストロンチウムも注目しなければいけません。

これは、今回プルトニウムやストロンチウムが思ったよりももっと広い範囲で、思ったいよりもというのは、先生じゃないですよ。私なんかが思ったよりも広い範囲で検出されたということで、何か対策をしなきゃいけないということは無いんですか?
(小出氏)対策はもちろん、ずっと前からしなければいけなかったわけで、ストロンチウムが検出された、プルトニウムが検出されたからといって、初めて何かやらなければいけないということではないと、私は思います。
セシウムが大量にもう汚染を広げているという、その状況でやらなければいけないことはたくさんあります。
ずっと前から聞いていただいてましたが、子供たちを守るために、子供たちが集中的に遊ぶ場所の表土を剥ぎ取るとかですね、その除染の作業はしなければいけませんし、汚染、食べ物の汚染がどうなってるかということをきっちりと調べるということも、やらなければいけません。

今の話でも、まずやはり海洋汚染のために、海藻のきちんとした研究作業、分析っていうのは?
(小出氏)私はもうすでになされていると思うのですけれども・・・
(近藤氏)全くデータが出てきませんね。
(小出氏)はい。残念ながら出てきていないです。

それからですね、もう一つ文科省が今度は航空機を使って測定した、おっしゃるセシウム蓄積量の数字があります。これをそれぞれの県別に測って順々に発表しているんですが、これによると、セシウムの汚染の帯が、首都圏にまで及んでいることが地図をみるとわかります。
今回千葉県と埼玉県の汚染の地図が公表されたんですが、千葉県の一部でこういう数字があります。1平方メートルあたり、3万ベクレル~6万ベクレル。これはどういう数字なんでしょうか?
(小出氏)1平方メートルあたり、4万ベクレルを超えるような汚染物は、放射線管理区域の外にあってはいけません。
ですから、3万から6万といううちの、ほとんどですね。要するに4万を超えるものは、管理区域の外にあってはいけない。つまり、そこは管理区域に指定しなければいけない、そういう汚染が千葉県にも及んでいるということです。

これ、ほっておいていいんですか?
(小出氏)本当はいけません。ですから、日本が法治国家だというのであれば、そこは放射線管理区域ですから、私のようなごく特殊な人間以外は立ち入ることすら許さないということにしなければいけません。

法律を守るんだったら、
「一般の方々は、そこの地域から出ていってください。」
ということになるわけですね?
(小出氏)はい。法律を「守る限り」はそうなります。

守る限りは・・・。
それで、今『除染』ということがもちろん必要だということですが、これはイメージとしては、福島県だけの問題に、私はとどまっているように思うんです。
今の小出先生のお話を伺うと、千葉県などでも、他の地域などでも、この除染の必要というのが出てくるんではないんですか?
(小出氏)もちろんです。だって1平方メートルあたり4万ベクレルを超えているところは、人が住んではいけないのです。もともと。日本の法律を守るなら。
そこに今現在、皆さん住んでるわけですから、日本の法律を守ろうとするのであれば、除染する以外にありません。

はぁ・・・。
でも、これ、ほとんどの方は、この数字に着目していらっしゃらず、今現在もご自分の置かれている科学的な意味でのリスクというのを、認識してらっしゃらない方がほとんどだと思うんですが?
(小出氏)国が率先して法律破りをしているからです。はい。
つい先日、緊急時避難準備区域というところに人々をもう一度戻ってもいいということにしましたけれども、そこは1平方メートルあたり4万ベクレルどころではありません。
「10万ベクレル、20万ベクレルという、そういう汚染地帯に人が帰ってもいい」
と、日本の政府が決めた…。

そうなんですか!?
私、シーベルトと、ベクレルの関係がよく計算できないものですから、1mSv以上のところに、人はいってはいけないと、年間積算。
(小出氏)それでも結構です。

ですね。と思っていたので。
(小出氏)だからそれを遥かに超えるところに、「戻ってもいい」と日本政府が言ったわけです。

えー!?
4万ベクレルで一般の方は立ち入っちゃいけない、なのに
「10万ベクレルや20万ベクレルのところに、子供さんや妊婦さんも戻ってください、戻っていいですよ」
というのが、今回の出来事なんですか?
(小出氏)緊急時避難準備区域に戻したと、そのことです。

そうなんですか?!
はぁ・・・・。

(近藤氏)先生、昨日細野原発担当大臣が、福島県で
「5mSv以下のところも、除染の対象として、国が補助する」
というようなことを言ったんですけど、今の話だと福島県に限らず、この値の、数値の広がりからいうと、もうとてつもない、考えられない金額になりますね?
(小出氏)もちろんです。日本の国が法治国家だといって、自分の法律を守ろうとするのであれば、千葉県内でも除染をしなければいけないわけですし、もう、どれだけお金がかかるかわかりません。
先ほど、東電の賠償金額が確か「何兆円」という数字をおっしゃったと思いますが、実はそんなんではないのです。
何十兆円かかるかわからない、何百兆円かかるかわからない、そういう被害が本当は出るのです。

しかしながら、そのことの認識を皆さんがなさっていないのが、現状であると・・・?
(小出氏)「なさっている」というか、日本の国家がそれをきちっと言わないのですね。

言わないということですね?でも判ってる人は、もちろん国にいはるんでしょ?
(小出氏)もちろん、みんな判ってると思います。専門家は判ってるはずだと思います。

はい。ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

失礼します。
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