非常に重要なインタビューです。
読んでいただくだけで結構です。

お先に失礼します。

野田佳彦首相インタビュー:一問一答
ウォールストリートジャーナル日本版 2011年 9月 21日  7:13 JST
 野田佳彦首相は20日、今週の訪米を前にウォール・ストリート・ジャーナル/ダウ・ジョーンズ経済通信とのインタビューに応じ、中国の軍事力拡大について「透明性をもって国際社会に説明」することが重要との考えを示した。国内の原子力発電所については、「再稼動できるものは再稼動していく」と述べ、来年夏の電力不足懸念に原発再開で対応する必要があるとした。以下はインタビューの抜粋。
WSJ:明日のオバマ大統領との会見で、世界、アメリカに対してどんなメッセージを伝えたいと思っているか。

野田首相:我が国は3月11日に東日本大震災という大変大きな災害に見舞われた。米国をはじめ、160以上の国、地域から大変多大なご支援をいただいた。
 特にアメリカにおいては、「トモダチ作戦」を始めとして、日米同盟、本当にありがたいなということを、被災者のみならず、国民の皆さんも再認識した。ルース(駐日米)大使にも大変ご尽力いただいた。まずは感謝の気持ちを伝えたい。
 今回の震災は大変苦しい経験となったが、一方で日本の強靱(きょうじん)さを示すことができた。困難なときに秩序だって行動する人たち、使命感を持って公のために仕事をする人たち、そういう気高い日本人の姿も見せることができた。人の力と、東北新幹線が大震災の時にきちっと止まって安全確保ができたということなどの技術力は、今回の復興で、あらためて我々も再認識した。これは世界のために貢献できる1つの材料だ。人の力と技術力を持って復興から立ち上がるとともに、グローバルな諸課題の解決に向けて引き続き日本は貢献する意思と能力があるということを示していきたい。
 特に一番心配されているのが原発の事故だが、これはロードマップを作ってステップ1、ステップ2と目標を掲げて取り組んできた。ステップ1の安定的冷温は7月に目標達成した。冷温停止に向けての取り組みのステップ2は10月から来年1月までに目標を達成予定だったが、年内に達成することができる
 こういう防災や原発の事故といった経験を、逆に国際社会の皆さんにも共有してもらうことによって、その教訓からそれぞれの国の防災や原発の安全性を高めるために貢献できればと思う。
WSJ:オバマ政権が誕生してから3年足らずの間に、日本の首相は4人誕生した。このような短期間での首相交代は、日米関係にどんな影響を及ぼすか。また、いままでの首相と比べ、どのように日米関係を強化していけると考えているか。
野田首相どんな状況であろうと、これまでの長い蓄積からして、日米同盟は不変だと思う。けれども、確かにカウンターパートがコロコロ変わるということは信頼関係を維持していく上では、やはりマイナスだった。このように早い時期にオバマ大統領と直接会うことは、大変いいチャンスだ。
 私は、日米同盟は日本の外交、安全保障を考える上で最大の基軸であると、ずっと信念として申し上げてきた。安保だけではなく、今、世界経済は大変厳しい状況に陥りつつある。そうした問題意識を共有しながら、経済の面でも、文化、人的交流の面でも、より交流を深めていきながら、21世紀にふさわしい日米同盟へと進化、発展をさせていきたいという気持ちをしっかり伝えていきたい。
WSJ:時限的増税案として、所得税や法人税、また消費税を含む間接税などの案が出ている。首相は消費税を復興に充てることを避けるべきだとしているが、国税の増税は所得・法人税に限ることが望ましいと考えるか。消費税増税も2010年代半ばに控えているなか、復興増税期間はいつからいつまでと考えているか。
野田首相:これはアメリカと日本の共通課題、先進国の共通課題かもしれないが、経済成長と財政再建を両立していくということがお互い当面直面する命題だ。大震災があったからといって、歳出はどんどんやっていくというような財政規律の甘い日本を国際社会はどう見るか。それは耐えられない。成長と再建、復興と財政再建を両立していかなくてはいけない
 復興についても、一般の公債とは別管理の復興債という新しい借金の形を作り、償還の見通しを明らかにするということを、内外にしっかりと示していきたい。その上で取り組みとして、できるだけ臨時的な増税措置は少ないほうがいい。そのために歳出の削減、税外収入の確保。これまで仮置きで3兆円という形でやってきたが、より踏み込んで5兆円まで確保の見通しを立てることができた。残りの部分については臨時の税制措置で対応する。
 その扱いだが、基幹税については、法人税で23年度ベースで約7.8兆円ほど、所得税で10.2兆円くらい、消費税で13.5兆円ある。消費税については、社会保障と税の一体改革の中で、社会保障を支える財源として位置付けているので、なんでもかんでもいろいろなところに使う税目ではないと考える。とすると基幹税の中では法人税、所得税が中心となる。案としては例えば個別の間接税、タバコ税を入れたらどうだ、という議論もあるが、まずこういうもの(法人税と所得税)を柱にしていきたいと思う。
 その上で償還期間というのは、やはり東北地方でまさに槌音(つちおと)が聞こえているときに、国民のご負担をいただくということが理解を得やすい。復興期間を10年としているので、その復興期間と整合的な償還期間という意味で10年と政府は提示している。これから与党と調整をし、与野党協議をしながら政府案をまとめていきたい。
WSJ:安易な増税に頼らないよう、歳出削減や税外収入のあてとして、日本郵政株の売却という案も出ている。日本郵政株に関しては、政府の保有率が決まっている。法律を変えるとなると野党の反対などもあるが、自身が政治的リーダーシップを取り、積極的に法改正に向かうべきと考えるか。
野田首相:日本郵政改革法案については、次の臨時国会にも法案を提出して、成立を目指すというのは(13日の)所信表明演説でも申し上げた。したがって法案成立に向けて、全力を尽くしていきたい。ただ、株の売却については日本郵政の経営の見通しなども含めて、どれくらい売却して収入が上がるか、ということについては確たることは言えない。したがって、それをすぐいま、償還の財源としてカウントするということは適切ではないと思っているそのほかの国が持っている株式の売却というのは確実にいまできることなので、それは償還財源としてカウントするが、郵政についてはまだ不確定な要素があるので、確定的になったときに将来償還財源として使う可能性はあるが、現時点ではそれを入れていない。ただ、法案自体は臨時国会で通すべく、全力を尽くす。
WSJ:財務相として円高に取り組んできたが、首相となったいま、あらためてうかがいたい。きょう、円高対策の中間報告が発表されたが、規模はどの程度のものを考えているか。
野田首相:規模はまだこれからだ。
WSJ:円高対策にもあるが、日銀の金融政策に対して適切な措置を求めている。また「果断」という言葉は、野田政権になってから使われるようになった。8月に財務省が為替市場介入を行った際には、同時に金融緩和措置が取られたが、引き続き日銀として何かやれることがある、また期待しているというところはあるか。
野田首相:当面の円高対策は第3次補正に盛り込んでいく。第3次補正は基本的には復興のための予算だが、やはり円高を克服すべく必要なことはやっていきたい。額は別として、補助金を拡充することであるとか、中小企業への金融支援であるとか、あるいはこの円高のメリットを生かすために海外の権益あるいは資源の確保に向けての取り組みを強化するとか、パッケージとしての円高対策、当面のものをやっていきたいもっと大事なことは日本銀行と連携をしていくということであって、デフレの問題も円高の問題も、問題意識は共有していると思う。それを踏まえて、個別の金融政策は日本銀行がやることではあるが、これまでも資産(買い入れ基金)の拡充など対応がとられてきたが、そういうことも含めて適時適切な対応によって日本経済を下支えしてほしいという希望をもっている。
WSJ:8月の介入時、欧米からの批判の声もあった。今後の介入に各国の合意は必要だと考えるか。
野田首相:先般のG7財務相・中央銀行総裁会議でも我が国の安住財務相から日本の円高に対する懸念というものをきちっと説明し、その基本的な姿勢を説明した。日本の立場については、各国の理解を得ていると思う。G7のコミュニケにあるとおり、何らかの行動を起こすときにはしっかりと連絡をとり合いながら適切に対応するという姿勢で臨んでいきたい。介入の方針について具体的にいうのは、これは当然コメントを差し控えるが、今までどおり無秩序な動きであるとか、過度な変動があると認識したとき、必要なときには断固たる措置をとるという姿勢は変わらない
WSJ:海外要因などで円高がすぐには終息せず、またスイスのように介入し続けるということは難しい。円高を変えるというよりも、ある程度円高が長期化するということも視野に入れて、どのように対応していくかということに主眼を置いているのか。
野田首相:長期化というか定着することを好ましいとは全く思っていない。国内としての取り組み、第3次補正などでは、円高の痛みを和らげる、あるいは日本の空洞化を回避するために日本に踏み留まってもらえるひとつの要因をつくる、といった対策は講じるが、本質的な解決は、例えば欧州連合(EU)の問題もあるが、グローバル経済の中で日本からいろいろと積極的にできることも大事だと思っている。
WSJ:日本として引き続きEU危機に対してどのような貢献ができると考えるか。
野田首相:まずはギリシャ支援を含めてEU内のコンセンサスを作っていくことが何よりも大事であって、日本やブラジルやアメリカが、あるいはIMF(国際通貨基金)が何をするかという以前にまず、EU内で危機感を持ってきちっと対応してほしいその上で、当然のことながらこれは世界経済に波及することであるので、これまでも、欧州の経済金融の安定化のためにEFSF(欧州金融安定ファシリティー)債を購入するなど、わが国としてできることで貢献してきたし、これからもEFSF債含め一定程度の貢献は必要だ。
WSJ:世界経済の停滞を防ぐために日本は何ができるのか。
野田首相一国の経済や財政ばかり考えるのではなく、世界経済の動向によっては、下ぶれリスクが出てくる可能性があるので、そういうことがないように、関係各国と緊密な連携を重層的にしながら日本のメッセージを伝えていきたい。世界経済の不均衡については、G20中心に議論がある。その辺の議論を精緻(せいち)化していくことが大事だと思う。EUの問題は、波及がいろいろあると思うので、日本としてのメッセージを伝えていきたい。まずは、EU内できちんとコンセンサスを作るということだ
WSJ:原発依存度をできるだけ下げていくと言っているが、イメージ的には、どこまで下げていけるのか。
野田首相:脱原発依存は、国民のコンセンサスができていると思う。原発にできるだけ、可能な限り依存しない社会を作っていく。一方で、省エネ型の社会をいつまでにどうやって作れるか。あるいは再生エネルギーをどこまで大々的に普及できるのか、それを計算していかなくてはならない。その辺の需給環境をよく見通した計画を来年の夏までに作ることになっている。それが具体化の第一歩だ。
WSJ:原発依存をゼロにすることは可能か。
野田首相:ゼロにするかどうかも含めてだ。やはり、日本は例えばゼロにするとすれば、他の代替エネルギーの開発が相当進んでいなければいけない。そこまで行けるかどうかも含め、いま予断をもって言える段階ではない
WSJ:20日の毎日新聞の世論調査では、国民投票をしたほうがよいという人が、65%いた。それについては、どう思うか。
野田首相国民が安心できる、不安を取り除くエネルギーのベストミックスを作っていく上で、国民投票というより、国民の幅広い議論を喚起しながら、そして、意見を集約していくことが必要だ。
WSJ投票はなくてもいいということか
野田首相国民各層が参加できる議論の仕組みをどう作るかだ
WSJ:いま停止している原発が多数あるが、この再稼動はいつごろになる見通しか。
野田首相ストレステストを含めて、より安全性のチェックをしながら、当然のことながら、原発立地県、地域の理解を得ることが大前提。そういう一連のプロセスをたどりながら、再稼動できるものは再稼動していく新規の場合は基本的には困難だと思うただし、もうすでに着工して、(完成まで)90数%というものもあるので、個々の事案に則して対応していきたい
WSJ:地域の反対があるときは、現在ある原発も含めて再稼動はしないのか。
野田首相理解を得なければいけないことはあると思う。説明をしながら。最終的に反対の意思が強いかどうかは別として、安全性の確保とか、国が責任を持つといった説明をしながら理解を求めていくという作業は必要だ
WSJ:再稼動はいつごろまでにできたら良いのか。
野田首相:これは需給関係もある。今年の夏は乗り越えて、今年の冬も大丈夫だろうと思う。来年の春以降、夏に向けて、やはり再稼動できるものは再稼動していかないと、まさに電力不足になった場合には、日本経済の足を引っ張るということになるので、そこはきちっとやっていかなくてはいけない
WSJ今年大丈夫だったから、来年も(原発の稼働率が低いままでも)大丈夫ではないかという声をよく聞くが。
野田首相そういうことはあり得ない
WSJ:中国との外交の基本的な姿勢についてうかがいたい。
野田首相:国交正常化40周年ということで、これから日中関係は戦略的互恵関係を進化させ発展させていくということにつきると思う。加えて、何かささくれ立ったことが起こった場合は、危機管理によってそれを予防するような仕組みを作ることが必要でないか。そのへんを留意しながら対応していきたい。
WSJ:危機管理して予防するシステムというのは具体的にどのようなものか。
野田首相:重層的に、やはり人的な関係を作りながら信頼関係を築いていくということだ。
WSJ:軍事力の拡大について懸念があると言っていたが、それはどのようなことか。
野田首相:やはり透明性をもって対応してもらうというのが、大事ではないだろうか。
WSJ:いまは透明性がない、あるいは足りないということか。
野田首相:透明性をもって対応するということだ。
WSJ:海軍力についてはどうか。
野田首相:そういうことも含めて、透明性をもって国際社会に説明できるような状況を国際社会が望んでいるのではないか。
WSJ以前発言していた憲法の改正、新憲法の制定についてうかがいたい
野田首相:いまは内閣総理大臣ですから、日本国憲法を順守する、それによって国家運営を行うというのが基本だ。
WSJ:個人的には憲法を改正したほうがいいと?
野田首相:個人的な意見としていろんな思いはあっても、最優先の課題は東日本の復興と当面の日本経済の建て直しなので、憲法改正がいまの内閣の最重要課題ではない。
WSJ:債務問題や国債格下げなど、米国経済が日本に似てきたとの指摘がある。オバマ大統領にアドバイスするとすれば何か。
野田首相:当面の課題が共通しているということは言えると思う。経済成長と財政再建の両立を図るということだ。9月9日にオバマ政権は景気雇用対策を打ち出した。こういう対策が功を奏すことを友好国、同盟国として期待している。アドバイスというようなおこがましいことではなくて、経済成長と財政再建というのは、これは一様ではなくて、各国それぞれの違いがあると思うので、私から特にアドバイスすることはないが、成長と再建に向けてアメリカがしっかりと成果を上げられることを期待したい。また我が国も人様のことを言うだけではなく、文字通り成長と再建を両立することによってアメリカと同じように世界の経済に貢献できるようにがんばっていきたい。
(聞き手は林由佳、西山誠慈、関口陶子)
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_309505
※このURLで動画がUPされています。

【インタビュー】原発再稼働はできるものから―来年夏には必要=野田首相
2011年 9月 21日 8:55 JST
 【東京】野田佳彦首相は20日、ウォール・ストリート・ジャーナル/ダウ・ジョーンズ経済通信とのインタビューで、現在停止中の原子力発電所を来年夏までに再稼動していく考えを示した。国民の間では反原発の機運が高まっているが、原発を再稼動しないことや、すぐに原発を廃止することは 「あり得ない」と述べた
 首相は原発政策について、「例えばゼロにするとすれば、他の代替エネルギーの開発が相当進んでいなければいけない。そこまで行けるかどうかも含め、いま予断をもって言える段階ではない」と答えた。
 3月の福島第1原発事故以来、かつては広く原発を支持していた国民の間で反原発の声が高まっている。こうした現状を踏まえ、脱原発をどこまで、また、どれだけ早く進めるかが野田新政権にとって最も困難で意見の分かれる問題となっている。
 インタビュー前日には、警察推計で約3万人の国民が集まって反原発集会が行われた。これは原発事故以来最大級の集会で、政治問題に対するデモとしても長年例のなかった規模だ。
 原発事故以降、定期点検のため停止中の原発の再稼働が国内各地で拒否されている。現在稼働している原子炉は国内にある全54基中、10基程度に過ぎない。政府が原発再開に向けて地元自治体を説得できなければ来年には全国すべての原子炉の稼働が停止し、事実上の脱原発となる。
 野田首相は、「再稼動できるものは再稼動していかないと、 まさに電力不足になった場合には、日本経済の足を引っ張るということになる」と述べた。
 しかし反原発派は、今年夏のピーク時にも、いくつかの原発停止にもかかわらず大きな電力不足がなかったことを指摘し、停止中の原発を再稼動しなくても来年の夏も乗り切ることができるのではないかとみている。これに対し、野田首相は、「そういういうことはあり得ない」として、原発なしには来年の夏は電力不足に陥るとの見方を示した
 少なくとも当面は原発を維持するという野田首相の姿勢は、菅直人前首相とは対照的だ前首相はかつて原発を強く推進していたが、福島第1原発事故後は反原発に方向転換した。前首相は、原発事故対応を誤ったとみなされたことも一因となり、約1年で首相の座を去った
 野田首相は今週、ニューヨークの国連総会に出席するため、首相として初めて訪米する。
 同首相は、今回のインタビューで米国に訴えたいメッセージを明らかにしたが、ここ数年、首相が何人も交代していることもあって日本の見解を伝えることは難しいことを認めた。2009年1月にオバマ政権が誕生してから3年足らずだが、野田首相は4人目の首相だ。
 頻繁な首相交代が日米関係にどのような影響を及ぼすかという質問に対し、野田首相は「カウンターパートがコロコロ変わるということは信頼関係を維持していく上では、やはりマイナスだった」と述べたが、「どんな状況であろうと、これまでの長い蓄積からして、日米同盟は不変」との見解を示した。
 世界のリーダーに対し、野田首相は、東日本大震災の被害を受けた広い地域を復興するという困難な課題が待ち受けているものの、グローバルな諸課題の解決に向けて日本が貢献する意思と能力があるということを示していきたいとの意欲を示した。
 日本は金融・経済面で問題を抱えているが、経常収支の黒字傾向が続き、外貨準備高は1兆ドルを超えるため、不安定な金融市場の沈静化に大きく貢献することが可能だ。今週は欧州債務危機を主要議題とする20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会合が予定されている。野田首相は、欧州の問題は一義的には欧州連合(EU)が危機感を持って対応すべきとした上で、日本は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が発行する債券の購入を含め、「欧州の経済・金融の安定化のために、これからも、ある程度の貢献は必要だと思う」と述べた。
 同首相はまた、復興と日本の主要な経済課題への取り組みを両立させる決意を明らかにした。日本は長く低迷が続く経済の成長促進と巨額の公的債務削減という課題に直面している。日本の公的債務は国内総生産(GDP)の2倍に上り、主要国の中で最悪だ。一方、米国の公的債務は2010年GDPの100%を多少下回る程度。
 首相は「これはアメリカ と日本の共通課題、先進国の共通課題かもしれないが、経済成長と財政再建を両立していくということが当面の命題だ」と述べた。
 首相はまた、福島の原発事故対応における日本の経験を世界と共有していく方針を示した。福島第1原発の現状については、過熱した原子炉を安全な温度まで下げた上での「冷温停止」に向けて、計画より1カ月早く年内に目標を達成できる見込みであるとし、「(我が国の)教訓からそれぞれの国の防災や原発の安全性を高めるために貢献できればと思う」と語った
 しばしば緊張が生じてきた中国との関係については、中国が急激に軍事力を拡大するなか、海軍の軍拡問題などを含め、「(中国が)透明性をもって国際社会に説明できるような状況を国際社会が望んでいるのではないか」と述べ、中国が「透明性」を高めるよう求めた。ここ数年、中国周辺海域で、日本を含めた周辺諸国と中国との領有権をめぐる問題が発生している。
 自衛官を父に持つ野田首相は国家主義的な発言をして物議を醸したこともあったが、今回のインタビューでは慎重に言葉を選び、日中関係で緊張が生じないよう、信頼関係に基づいた予防的な仕組みを作ることが必要だとした。
 大震災後の復興予算として今後5年間で13兆円が必要とみられているが、前政権で財務相を務め、財政面でタカ派として知られる首相は、こうしたなかでも規律ある財政再建を維持することの重要性を強調した。復興資金の財源は特別目的の復興債で賄い、「償還の見通しを明らかにするということを、内外にしっかりと示していきたい」と述べた
 首相は今後10年間で、復興財源として法人税と所得税の増税を検討する考えを明らかにした。時限的増税の期間についても、「復興期間を10年としている」と述べ、国民が被災者の苦しみをまだ身近に感じ、理解を得やすいと思われるこの10年間にすることを示唆した。
 税収を増やすために最も効率は良いが国民の反発を招きやすい消費税の引き上げについては、消費税引き上げは社会保障の改革財源とすべきで、復興に充てるべきではないとした
 これらの計画を首相が実行できるかどうかは全く不透明だ。与党民主党の間でも、増税は円高によって弱っている経済に打撃となるとの懸念から、反対意見が多い。日銀が復興債を引き受けるべきだと主張する議員すらいる。
 首相は、「大震災があったからといって、財政規律の甘い日本を国際社会はどう見るか」と問いかけ、「復興と財政再建を両立していかなくてはいけない」との決意を示した。
記者: YUKA HAYASHI, GEORGE NISHIYAMA and TOKO SEKIGUCHI
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_309592

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