※この記事は、9月20日 【動画・内容起こしUP】山内知也教授に聞く、放射能汚染レベル調査結果報告書【渡利地域における除染の限界】<その①>の続きです。

【欠落、聞き間違い等あると思われますで、ご留意ください。のちほど確認をとって、更新いたします。】
<27:00頃~>
(山内教授)
先ほど見ていただいたもので、ここの側溝、????。お家でした。
これはですね、お配りしたプリントのちょっとこれ、見えにくいかもしれませんが、4ページに、これは福島市が計測した結果なんですけれども、8月24日この中にも恐らく参加された皆さん、いらっしゃるんじゃないかというふうに思います。

渡利8


除染を行ったわけなんですけれども、ここにポイントが11、12、13というようなところがありますけれども、ABというのは、道の右側・左側などからの違いです。数字で→があって、この手前の小さいのは、除染の前。こっちが除染後なんですね。

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ですから、このあたりだと、3.6が2.2に、3.06が2.89というふうに減ってる。ところがこの12日ですね、ポイントで言うと、もうちょっと下までになりますけれども、この辺りはなかなか減ってなくていいというところがあります。これは、福島市の報告なんですけど、4.18が3.1にしかなっていないということです。
ここのAのとこに至っては、1.8が1.9ということになって、除染したはずなんですけど、空間線量としては上がっていると、いうそういうふうな現象が現に起きています
これ、福島市が計測したポイント、全部で1から24まで、ずっと並んでいきます。
それだと、翌日に1から24までずっと取ってやって、ちょっとすいません、見にくくて申し訳ないです。
赤色の塗りつぶしたものと白塗りのほうで、先に説明をさせていただきたいと思います。
通学路のポイントの位置から、除染の前は、こんなふうな線量の分布になってましたよということなんですね。
除染をすると、基本的に下がるんです。下がって、この白抜きのラインまでなりましたよということなんですけど、ところが、中にはこんなふうにあんまり変わってない。高いんだけどあまり変わっていないようなところ。同じように低いんだけど、あまり変わりないという点は結構あるんです。
ある程度まで低くなっていくと、少々削っても、少々取り除いても下がってくれなくなるんですけど、中にはこんなふうに高いんだけど減らないようなところ。場所によれば、除染の前後で若干とはいえ、除染する前より高くなる、除染した部分が高くなってしまうというような場所ができます。
私、これはデータ一つ一つ開いて、比率を取ってみました。全体で計算すると、68%。除染前を100とすると、除染後は平均すると68%。大体7割くらい。

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私たちは、いつも福島市で測った関西の方に??て、報道で最近除染の話が出てくるんですけど、うちの嫁とかに話を聞いても、
「え?もう除染してるんでしょ?」
というような話をするんです。イメージとして持つのは、「もう綺麗になるんでしょ?」というイメージなんですね。ですから、除染の努力はするんですけど、除染は作業としてして、土地が側溝に溜まった土を取り除くんですけど、放射線のレベルは、この平均でいくと、7割しか下がらないということなんです。
なぜかということになってくるんですけど、基本はアスファルトとかコンクリート、そこにもくっついてるということなんです。
或いは、通学路のお家のコンクリートの塀があるんですけど、そこも高くなっています。
もうちょっと厳密な話をしますと、幾何学で言うような平面がずっと広がっているとします。ピタゴラスの一部のような理想的な平面です。そこに、わずかであっても、セシウムがうっすら降り積もっているとします。そういう場合に、もし空気がないとすると、私が立っているこのポイントというのを、空間線量は無限大になります。計算上は。なぜかというと、無限に離れたところからガンマ線は飛んでこられるからです。そうすると無限大になります。
ですけれども、現実には無限大にはなりません。なぜかというと、空気があって、空気が遮蔽してるからなんです。
これは何を意味してるかというと、『足元だけ見てたってだめ』っていうことなんです。除染、空間線量を下げる場合には、足元の1m、2mを除染しても、その上から飛んでくるっていうことなんです。地元の人は、もし???の話をしてるんですけど、これは自然環境が教えてくれるところなんです。足元1m、2mを除染しても、そこから来るものは減りますけれども、離れたところから来てるんであれば、その効果はおのずと限界に陥ります。
ある意味、今回この作業は、それを裏付けてしまったと言い切れると思います。
ですから、土壌は取れたんです。取れたんだけど、取るとそれまで土壌があって、コンクリートについてたものは、遮蔽してたんです。今度そちらに降るようになった。あるいは、離れたところからはやり来てますので、そういうことになります。
私たちが、計測したのは、ここからこのポイントから、ちょっと行ったり来たりしていて2、3とあって4が来て、あとは5、6と来てるんですけど、計測した順番がこういうふうになってしまったということなんですけれども、福島市の計測は、こちらの方から、ずっと私たちはこの範囲で、それを見てみたということになります。
さっき、順番おかしいなということがありましたが、4、5と計測をしてる時に、
「ここのところの線量が高いところがあるんですよ」
というふうに、地元のおばさんが教えてくれまして、引き返したんです。
私たちは、側溝の上だけを、福島市と同じように、ずっと測ったんです。ずっと。ところが、6のところは、側溝じゃなくて、側溝から反対側のお家の雨水の臼です?そこのところに近づくと、空間1mで2.45、50㎝で5.2となったんです。「高いな」1㎝に近づくと20を超えまして、それが??が20㎝、10㎝くらいのマスがなんですね。開けてみると、中はきれいなんです。土が入ってるわけじゃないんです。水は澄んでましたので、別に汚れてるとか、泥がたまってるとかではなくて、きれいに取り除かれて、そ??だと思うんです。
ところがコンクリート製のマスの周辺の土、それが既に高いものを示していました。ですから、雨が降って屋根とか庭先、そのあたりに来た水が集められて、ずっと外に流れていくということが行われているものだから、そこに濃縮された地域が出来てしまったということなんです。
<35:30頃~>
あと、側溝上なんですけど、この10番の位置ですね、ここの峠を少し越えたところなんですけど、これは1㎝で5マイクロSv/時というのが1個みつかりました。

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国の計測結果、福島市の計測結果を見ると、どれに対応するかといえば、10番とか19番とか20番に対応するんです。19番とか20番といえば、この辺りで、除染した後であれば1と2の間のはずなんです。そうなんですけど、ここの除染の前は5ということになってましたけど、やはり5のところが一つ見つかりました。
側溝は側溝なんですけど、そこはお家の駐車場や物置、そこから????ずっと下ってきてるとこだと思います。そこが側溝のわきのコンクリートに溢れて、水が流れていくようなそんなふうな???になりました。
ですから、屋根の上に積もったセシウムが、常に少量ながらずっと流れ続ける。コンクリートなので、セシウムをためておくということになって、この10番。ここで1㎝で5マイクロSv/時を超えているようなところが、除染の後にも見つかりました。
ですから、これは、側溝の中に溜まった土壌が汚染されてるんじゃないんです。土は???されてるんです。その後です。その後、こびりついたものがあるということです。
薬師町ですね、薬師町にお邪魔しまして、ここの障害者の地域センターの辺りから、ここに水路がありますよということで、ここにそって、大体沿って案内していただきました。
ここの一番の生活センターなんですけど、駐車場の1㎝で2.27というレベルになりまして、水路の3番、ちょうど水路の始まりの辺りですかね。そこになりますと、1㎝で14.8、ここは水路の外側なんですけど、その1mで3.6、50㎝で5.6というような値になってました。
多分、私、子供たちは、???と思うんですけど、へこんでて???でてるので、そういうふうなことになってるんじゃないかなと、非常に心配なんですが、この水路が大体ほぼこんなふうな高いレベルが続いてるということがありました。

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あと、9番、19番、20番というのがありますけど、9番、10番、あと20番なんですが、これも高い例を集めたということになりますけど、お家の庭、カキの木の下でしたけど、「1mで結構高いな。50㎝でかなり高いな。」となって、庭先の土の非常に肥沃な、更には畑の土というイメージですけれども、10を超えているところがあったんですけどね、ここはお子さんが、随分小さなお子さんが、計測してるときに来はったとこでもありました。住宅のこの19番のところも、1㎝が非常に高いな。20番のお宅でも、家の裏の少し切ったような木が置いてあるようなところでしたけど、そこでも地表面で3.5というような場所がありました。
後ですね、郊外の住宅というふうに書いていますけど、確か、このあたりなんですけど、非常に綺麗なお宅でした。

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そのお宅の反対側にあるところでは、1mで3マイクロSvを超えているような場所がありましたが、畑に近いところではありましたけど、ここも1階よりも、1階の山側の数値が出ていませんけれども、1階よりも2階のほうが線量が高いという結果が出ていたお宅でした。裏側が山林になってるんですね。だから、私は最初は山林から来てるものが、直に影響してるんじゃないかということで、まず裏の方に線量計を持って回ったんです。決して低くは無いんですけれども、家の中に影響を及ぼすほど高いものじゃなかったんです。中に入れていただいて、確かに1階から2階にいくと、線量計の針が高くなってくるということがわかりまして、子供部屋に使われていた部屋があったんですけど、壁に近づけると高くなりました。壁がロッジ風のお家なので、屋根があると、屋根の内側から部屋に入ってくるんです。
これは学童保育の施設と同じで、屋根をここはコンクリートではなくて、新しい建材を使った材料ということになりますけど、外側に回らせてもらって手をまわすと、線量が高いんです。屋根で2を超えるようなところがあります。
屋根がこうあって、屋根のレベルは全体としては高くは無いとしても、屋根ばっかりまん真ん中に線量計を持っていって、或いは人の??に入れてるということになりますから、そこからガンマ線が全部集まってきて、室内のレベルが高くなってきてるということです。
高圧洗浄でも落とせるようなものではないということです。

<43:00頃~>
あと、レポートのほうでしたら、県営の花見山タウンハウスを計測してますけれども、そこでもやはり側溝上で11マイクロSv/時というものが見つかりました。

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私の話の方は大体以上になりますけれども、ちょっともう一度今日お話しさせていただいたところをまとめたいと思います。
6月に小倉地域の調査をさせてもらいました。
その時には、7.7とか11.5というような地表での線量だったものが、今回だと20マイクロをこえているようなことがありました。そこは除染をしていなかったので、雨が降った時にセシウムが寄ってきて、濃度が高くなったということだろうというふうに思います。
住宅の内部で、1マイクロを超えるようなケースということがわかりまして、山間のお家になるとまたちょっと違うことなんだろうと思うんですけれども、渡利地区のように市街地までそういったケースは、屋根の材料、瓦、そこの上にくっついているセシウムの影響しているケースが考えられるんじゃないか。
学童の保育施設でも、コンクリートの、その表面にくっついているセシウム、それが影響しているということが判りました。
高圧洗浄を試されたそうなんで、難しいと思います。もっと力を入れてやると、割れてしまうんじゃないかと、削れてしまうとか割れてしまうとか、だから、???が働かなくなって、意味がなくなるということになりますから、そこにいるんであれば、敷き替えの費用をですね、東電に出してもらうなり、国に補償を要求するというのが、筋じゃないかなというふうに私は思います。
渡利の小学校の通学路の除染モデル事業が8月24日に実施されて、福島市のほうから報告が出ています。出ていますけれども、除染の前と後で言うと、68%、平均して68%。ですから、これも逆なんですが、68%減ったよというのであれば、その次ということも思うんですけど、土を取るというのは、表面をとりあえず???と思いますけど、それだけではここまでしか下がらないということになりますから、これ以上下げようと思うと、アスファルトを剥ぐとか、コンクリートを直にもって、側溝を作り直すというようなことをしないと、自然界のレベルには戻らないということになります。
いくつかの宅地内の庭も計測させていただきましたけれども、そういったところでsも、私は??くらいの20マイクロSvというレベルのものは、かなり条件がそろって、初めて出来るところじゃないかな?というふうに思ってたんです。今回も高いままになってましたけど、そこまで高いところもほかになかったので。ところが今回、お家の庭の辺りでも、20マイクロを超えるようなものが見つかっているということが判りました。
これは庭の土も含めて取り除くのであれば、除染をしてもらうときということしか、できないということになろうかと思います。
他の市長村といいますか、南相馬市であるとか伊達市でしょうか、そちらに比べて、緩い条件というのは、ちょっと考えにくいと思います。私ならば、???ですと、恐らく福島市のほうが人口多いですよね。子供の数も多いですよね。だから、もし3マイクロSvのところに子供が一人でいるということと比べるときに、1マイクロSvのところに子供が3人いるとすれば、それは同じようなリスクを負っているというような考えがあるんです。それは。今も数字、3なら3、それだけで話になっていってるわけなんですけれども、子供の数が多いだけでは、むしろ線量を下げるような考え方を取るのが、放射線防護の割と古くからやっているかたは、そういう考え方を持つんですが、最近、アジアの国とか韓国からも出て、数字だけで20なら20という話になっていってるんですけれども、そこは人の数、特に子供の数、そういったものを含めて考えなさいと行政に言わないといけないんじゃないかというふうに思います。
計測させてもらった結果なんですけど、除染は難しい。
私らは、非常に離れたところに住んでいて、ニュースで「除染が行われました」という話を聞くだけなんですけれども、今回測らせてもらって思ったのは、
『簡単じゃないな』

事故の時に、ちゃんと動けなった原子力安全委員会というのがありますけど、そこが事故の災害に対する指針みたいなものを作ってるんです。分厚い本の中に入ってるんですけど、そこに書いてある文章は、
今回まるで??だった。
彼らが想定してるのは、出てくる放射能は希ガスとヨウ素。希ガスは、恐らく当時飛んできたかもしれませんが、吸わないように注意をしてやり過ごすことができれば、消えてくれます。ヨウ素はちょっとやっかいなんです。子供さんが甲状腺にまずたまるということはありますけど、中に入っても8日もすれば、半分に。今だと計測しても出てきません。もう7月くらいから、かなり時間がかかって測っても、ヨウ素は見つからないはずです。
ですから、そうだとすると、もう事故は終わってるんです。
ところが、今回セシウムが出てきてしまっていて、後はどう???コンクリートとかそういうところに、こびりついているんです。それに対して、専門家、或いは行政が、『除染』という言葉をあまりにも、私から言うと安易に使いすぎた。あまりにも安易に使いすぎていたと思うんです
『除染』といった場合に、除染という言葉だけを見ると、「もとに戻る」ことです。汚染が取れてしまうという除染。
今回の除染は、『除染作業を1回やってみた』ということ以上のことは言えない

同じことをしても、減りません。

だから、今度は別のことを考えなければいけないというようなことになってくると思います。
ですから、除染だけじゃなくて、『避難』のほう、なんかあの、社会の雰囲気からすると、避難をしてる人の数はずいぶん減っているんですよ。テレビに出てくる有名な先生は、
「除染を!除染を!」
というようなことを言ってるんですけど、本人たちも除染難しいことを判ってると思うんですけど、なかなか『避難を』ということを堂々と言う人が、ちょっと減っているような気がしているんですけど

『避難できる権利』というものを要求すべきじゃないかなというふうに、私は今回計測させてもらって、今日話をさせてもらって感じております
ちょっと、ここで終わります。ありがとうございました。
【山内教授の部分、終了】

すいません。ここまでとします。
失礼します。
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