※この記事は、
9月14日 【追記あり】農水省:表土削り取りが有効、ひまわりの効果は小さく・・・反転に一定の効果あり!!??
9月13日 福島県川内村:準備区域解除の方針を受け、来年2月に帰還方針【子供は・・・】に関連しています。

今日もたねまきジャーナルを聞くことができました。
辛い現実ですよ・・・。

どうぞ。

20110915 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章



【以下、時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

今日は毎日新聞論説員の近藤しんじさんと一緒にお話を伺います。
では、今日はまずリスナーからの質問でお伺いします。

京都府の方から質問。
「先生のラジオや福島原発の事故後の報道などで、この半年、原子力発電やそれに伴う放射性生成物をそれなりには理解できるようになりました。理解できるほどに不思議なのですが、放射性生成物の中には、さまざまな核種が存在しているはずなのに、問題になるのはいつもセシウム134、137、ヨウ素131、時々メディアによってストロンチウム90だけです。ほかの放射性生成物はなぜ問題にされないんでしょうか?この疑問がどうしてもわかりません。子供をかかえる身としては、いろいろなことを勉強して自己防衛するしかないと思っているのですが。」
という質問ですが?
(小出氏)はい。ウランが核分裂反応を起こすと、およそ200種類くらいの核分裂生成物という放射性核種が生まれます。
そのうち、リスナーのご指摘くださったように、今問題になっているのは、セシウム134と137、そして事故の当初はヨウ素という放射能が問題になっていました。
なぜそれらの放射性核種だけが、ことさら問題にされるか?というと、原子炉の事故の時、環境にとても逃げてきやすい、そういう性質を持っているからです。
セシウムやヨウ素よりもっと逃げてきやすい放射性物質も実はあって、それは希ガスと呼ばれている一群の放射性核種です。
キセノンとか、クリプトンとかいうような希ガスを私たちが呼んでいる、一群の放射性核種があるのですが、それが完全にガス体であるために、原子炉の中に入っていたもののほとんど全量が、事故の時に環境に出てきてしまっている。
だから、事故の当初は、希ガスが問題になった時期もあったはずなんですが、希ガスというのは、完全なガス体で、仮に人間が呼吸で吸い込んでも、体の中にはたまらないで、すぐにまた出ていってしまう、風に乗って流れてきても、地面に沈着することもない性質を持っているので、事故の本当の当初にだけしか問題にならないし、危険性があまり大きなものでもありません。そういうことがあって、事故の当初に問題になるのは、希ガスを除けばヨウ素であるし、その後長期間にわたって汚染を広げて、食べ物などを通して被曝をさせるのは、セシウムが一番重要になるということです。

じゃあ、割と広い範囲に広まってしまっていって、これから人体に影響があると思われるものが、今出てきているこのセシウムということになるわけですね。
(小出氏)そうです。ほかにストロンチウムという放射性物質もありますし、プルトニウムという放射性物質もありますけど、環境に出てきた量で言えば、圧倒的にセシウムが多いので、基本的に皆さんはセシウムという放射性物質に注意を払ってほしいと思います。

このセシウムをはじめとする放射性物質なんですけど、今放射線としては、ガンマ線が強い放射線として問題になっているというふうに、よく聞くんですけども、もっと弱いベータ線とか、それからアルファ線とかそういったものというのも、これから問題になっていく可能性はあるんですよね。
(小出氏)セシウムという放射性核種、134も137もそうですが、もともとベータ線を出します。その上で、ガンマ線も出すのです。
それで、アルファ線とかベータ線というものは、ちょっとしたアルファ線の場合は、紙があればそれを突き抜けることはできません。ベータ線もちょっとした、そうですね、ノートでもいいし、机でもいいし、何かがあるとそれを突き抜けてくるということはありませんので、外部から被曝という意味で考えるなら、ガンマ線だけが問題です。
ただし、ベータ線を出す、あるいはアルファ線を出す放射性物質は、体のなかに取り込んでしまうと、その放射線が体の中に全部エネルギーを落とすので、むしろ危険が大きいということになりますので、注意の仕方が違います。

なるほど。
それでは、今日のニュースに関する質問。
放射性物質を除染する対象になる可能性のある地域、つまり、毎時1マイクロシーベルト以上の放射線が観測されている地域が、福島県全体の7分の1にあたる、およそ2000平方キロに及ぶことが、専門家の試算でわかったというニュースが新聞などで伝えられていますが、この面積について、小出先生はどう受け止められましたか?
(小出氏)それは、あまりにも高すぎます。毎時1マイクロシーベルトを許してしまうとですね、1年間に8ミリシーベルト、或いは9ミリシーベルトになってしまいます。
それは、いわゆる一般の人々に対する国が定めた線量限度のほぼ一桁も高いようなものになってしまいますので、どうしてそんな基準でいいのか、まずそれを問わなければいけません。

あの、それくらい高い地域を考えてもですね、その区域全体の土のセシウムをほぼ除去できると言われる深さ5㎝まで剥ぎ取ったとしたとして、その体積は東京ドーム80杯分のおよそ1億立方メートルになるとのことなんですけれども、もし、これだけ大量の土を例えば剥ぎ取ったとして、処分する施設を建設するという話は、現実性があるんでしょうかね?
(小出氏)私は無いと思います。

専門家は、中間貯蔵施設というものを作るとして、その施設については、コンクリート製容器の汚染された土を入れて、浅い土の中に埋める方式などがあるとしているんですけれども、これ、また放射性廃棄物をこんなやり方で貯蔵した例というのは、あるんでしょうか?
(小出氏)いろいろなことを考えてきて、コンクリート製の容器、そうですね、プールのようなものに入れてしまうという案ももちろんありましたし、今回の場合には、そういうことも取らざるを得なくなるかもしれないと思います。

(近藤氏)先生、中間貯蔵施設そのものなんですけれども、政府はこれはあくまで福島県内に、あくまで中間で作った後に、県外へ最終処分という言い方をしているんですけれども、現実には、また沖縄の普天間を連想してしまうんですけれども、そのあたり、政府の説明というか、地元の人に与える心理的なもの、先生はどう見てらっしゃいますか?
(小出氏)近藤さんが今おっしゃったとおりだと、私も思います。
仮に、中間貯蔵施設というようなものを福島県内に作ってしまえば、二度とそこから動かないと覚悟する以外にありません。

あの、まあそういったところからですね、環境省などは、除染の範囲を減らして、人家に近いところや農地に絞り込んで、森林の部分は除染しないということを、考えたりして、出てくる土の量を減らしたりしたいと思っているようなんですが、こうなると広大な立ち入り禁止の部分の中に、除染して入ることが出来る部分が、砂漠のオアシスのように点在するというようなことがイメージされるんですが、それで実際問題、生活できるんでしょうか?
(小出氏)大変難しいだろうと私は思います。
生きていくためには、様々な施設が要るわけですし、お店も必要だし、医療機関も必要だろうし、上水も供給されなければいけない、下水の処理もできなければいけない。そういうことを考えると、はぁー、なかなか砂漠の中のオアシスという形では、生活自身が成り立たないでしょうから、やはりある汚染範囲は、そこのところは当面諦めるということになるだろうと、私は思います。

そんな状況の中、地元は早く帰りたいという意思を示しているのか、福島県川内村の村長さんが、『来年3月までにすべての村民を村に帰すことを目指す』という帰還宣言というものを年内にも行うというニュースが伝わってきているんですが、警戒区域を除いて、村内を除染して、村内の被曝線量を年間1ミリシーベルト以下として、安全が確認されたら、村長が帰還宣言をするということなんですが、除染の現実を考えると、このスケジュールは成立するんでしょうか?
(小出氏)大変言いにくいですけれども、できないと思います。

やはりその短期間で、そういった形のことをするということは難しいということですね。
(小出氏)はい。先ほど聞いていただいたように、全部を除染するということは、まずできませんし、砂漠の中のオアシスを取り残すような形での帰還というのは、多分インフラが整わないという意味で、できないだろうと私は思います。
皆さんお帰りになりたいというお気持ちは、痛いほどわかりますけれども、難しいだろうと私は思いますし、むしろ国のほうで、積極的に別の土地で生きられるような施策を次々と作っていくということをやったほうがいいだろうと私は思います。

一つ、除染の有効な手立てと思われていたひまわりについては、残念ながらほとんど効果はなかったということが、今日報道されていますけれども。
(小出氏)はい。それは初めから私は番組でも申し上げたと思いますが、まずはほとんど効果がありません。

やはり土を剥がしていくということが一番効果があると、日頃から先生がおっしゃっていることでなければ、難しいようですね。
(小出氏)そうです。

はい。わかりました。ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

【参考記事】
除染土壌、1億立方メートルに 福島県面積の7分の1
2011/09/15 13:07   【共同通信】
 東京電力福島第1原発事故に伴って放出された放射性物質が、除染が必要なレベルまで蓄積した地域は、福島県の面積の7分の1に相当する約2千平方キロを超える可能性があることが、東京大の森口祐一教授(環境システム工学)の試算で15日分かった。除染のため土壌の表層をすべて除去すると、単純計算で体積は1億立方メートルになる
 ただ対象地域の7割が森林のため、実際は代わりに葉や枝の除去が必要な地域が多いとみられる。森口教授は「すべての土壌を除去するのは現実的ではない。森林や農地、市街地など用途に応じた除染方法の検討が必要だ」としている。
http://www.47news.jp/CN/201109/CN2011091501000441.html

失礼します。
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