※この記事は、
9月19日 さようなら原発5万人アクション(実際は6万人!?)の様子【改めまして、署名をお願いします。】
9月18日 野田首相の国連総会での演説案:「安全で信頼性の高い原子力の確保は引き続き必要だ」
9月18日 日本原子力学会:原発の津波リスク評価・手順書の原案を作成【津波対策だけ?】に関連しています。

少し遅くなりましたが、たねまきジャーナルを聞くことができました。
なんでしょうね。
政府がそういう態度なら、やっぱり、さようなら原発1000万人署名、やってやりましょうよ!
っという気分です。

どうぞ。

20110919 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章



【以下、時間のない方のために、内容を起こしています。ご参考まで】


まず今ニュースでお伝えしたこの「冷温停止宣言」。これを年内に冷温停止が達成できると明日政府は宣言するようだが、これ、その文字通り聞いたら、まことに結構なことかと思うんですが、どういうことなんですか?「冷温停止できて、それでよかった」というふうに思えばいいんですか?
(小出氏)先ほど千葉さんがちゃんと語ってくださったが、冷温停止というのは、いわゆる原子力の場にいる人間の専門用語ですけれども、原子炉が正常に運転していた状態で、制御棒を入れて原子炉の核分裂反応を止める。そして、徐々に冷やしていって100度以下にするという状態を、私たちは「冷温停止」と呼んできた。
しかし、今の場合には、原子炉の炉心自身がメルトダウンをしてしまっている、圧力容器という鋼鉄の入れ物自身の底が抜けてしまっているというふうに、東電も政府も認めているわけだから、冷温停止なんていうテクニカルタームは、もうそもそも意味がありません。

意味がないんですか?「冷温停止」ということ自体は、もうありえないということですか?
(小出氏)はい。私たちが普段使ってきた「冷温停止」という言葉は、もうそんなものは使えるような状態では全くなくなっている。

穴が開いているんですもんね。
(小出氏)そうです。

本来だったら、核燃料が器の中にある状態で冷やして冷えたことを冷温停止というのに、その器の中に核燃料は無いんですよね?
(小出氏)無いんです。そうです。

それを冷温言われたって、意味がないということですか?
(小出氏)はい。私はそう思いますし、そうでないという専門家がいるなら、その方のご意見を聞いてみたいと思います。

<そういう学者さんは>お電話ください。たねまきジャーナルに。
そういうことなんや。
そういうふうに、先生なんていうのか、器にね、本来ものすごく燃え盛っている核燃料がないということはですよ、それはそのうち温度は下がるんじゃないんですか?
(小出氏)当然下がるんですね。ですから、圧力容器の中にもう燃料無いわけですから、100度以下に下がらなければ、むしろおかしい。

(近藤氏)先生、しかしまだ注水というのはどんどん続けなければいけないんですよね?
(小出氏)えーっとですね、少なくとも2号機と3号機に関しては、いったい炉心がどうなっているのか、そのことが確定的にわからない。1号機に関しては、5月の半ばに原子炉建屋の中に作業員の方が入って、原子炉水位計というのを調整した結果、すでに炉心に水がないということがわかったわけですけれども、2号機と3号機は未だに原子炉建屋の中に人が入ることすらができない。水位計の調整もできないし、原子炉の中にどこまで水があるかも未だにわからないという、そういう状態。
ですから、もし、炉心というものがまだ少なくとも形を保っているというのであれば、水を入れ続けてなんとか持ちこたえるしかないわけだし、そのために東電も必死でずっと水を入れている、作業員の方々が被曝をしながら、なんとか持ちこたえようとしている、そういう状況が続いているわけです。
(近藤氏)水を入れるとしかし、汚染水はまだずっと処理をしていかなければならないですよね?
(小出氏)はい。汚染水の処理というのは、実は処理をするということは大したことでは、意味のあることではなくて、汚染水が環境に漏れないようにしなければいけないということが、本当は大切なんです。
そのためには、原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ・ピット・立坑というコンクリートの構造物の中に、今汚染水がたまっているわけですが、それが今どんどん、今現在も地下に漏れていってるはずだと私は思う。
それを漏れないところに組み上げなければいけないが、そんな作業を全くしないまま、何か「浄化装置が動いたからいいんだ」というようなことを言っているわけですね。本当に、大切なことは何なのかを、皆さん間違えていると私は思う。

コンクリートの中に、もう何ていうんですか、埋まりこんだ、漏れ出しているその核燃料をとにかく取り上げなきゃいけないですね?
(小出氏)えーと、核燃料を取り上げるということは、まずはできない。

できないんですか?それはずーっと、地下に浸みていくばかりなんですか?
(小出氏)これから1年、あるいは2年、そういう単位で核燃料に手を触れることはできない。だから、それが地下に沈み込んでいっているんだとすれば、それが地下水に接触して汚染を広げることを防ぐことが、多分せめてできること。
ただし、もう既に汚染水があふれているわけだから、それが外に出ないように、早急に汚染水を組み上げる。
私はたねまきジャーナル、この番組で3月から言ってきたが、タンカーならタンカーのような漏れない構造物に、早く移してほしいと私は願っています。

リスナーからお葉書をいただいていて、
『政治家が先生とちゃんと番組の中で約束した、あの大型タンカーの話はどうなってるんですか?先生が政治不信だと、政治は嫌いだと言われた気持ちがよく判ります。』
と、このような意見を複数いただいております。
それから、政治という話で言うと、野田さんが総理になられて、明日からNYに行かれるんだそうです。そして国連総会で演説をされる予定なんですが、その内容は、
「原発の安全性を最高水準に高める」と・・・。
(小出氏)<苦笑>

どうですか?
(小出氏)今までも日本の原子力は世界最高だと言っていたんです。日本の人たちは。
それがこういう事故を起こしたわけで、それを最高水準に高めると今更言って、皆さん納得できるんですかね?

そして、「安全でより安全性の高い原子力エネルギーの確保は引き続き必要だ。当面この原発は維持」という内容を演説なさるんだろうと、今言われている。
これについて、いかがか?
(小出氏)はい。政治がますます嫌いになりそうです。

うーん。
あの、野田総理になられてから、いろんな動きって実は出ておりまして、今までとまた違う動きが出ているような気がするんです。
ここのところ、「津波の高さの読みが甘かった、だからこれほどまでの深刻な事故に至ったんだ」という発表が相次いでいる。
これ、どうなんでしょう?
津波対策を十分にすれば大丈夫だという話になっているのか?という気がするんですね。
一つには、原子力学会ですね。これ、原子力の専門の方たちの学会が、こういうこと言っています。
「原発が津波に襲われたとき、重大な事故が起きるリスクを確率で表すためにどうするかという計算の手順の案をまとめた」
っていうんですね。
原子力学会を脱退なさった小出さんは、どうお感じか?
(小出氏)本当に困った人たちですね。

どういうことでしょう?
(小出氏)原子炉が事故を起こすということは、津波という原因もあるし、地震ももちろんあるし、そういう外部の事象ではなくて、原子力発電のプラントがそのもので持っている内部の事象ということで、事故が起きるということももちろんあるわけです。
今回は、たまたま津波ということが大きな要因になったわけだが、それにすべての原因を押し付けて、
「それを回避できるようにすれば原子炉は安全なんだ」
と言いたがっているようだが、そうではない。
機械というのは、本当にいろんなところで不具合が出るもの。
その問題がどうやって解決できるか?っということは、ずっと原子炉の安全問題として、重要問題になってきた。
私もそのこと、機械としての安全性、危険性が問題だということで、議論をしてきたわけだが、今それを全部飛ばしてしまって、「津波だ」というところに議論を持っていこうとしているんですね。
「何でここまできて、なぜ懲りないのかな?」と私は思う。

はい。
えー、皆さんが小出さんの御本の『知りたくないけれど知っておかなければならない原発の真実』について、いろんな感想を寄せてくださっている。
皆さん、それぞれのいろんなご意見あるんですが、ラジオネーム、この方は絵本講師さんという方ですが、この方は、
『小出さんの話をとても胸にせまる思いで聞いています。政府や東電の発表、真実が語られない中で、小出さんのように戦う人が居るんですね。私にできることは何かを考え続けていきます。』
というふうにおっしゃっていて、今日も先ほどお伝えしたが、脱原発を望む集会に主催者発表で6万人集まったという話も出た。
いろいろと行動する、「自分には何ができるだろう?」というテーマで行動する方が増えているのかな?と思うが、今の動きをどんなふうに小出さんは見てらっしゃいますか?
(小出氏)はい。嬉しいです。

それは何か変化が起こっていると小出さん自身が感じてらっしゃるわけですか?
(小出氏)はい。私は、単なる原子力の一塊の専門家にすぎません。私のできることは、もちろん私はやりますけれども、でも本当に知れてることしかできません。
今のラジオネーム絵本講師さんでしょうか。多分絵本を作られる方でしょうけど、私は絵本を作るなんていう力はもちろんありませんので、その方は、絵本を作ってくだされば私は嬉しいし、今日6万人集まった方々、一人一人がそれぞれの個性をもってできることをいうのは、たくさんあるはずだと思います。
私は、絵を描くこともできないし、歌を歌うこともできないし、曲を作ることもできないし、山ほどできないことが私にはあるわけで、それぞれの方々が、みんなそれぞれでできることがあるはずですから、それを以てそれぞれの方がやってくださるようになれば、きっと原子力は無くなると私は思います。

はい。どうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

失礼します。
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