今日もたねまきジャーナルを聞くことができました。
Bochibochiも子供や妊婦さんにこそ、帰ってほしくないと思っています。

どうぞ。

20110920 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

まず、ニュースでも伝えたが、福島第一原発事故で緊急時避難準備区域に指定されていた福島県の5つの市町村について、今月中にその指定が解除される見通し。
これは、住むことは認められてはいるけれども、子供や妊婦さん、入院患者などは立ち入らないよう求められていて、「いざというときは逃げてくださいよ、その準備をしてくださいよ」という地域。
これが解除されるということで、私は何か原発事故が収束に向けて進展したのか?というイメージを思った。私と同じように思った方もいらっしゃるかと思うが、藤村官房長官は、それはなぜ解除するかというのは、こう言っている。
「解除の要件が整った」
っていうんですね。
この要件ってなんやねんっていいますと、具体的にこの5つの市町村が復旧計画というものを国に出すということなんだそうです。
これ、復旧計画の中身がどういうものか?って小出先生はご存じだったか?
(小出氏)知りません。

これはね、実は『除染の計画』のようですね。
『各自治体が除染をどうやっていくかという方針を示す、或いは、住民の皆さんを戻す時期などを記す復旧計画、これを提出するということ』が、この避難準備区域を解除する要件だったようです。
この除染の計画をたてたり、いつ帰れるかを決めることって、科学的に皆さんが安心していいかどうかということと、どうかかわっているのか?
(小出氏)私はこの番組で何度も聞いていただいてきたが、日本の普通の方々は、1年間に1mSv以上被曝してはいけないというのが、法律。
今、避難をさせられている地域というのは、20mSvを超えてしまうところは必ず避難。

はい。立ち入ることが出来ない。
(小出氏)できない。今後も立ち入ることはできないと思う。
避難準備区域というのは、20mSvには達しないが、1mSvは遥かに超えているという地域。
その地域に人々を住まわせるというのは、法律を作ってきた国としては、どういう考えなんでしょうね?
国が率先して法律を破ることをやるということなのかな?と私は思う。

更に今回、この解除によって、子供たち、或いは妊婦さん、入院患者の方たちも住めるようになるという言い方が正しいのかどうかわからないが、政府からしたらそういうことでしょうね。
(小出氏)そうですね。被曝をしてしまうし、我慢しなさいと言っているわけですね。

20mSvには達しないという地域に子供や妊婦さんたちが住むということについて、小出先生はどうお考えか?科学的にはどうか?
(小出氏)1mSvを超えて、20mSvを超えないというのは、私のような放射線業務従事者という特殊な人間だけに許されてきた基準。
これから、避難の解除をするという地域は、子供も含めて私のような「放射線業務従事者になれ」というのに等しい。

やはり、子供たちには、危険があるとお感じか?この政策は?
(小出氏)もちろん子供にも大人にも危険がある。特に子供には、危険が何倍も多く圧し掛かるので、私は少なくとも子供には帰ってほしくないと思う。

妊婦さんはいかがか?
(小出氏)もちろんです。妊婦も。帰ってほしくない。

いわゆる妊婦さんご自身にも胎児にも影響が大きいとお考えか?
(小出氏)そうです。

はい。
(近藤氏)政府の発表は、除染をセットとした話で進めようとしているが、私ちょうど10日前に南相馬を歩いた時に、道の駅でやっぱり高い線量を測って、
「干し草がもう干せないんだ、もう置き場所がないんだ」
と言って、責任者の方が困り果ててたんですね。
それで、これは土の上5㎝を切り取ったとしても、膨大な量がでますよね。汚染された…。これを考えると、前からお伺いしてるが、なかなか除染なんてそんなに簡単にできるものじゃないですよね。
(小出氏)私は実際にはできないと思う。

(近藤氏)そうすると、除染のできないところにまた住民を戻らせるというのは、本当におかしい話ですよね。
(小出氏)私はやってほしくないが、やるというのであれば、子供が集中的に遊ぶ場所というのは必ず除染してほしいと思う。そのために膨大な剥ぎ取った土とか、いろいろなものが出てくるだろうが、それは何とか知恵を絞って片づけながらやるしかないと思う。でも、基本的にはできないと思ったほうがいいと思う。

でも、子供は家と学校だけじゃなくて、いろんなとこで遊びますし。
(小出氏)そうです。子供に野山に入ってはいけないなんて言ってら、子供でなくなってしまうと私は思う。

そうした中で、この原発をこれからどう考えるかについては、いろいろ議論があって、リスナーからこんなふうにメールをくださった。
『昨日東京で脱原発のデモがありましたよね。でも、脱原発って本当にできるんでしょうか?今の生活社会の動きを見て、私としては上手に付き合っていくべきだと考えます』
小出先生、この『原発と上手に付き合っていきたい』という、この方のお考え、同じような考えの方も多いかと思う。どう思われるか?『上手に付き合う』というのが…
(小出氏)どういうのが『上手』なのか私にはわからない。

多分、今すぐに原発がないなんていう社会は無理なので、『安全な原発』と一緒に暮らしていきたいという意味ではないかと思う。
(小出氏)『安全な原発』がまだあると思えるとしたら、私は大変不思議。これまでも
「安全だ、安全だ」
と言ってきた原発が、こんなに壊れてしまっているのが、今。

このリスナーは、更にこうおっしゃっている。
『小出先生の考えは理解できるんです。でも現実の社会の動きの中で、脱原発は不可能じゃないかと思います。理想と現実には大きな差がありますよね。どう歩み寄ればいいんですか?』
(小出氏)政治家と経済界の方が賢くなればいい。…あまりに愚かです。(←ここは不明瞭です)

『現実に無理なんじゃないか、私たちの生活が大きく変り果てるんじゃないか?』
ということを恐れてのご意見かとも思うが?
(小出氏)少なくとも電力供給に関していうなら、原発は全くいらないと私はすでにデータを付けて示しているし、政府も財界も知っているはずだと思う。

今すぐ原発を全部廃炉にしてしまっても、生活水準は落ちない?
(小出氏)電気に関しては落ちない。
あとは、これまで発電所の周辺で補助金で生活をしてきた人たち、雇用をそれなりに供給されてきた人たちをどうやって守っていくか?ということは、もちろん残る。
でも、それ以外にはほとんど困ることはない。
電気代も安くなる。

でも、野田総理もですね、
『脱原発と推進という二つの対立でとらえるのは不毛です』
というふうに言っていて、何か第三の道があるかのようなイメージに聞こえる。
それは、無いのか?無理なのか?
(小出氏)皆さんどう思うんでしょう?
1回事故を起こしたら、日本がつぶれてしまうような被害が、今目の前で進行している。それなのに、まだ原子力っていうのは必要なんでしょうか?
他の発電方法もあるのです。実際に。

でも、どうして、その小出先生のおっしゃるデータもあるし、今すぐ原発無くなっても大丈夫だとおっしゃることが、政治家の口から出てこない?
(小出氏)今度また議論させてください。
私は政治家の方と福島の収束に関しても、何度かこの番組で議論させてもらったが、私の言っていることに「うんうん」と言ってくださったが、何一つ実現していない。

そうですね。確かにね。
何度も場は私たちも持つように番組演出をみんなで考えたが、何か全くやってないですね。はい。
どうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

失礼します。
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